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スロバキアからS-300がウクライナへ移動する。米国がヨーロッパで動き、旧ソ連装備品のウクライナ移送を画策している。

        ロイド・オースティン国防長官はスロバキア首相エデュアルド・ヘーゲルとスロバキア首都ブラスティラヴァで会見した。March 17, 2022. (Jaroslav Novák/TASR via AP)   国 防総省高官は、バイデン政権がNATO同盟国スロバキアからのS-300地対空ミサイルシステムの対ウクライナ供与の追加に動いていると3月30日に連邦議員に語った。      スロバキアはウクライナへの旧ソ連装備品の提供に同意しており、セレステ・ウォランダー Celeste Wallander 国防次官補は下院軍事委員会公聴会で、米国はスロバキアへ何らかの埋め合わせをしている、と述べた。  ただし、スロバキアのヤロスラフ・ナド Jaroslav Nad 国防相が、西側同盟国が「適切な代替品」を提供する条件でS-300を送るとの申し出をして2週間がたっており、マイク・ロジャース Mike Rogers 下院議員(共アラバマ)は、なぜ取引が成立しないのかと質問した。ウォランダーは、各国との調整の中で「進行中」と述べ、より詳細な回答は後の機密セッションでさせてほしいと述べた。  「スロバキアと協力して、同国のニーズを満たす要件を特定している」と「一方で、S-300システム含むソ連の旧式装備を保有する国々、S-300のミサイル本体、各種部品の保有国に、ウクライナへの移送を働きかけてきた」(ウォランダー次官補)  ウクライナのヴロディミル・ゼレンスキー大統領が、ロシア機とミサイルによる攻撃を受けながら、ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定、あるいは代わりにS-300など防空システムや戦闘機の供給を米議会に求めた演説から数週間たっている。  ドイツでは、国防相がロイド・オースティ国防長官を水曜日に訪問し、ウクライナと東部で国境を接するスロバキアへペイトリオット防空装備を派遣すると約束した。ナドは、パトリオットはあくまでもS-300の補完で、交替装備ではないと述べている。  これと別にウォランダー次官補はスイッチブレード100機が、ウクライナに届けられると明言した。 エアロヴァイロメント AeroVironment製の同無人機は、今月送る8億ドルの援助の一部で、対人武器、火器、防護服、弾薬と合わせ送付すると以前報告されていた。ウクライナ軍はトルコ製バイラクターTB2

ウクライナ戦は新型兵器のテストの場となっている。ロシア海軍がカリブル巡航ミサイルを実弾発射している。無神経なTASS通信記事のためご注意ください。

  Screenshot from Russian MoD video ウ クライナ武器貯蔵庫へ向けブヤンM級コルベットがカリブル Kalibr 巡航ミサイル8発を発射した。ロシア国防省公開の映像は、同ミサイルの攻撃で初の公表となった。 ご注意 この記事はロシア国営通信社TASSの原稿を翻訳したものです。 国防省報道官イーゴリ・コナシェンコフ Igor Konashenkov は、海軍の精密ミサイルがロブノ Rovno 市北西14キロのオルジェフ Orzhev 兵器庫を攻撃したと発表した。「西側諸国が供給した武器や軍用装備を保管するウクライナの主要兵器庫を破壊した」と述べた。  カリブルミサイルは、黒海からプロジェクト21631ブヤンM Buyan-M 級ミサイル艦が発射したとされる。映像には、8発のミサイルが次々と発射される様子が映し出されている。同艦はミサイル8発を搭載するため、全弾発射したことになる。 独立軍事評論誌のドミトリー・リトフキン Dmitry Litovkin 編集長は、今回の一斉射撃で、カリブルミサイル全弾を同時発射で威力を確認できたと述べている。 情報のやりとり リトフキンは、カリブルミサイルが飛行中に情報を交換したと見ている。「人工知能は武器やハードウェアに導入され、あるミサイルが目標を見て、情報を他のミサイルと共有する。1発のミサイルが落ちれば、残りのミサイルはどこに飛べばいいのかがわかる。ネットセントリックが実現する」と述べた。  「一斉射撃でカリブルミサイルがリアルタイムで情報交換を行っていることを示した。巡航ミサイルは実はロボットだ」(リトフキン)。 カリブル巡航ミサイルを発射するブヤン級コルベット カリブルとは カリブルS-14(NATO報告名称SS-N-27シズラー Sizzler )は、エカテリンブルクのノバトール設計局 Novator Design Bureau がグラナート Granat S-10から開発し、93年に初めて一般公開された。  グラナートは、米国のトマホークSLCMとGLCMに対抗して設計された。グラナート3M-10は、1983年に魚雷発射管発射用アルファ Alpha 3M-51巡航ミサイルに開発された。1993年、アブダビでの兵器ショーとMAKS-93でモックアップが展示された。  1991年以降、設計者はク

23年度予算案に見る米空軍の動向。23年は大量の機材を処分し、新型機導入の基礎を準備するとしてるが....F-22、AWACS, JSTARSも退役対象機に....

  内情に詳しい情報筋2人によれば、フランク・ケンドール空軍長官は、F-15EXの調達中止の検討を空軍の予算班に命じていたという。逆に23年度概算要求ではプラスアルファの調達となる。 米 空軍は、F-15EXを優先しF-35調達は短期的ながら減速する計画で、JSTARSとAWACS双方の退役を求め、研究開発費の大幅増額を要求しているが、いずれも中国を意識してのことだ。  本日発表された空軍省予算案には、空軍向け1,695億ドル、宇宙軍に245億ドル、空軍が省外の機密プロジェクトに支払う「ノンブルー」支出として402億ドルが含まれる。  空軍の予算担当副次官補であるジェイムズ・ペチア James ペチア は、この数字はFY22の空軍要求と比較すると、推定2.2%のインフレ率を含め約8%の実質成長であると述べています。  中国の経済力と技術力に対抗できる空軍に変身させる必要があるということだ。フランク・ケンドール空軍長官は金曜日の記者会見で、数年前に国防総省の調達トップとして在任中に、記者から「あなたは変革型のリーダーか、進化型のリーダーか」と問われた時のことを思い出した。 「そのとき、私はどちらかといえば進化的なリーダーだと答えた。「今日は、その逆で、進化よりも、変革の方が今は重要だ。原動力は脅威だ」。  空軍と宇宙軍にとって、研究・開発・試験・評価(RD&E)が勝者として浮上し、22年度予算要求の401億ドルから23年度は492億ドルに跳ね上がった。  ここには、B-21爆撃機の購入予算17億ドルや、 ロッキード・マーチン F-35の調達数を減らし、 ボーイング からF-15EXを購入する決定が含まれている。  F-35Aの調達は33機、45億ドルで、22年度から15機減る。一方、ボーイングF-15EX戦闘機は24機、14億ドルで購入する計画で、前年度の調達数の2倍になる。  ボーイング機に関心を向けているように見えるが、空軍はもっと慎重である。この問題に詳しい情報筋2名によれば、ケンドール長官は空軍の予算班にF-15EX調達中止を検討するよう命じていた。しかし、空軍や国防総省のF-15EX推進派が反発した。  その結果、空軍はF-15C/Dに代わるF-15EX調達を急増させ、高度なF-35ブロック4仕様が購入できる時が来るまでF-35調達を減らす選択をした

2023年度国防予算原案で4%増7,730億ドルを提案したバイデン政権には、現実の脅威、インフレに加え、議会の反発が待ち受ける。23年度予算については今後もお伝えします。

        ホ ワイトハウスが3月28日発表した計画では、国防総省の2023年度支出は4%増となる。昨年政権が希望した額を大幅に上回るが、議会共和党はこれでも満足しないだろう。  政府高官によれば、総額7,730億ドルにはロシアと戦うウクライナ支援資金、軍用機や核抑止システムで新たな投資、「北朝鮮、イラン、暴力的過激派組織を含む持続的脅威」に対抗する資金を含む。  この支出計画は、2022年度レベルより300億ドル以上(4%)増加になる。  昨年、ホワイトハウスは3%以下の増額を要求し、共和党および穏健派民主党との1年にわたる争いを引き起こした。最終的に国防総省予算は増額された。  要求額が増えても、議論は繰り返される公算が強い。先週、上下両院の共和党議員40人が、インフレ進行と世界的な脅威の増加を受け、国防予算で少なくとも5%増額をホワイトハウスに要求した。ミシシッピ州選出のロジャー・ウィッカー上院議員 Sen. Roger Wicker はホワイトハウス要求を「戦略的に不健全」とし、ロシアや中国など脅威を抑止するべく原案を変更すべきと主張した。  「課題に対応するため、各軍トップは、より多くの要求をしている。艦船、飛行機、兵器、衛星、そして訓練の充実を求めている」(ウィッカー議員)。「バイデン大統領は、逆に、任務遂行に必要な資源を減らそうとしている。戦略的に不健全であり、将来の紛争や我が国への脅威のリスクを増大させる可能性がある」  月曜日の声明でバイデン大統領は、予算提案について「国家安全保障への歴史上最大の投資の一つで、世界で準備、訓練、装備がもっとも整った軍であり続けるため必要な資金」と呼んだ。  ホワイトハウス当局者は、予算案が承認されれば、2年間で国防費が9.8%増加することになり、「米国の抑止力を維持・強化し、重要な国益を推進するため必要な資源」を提供できると指摘した。  研究、開発、試験、評価用予算の重視は続き、9.5%増1,301億ドルを「過去最大」と称している。内訳は極超音速兵器に47億ドル、マイクロエレクトロニクスと5Gネットワークに33億ドル、バイオテクノロジーに13億ドルを含む。  議会は「旧式装備」の処分計画を昨年破棄したが、政権は再び同様の提案で27億ドル分の再優先化を求めている。空軍は150機を退役させ、MQ-9の100機をその

ロシア空軍が航空優勢を確保できない理由に、西側と全く異なる空軍用兵思想があった。今回の失敗から進化する可能性は?

  ロ シアのウクライナ侵攻開始から1カ月経過したが、ウクライナ防衛軍は不可能を可能にしたかのように、各地でロシア地上軍を阻止し、ロシアの圧倒的な数の優位にもめげず、空域を確保している。  ロシア空軍は米国に次ぐ世界第2位の規模だが、運用は米空軍と全く異なる。ロシア軍は確かに苦しんでおり、ウクライナ上空の失敗は、ロシアの戦争へのアプローチそのものの問題だ。 米国の考える戦闘と航空戦力の意義  米国では、戦闘作戦を6つの想定段階に分け、各段階で、中間目標に向け部隊間が協力し合う。指揮官と幕僚が大規模戦闘作戦を視覚化し、要件を考慮した作戦立案が基本となっている。2009年まで、米国のドクトリンは4段階だったが、対テロ戦争の教訓から劇的に変化した。  6段階とは、形成、抑止、主導権の獲得、支配、安定化、文民権力の実現、形成への回帰だ。  この段階的アプローチでは、指揮官は次の作戦段階の前に、各中間目標を完了するため十分な人員、資源、装備、時間を部隊へ確保する。IRIS Independent Research の社長レベッカ・グラント博士 Dr. Rebecca Grant が 13 年前に Air Force Magazine で指摘していたが、米国の戦闘ドクトリンでは航空戦力はあらゆる局面で役割を果たし、かつ最重要局面で重要な役割を担う。  情報、監視、偵察(ISR)、武装哨戒などの航空戦力は、抑止力として不可欠だ。また、米軍機は主導権を握り、空爆を行い、ISRを提供する上で極めて重要な役割を果たす。制圧段階では、米軍機が制空権を握り、敵機や防空網を排除・軽減した上で、地上軍に近接航空支援とISRを提供する。安定化と民政移管の段階では、偵察から武力支援まで、新政権を正統化するため再び航空戦力が頼りにされる。  大規模で圧倒的な航空戦力が、アメリカの戦争ドクトリンでは主導権を握る段階と支配する段階の両方で不可欠である。航空機は、敵の空中脅威を迅速に無力化し、その後の空爆と地上部隊の支援を同盟国航空機の危険なしで実施可能とする手段だ。  現実に、米国の戦争アプローチは航空戦力中心に構築されており、地上部隊は目標達成のため航空機や長距離兵器システムと組み合わせて使用される。地上部隊の重要性を軽視しているのではなく、米国式戦闘方法は航空優勢の確保を強調している。 ロシアの軍事