いつまでたっても衰えないフーシ派の攻撃により、スエズ運河経由ができず喜望峰経由という遠回りを強いられるなど、テロリスト勢力が世界経済にも影響を与えているのはご承知のとおりです。Breaking Defenseが現時点での影響の広がりをDIAによるまとめを紹介してまとめてくれましたのでお知らせします。
「フーシ派は地域の安全保障を損ない、国際人道支援活動を妨げ、世界の海上貿易にストレスを与えている」(DIA報告書)
紅海におけるイランの支援を受けたフーシ派による攻撃は、65カ国とエネルギー・海運会社29社の利益に影響を及ぼしている。
イエメンが拠点のフーシ派は、エルサレムのガザ攻撃に対抗してイスラエルに関連する船舶を標的にすると公言しているが、報告書によれば、「攻撃の多くは、イスラエルとの関係が希薄な、あるいは全く知られていない民間船舶や寄港地に対するものである」という。報告書によれば、アメリカ、イギリス、トルコ、ロシア、中国、カタール、そしてフーシ派の主要な支援者とされるイランなど、数十カ国が銃撃戦に巻き込まれている。
2023年以来、フーシはミサイルやドローン、さらには無人水上艦船を使い、中東の重要な航路で商業船舶を攻撃している。
報告書は、「国際的な正当性を訴えているが、フーシの行動は地域の安全保障を損ない、国際的な人道支援活動を妨げ、世界の海上貿易にストレスを与えている」と述べている。
2023年12月、アメリカは「プロスペリティ・ガーディアン」作戦を開始した。これは商業船舶を防衛する多国籍作戦で、空や水上から脅威を叩き出すことも含まれる。一方、米英はイエメンのインフラにあるフーシ派の施設を積極的に直接攻撃の対象としている。欧州連合の防衛活動アスピデス作戦もあるが、フーㇱの攻撃は続いている。
攻撃は貿易や航路にも影響を及ぼし、主要な海運会社やエネルギー会社合計29社が航路を変更せざるを得なくなり、保険料が跳ね上がったという。船舶は苦渋の選択を迫られている:スエズ運河-紅海-バブ・エル・マンデブ海峡のルートを致命的な事件の脅威にさらされながら航行するか、ジブラルタルを経由し喜望峰経由でアフリカ全土を迂回するかである。
「アフリカ周辺の代替輸送ルートは、約 11,000 海里、1-2 週間の輸送時間、さらに燃料費として約 100 万ドルの追加が発生する」。
紅海航路を危険にさらすことで、正式にはアンサール・アラー(「神の支持者」)と呼ばれるフーシ派は、重要な経済水路を攻撃していることになる。
「2月中旬時点で、紅海経由のコンテナ輸送は2023年12月以来約90%減少した。紅海経由の海運は通常、国際海上貿易の約10〜15%を占めている。バルカーやタンカーで商品を運ぶ他の海運部門では、影響はそれほど深刻ではなかった」とDIAの報告書は述べている。
アメリカは、イランがフーシ派の主要な武器供給者であると主張している。しかし、テヘランでさえ影響から無縁ではない。DIA(米国防情報局)によれば、2月の事件では、フーシのミサイルがブラジルからイランに向かうギリシャ所有の船を攻撃し、損傷させたという。■
By AGNES HELOU
on June 13, 2024 at 1:18 PM
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