このThe War Zone記事なんですが、元ネタの毎日新聞ウェブ版記事では「空自の次期練習機、初の日米共同開発へ ブルーインパルス「T4」後継」となっており、相当に話を広げた観測記事の観があります。あるいは記事が情報を操作されているのか。いずれにせよこの通りなら苦境にあるボーイング救済で日本のお金がねらわれていることになるでしょう。ただし、日本にはすでにT-7は初等練習機として存在していますので、呼び名に注意しないと混乱しそうですね。
USAF.
米国との協力関係を強化し、コストを削減するため、日本は次期練習機としてT-7を希望しているとの報道が入ってきた
日本からの最近の報道によると、日本は次世代ジェット練習機としてボーイング/サーブT-7Aレッドホーク、またはその派生機の取得を検討しているようだ。航空自衛隊(JASDF)は、現在の川崎重工製T-4の後継機として、アメリカ空軍と同じプラットフォームを望んでいるようだ。
毎日新聞によると、日米両政府はすでに「航空自衛隊のT-4後継訓練機を共同開発する調整」を行っているという。この一環として、岸田文雄首相が近々訪米し、関連協定に調印する予定だとある。岸田首相は4月10日にワシントンを公式訪問する。
日本とアメリカは、練習機で協力の実績はないが、その目的は、生産コストを削減すると同時に、すでに非常に緊密な軍事同盟国である両国間の協力を強化することである。
報告書は、航空自衛隊の新型練習機の共同開発を示唆しているが、機体の共通化を目指すということは、T-7またはその派生型が唯一の現実的な選択肢であることを示しているようだ。同機の開発はすでにかなり進んだ段階にある。
T-7プログラムは大幅に遅れているが、最初の量産前の技術・製造開発(EMD)用機材が昨年11月、開発飛行試験を開始するためカリフォーニア州エドワーズ空軍基地に到着した。米空軍は、老朽化したT-38タロンの後継機として、T-7を351機購入する予定である。ボーイングはまた、T-45Cゴーショークの後継機として、T-7派生型を米海軍に提案している。
T-7には以前から国際的な関心を読んでおり、特にオーストラリアからの関心が高かったが、プログラムの遅れにより、オーストラリア空軍はBAEホーク・ジェット練習機の代替計画を延期した。セルビアもレッドホークの潜在的な顧客として提案されており、いわゆるF-7と呼ばれる軽戦闘機の派生型になる可能性が高い。
ボーイング広報はこの記事内容について本誌に次のように答えた。「ボーイングは、日本の戦略的ニーズを支援してきた長い歴史があり、防衛上の要求が発展する中で日本政府と協力していくことを約束し続けています」。
航空自衛隊は、1985年にプロトタイプとして初飛行したT-4新型ジェット練習機を置き換える必要がある。同機は1988年に就役し、合計212機が製造され、そのうち180機以上が現在も使用されていると報告されているが、2019年に発覚したエンジン問題により、近年、機体の耐空性に問題が生じている。T-4は、訓練部隊や連絡・試験業務で使用されるだけでなく、航空自衛隊の曲技飛行デモンストレーションチーム「ブルーインパルス」の機体でもある。
T-4は高い亜音速性能を持ち、亜音速のロッキードT-33や富士T-1の後継機として、また以前は超音速の三菱T-2を使用していたシラバスの一部を受け持つため、中級練習機と分類されることもある。
T-4は老朽化が進んでおり、航空自衛隊の次世代戦闘機パイロットの訓練には適さないと考えられている。彼らの多くは、F-35ステルス戦闘機や、最終的にはGCAPプログラムの下でイギリスと日本が共同開発中の第6世代戦闘機に搭乗することになる。
現在、航空自衛隊は、高度な訓練や作戦訓練を行うために、三菱F-2およびF-15J戦闘機の2人乗りバージョンにも大きく依存している。T-7は、先進的なジェット練習機で安価な代替機として、戦術訓練の多くを「ダウンロード」できる代替機となるだろう。
T-7でアメリカと協力すれば、他の利点ももたらすかもしれない。すでに生産ラインを持っているプログラムを利用することで、コストを下げることができるだけでなく、スペアパーツの確実な供給とメンテナンス拠点へのアクセスを確保することができる。数年前に生産終了し、輸出されることもなかったT-4を支えるスペアパーツの供給は、必ずしも信頼できるものではない。
将来的な中国との対立への懸念が高まる中、日本は防衛装備品のサプライチェーンを強靭にしたいと考えるようになっており、昨年11月の日米経済政策協議委員会でもこれが明記されていた。
日本はまた、次期ジェット練習機に関する米国との協力関係の深化が、人工知能(AI)の領域を含む重要な新技術の開発に役立つと期待していると伝えられている。AIが航空機乗務員の訓練でますます重要な役割を果たす一方で、日本はこの技術を、GCAPとともに運用されると予想される将来の無人航空機の開発に役立てようとしているようだ。昨年12月、日米両国はドローンで使用するAIの共同研究を行う協定に調印した。
現段階では、日本がF-35のようにT-7を現地で組み立てるという兆候はない。その代わり、レッドホークの大量生産の効率と、それによってもたらされるはずのコスト削減を活用することを優先しているようだ。とはいえ、日本の産業界がT-7の生産に関わる可能性は十分にある。
T-7にとって、日本からの受注やプログラムへの幅広い関与は、特にこのプログラムの技術的な問題やその他の問題が知られるようになったことから、恩恵となる可能性がある。
米空軍の2025年予算案では、T-7の購入計画を7機に半減させ、2億3500万ドルのコストをかけるとしている。この決定は予算の制約によるところもあるが、開発の遅れが続く中、この機体に対する不確実性も指摘している。
アンドリュー・ハンター空軍次官補(取得・技術・兵站担当)は、2025年2月に予定されていたマイルストーンCの生産決定は、現在実現しない可能性があると述べた。以前は、2023年12月に低レートの初期生産が開始されることが期待されていた。
予算文書を見ると、2025年5月に開発試験と評価が完了し、2026年1月に初期運用試験と評価を開始、2026年4月に少量初期生産機材が納入されるとある。
米空軍は現在、T-7の初期運用能力(IOC)達成を2028年以前とは見込んでいない。これは従来の予測からさらにずれ込み、当初の予想より4年遅れることになる。
一方、ボーイングはT-7で13億ドルの損失を計上している。当初のT-Xコンペティションで入札額を下回る提示をし、さらに遅延の責任を追及されたためだ。
日本が同プログラムに参加すれば、大規模発注につながる可能性が高く、実現すれば同機に対する相当の信任投票になるだろう。
Japan Wants T-7 Red Hawk As Its Next Trainer: Report | The War Zone
BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED MAR 26, 2024 12:58 PM EDT
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