SSBNが浮上したまま海上航行するのは極めて珍しいのでしょう。
いくら台湾海峡が浅深度の環境としても抑止力の要のSSBNの姿をわざわざ見せつける必要があるとは思えず、中国のことですから技術をマスターするまでのプロセスが十分にこなしていないままで、何らかの技術トラブルになったのかと西側はすぐ憶測を示しましたが、今回はどうもトラブルではなく、単純に浮上航行させただけのようですが。
VIA X
Another view of the Type 094 Jin class nuclear-powered ballistic missile submarine (SSBN) in the Taiwan Strait early this morning. via X
中国の核弾道ミサイル潜水艦が台湾海峡に浮上
台湾軍は、本日未明頃に台湾海峡で潜水艦が突如浮上し、護衛を伴い動き始めたのを監視中と述べた。
中国の原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)が本日、台湾海峡に浮上した。潜水艦の出現は、人民解放軍の航空機や艦船による台湾周辺での最近の活動に続くもので、北京は台湾を、いずれ大陸と統一される反乱省とみなしている。しかし、珍しいことではあるが、潜水艦が海峡に現れたのは、港に戻る移動の一部であることを示す兆候はすべてある。
台湾メディアは、火曜日の夜明け頃に台湾のイカ釣り漁船が撮影したとされるSSBNの写真を掲載した。その時、潜水艦は台湾の西海岸から約125マイル沖合にいたとされる。
台湾メディアの報道によると、潜水艦が突然浮上したため、漁師たちは驚いたという。
現時点では、中国の潜水艦に何らかの技術的な問題があったことを示す証拠はない。故障と捉えた向きは、SSBNが水上移動していた事実に由来しているようだが、それについては後ほど説明する。
この潜水艦は094型SSBNで、人民解放軍海軍(PLAN)は現在6隻を運用している。潜水時排水量は約11,000トンで、1隻あたり最大12発のJL-2潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載し、戦略的な第2次攻撃能力を提供する中国の核戦力の重要な一部となっている。米国防総省は以前、JL-2で武装したPLANの既存のSSBN艦隊を「中国で初めての実行可能な海上核抑止力」と評価していた。
新型096型SSBNは、新しいJL-3 SLBMとともに現在開発中だ。小さいながらも成長している中国のSSBN部隊は、中国が台湾に対して展開する軍事作戦で重要な役割を果たすことはないだろう。
日常的な活動として、台湾国防省は火曜日の朝、直近24時間の間に島周辺で20機の中国軍用機と7隻の船舶を探知したと発表した。特に潜水艦について質問されたウェリントン・クー国防部長は、軍は情報状況を「把握している」と答えたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。明らかに、台湾軍は状況を監視しており、水上と水中、そして哨戒機を使用しているようだ。
特筆すべきは、中華民国空軍(ROCAF)が12機のP-3Cオライオン哨戒機を保有し、台湾南部の屏東北基地から運航していることだ。
少なくとも、海峡における中国のSSBNの存在は、この艦艇の能力とPLANの運用方法に関する情報を収集する重要な機会となる。
極めて戦略的な台湾海峡では、さまざまな人民解放軍の航空機や艦船が定期的に活動しているが、SSBNが出現することは珍しい。
しかし、PLANの弾道ミサイル潜水艦は以前もこの海域で目撃されたことがある。おそらく、大規模な作業のため、はるか北にあるHuludaoのメンテナンス用乾ドックに向かう途中だったのだろう。例えば、2021年に少なくとも1回、同様のSSBNの動きが記録されている。
台湾の南端とフィリピンの間のルソン海峡は、海南島を拠点とする中国の潜水艦、特にSSBNがより広い太平洋に到達する主要な通路であることも注目に値する。このように、南シナ海の北端と台湾海峡の南端の間の海域は、人民解放軍海軍にとって戦略的に非常に重要であり、また厳しく監視されている。
晋級SSBNが水上移動していた理由については、海峡が全体的に比較的浅く、平均水深が300フィート(約1.5メートル)にも満たないためだろう。。
写真が撮影されたと思われる澎湖諸島の近くでは、水深は50メートルほどとPLANに詳しいジャーナリストのアレックス・ラックはTWZに語った。「これは、デンマーク海峡のような他の狭い海峡を航行する潜水艦(デンマークの法律では浮上航行が義務付けられている)と似ている」。
そう考えると、PLAN海峡で日常的に活動するのは通常動力型潜水艦だけになりそうだ。
一方、もしPLANが094型潜水艦を潜航させたままにしておきたければ、台湾周辺を航行させることもできただろう。
「結論として、これは標準的な作戦手順だと思います」とラックは付け加えた。「いかなる合図というよりはむしろ偶然だろう」。同艦はまた、中央線の西側にとどまったと伝えられている。
台湾海峡のいわゆる中央線は、台湾と中華人民共和国の間の事実上の境界線として機能している。中国による中央線の侵犯は珍しくなく、特に航空機による侵犯が多い。
明示的であろうとなかろうと、SSBNが非常に敏感な地域を公然と通過することはメッセージであり、本誌は米海軍のオハイオ級艦艇の動向に関する発表で定期的に強調している。台湾当局者も、094型の存在を、いわゆる「グレーゾーン戦術」(通常の平時作戦の限界を武力衝突の入り口に押し上げること、しばしば非伝統的で非軍事的な手段を用いること)との関連で指摘している。
ここ数カ月では、中国が台湾上空やその周辺に高高度気球を打ち上げることも目立っている。このため台湾当局は、中国が心理戦を仕掛けていると非難するとともに、この地域の国際的な航空安全を脅かしていると非難している。
2023年12月と2024年1月に台湾に向けて打ち上げられた中国の気球の飛行経路を示す図。グラフィック: @detresfa_
本日、台湾のクー国防相は次のように述べた:「我々は中国の継続的な軍事的嫌がらせとグレーゾーンの脅威に対して十分に警戒しなければならず、現状を一方的に変更しようとする中国の絶え間ないサラミスライスの試みを常に理解しなければならない。
「私たちは常に警戒を怠らず、しかし慌てず、無関心にならず、冷静に海峡の状況に対処しなければならない」。「我々は挑発する側にはならず、中国がトラブルメーカーにならないよう呼びかける」。
全体として、SSBNはメンテナンスのため帰港した可能性が高いが、海峡におけるPLAのあからさまな活動は、特にこのような核兵器を搭載可能な資産が関与している場合、注目を集める可能性が高いことに変わりはない。
結局のところ、狭い海峡は長い間緊張の源であり、北京が台湾に対する作戦の予行演習を含め、島に対する主張を強化する軍事活動を行うことができる地域である。
PLANの潜水艦部隊は急成長中であり、台湾も現在、水中戦において大きな進歩を遂げている。従って、台湾と大陸の将来的な対立で、潜水艦が関与することは確実である。海峡の水深が浅いため、基本的に通常動力型潜水艦による戦闘行動に限定されるとしても、中国のSSBN戦力が増強されつつあることから、この海域に原子力弾道ミサイル潜水艦が出現することは、今後は一般的になる可能性が高い。■
Chinese Nuclear Ballistic Missile Submarine Surfaces In Taiwan Strait
POSTED ON JUN 18, 2024 3:11 PM EDT
国旗を掲げておけば、示威行為に偽装できたかも?
返信削除