VC-25Bはトランプ政権末期に契約が交付され、一時はトランプの好みの塗装案となっていたものをバイデンが現行機に近いものに変更させていましたが、肝心の機体改修が進まず、このままだと次の大統領の在任中にかろうじて稼働開始となりそうです。バイデンが落選し、トランプが当選すれば再び塗装は変更されるのでしょうか。注目です。Breaking Defenseが伝えています。
A VC-25A Air Force One aircraft sits on a ramp at Offutt Air Force Base, Nebraska during a brief stop Jan. 22. The aircraft is one of two modified Boeing 747 Airliners that serve as a transport aircraft for the President of the United States. (U.S. Air Force Photo by Josh Plueger/Released)
ボーイングは大統領専用機の工程表を再び修正中で、作業はさらにずれこむ
ボーイングが延期を繰り返している次期大統領専用機VC-25Bは、初飛行が2026年3月とさらに16カ月延期され、逆風に直面している、と米空軍の広報官がBreaking Defenseに語った。
工程表は2022年に見直されたが、さらなる遅れているようだ。ブルームバーグの以前のレポートによると、プログラムは重要な目的2つで、遅れていた。ひとつは初号機の「パワーオン」で、これは地上でのサブシステムのテストで、先月に予定されていた。もうひとつは、今年11月に予定されていた初飛行である。
しかし、現在の空軍はパワーオン・ステップを2025年7月以降、初飛行は2026年3月より先と予想している。空軍関係者は、2026年9月に初号機を納入する予定だったが、スケジュールに1年の余裕を持たせていた2022年の修正後工程表では、約2~3年遅れると予想し、2機目は2027年2月に引き渡される予定だったが、丸1年の余裕がもたせてあった。
空軍の広報官は、ボーイングは再び工程表を「更新中である」と述べ、「その結果、提示済み日付が変更される可能性が出てきた」と述べた。次回の工程表更新は今年の夏以降になる見込みで、これが納期にどのような影響を及ぼすかは不明である。ボーイングはコメントを控えた。
KC-46A給油タンカーでの驚異的な損失と並んで、VC-25Bプログラムは、ボーイング幹部が国防総省との不利な固定価格契約であったと認めている。現CEOのデイブ・カルホーンは昨年、トランプ政権下で前CEOが交渉したVC-25Bプログラムは「ボーイングがおそらく取るべきでなかった、非常にユニークな一連のリスク」だったと投資家たちに語った。
ボーイングは、大統領専用機の更新の取り組みだけで、これまで20億ドル以上の損失を出している。航空宇宙大手のボーイングは当初、一号機を今年納入の予定だった。
労働力の混乱などの問題が、2機の民生仕様747を軍事化する巨大な取り組みのスケジュール変更を生んだ。航空機の内装を担当する下請け会社が倒産し、ボーイングは新たなサプライヤー選定を迫られた。パンデミック(世界的大流行)の労働力への影響もボーイングの計画を妨げた。同社はさらに、適切なクリアランスを持っていなかった社員がプログラムに携わり、国防総省の監視を受けたという特殊な問題にも直面しなければならなかった。
政府説明責任局が昨年報告したところによると、開発上の問題もあった。例えば、「ボーイングは想定外の設計ミスを多数発見し、2022年3月に配線製作を中止した」と報告している。■
First flight of new Air Force One jet slips to 2026, Air Force says - Breaking Defense
on June 14, 2024 at 7:32 PM
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