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2017年11月6日月曜日

★中国空母への日本の対抗策は潜水艦だ



潜水艦を抑止力ととらえ、中国にはせいぜい高価な兵器を整備させ作戦上使えなくさせれば旧ソ連のように防衛力が破綻するかもしれませんね。要は日本が中国の上を行く戦略をとればいいのです。相手は数の威力や大きければいいと考えているきらいがありますからね。そうなると潜水艦の整備も重要ですが、それを支援する体制中心に海自が組織されていくかもしれません。沈黙の部隊の隊員の皆さんには頭が上がりませんね。


Here Is How Japan Plans on Killing China's Aircraft Carriers

日本は中国空母をこうして攻撃する

November 5, 2017


  1. 中国が空母を複数運用する日が近づく中、近隣国や米国は対応策を準備しているはずだ。特に中国の伝統ライバルと言ってよい日本で顕著だ。ただ日本には経済効果が高く有効な手段がすでにある。潜水艦部隊だ。
  2. 中国が旧ウクライナ空母を改修し遼寧として就役させたのは2012年のことだ。だが同艦の戦闘能力は限定的で建造中の国産空母の練習用に使っている可能性が高い。国産一番艦は今春進水ずみで、人民解放軍海軍(PLAN)での供用は2020年になりそうだ。国防分野に造詣が深い編集者デイヴィッド・マジュンダーは同艦は遼寧と比較しても大きく変わった点はないと述べている。とくにスキージャンプ式発艦方式が継承されているのが大きい。だが国産二番艦では技術が大幅に進歩し、蒸気カタパルトや最終的に電磁式カタパルトの搭載も予想される。マジュンダーは中国人軍事アナリスト発言を引用し「002号艦は遼寧(001)は001Aと全く異なり、米海軍空母に似た艦容になる」という。
  3. 中国空母は最終的に6隻になると見られ、兵力投射能力が大幅に伸びる。日本含む各国も対抗を迫られる。北京は敵空母打撃群への攻撃手段を開発中で対艦弾道ミサイルのDF-21D「空母キラー」には制御可能再突入体(MARV)があり発射後に飛翔経路を変更し空母の移動分を補正できる。
  4. 理論上では日本も対艦弾道ミサイル(ASBM)の開発能力があり、中国空母に対抗できる。(米国の場合はINF条約により陸上版の配備はできない)だがこれは誤った方法になる。中国がASBM開発に進むのは国内国防産業にミサイル技術の蓄積があるためだ。対照的に日本に攻撃手段の技術蓄積が少ないのは平和憲法のためだ。
  5. 日本の技術水準は高くその気になればミサイルを容易に開発できるはずだ。宇宙打ち上げの実績とミサイル防衛装備でも経験の蓄積がある。とはいえ今からASBM開発に向かっても一定の開発期間が必要でかつ非常に高価になる。中国のDF-21D開発支出は不明だが一番近い比較対象が米パーシングIIミサイルだ。MARV対応の弾道ミサイルのパーシングは冷戦末期に登場し、中国のDF-21D開発の契機となった。INF条約でパーシングは全廃されたが、政府会計検査院(GAO)の算定では247発製造で26億ドルだった。2017年ドル換算では58億ドルに相当する。
  6. ただしこれはミサイル本体価格で空母のような移動目標を攻撃するには「システムのシステム」あるいはキルチェーンとよばれる支援装備が必要だ。ロバート・ファーレイが指摘しているがDF-21Dは「通信装備で各種高性能センサーを統合して情報を発射部隊に伝える」必要があり、言い換えればASBMにはリアルタイム情報がないと移動目標に対応できない。ハリー・カジアニスは「水平線越えレーダー、衛星追跡能力、無人航空機で洋上目標への誘導が必要」と指摘する。日本が中国と同じ方法を採用すればすべての費用が上積みされる。
  7. さらに中国の空母キラーの実力は不明だ。判明している範囲では中国は移動目標に対し一回も試射していない。システムのシステムを整備してもDF-21Dは敵対抗策に脆弱であり、米国は同ミサイルを徹底的に排除する構想だという。仮に対抗策が全部失敗しても空母打撃群には相当のミサイル防衛手段があり最後の手段として有効性を証明するだろう。
  8. そこで日本は中国を模倣するのではなく日本独自の優位性を最大限活用する戦略を模索すればよい。競争戦略構想は実業界で生まれ冷戦末期にペンタゴンが採択した、比較優位性を把握したうえで敵の弱点を探し出す考えだ。中国の接近阻止領域拒否が例で中国の地理条件を活用しながらアクセスを求める米国を狙っている。
  9. 日本にミサイル開発の知見はないが、潜水艦で優秀性を示している。そうりゅう級潜水艦は疑いなく世界最高水準のディーゼル電気推進艦で、ここまで高性能でない潜水艦でさえ空母に脅威となる。ロシアの低性能潜水艦に言及し米関係者は「小型潜水艦一隻が主力艦へ脅威を及ぼす」と述べている。潜水艦は第二次大戦中に空母8隻を沈めている。
  10. 潜水艦は費用対効果も優れる。高価といわれるそうりゅう級でも単価5億ドルほどに過ぎない。パーシングII弾道ミサイルの予算で日本は潜水艦11隻を整備できる。さらに中国の弱点は対潜戦(ASW)能力だ。近年は強化の動きもあるが中心は沿海部での探知能力向上にあてており洋上での能力は依然低い。このため日本が中国の将来の空母群に対応するには潜水艦が、もっとも費用対効果が高いといえよう。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of The National Interest.
Image: The Kokuryu submarine of the Japanese Maritime Self-Defense Force (JMSDF) bursts to the surface during a fleet review at Sagami Bay, off Yokosuka, south of Tokyo October 15, 2015. REUTERS/Thomas Peter​


2017年7月26日水曜日

★もし戦わば(17)F-2対J-10


 


中国への抑止効果を発揮するため、防衛技術の革新進歩を続けていく必要があるのはもちろんですが、同時に漏えいも防がねばなりません。しかしなんといっても挑発に乗らず冷静に対応するため日常の訓練が欠かせません。中国は神経戦を意図しているはずです。こうした国防の最前線をほとんどの国民は知らないで暮らしています。学校開設問題の方が優先度が高いと判断する反対党の皆さんは事実は受け入れたくないのでしょうね

Could China's J-10 Fighter Kill the Best from Japan's Air Force? J-10は日本の最優秀機種を撃墜できるか


July 25, 2017

  1. 東シナ海を巡る対立から空の上でも日中両国に緊張が生まれている。中国戦闘機が尖閣諸島をパトロールする日本機を追い回し、日本から戦闘機がスクランブル出動することもある。
  2. 西太平洋上空での対立は人民解放軍空軍と航空自衛隊が主役だ。中国のSu-27とJ-11戦闘機は日本のF-15Jイーグルに相当する。
  3. これに対して大型機を支援する役割の中国の単発多用途戦闘機機材がJ-10「猛龍」で、中国初の近代的戦闘機として2005年から投入されている。改良型J-10Bも就役している。日本のF-2多用途戦闘機の就役開始は2000年だ。
  4. 三菱F-2戦闘機はFSX事業から生まれた日米共同開発の多用途戦闘機だ。原型はF-16で米議会は高度技術の日本移転に警戒的だった。
  5. J-10は成都航空機設計集団の作品とされるが、実はやはり米航空宇宙産業にルーツを有する。J-10は米イスラエル共同開発ラヴィ戦闘機に驚くほど外観が似ている。ラヴィもF-16を原型にしたが価格と政治的な理由から事業取りやめとなった。米海軍情報部は1987年に中国がラヴィを受領し、結果として米国製技術も入手したと指摘しており、Jane'sも同意している。
  6. F-2は三菱重工とロッキードの共同作業でF-16を拡大した。主翼面積は25%拡大し、GE製F110エンジン、日本製J/APG-1(世界初のアクティブ電子スキャンアレイレーダー)、三菱AAM-3・AAM-5赤外線誘導空対空ミサイル(AIM-9サイドワインダーと類似)を搭載する。F-2には侵攻部隊攻撃ミッションも想定しASM-2対艦ミサイル4発を搭載可能。M61 20mmガトリング銃も搭載する。
  7. にもかかわらずF-2は失敗作とされることが多い。機体単価は171百万ドルとF-16Cブロック50/52の4倍以上に膨らんだ。F-2がF-16より4倍以上有能というわけではない。F-2の唯一の意義は日本の航空宇宙産業に戦闘機の製造機会を提供したことだ。
  8. J-10はデルタ翼を採用し、ロシア製サツルン-リュルカ製AL-31アフターバーナー付きターボファンエンジンを搭載する。パルスドップラーレーダーの1473H型をつけ、兵装用ハードポイント11か所と燃料増槽をつける。空対空戦ではPL-9赤外線誘導式空対空ミサイルとPL-12レーダー誘導式ミサイルおよびロシア製GSh-23 23mm機関砲を搭載する。レーザーや衛星誘導式爆弾多数も運用する。
  9. ではどちらが勝つか。F-2の戦闘半径は520マイルでJ-10の340マイルに勝る。両機がそれぞれ基地から進出すると仮定すれば、F-2の燃料余裕がわずかだか上回り有利だ。J-10のレーダーが旧式のパルスドップラー方式なのに対しF-2はAESAレーダーなのでF-2が先にJ-10を探知するはずだ。両機の機体重量はほぼ同じだがF-2の推力重量比がわずかだが優る。
  10. 結局F-2が優位となる。
  11. 比較はまだ続く。両国はJ-10、F-2の性能改修を続けている。中国はJ-10B生産を開始した。B型ではエンジンがAL-31FNとなり推力と航続距離が改善された。さらにフェイズドアレイレーダーと赤外線捜索追尾(IRST)が近接空対空戦用に使える。
  12. F-2生産は終了しているので今後は既存機の性能改修が中心だ。F-2ではデータリンクと新型レーダーJ/APG-2にAAM-4B空対空ミサイルを組み合わせて運用する。AAM-4Bは今のところAESAレーダー搭載の世界唯一のみミサイルだ。発射後にロックできるためパイロットは発射後に回避行動をすぐにとれる。
  13. F-2は長距離飛行性能を活かし、AAM-4Bを視界外から発射して空域を離れることができる。データリンクによりF-2部隊は長距離発射を調整統合し最大の効果を上げることが可能。中国の新型フェイズドアレイレーダーも優秀だろうが、長年のレーダー技術蓄積から日本の優位性は確実だろう。J-10は交戦前に多数が撃墜されてしまう。
  14. 反面、接近戦では赤外線探知追尾でJ-10のに有利に働く。F-2にはIRSTは装備されていない。
  15. J-10、F-2それぞれに長所短所がある。長距離ではF-2がJ-10を餌食にする。短距離では形成逆転する。だが戦いはまず長距離で始まり、F-2の優位性が発揮され、視界外で決着がつくはずだ。そうなるとF-2が一歩抜きんでているようだ。■
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter:@KyleMizokami.
This appeared several years ago and is being reposted due to reader interest.
Image Credit: Reuters.