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ボーイング防衛事業はどうなっているのか。難航するVC-25B開発事業で5億ドルさらに損失が発覚。

  1月22日、ネブラスカ州オフト空軍基地のタラップに停泊中のVC-25Aエアフォース・ワン。同機は、米国大統領の輸送機として使用されるボーイング747旅客機を改造した2機のうちの1機。 . (U.S. Air Force Photo by Josh Plueger/Released) 「この四半期および通年の実績は残念な結果に終わった。業績は予想を下回り、期待していたほど回復が進んでいない」とブライアン・ウェスト最高財務責任者(CFO)は述べた ボ ーイング の防衛事業は、2023年第3四半期に10億ドル近い損失を計上した。これには、VC-25Bとして知られるエアフォース・ワン後継機での5億ドル近い損失が新たに明らかになったことが大きい。 固定価格での開発契約とサプライチェーンの苦境にあえぐボーイングは、少なくとも2025年から2026年までの防衛事業の赤字が続くと投資家が気を引き締めている。しかし、ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティ(BDS)の目を見張るような第3四半期の損失は容認できるものではなく、回復計画から逸脱していることが今日明らかになった。 「今四半期および通年業績は期待外れでした。業績は予想を下回っており、現段階で期待していたほど回復が進んでいない」と、ブライアン・ウェスト最高財務責任者(CFO)は本日の決算説明会で述べた。 本日の決算説明会でウェストCFOは、「BDSが第3四半期にマイナスになると警告していたことを考えれば、この赤字は投資家にとってまったくの驚きではない」と述べた。しかし、同社全体の四半期損失は、金融アナリストの予想より悪化した。ウェストは本日、ボーイングのフリーキャッシュフローは通期で30億ドルから50億ドルの範囲にとどまるが、「下限 」に近づく可能性が高いと述べた。 ボーイングの決算発表によると、同社は2023年第3四半期にBDSの費用として9億2400万ドルを計上したが、これは2022年第3四半期に開示された28億ドルの損失以来、最大となった。この直近の損失は、VC-25Bプログラムに関する4億8200万ドルに起因するもので、「エンジニアリングの変更や労働力の不安定さ、サプライヤー交渉の解決に関連する製造コストの見積もり額の上昇」によるものだと、同社のリリースは述べている。 ボーイング広報によれば、VC-25Bプ

次期大統領専用機材747-8の改修作業はどこまで進んでいるのか。さらに遅延しそう。

  Photo: w_p_o | Shutterstock VC-25A2機の退役が、数年先送りになる可能性がある。 1990年1月26日エアフォース・ワンの ボーイング 747が納入されて、33年目だ。その日以来、空軍ではVC-25Aの制式名で2機の747-200Bが現在も使用されている。しかし、機体は老朽化が進み、現役747の中で最古の機体トップ20にランクされている。ボーイングは現在、未納入の747-8型機2機で改修を進めている。それでは、新型エアフォース・ワンの最新情報を見てみよう。 次期エアフォース・ワン  VC-25Aは非常に優秀な航空機だが、技術が進歩し変化する世界において、米国政府はVC-25Aをより新しく高度な機材に置き換えるのが適切と判断している。後継機は、最新世代のボーイング747-8で空軍はVC-25Bと命名し、現行機材と共通点を多く持つ。新型機の仕様と性能は、当然ながら機密事項だが、先代機と同様、公にされている特徴も一部ながらある。  新型機の防衛システムは、最新技術に更新され、より正確で信頼性の高いものになる。また、通信システムも強化され、迅速かつ安全な通信が保証される。747の最新モデルは、200型よりもはるかに効率的で、航続距離を伸ばすと同時に運用コストを削減する。さらに、従来のモデルにはなかった安全性と能力を高めるために、機密事項が追加される。 新型エアフォースワンにないもの  指摘されている欠点として、空中給油機能が搭載されないことがある。VC-25Aの現行機には搭載されているが、これまで必要とされたことはない。この機能は、機首に給油口を設けるだけではなく、はるかに複雑だ。ボーイングは、燃料ポートを燃料システムに接続し、関連する認証規格に適合させる必要がある。そのためには、機体各部をさらに大きく調整し、機体重量やバランス、性能数値を調整しなければならない。  給油システムの大幅変更は予定されていないが、新型エアフォース・オンには、ボーイング747用のインフラがない空港で大統領が貨物デッキから乗り降りできるように、エアストッパーが内蔵される。この階段は機体の左側、大統領紋章のすぐ後ろに配置される。 Photo: Chris Loh | Simple Flying 新造機ではない  ボーイングはVC-25Aをアメリカ空軍専用に製造した

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い? バイデン政権がトランプ大統領提案の新エアフォースワン塗装を却下。

  Photo: Chris Loh | Simple Flying そ れほど驚くべきことではないかもしれないが、次期エアフォース・ワンのカラーリングがどうなるかは大きな疑問であった。今までは。  バイデンが第46代大統領に就任して1年半になる。就任式がパンデミックの真っ只中に行われたこともあり、次期エアフォース・ワンのカラーリング問題は、優先順位からかけ離れていた。しかし、現政権がトランプ前大統領提案のダークブルー塗装を採用しないことがようやく確認された。 コスト増が理由 Politicoによると、大統領と現政権は、ダークブルー塗装によるコスト増を理由に、トランプ前大統領が提案したエアフォースワンのカラーリングを採用しないとある。  レンダリングで見た方も多いと思うが、2019年に公開されたトランプのデザインは、ダークレッドのストライプの下にダークブルーを腹部とエンジンに施すのが特徴だ。この塗装は、工業デザイナー、レイモンド・ローウィがジョン・F・ケネディ大統領向けに1962年に確立したカラーリングに取って代わるものとして設定された。   当時、新デザインについてABCニュース取材に応じたトランプ大統領は、次のように語っている。 「赤、白、青 だ。エアフォースワンは素晴らしいものになる。世界一、最高級になる。赤、白、青がふさわしいと思う」。 現行のカラーリングは、「エアフォース・ツー」や、アメリカ空軍が保有する他のVIP輸送機にも採用されている。写真 Mathieu Marquer via Wikimedia Commons ダークサイド... この決断へは、最初は首をかしげるかもしれない。改良型747-8iの2機は新品かつ未使用で、デザインにかかわらず新しいカラーリングが必要だ。では、あるカラーリングが他のカラーリングよりもコストがかかるのはなぜか?  空軍による最近の調査は、提案中のカラーリングの暗色は機体温度を上昇させる可能性があると結論づけている。  「VC-25B下部の暗色は、一部コンポーネントの現在の制限を超える温度上昇に寄与するかもしれないと結論づけられた」-Ann Stefanek, US Air Force spokesperson via Politico  匿名でPoliticoに語った政権関係者は、トランプのカラーリングで「エンジニアリン

次期大統領専用機VC-25B引き渡しは再度遅延し、2024年以降になると判明。

  現行のVC-25Aがオファット空軍基地(ネブラスカ)に立ち寄った。Jan. 22. (US Air Force/Josh Plueger) 次 期大統領専用機の納入は以前の予定からさらに遅れる模様だ。 ボーイング はVC-25B一号機の引渡しを17ヶ月先送りする想定だと複数の消息筋から判明した。 空軍は新日程を了承しておらず、ボーイングと交渉の可能性がある。だが、ボーイングによる新日程予想は社外関係者に伝わっており、昨年時点の12ヶ月遅れが更に拡大していることがわかる。 「当社は空軍当局と密接に作業し、大日程の承認を得たいと考えています」とボーイング広報ディディ・ヴァンニエロップ Didi VanNierop が声明を発表した。 空軍協会主催の航空戦シンポジウムで空軍の調達責任者代行ダーリーン・コステロ Darlene Costello はVC-25Bの引き渡し時期を2024年との当初予定から「一年超の遅れ」になると認めた。 空軍は独自に事業点検を終えたばかりで、ボーイングとの新日程確定に「一ヶ月ないし2ヶ月」かかるとコステロは見ている。 「重要なのは事業を先にすすめることだ。新日程が決まるまで何もしないわけではない」 計画遅延は昨年夏に初めて明らかになった。コステロが議会でボーイングから通知があり、12ヶ月相当の遅れが発生しているとわかったと述べていた。 ボーイングはCOVID-19パンデミックさらに契約企業GDCテクニクスの倒産を遅延の腫瘍原因に上げている。GDCテクニクスはVC-25Bの内装工事を担当していたが、ボーイングは契約を破棄し、同社を告訴し、同社の作業が一年以上遅延しているのを理由にしていた。 遅延による費用増加分はボーイングが負担することになる。契約が39億ドルの固定価格のためだ。同契約で技術製造開発業務で747を大統領専用機に改装し、防御装備(内容は機密扱い)、電子装備および通信装備の保安強化が行われる。■ Air Force One replacement facing additional delays, up to 17 months late: sources - Breaking Defense Breaking Defense - Defense industry news, analysis and commentary By

難航する次期エアフォースワンVC-25Bの改装作業。米空軍引き渡しは大幅に遅れる。現行VC-25A(747-200B原型)をいかなるコストをかけても維持するしかない。

    国 家元首専用機の調達となると事は簡単にいかない。利用するのが世界最強国家の指導者となればなおさらである。米大統領専用機の後継機調達が難航している。遅延だけでなく訴訟まで発生し、事業の実現を困難にしている。最新状況はどうなっているのだろうか。   次期大統領専用機はボーイング747-8iを原型とする。当初民間航空会社向けに製造された二機を改装する。 Photo: Getty Images   事業は遅れている ボーイング747-8を改装した一号機は2024年中に完成すると見られてきた。 The Driv eの2019年6月記事ではトランプ政権が一号機の納入を早めようと2023年12月を目標に設定したとあった。だが時が経過し、2024年目標も実現に疑問がつきはじめている。現時点の予測は最短で2025年となっている。   この理由としてボーイングは機体改装工事にあたる主契約企業が脱落したことを上げている。2021年4月にボーイングはGDC Technics への訴訟を起こし、遅延とともに工期が実現できていないことを理由にした。同社によれば「ボーイングに数百万ドルの損害を生じさせ、米空軍さらに米大統領にとって重要な意義のある工程を危険に陥れたのみでなく」とある。   00:00/03:41 10 Sec 10.6K Air Force One Disrupted 40,000 Passengers At Heathrow In 2008     内部告発者によると、遅延はGDCのオーナーと他のプロジェクトとの利益相反が原因の可能性があるという。     改装される747-8は破綻したロシア航空会社トランスアエロ向けの機体だった。同社は結局、2機を受領していない。 Photo: Kudak via Wikimedia Commons      GDCは逆にボーイングに訴訟を起こし、ボーイングの失敗の身代わりにされていると主張。GDC Technicsは20百万ドルの損害を受けたとしている。ただし、話がややこしくなるのはテキサスに本社を置くGDCがチャプター11の破産宣言をしたことだ。「再構築」手続きと呼ばれるが米裁判所からは債務者の所有をそのまま認め、事業を継続することができるが、裁判所の承認があれば新たに資金を借り入れることも可能だ。   その後、両社は妥協点を

E-4B後継機も747原型になる可能性が濃厚。ただし、新規製造機体の取得は困難なので中古機材でもよいとする米空軍。大統領専用機材は747-8iで装備品等のコスト削減も視野に入っている模様。

    USAF     米 空軍が実現を急ぐのがSAOCすなわち残存可能空中作戦センター機で、老朽化してきた現行E-4Bナイトウォッチの後継機をめざす。   NAOC国家空中作戦センターとも呼ばれるSAOCの仕様は極秘扱いだが、空軍は後継機もE-4Bとほぼ同サイズの四発機を想定する。   空軍ライフ・サイクル管理センター (AFLCMC)の大統領専用機局がSAOC事業も担当し、契約公告を2021年2月17日に発表した。「政府は引き続き、超大型機を利用してのウェポンシステムの調達戦略を完全かつ開かれた形で希求する」とある。   USAF E-4Bナイトウォッチは国家空中作戦センターとも呼ばれる。     これに先立ち、企業から民間機改装によるSAOC提案を募集する告示が2020年12月にあった。空軍から具体的情報の開示はないままで、関連のシステム要求内容文書(SRD) は極秘扱いとなっている。   Aviation Week の防衛記事編集者スティーブ・トリンブルが中古民間機の利用の可能性に昨年触れていた。現時点でトリンブルは「超大型機体」との規定を見てジャンボジェット原型案の実現可能性が非常に高いと見ている。   SAOCの要求内容に物理的な内容があり、必要なエンジン数も定めており、極めて厳格に管理されているのは驚くにあたらない。よく「審判の日の機材」と呼ばれるE-4Bは四機あり、堅固かつ残存性が高い機体として大統領に国家統帥権(NCA)の実現として核攻撃命令を下す手段となる。その他の軍事作戦でも指揮統制を行い、必要に応じ大規模自然災害でも機能するのが役割だ。   大統領がVC-25Aエアフォースワンで海外移動する際にはE-4Bの一機が随行することが多い。E-4Bは国防長官の外国出張にもよく利用されている。   4機あるE-4Bのうち3機はE-4A高性能空中指揮所(AACP)として1970年代中頃に供用開始し、1980年代にNAOC仕様に改造された。4機目はNAOCとして取得した。全機が747-200B型を原型とする。なお、2機あるVC-25Aも同様に747-200Bを改修した。   空軍が747原型とするSAOCの実現に傾いている兆候は別にある。2017年に米海軍とともにE-4B、 E-6B マーキュリー、 C-32A を共通機材で更新する構想が浮上していた。