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2024年3月27日水曜日

日本が次期訓練機にT-7レッドホークを希望との報道記事が出ていることについて。岸田首相は4月に訪米。

このThe War Zone記事なんですが、元ネタの毎日新聞ウェブ版記事では「空自の次期練習機、初の日米共同開発へ ブルーインパルス「T4」後継」となっており、相当に話を広げた観測記事の観があります。あるいは記事が情報を操作されているのか。いずれにせよこの通りなら苦境にあるボーイング救済で日本のお金がねらわれていることになるでしょう。ただし、日本にはすでにT-7は初等練習機として存在していますので、呼び名に注意しないと混乱しそうですね。


USAF

USAF.


米国との協力関係を強化し、コストを削減するため、日本は次期練習機としてT-7を希望しているとの報道が入ってきた

日本からの最近の報道によると、日本は次世代ジェット練習機としてボーイング/サーブT-7Aレッドホーク、またはその派生機の取得を検討しているようだ。航空自衛隊(JASDF)は、現在の川崎重工製T-4の後継機として、アメリカ空軍と同じプラットフォームを望んでいるようだ。

毎日新聞によると、日米両政府はすでに「航空自衛隊のT-4後継訓練機を共同開発する調整」を行っているという。この一環として、岸田文雄首相が近々訪米し、関連協定に調印する予定だとある。岸田首相は4月10日にワシントンを公式訪問する。

日本とアメリカは、練習機で協力の実績はないが、その目的は、生産コストを削減すると同時に、すでに非常に緊密な軍事同盟国である両国間の協力を強化することである。

報告書は、航空自衛隊の新型練習機の共同開発を示唆しているが、機体の共通化を目指すということは、T-7またはその派生型が唯一の現実的な選択肢であることを示しているようだ。同機の開発はすでにかなり進んだ段階にある。

T-7プログラムは大幅に遅れているが、最初の量産前の技術・製造開発(EMD)用機材が昨年11月、開発飛行試験を開始するためカリフォーニア州エドワーズ空軍基地に到着した。米空軍は、老朽化したT-38タロンの後継機として、T-7を351機購入する予定である。ボーイングはまた、T-45Cゴーショークの後継機として、T-7派生型を米海軍に提案している。

T-7には以前から国際的な関心を読んでおり、特にオーストラリアからの関心が高かったが、プログラムの遅れにより、オーストラリア空軍はBAEホーク・ジェット練習機の代替計画を延期した。セルビアもレッドホークの潜在的な顧客として提案されており、いわゆるF-7と呼ばれる軽戦闘機の派生型になる可能性が高い。

ボーイング広報はこの記事内容について本誌に次のように答えた。「ボーイングは、日本の戦略的ニーズを支援してきた長い歴史があり、防衛上の要求が発展する中で日本政府と協力していくことを約束し続けています」。

航空自衛隊は、1985年にプロトタイプとして初飛行したT-4新型ジェット練習機を置き換える必要がある。同機は1988年に就役し、合計212機が製造され、そのうち180機以上が現在も使用されていると報告されているが、2019年に発覚したエンジン問題により、近年、機体の耐空性に問題が生じている。T-4は、訓練部隊や連絡・試験業務で使用されるだけでなく、航空自衛隊の曲技飛行デモンストレーションチーム「ブルーインパルス」の機体でもある。

T-4は高い亜音速性能を持ち、亜音速のロッキードT-33や富士T-1の後継機として、また以前は超音速の三菱T-2を使用していたシラバスの一部を受け持つため、中級練習機と分類されることもある。

T-4は老朽化が進んでおり、航空自衛隊の次世代戦闘機パイロットの訓練には適さないと考えられている。彼らの多くは、F-35ステルス戦闘機や、最終的にはGCAPプログラムの下でイギリスと日本が共同開発中の第6世代戦闘機に搭乗することになる。

現在、航空自衛隊は、高度な訓練や作戦訓練を行うために、三菱F-2およびF-15J戦闘機の2人乗りバージョンにも大きく依存している。T-7は、先進的なジェット練習機で安価な代替機として、戦術訓練の多くを「ダウンロード」できる代替機となるだろう。

T-7でアメリカと協力すれば、他の利点ももたらすかもしれない。すでに生産ラインを持っているプログラムを利用することで、コストを下げることができるだけでなく、スペアパーツの確実な供給とメンテナンス拠点へのアクセスを確保することができる。数年前に生産終了し、輸出されることもなかったT-4を支えるスペアパーツの供給は、必ずしも信頼できるものではない。

将来的な中国との対立への懸念が高まる中、日本は防衛装備品のサプライチェーンを強靭にしたいと考えるようになっており、昨年11月の日米経済政策協議委員会でもこれが明記されていた。

日本はまた、次期ジェット練習機に関する米国との協力関係の深化が、人工知能(AI)の領域を含む重要な新技術の開発に役立つと期待していると伝えられている。AIが航空機乗務員の訓練でますます重要な役割を果たす一方で、日本はこの技術を、GCAPとともに運用されると予想される将来の無人航空機の開発に役立てようとしているようだ。昨年12月、日米両国はドローンで使用するAIの共同研究を行う協定に調印した。

現段階では、日本がF-35のようにT-7を現地で組み立てるという兆候はない。その代わり、レッドホークの大量生産の効率と、それによってもたらされるはずのコスト削減を活用することを優先しているようだ。とはいえ、日本の産業界がT-7の生産に関わる可能性は十分にある。

T-7にとって、日本からの受注やプログラムへの幅広い関与は、特にこのプログラムの技術的な問題やその他の問題が知られるようになったことから、恩恵となる可能性がある。

米空軍の2025年予算案では、T-7の購入計画を7機に半減させ、2億3500万ドルのコストをかけるとしている。この決定は予算の制約によるところもあるが、開発の遅れが続く中、この機体に対する不確実性も指摘している。

アンドリュー・ハンター空軍次官補(取得・技術・兵站担当)は、2025年2月に予定されていたマイルストーンCの生産決定は、現在実現しない可能性があると述べた。以前は、2023年12月に低レートの初期生産が開始されることが期待されていた。

予算文書を見ると、2025年5月に開発試験と評価が完了し、2026年1月に初期運用試験と評価を開始、2026年4月に少量初期生産機材が納入されるとある。

米空軍は現在、T-7の初期運用能力(IOC)達成を2028年以前とは見込んでいない。これは従来の予測からさらにずれ込み、当初の予想より4年遅れることになる。

一方、ボーイングはT-7で13億ドルの損失を計上している。当初のT-Xコンペティションで入札額を下回る提示をし、さらに遅延の責任を追及されたためだ。

日本が同プログラムに参加すれば、大規模発注につながる可能性が高く、実現すれば同機に対する相当の信任投票になるだろう。


Japan Wants T-7 Red Hawk As Its Next Trainer: Report | The War Zone

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED MAR 26, 2024 12:58 PM EDT




 

2023年6月29日木曜日

T-7Aレッドホークが初飛行に(大幅に遅延しながら)成功。老朽化進むT-38ではここに来て大事故が連発しているので、米空軍は一日も早い実用化を期待しているのだが...

 The T-7A Red Hawk Jet Trainer Has Taken Its First Flight




ボーイングと空軍は、本日午後のツイートで、T-7Aの初飛行が行われたと認めた。計画は最終的にカリフォーニアのエドワーズ空軍基地に向かい、さらなるテストを行う。



米空軍製造番号21-7002のT-7A試作機は、タクシーテストに使用されたものと同じ機体で、本日未明、ミズーリ州セントルイスのセントルイス・ランバート国際空港から初飛行を行った。レッドホークは最終的に、運用と維持がますます難しくなってきたジェット練習機T-38タロンに取って代わる予定である。


A view of the T-7A prototype on the ground earlier today. <em>USAF</em><em>USAF</em>アメリカ空軍


ボーイングは昨日、T-7Aを初飛行させる2人のうちの1人として、ブライス・ターナー空軍大尉を取り上げたビデオを公開し、初飛行が間近に迫っていることを示唆していた。第416飛行テスト飛行隊に所属し、空軍パイロット3世で、アフリカ系アメリカ人のターナーは、映像の中で、「私にとっては他のテストとは違う」と語っている。レッドホークという名前とジェット機の現在の塗装は、第二次世界大戦で有名なタスキーギ・エアメンに直接由来するもので、米軍初のアフリカ系アメリカ人飛行隊に所属し、最終的にP-51マスタングに赤く塗られた尾翼を装備した。


マーク・トウェイン国有林上空を南下するジェット機のルートは、オンラインの飛行追跡サイトでも確認できた。


初飛行はT-7Aの開発プロセスにおける重要な前進であり、レッドホークの現在のスケジュールが遅れているのを考えると、この段階に到達したことは特に重要である。2018年、空軍はボーイングがスウェーデンの飛行機メーカーであるサーブと協力して製作した、現在T-7Aとして知られている機材をT-X訓練機コンペで採択した。2016年以来、ボーイングはこのプログラムをサポートするため飛行試験を行っているが、以下のビデオに見られるように、完全な生産反復ではないデモ機を使用している。


過去に空軍は、今年中に最初の5機のT-7A EMD試作機の引き渡しを開始し、来年には新型ジェット練習機の実戦配備を開始することを望んでいたと述べた。しかし、空軍は現在、EMD試作機の納入スケジュールを少なくとも2025年12月まで延期し、レッドホークが就役を開始するのは2027年以降になると予想している。


T-7AのACES 5型射出座席や緊急脱出システムに問題があることが、現在の最大の原因だ。特に小柄で体重の軽い女性パイロットなど、特定の体型のパイロットにとって、当初構成では安全性に重大な問題があり、大幅でコストのかかる再設計が必要と判断された。


米国議会の監視機関である政府説明責任局(GAO)は5月、レッドホークの飛行制御ソフトウェアが未熟なままであること、関連シミュレーターの開発が遅れていること、ジェット機の維持要件に関する情報が限られていることに注意を喚起する報告書を発表した。


ボーイングは過去に、高迎え角での翼の揺れ問題を、デジタル・エンジニアリング・プロセスの使用によって解決したと発表している。T-7Aは長い間、デジタル・エンジニアリングと設計ツールの利点の象徴として持ち上げられてきたが、こうした技術は多くの人が期待するほど革命的なものにはなりそうもないというコンセンサスが高まっている。


フランク・ケンドール空軍長官は5月、デジタル・エンジニアリングは誇張されすぎていると感じていると述べた。「デジタル・エンジニアリングは魔法ではない」と、デジタル・エンジニアリングの最大の支持者の一人であるウィル・ローパー元空軍次官補(取得・技術・兵站担当)は、今年初めに別のインタビューでThe War Zoneに語っている。


T-7Aで固定価格契約を結んでいるボーイング社は、遅延でこれまで11億ドルの損失を被っている。


T-7Aの遅れはすでに空軍の長年のパイロット不足を悪化させているようだが、空軍はこれを軽視している。否定できないのは、T-38と同様に老朽化したJ85エンジンが、予想以上に長く就役され続けるということだ。タロンでは近年、メンテナンス問題や、死亡事故を含む大事故が目立って増加している。


T-7Aの継続的な開発と、実際に就航する時期については、まだわからないことが多い。


東部標準時午後4時5分更新:

ボーイングは現在、T-7Aの初飛行に関するプレスリリースを発表している。同社は、空軍のブライス・ターナー少佐と同社のT-7チーフ・テストパイロット、スティーブ・シュミットが同機に搭乗していたと確認している。


ボーイングによれば、このフライトは「機体の重要な側面を検証し、デジタルで設計・製造・試験された空軍初の先進的訓練機のパワーと敏捷性を実証した」。これは「T-7Aプログラムの技術・製造開発(EMD)フェーズの開始」を意味する。


「機体の安定した性能と先進的なコックピットやシステムは、米空軍の学生パイロットや教官にとって画期的なものだ。我々は訓練において長い道のりを歩んできた。


ボーイングでT-7プログラム担当副社長兼プログラム・マネージャーのエブリン・ムーアもまた、「空軍とのこの初飛行は、戦闘機や爆撃機のパイロットに新しいレベルの安全性と訓練を提供する当社のコミットメントを表しています。


T-7Aレッドホーク・プログラム・マネージャー、カート・カッセル空軍大佐は付け加えた。「レッドホークのデジタル設計と高度な訓練能力は、次世代の戦闘機・爆撃機パイロットの訓練を飛躍的に向上させる。


ボーイングのプレスリリースではT-7Aプログラムのデジタル設計の側面もアピールしており、これにより「確固としたコンセプト」から実際の飛行試験まで36ヶ月で進めることができたと主張している。「モデルベースエンジニアリング、3D設計、高度な製造の組み合わせにより、初回品質が75%向上し、組み立て時間が80%短縮された」と同社は述べている。■


The T-7A Red Hawk Jet Trainer Has Taken Its First Flight | The Drive

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED JUN 28, 2023 3:47 PM EDT

THE WAR ZONE


2019年9月18日水曜日

T-Xは今日からT-7Aレッドホークになりました


Air Force announces newest Red Tail: ‘T-7A Red Hawk’
Secretary of the Air Force Public Affairs / Published September 16, 2019

NATIONAL HARBOR, Md. (AFNS) --
空軍の新型高等練習機T-Xに制式名称がついた。T-7Aレッドホークである。空軍長官代理マシュー・ドノバンが空軍協会主催の航空宇宙サイバー会議で916日発表した。
 壇上には「タスカギーエアメン」の一人チャールズ・マギー大佐が寄り添った。第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争を戦い抜き400個もの勲章を授与されたパイロットだ。
会場では同機の紹介ビデオの上映に続きドノバン長官代行は「みなさん、これが最新のレッドテイルです」と、T-7Aレッドホークの4分の一モデルを披露した。機体の尾翼は赤く塗装されていた。

 「レッドホークという名称はタスカギーエアメンとその代名詞赤く塗装した尾翼に敬意を払うものです」とドノバンは述べ、「同時にカーティスP-40ウォーホークにも敬意を示しています。同機は1938年に完成し、初のアフリカ系アメリカ人専用部隊として陸軍航空軍が編成した第99飛行隊の機材となりました
「タスカギーエアメンはその後リパブリックP-47サンダーボルト、ノースアメリカンP-51マスタングの尾翼をともに赤く塗装しました」
 T-7Aレッドホークはボーイング製で第5世代戦闘機パイロット養成に使い、高G機動飛行、情報センサー制御、高迎え角飛行、夜間運用ならびに空対空戦や対地攻撃の訓練に供される。

 「T-7Aは次世代機の基礎となる機材だ」とドノバンは述べ、「レッドホークにより次世代のパイロット養成に必要な高性能訓練が可能となる。データリンク、レーダーシミュレーション、スマート兵装、防御管理装備の他合成訓練の実行能力が手に入る」

高性能技術や性能とともにT-7Aには高性能シミュレーターもありシステムソフトウェアのアップデートはより早く、簡単に行える。機体設計はアクセスパネルが開き、整備要員の手が届きやすい構造となっている。

 T-7Aの特徴として尾翼を二枚持ち、主翼前縁部の基部は低速での取り回しを考慮し、第5世代機パイロット養成にはぴったりだ。エンジンは単発ながら現行のT-38Cタロンの双発エンジン合計より大きな出力を出す。     
T-38からF-35への距離は昼夜の違いほど大きい」と空軍参謀総長ディヴィッド・ゴールドフェイン大将は述べている。「しかしT-7Aの登場で距離は遥かに縮まる。ここが重要なポイントで同機で訓練を受けたパイロットは高性能機材に早く習熟できるからであり、脅威の進展に合わせパイロット養成も迅速に進める必要がある」
総額92億ドルの契約がボーイングに20189月に交付され、T-7Aを計351機、シミュレーター46基のほか関連地上装備を納入据え付ける内容だ。空軍教育訓練本部が共用中の機齢57年になるT-38Cタロンと交代する。
最初のT-7Aおよびシミュレーターがテキサスのサンアントニオ-ランドルフ共用基地に2023年に配備予定だ。その後養成過程の全基地がT-38Cから機種転換していく。基地にはコロンバス空軍基地(ミシシッピ)、ラフリンAFB,シェパードAFB(ともにテキサス)、ヴァンスAFB(オクラホマ)がある。■