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2026年6月29日月曜日

川崎重工がエアバスとASW無人機開発で提携を発表―双発ユーロドローンを原型とし、P-1との連携・補完をめざす

 

海上を飛行する「ユーロドローン」のコンセプト画像。(画像提供:エアバス)


エアバスと川崎重工がASW用「ユーロドローン」開発で提携

Airbus and Kawasaki Team Up for Anti-Submarine Warfare Eurodrone Variant


  • The Aviationist

  • 公開日時:2026年6月26日 午後5時29分 CES

  • Kai Greet

https://theaviationist.com/2026/06/26/airbus-kawasaki-asw-eurodrone/



アバスと川崎重工業は、対潜戦(ASW)および海上哨戒任務に特化した「ユーロドローン」開発構想で協力する覚書に署名した。

  1. 両社は長距離対潜戦やその他の海上任務に必要なセンサーおよびペイロードパッケージの検討を含め、既存のU950ユーロドローン設計で必要な改良点の決定に着手する。日本の防衛ニーズに合わせて概念的に調整されたこの機体について、日本は現時点で正式発注していないが、広範なユーロドローン・プログラムで公式パートナーとしての地位を2023年11月以来維持している。

  2. ユーロドローンは、米国製のMQ-9 リーパーと同様の役割を果たす、双発の中高度・長航続型(MALE)無人航空機(UAV)である。リーパーと比較して、ユーロドローンは全長と翼幅の両方で5~6メートル大きく、最大離陸重量はMQ-9の2倍以上となる。ユーロドローンの初飛行は2029年に予定されている。

  3. ドイツが21機を発注し主要顧客となっており、次いでイタリアが15機、フランスとスペインが各12機を発注している。この4カ国は、主契約者であるエアバスおよび製造メーカーのレオナルドとダッソーを通じて、同機の開発に協力している。フランスは、同計画に対する批判や資金計画の変更があったにもかかわらず、依然として同機種の調達を進める意向であることを確認している。

  4. 最大40時間の航続時間を想定しているユーロドローンは、有人プラットフォームを補完し、海上での長時間任務において、持続的な対潜戦(ASW)および情報・監視・偵察(ISR)能力を提供するのに最適となる。

  5. 広大な太平洋に面し、拡大を続ける中国の潜水艦部隊に近接している日本は、重要な焦点となっている。日本はすでに川崎P-1およびロッキードP-3オライオン海上哨戒機を運用しており、長距離ISR用にRQ-4Bグローバルホークの運用を開始しつつある。

  6. グローバルホークは海上哨戒能力の一端を担うには十分な能力を備えているものの、対潜戦(ASW)能力や武器搭載能力は一切備えていない。一方、構想されているユーロドローンの海上型は、MQ-9の最近の改良型と同様に、ソノブイや魚雷を活用できるよう計画されている。

  7. 注目すべきは、川崎重工業のプレスリリースにおいて、この覚書(MoU)には、ユーロドローンとP-1海上哨戒機を運用面でどう連携させるかについての検討も含まれると述べられており、有人・無人チームング(MUM-T)能力を示唆している点である。

  8. ユーロドローンの双発構成は、都市上空での安全性を確保するためにドイツが定めた要件であるが、機体の重量と複雑さを増すと批判されてきた。しかし、この用途においては、MQ-9のようなプラットフォームに比べて信頼性が高まることは、大きな利点となる可能性がある。

  9. ドローンは「消耗品」と見なされるが、追加のISR装備や兵装を搭載している場合、その損失によるコストは、依然として部隊の総合的な能力に打撃を与えかねない。これは、喪失機を適時に補充できない場合に特に当てはまる。米空軍は、「オペレーション・エピック・フューリー」において全機体の約20%を失った後、この事実を痛感した。MQ-9は、現代の高強度紛争において脆弱すぎるとしばしば批判されるものの、米国の戦争遂行において「最も価値のある戦力」と評されてきた。

  10. 対潜戦(ASW)の複雑さゆえに、有人機が今後長年にわたり主要な構成要素であり続けることはほぼ確実だが、対潜任務を支援する無人機を活用できれば、各対潜機の作業負荷を軽減し、潜水艦の監視範囲を拡大することができる。水上および水中でも同様の進化が進んでおり、高価な潜水艦や対潜フリゲート艦は、今や、様々な自動化・遠隔操作能力を網羅するより広範な戦力の先端に過ぎないと見なされつつある。■


カイ・グリート

カイは、英国コーンウォールを拠点とする航空愛好家で、フリーランスの写真家兼ライターである。ファルマス大学で報道・編集写真学の学士号(優等)を取得しています。その写真作品は、国内外で認知された数多くの組織やニュース媒体で取り上げられており、2022年にはコーンウォールの歴史に焦点を当てた書籍を自費出版しました。航空のあらゆる側面に加え、軍事作戦・歴史、国際関係、政治、諜報、宇宙分野にも情熱を注いでいます。


2026年6月27日土曜日

エアバスCEOへのインタビュー骨子。次期戦闘機開発は欧州内では各国主張が対立しがちで難航すると悲観視している。A400Mは受注増を見込んでいない。宇宙打ち上げ機は欧州製を優先採用すべきだ

 

Airbus(エアバス)のギヨーム・フォーリCEOへAviation Weekがインタビューしました。以下その要約です(ターミナル1・2共通記事)

1. 民間航空機部門(次世代単通路機「eAction」)

  • タイムラインと開発状況: 現行のA320の後継機(eAction)は、2030年のプログラム立ち上げ、2030年代後半の就航を目指して計画通り進行中だ。現在はパートナー企業と翼や推進システムなどの技術検証・シミュレーションを行う研究・技術開発(R&T)の段階である。

  • 先行優位性とサプライチェーン: 競合のボーイングが開発タイムラインを遅らせる意向であるのに対し、エアバスは市場をリードしている今こそ投資すべきだと判断し、先んじて動く方針。最初に動くことでサプライチェーンを自社に引き寄せ、主導権を握る。

  • 増産の戦略: A320で膨大な受注残があるため、eAction導入後も新旧2つのモデルは並行生産される。初期の不具合によるレトロフィット(改修)リスクを避けるため、生産ラインの立ち上げスピードについては慎重に検討中。生産拠点はトゥールーズやハンブルクに限定せず、米国や中国など海外拠点の活用や、新システムの導入を視野に入れている。

  • エンジン選定のトレードオフ: 理想は顧客に2つのエンジン選択肢を提供することだが、性能や競争力を損なう場合は単一(1社)のエンジンサプライヤーに絞るリスクも受け入れる。2社提供はリスク分散になる一方で、サプライチェーンの複雑化や構成の増加というデメリットもあるため、ビジネスと技術の両面から判断する。

2. サプライチェーンと市場動向

  • サプライチェーンの課題と構造改革: コロナ禍を経て期待した業界の統合(集約)が進まなかったため、エアバスはリスク分散のために複数ソース(二重・三重化)の確保に動いており、結果としてサプライチェーンがさらに断片化している。今後は地政学リスクやサイバーセキュリティ対策を考慮し、単一障害点(Single Point of Failure)の排除と多様化を徹底する。また、重要システムにおいて自社保有の知的財産(IP)や制御を強める「部分的な垂直統合」も検討中。

  • 派生機種の検討(A220-500 / A350のストレッチ型): A220の胴体延長型(-500)やA350のストレッチ型に対する市場の需要は理解しているが、現在は既存契約の履行とA350の生産レート向上(短期間で月産12機への移行)という産業的課題が最優先だ。リソースが整うまでは新プラットフォームの立ち上げを急がない。

  • 競合(エンブラエル)の参入について: エンブラエルが単通路機市場へ参入を検討していることに対し、ボーイング、エアバス、COMAC(中国商飛)がひしめく市場への参入は大きなリスクであり、自分なら二の足を踏む。

3. ヘリコプター・防衛・宇宙部門

  • ヘリコプター部門: H145やH160など強力なラインナップが揃っており、現在はH145などの生産立ち上げが課題。今後は新規プラットフォームの開発よりも、既存機の軍事化や派生型、ドローンの開発にR&Dリソースを集中させる。

  • 宇宙・衛星ビジネス(規模の経済の追求): 宇宙分野では米国(スペースXなど)が巨額資金を投じており、欧州は競争力を失いつつある。規模の経済を取り戻すため、レオナルドやタレスとの衛星事業の統合を模索している。また、欧州の産業を強めるため「欧州は欧州製ランチャー(ロケット)に資金を投じるべきだ」と主張。

  • 戦闘機ビジネス(FCAS/将来航空戦闘システム): 欧州における次世代(第6世代)戦闘機開発の必要性は高いが、各国が国家主権や固有のニーズに固執するため、欧州内での協調や統合(スケール化)は非常に困難で、今後の見通しについては楽観視していない。ただし、エアバスを中心とする企業グループは開発の準備が整っている。

  • 輸送機(A400M)およびドローン:

    • A400Mは生産レートの急激な引き上げよりも、まずは現行レートでの安定化と長期的な見通しの確保を優先したい。

    • ドローン市場は現在、かつてのeVTOL(電動垂直離着陸機)のように多数の企業が乱立して断片化しているが、今後淘汰と統合が進むだろう。エアバスは規模の優位性を活かし、競争力のあるラインナップを開発中だ。■


2018年3月8日木曜日

★A400Mに苦しむエアバスがついに年間生産数削減の調整策行使に追い込まれた

これ、事業としては破綻している気がするのですが誇り高いヨーロッパの皆さんは事実を認められないようですね。2030年代にやっと全機そろったところで初期機体はすでに耐用年数が残り少なくなったり、性能が時代遅れになったりして運用が大変そうですね。何でもかんでもヨーロッパで、という思想がこの結果です。民生部門でも失敗が隠せなくなるのではないでしょうか。そこで単純にC-2の商機が増えると思えませんがチャンスは広がりそうですね。



Airbus to slash A400M assembly rate エアバスがA400M生産数を削減

Asset Image
Airbus Defence & Space
07 MARCH, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: CRAIG HOYLE
LONDON


エアバスはA400M戦術輸送機の最終組み立て機数を大幅削減し、2017年の年間19機が2020年にわずか8機になる。
「生産調整で2020年から年間8機体制に移行します。2018年は15機、2019年は11機とします」と同社は発表。「この生産調整はローンチカスタマー各国との協議に基づくもの」とし、防衛宇宙事業部が「別途輸出営業を続ける」としている。
エアバスはヨーロッパ7か国のアトラス導入国と2月はじめに意向確認書を取り交わし、合計170機の受注分の見直しで合意できている。これをうけて同社は「巨額財務負担」の緩和を狙い、生産遅延と戦術性能の後付け搭載に対応する。
新生産計画は3月7日に発表され、エアバス・ディフェンス&スペースは受注174機のうち2019年に80機納入を達成し唯一の海外発注国マレーシア向け納入も含む。年間生産数を8機に減らし、受注残分の生産を12年間かけて完了する。そのため生産は2030年代初めまで続く。
A400Mでの生産変更の案内と並行してエアバス民生機部門はA380年間生産数も2020年から6機に減らすと発表した。二つの措置でフランス、ドイツ、スペイン、英国で計3,700名分の雇用が影響を受ける。

「エアバスとして最善の生産管理で製品完成が順調に進むよう努力していきます。「今回の生産調整の決定により顧客、サプライチェーン全体や当社従業員に今後の状況がわかりやすくなります」と同社は発表。■