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ミサイル防衛庁が空中レーザーに新たな希望を見出そうとしている---頓挫した以前の化学レーザーの代わりに固体レーザーで直近の技術進歩を取り入れる。今回は堅実な開発方針で実用化をめざす

 


開発中止となった空中レーザー発射構想から10年、ペンタゴンはアプローチを変えて実用的な空中レーザー兵器の開発に取り組んでいるようです。Breaking Defense記事からご紹介します。



MDA Photo


空中レーザー・テストベッド。ミサイル防衛庁は2012年に頓挫したが、新しい技術に基づき、コンセプトを再検討している。(MDA)





国防総省の上級科学者だったパデュー応用研究所(PARI)のCEOは、MDAがコンセプトを見直していることで生まれる成果に期待している


サイル防衛庁(MDA)は、空中発射レーザーを再び視野に入れている。システム構築の最初の試みが16年の歳月と50億ドルの研究開発費を費やして破綻してから10年だ。

 しかし今回は、MDAはゆっくり物事を進めている。宇宙空間でミサイルを撃ち落とす案に飛びつくのではなく、まず追跡用の低出力レーザーに焦点を当て、迎撃用の高出力システムへと向かう。

 追跡特性評価作業は、MDAの低出力追跡レーザーの能力を向上させるのが狙いだ。このシステムは、非キネティック迎撃システムを含む、より高度なシステムにも直接適用可能だ。

 MDAのアプローチは、将来に必要となる高出力レーザーが[国防総省の研究技術局]によって開発されている間、追跡ミッションの技術開発とデモンストレーションを進行させることである。MDAと国防総省は、より小型、軽量、低出力の将来の指向性エネルギー・システムに向けて取り組んでおり、機動性と戦場全体への導入をサポートする。

 MDAが空中システムに焦点を当てる理由のひとつは、このようなシステムが、地上ベースと宇宙ベースのミサイル防衛アプローチの両方の研究開発活動に利点をもたらす可能性があるからである、と広報担当者は説明している。

「空中指向性エネルギー技術実証機は、地上ベースのシステムよりも有利な環境と範囲を提供し、宇宙ベースのシステムでは提供できない反復的指向性エネルギー技術開発の柔軟性を提供します」。

 MDA長官ヒース・コリンズ中将はMDAは追跡から始める空中レーザー技術に1100万ドルの研究開発費を要求したと6月6日、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)に語った。この努力は、政府、産業界、学識経験者からなる独立チームからの提言に基づいている、と長官は述べた。

 MDAの広報担当者は、研究グループの構成と報告書の詳細について尋ねられたが、報告書は管理下の非機密情報に指定されており、公開されることはないとだけ答えた。


新しいレーザーはどんな可能性を切り開くのか


国防総省の上級科学者を務め、現在はパデュー応用研究所(PARI)のCEOマーク・ルイスは、MDAがコンセプトを新たに見直したことに賛辞を送り、前回の中止以降に技術は大きく進歩していると指摘した。レーザーの新しいパワーソースだけでなく、ビームの安定化技術や地球の大気を切り裂く技術も改善されている、と説明した。

 「空中レーザーは成功したとは言えないが、過去にさかのぼって再検討し、"状況が変わったか?"と問うことに価値がある。だからMDAは素晴らしい」と彼は言った。

 「レーザーと極超音速には類似点がある。実用化がすぐそこまで来ている」と彼は語った。

 ルイスは、ボーイング747をベースにしたオリジナルの空中レーザーシステムは、機内に満載の危険な化学物質が動力源だったが、現在MDAと軍が評価中のレーザーは、ドローンの群れを撃墜するなどの任務のための固体レーザーであると説明した。

 「変わったことは、固体レーザーが正しい選択だとに気づいたことです... . それが第一です。その2は、固体レーザーの出力レベルが、実際に害を与えることができるレベルまで上がってきたことです。現在は、実際に穴を開けることができる出力レベルにある。何かを見えなくしたり、何かを取り出したりすることができる。そして、それを実用的なパッケージで実現できるのです」。

 ルイスはまた、もう一つの変化として、国防総省がレーザーの使用をどのように考えているのか、つまり潜在的な任務に対してより的を絞ったアプローチをとっていることを指摘した。

 「レーザーをどのように使うかについての初期の考えを見ると、それはかなり愚かなものだった。銃が機能するのに、なぜそんなことをするのか?レーザーに投資するのであれば、銃ではできないことをするため、可能性を広げるためであるべきだ。そして、そのような大変革は、当たり前に思えるが、そこに到達するまで時間がかかるようだ」。

 とはいえ、弾道ミサイルや極超音速ミサイル、ドローンの群れを撃つためにレーザーシステムが日常的に使われるようになるには、この先に道のりが残っているとルイスは強調する。

 「極超音速ミサイルの例と同じく、実現可能にするための技術的な核心部分をまだ克服していないのです」。■


Missile Defense Agency has new hope for airborne lasers


Mark Lewis, formerly the Pentagon's senior scientist now CEO of the Purdue Applied Research Institute (PARI), gave MDA a thumbs up for taking a new look at the concept, noting that the technology has come a long way since 2014.


By   THERESA HITCHENS

on June 17, 2024 at 1:10 PM


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