J-31がF-35のコピーなのか、外観だけで判断はできないようです。むしろ情報処理能力など中身では足元にも及ばない可能性があります。ただし、頭から中国製を馬鹿にするのは危険かもしれません。第二次大戦前には日本では「人種的に」西側戦闘機に匹敵する性能を有する機体の製造は無理と広く信じられていましたからね。Warrior Maven記事からのご紹介です。
PLANは、空母運用型の第5世代ステルス戦闘機J-31プロトタイプを急速に試験しているようだ
人民解放軍海軍は、米海軍のF-35Cに匹敵すると思われる、空母発射型の第5世代ステルス戦闘機J-31の試作を急ピッチで進めているようだ。
中国のJ-31空母艦載ステルス戦闘機の最も知られている要素は、単に数が少ないということかもしれない。中国新聞は2機の試作機を挙げており、同機はまだ運用されていないようだ。
しかし、同機は、PLANにとって史上初の空母運用型の第5世代戦闘機であり、アメリカ海軍のF-35Cに匹敵するよう設計された航空機であるため、国防総省にとって潜在的な脅威になりうる。PLAは、F-35Bに相当する機体や、水陸両用強襲揚陸艦から垂直に展開できる第5世代航空機のエンジニアリングに関して遅れているようだ。同機は、米海軍のF-35Cと比較すると、運用目的が非常に似ているように見える。PLAがJ-31の運用部隊を実戦投入できるようになるまで数年かかるかもしれないが、その存在は中国に前例のない戦力投射能力を与えるだろう。PLANの第5世代空母搭載ステルス機は、これまで到達できなかった世界各地でステルス航空攻撃を行うことを可能にする。例えば、中国がアフリカや南米などで経済的・軍事的影響力の拡大を目指していることはよく知られている。PLAは、アフリカの角のジブチにある米国の既存基地のすぐ近くに独自の軍事基地を建設しており、中国がアフリカや、より大きな影響力を求めるその他の場所に積極的に投資していることはよく知られている。こうしたことはすべて、2049年の建国100周年までに、いや、もっと早期に、世界の誰もが認めるグローバルな軍事大国になるという中国の野心と一致している。
J-31はF-35Cにどう対抗するのか?
J-31については、F-35と明らかに似ていることを除けば、ほとんど知られていない。アメリカの指導者たちは、PLAがアメリカの兵器プラットフォームを「複製」または「模倣」しようとする定期な努力をすることを懸念していることはよく知られている。丸みを帯びた翼胴一体型の胴体は、明らかに米F-35のステルス形状に似ている。設計上、敵のレーダーにリターンシグナルを発生させそうな鋭いエッジや突出した構造はないようだ。J-31とF-35のデザインの類似性は、観察者の目に認識できるだけでなく、2013年の中国の新聞にも具体的に引用されている。 2013年の中国政府系『人民日報オンライン』のエッセイでは、具体的な設計上の類似点が挙げられており、「J-31とF-35は同じDSIインレット(非境界層分離陸上超音速インレット)を使用している」と書かれている。また、J-31は内部武器庫で運用されているようだ。この類似性は、瀋陽FC-31とも呼ばれるJ-31の膨大な「スペック」と性能パラメータを掲載している出版物、AeroCornerによって認識されている。
中国のJ-20、第6世代はF-35の「センサー・フュージョン」コンピュー 第5世代ジェット戦闘機「瀋陽FC-31」は、「卓越した操縦性、ステルス設計、内部武器庫、アップグレードされたエイビオニクスとセンサーが特徴で、状況認識能力の向上、レーダー追尾と照準能力の強化、アップグレードされた電子戦システムを備えている」とAeroCornerは書いている。
AeroCornerによれば、J-31はRD-93アフターバーニング・ターボファン・エンジン2基を搭載し、およそマッハ1.8、最大巡航速度1080ノットで飛行する。Aerocornerのスペックによれば、J-31は65,000フィートに達し、おそらく最も驚くべきことに、航続距離は2,160海里である。
この航続距離は、F-35Cの航続距離が1,300海里であることを考えると、戦闘攻撃範囲という点でかなり重要であるように思われる。ただし、F-35Cのスペックには "少なくとも"と書かれており、航続距離がもっと長い可能性を残している。
しかし、ミッションシステム、コンピューティング、センシング、兵器性能のパラメーターに関係する可能性が高いため、両機の真の差は完全には判別できないかもしれない。これらの属性を判断するのはより難しいかもしれないが、センサー・レンジ、照準、誘導兵器の攻撃能力に優れた機体が、もう一方の機体に対して素早く優勢になる可能性が高い。
AeroCornerのスペックによると、J-31はAESA(アクティブ電子スキャン・アレイ)レーダーを搭載している。しかし、米空軍のウォーゲームでは、F-35は探知不可能な距離から第4世代の敵機を「視認」し「破壊」できることが示されている。これは、よく知られているEO/IRの高解像度照準と、分散開口システムと呼ばれる360度センサーに関連する範囲、画像忠実度、コンピューティングと関連している。また、「空飛ぶコンピューター」と呼ばれるF-35は、センサー・フュージョン、ミッション・データ・ファイルと呼ばれる脅威データ・ライブラリー、高速コンピューター処理で知られている。したがって重要なのは、J-31がこのレンジと忠実度をどの程度まで再現できるかということだ。そうでなければ、F-35Cに対抗するチャンスはあまりないだろう。
最後に、中国共産党はJ-31のプロトタイプを数機しか運用していないことが知られており、アメリカのF-35はすでに運用中で、かなりの数が配備されていることを考えれば、単純な数の問題がある。例えば、米海軍は273機ものF-35Cを調達中である。米国のF-35部隊は、編隊全体で相互運用が可能なマルチファンクション・アドバンス・データリンク(MADL)で運用されており、リアルタイムでF-35の編隊全体のデータ伝送を可能にしている。■
MAR 20, 2024
By Kris Osborn, President, Center for Military modernization
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。