トランプ大統領、エアフォースワンの納入を早める選択肢を検討(The War Zone)―しびれを切らし、いろいろな策をマスクと検討するようですが、空軍の求める仕様にも根拠があるので一気に解決とはいかないでしょう
( PHOTO BY ALEX WONG/GETTY IMAGES) 2機調達するVC-25Bの納入遅延とコスト超過を受け、トランプ大統領は問題解決のためイーロン・マスクに協力を要請した模様 ド ナルド・トランプ大統領は、納入が2029年以降になる可能性が出てきた次期大統領専用機エアフォースワンの代替案を検討しているようだ。カタール首長家がかつて所有していたボーイング747-8を最近視察したほか、トランプ大統領は、大統領専用機VC-25Bの2機納入を早める方法を探っていると伝えられている。その方法には、同機に関わる作業者のセキュリティクリアランスを緩和することが含まれる。 2機のVC-25Bは、747-8i旅客機からの転用であり、1990年に就航した2機の現行のVC-25Aに交代するが、VC-25Aはサポートが一層困難になっている旧型747-200をベースとしている。 2025年2月16日、フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたNASCARカップシリーズのデイトナ500に、ドナルド・トランプ大統領が専用機VC-25Aで訪れた際の着陸の様子。 写真:クリス・グレイゼン/ゲッティイメージズ クリス・グレイゼン 747-8iは、ボーイング747の最終型で、747シリーズ全体の生産は2022年12月に完全に終了している。これにより、新型大統領専用機エアフォース・ワンは、既存の中古機体を改造して製造する必要が生じ、それには独自の課題が伴う。 新型エアフォースワンの最終契約は、前トランプ政権下で交渉されたが、それ以来、そのプロセスはスムーズとは程遠い。昨年夏には、VC-25Bの初飛行が2026年3月に延期され、16ヶ月の遅れが生じた。 長年の遅延に加え、ボーイングは固定価格ベースで交渉されたこのプログラムで20億ドル以上の損失を計上している。すでに途方もなく高額な新型エアフォースワンは、機体だけで約47億ドル(約5,120億円)の費用がかかり、史上最も高価な航空機となる。メリーランド州のアンドリュース空軍基地に建設される総工費約2億5,000万ドル(約275億円)の巨大な格納庫などの付随費用を加えると、プログラム全体の費用は約53億ドル(約5,810億円)となる。これは、トランプ大統領がジェ...