2017年3月1日、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)のアトラスVロケットに搭載された国家偵察局(NRO)のペイロードが打ち上げられた。米空軍/イアン・ダドリー上級空軍兵
米軍は麻薬密輸用の滑走路や中国海軍艦隊の商業衛星画像を購入している
US military bought commercial satellite images of alleged narco airstrips, Chinese naval fleet
宇宙軍には民間情報活用の方法を改善できる余地があるとGAOが指摘
Defence One
シニア・レポーター
2026年8月27日 午後4時54分(米国東部時間)
政府監査院(GAO)によると、米軍は、中国の空母の位置や、麻薬密輸に利用されていたとされるエクアドル国内の滑走路を特定した衛星画像を購入していたことが明らかになった。しかし、こうした事例や過去の利用例があるにもかかわらず、宇宙軍は依然として民間情報活用を十分に推進していないと、GAOは指摘した。
「宇宙軍の当局者の中には、ライセンス費用、利用制限の認識、データへの長期的なアクセスに関する懸念など、商用宇宙データの購入および利用に関連して直面している課題についてGAOに語った者もいた」と報告書は述べている。「こうした課題により、潜在的な利用者が商用データの購入や利用に躊躇している。」
宇宙軍の「合同商業運用セル(JCO)」は、同軍が使用するデータの大半を購入する組織で、2023年から2025年にかけて、軍が非機密画像の取得に利用する電子商取引サイト「グローバル・データ・マーケットプレイス」を通じて、民間宇宙サービスに約7,700万ドルを支出している。報告書によると、JCOには米国政府による購入について協議するワーキンググループが存在するが、宇宙軍当局者はそこに含まれていない。これが、同プラットフォーム上での情報購入に関する躊躇や混乱を招いたとGAOは指摘した。
「ワーキンググループは毎月会合を開き、購入を調整している。GAOの監査報告書は、「宇宙軍の当局者が報告した課題の多くは、このワーキンググループでの議論によって解決できたはずだが、宇宙軍の当局者はワーキンググループに参加しておらず、ワーキンググループに関する情報も広く公開されていない」と指摘している。
GAOは、国家偵察局(NRO)の首席副局長を務めたトロイ・メインク空軍長官に対し、ワーキンググループに関する情報共有と認知度を高める勧告をした。国防総省は6月18日回答で監査機関の調査結果に同意した。
「作業部会に関する情報共有を強化すれば、宇宙軍やその他の当局者が議論に参加する機会が増え、認識されている問題に対処し、国家安全保障目的での民間宇宙データおよびサービスの活用を改善できる可能性がある」とGAOの報告書は述べている。
GAOによれば、宇宙軍は将来の戦闘で民間資産に依存する必要が生じるとある。敵対勢力の対宇宙能力が高まる中、国防総省は死角を埋め、自軍の宇宙資産に対するリスクを低減するために、民間の衛星画像を必要としている。
「戦略的競争相手による国防総省の宇宙資産への脅威は、その数と強度において著しく増大している」とGAO報告書は述べている。「国防総省は、これらの脅威を軽減し、能力を強化するために、データやサービスといった民間宇宙ソリューションの統合に取り組んでいる。」
GAOの契約・国家安全保障調達担当ディレクターであるジョン・ルドウィグソンは、木曜日午後の電話インタビューで、軍の極秘扱いの偵察衛星とこれらの商用システムを併用することにはメリットがあると述べた。
「すべての用途に商用データを使うわけではないが、一部の用途で活用できれば、高度なシステムにかかる負担を軽減できる」とルドウィグソン氏は語った。「また、高度なシステムを使用していることを明かすことなく、監視対象に『我々が注視している』というシグナルを送る機会も得られる。」
GAOによると、偵察衛星の建造・打ち上げを行う情報機関である国家偵察局(NRO)は、2022年に締結された40億ドル規模の「電気光学商用レイヤー(Electro-Optical Commercial Layer)」契約を通じて、Vantor、Planet Labs、BlackSkyの各社から商用電気光学画像を購入した。
2024年にNROが購入した画像からは、海南省の三亜海軍基地で「中国の空母やその他の艦船の位置が時間の経過とともに変化している様子」が確認され、「艦船の種類も特定」された。
同年、NROは「米国南方軍がエクアドル国内の秘密の滑走路候補を特定するの助けた」画像を購入した。米国政府がこの情報を共有した結果、エクアドル政府は「麻薬密売組織によって使用されていた可能性のある滑走路について、さらなる調査を行い、使用不能にした」とGAOは報告している。
これらの拠点を特定し、その位置情報をエクアドルと共有したことは、政府が非機密画像からどのような恩恵を受けられるかを示す一例だと、ルードウィグソンは述べた。また、これにより、軍にとって最も重要な偵察衛星の保護と、その活用の余地が広がる。
「高度なシステムから得られた情報を共有する場合、その画像自体が機密扱いとなります」とルードウィグソンは述べた。「したがって、エクアドル政府や他の政府との対話において、商業用画像を用いて『これを見てください。我々はこれをこう解釈しており、これが懸念事項です』と説明できれば、それは商業資産であり、我々の高度な資産に関する情報を一切明かすことにはならないのです。」■