東部ボルチモア港が橋梁の崩落で使えなくなってしまいました。これだけの事故では民間での対応は無理と、米海軍が出動したわけですが、動員された中に50年以上前にソ連潜水艦回収作戦に加わっていた由緒あるクレーン船があるというUSNI News記事のご紹介です。
NTSB investigators on the cargo vessel Dali, which struck and collapsed the Francis Scott Key Bridge on March 26, 2024. NTSB Photo
CIAのソ連潜水艦ミサイル回収作戦に投入されたクレーン船がキーブリッジ崩落地点に到着(ボルチモア)
火曜日の朝、貨物船がフランシス・スコット・キーブリッジに衝突し、橋が崩壊した後、その残骸を撤去するため、海軍海洋システム司令部を通じて契約したクレーンがマサチューセッツ州ボルチモアに到着した。
東海岸最大のクレーン船である揚重1,000トンのデリック台船 "チェサピーク "と、揚重200トンの回転クレーン台船 "フェレル"、揚重150トンのクレーン台船 "オイスター"が金曜日までに到着した。海軍の報道資料によると、海軍はさらにもう1隻、400トンのバージを派遣し、来週に到着する見込みである。
Barge crane Chesapeake. Donjon Marine Photo
海軍のサルベージ・潜水監督官は、4隻を使いパタプスコ川からキーブリッジの水没部分を吊り上げる。海軍の発表によると、橋は解体され、セクションごとに取り除かれる。それぞれははしけで持ち上げられ、その後運搬される。
海軍はさらに12隻のクレーンと支援船を動員中だ。これにはタグボートや調査船、潜水艇、乗組員用ボートも含まれる。船舶とクレーンは数日中にボルチモアに到着する予定。
海軍のサルベージ・潜水監督官は、火曜日のキーブリッジの崩落によりボルチモア港との海上交通が遮断されたことを受け、フォート・マクヘンリー水路の撤去を行う主管機関に任命された。
ウェブサイトによると、チェサピークはDonjon Marine Company, Inc.の所有で、1972年に建造された。
建造された当初はSUN 800と呼ばれていた。
このクレーンを悪名高いものにしているのは、SUN 800としての歴史である。エンジニアリング・ニュース・レコードの記事によると、SUN 800は深海掘削船プラットフォーム、ヒューズ・グローマー・エクスプローラーの建造を支援するため建造された。USNI Newsによれば、この船は1968年に沈没したソ連の弾道ミサイル潜水艦K-129(3,000トン)を回収するためCIAが建造したもので、プロジェクト・アゾリアンと呼ばれていた。
2010年の『Proceedings』記事によれば、この作戦の表向きの説明は、億万長者のハワード・ヒューズがマンガン団塊を海底から採掘するためクレーンに資金を提供したことだった。
SUN800を使用することで、CIAは70人のソ連人乗組員の遺体と潜水艦の部品を回収できた、とエンジニアリング・ニュース・レコードは報じている。Proceedings誌によれば、CIAは1975年、マタドール計画の下、潜水艦の残骸のある場所に戻った。
ヒューズ・グローマー・エクスプローラーは2015年にスクラップとして売却された、とUSNIニュースは報じた。
当初の任務の後、サン800はペン800と改名された。クレーンを建造したサンシップ社によると、アップグレード後にペン1000と改名された。ドンジョン社に移管され、チェサピークと改名された。■
Crane Linked to CIA Soviet Sub Misson Now on Station at Key Bridge Collapse
MARCH 29, 2024 6:03 PM
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