2026年7月27日、イングランドの英国海軍ポーツマス基地を訪問した英国のアンディ・バーナム首相が、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(右)と歓迎式典で並んで歩いている。Simon Jones / POOL / AFP via Getty Images
英国はウクライナによるロシア攻撃をこう支援している
How the UK is helping Ukraine hit Russian targets
ウクライナの製造能力が支援国を上回るにつれ、同盟国によるウクライナ支援はミサイル本体から設計図へ移行している
Defense One
パトリック・タッカー
2026年7月29日
ウクライナが「ストーン・クローク」Stone Cloak と呼ばれる英国設計のレーダー妨害装置を製造を可能にする新たな技術共有協定により、ウクライナはロシアの標的へのドローン攻撃を加速できるようになるかもしれない。
ウクライナは今年に入り、長距離攻撃用ドローンに、タブレットPCほどの大きさの英国製デジタルジャマーを使用している。しかし、この協定により、同国は独自に量産できるようになり、ドローン部隊全体への展開をより迅速に進めることができるようになる。
土曜日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領がポーツマスの海軍基地で新首相と会談し、「ストーン・クローク」の存在を初めて公表した。この会談は、毎年恒例の合同演習「シー・ブリーズ」に合わせて行われたものである。ウクライナ国営通信社によると、今年の「シー・ブリーズ」演習で、ウクライナ、米国、英国の海軍部隊は、ロシア防空網への対抗策に「特別な注意」を払ったという。
「現時点では『ストーン・クローク』の全容は把握できていないが、このシステムがロシアの防空システムの一部に対する作戦効果を高める可能性が高いことは間違いない」と、米空軍退役将校のジェフリー・フィッシャーは本誌への電子メールで述べた。
ウクライナはドローン作戦の一環として、各種電子戦システムを使用しているが、英国含むパートナー国から提供されるシステムは、多くの場合、より大規模な研究予算で実現したものだ。また、運用者や開発者は、ウクライナの戦場よりも管理された環境下でテストすることもできる。さらに、ウクライナが参加を許可される限り、そうした場所特有の電子戦環境を再現することも可能だ。例えば、エストニアで行われた『ヘッジホッグ2025』演習では、ウクライナチームがNATOのドローン戦術概念に大きな欠陥を露呈させた。だからこそ、ウクライナと同盟国による共同演習から生まれる新技術は大きな意味を持つ。しかし、その技術に関連する知的財産の実際の共有は、より稀である。
アンディ・バーナム英国首相は月曜日、「ストーン・クローク」を「英国が独自に生み出した最高のイノベーションであり、ロシアによるウクライナ侵攻の最前線で実証済み」と評した。最前線はモスクワ方面へ後退しているが、その一因に英国が寄贈した「ストーム・シャドウ」ミサイルがある。ウクライナは2023年から、同ミサイルを用いて占領地域内の標的を攻撃し続けてきた。しかし、英国は実際の設計技術をウクライナに譲渡したことはなく、ミサイル本体のみを提供したに過ぎない。
今回の新たな発表は、わずか3年間で両国間の技術共有が急速に進化したかを示すと同時に、一部NATO加盟国と比較した際の、ウクライナの兵器開発・製造のスピードの高さも浮き彫りにしている。
英国は6年を費やして「ストーム・シャドウ」を開発・配備した。製造には欧州のサプライチェーンが活用された。フランスやイタリアのパートナーも関与していたため、技術移転は官僚的な手続きで困難を極めた。また、これらのミサイルは1発あたり平均200万ドルと、高額な「贈り物」であった。
こうした要因やその他の事情から、英国とウクライナは、要件を合理化・簡素化した新型長距離攻撃ドローンを共同開発する合意に至った。これが「ブレイクストップ(Breakstop)」と呼ばれる2024年のプロジェクトで、英国当局者によれば、今年後半には前線での使用に向けミサイルが供給される見込みだ。構想から完全配備まで24ヶ月未満というスケジュールは、「ストーム・シャドウ」よりはるかに迅速で、コストも大幅に抑えられた。一方、ウクライナも独自の長距離攻撃ミサイルである「フラミンゴ(Flamingo)」別名FP-5を発表した。これもロシアを攻撃する能力を持つが、コストは「ストーム・シャドウ」よりはるかに安い。
フィッシャーは、こうした技術革新のスピードの対比こそが、知的共有を基盤とするパートナーシップがウクライナと同様に英国にも大きな利益をもたらすと述べた。「ウクライナ戦争から得られる、重要ながらしばしば見過ごされがちな教訓の一つは、ウクライナが実現している極めて迅速な適応サイクルだ。場合によっては、戦場での教訓が10日足らずで新システムに反映されることもある。私が経験した7回の戦闘派遣で、これに匹敵するものは皆無だった。」■
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