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2026年8月20日木曜日

ロシアの不穏な動きを受け、米NATOが警戒態勢を強化―新鋭EW機材EA-37BコンパスコールIIがカリーニングラード付近を飛行―ロシアがなんらかの挑発行動をNATO加盟国に試みるとの予想。日本も心配になる事態です

 A U.S. Air Force EA-37B Compass Call electronic warfare jet was part of a specialized air package flying near the Russian Kaliningrad enclave on Tuesday.

(Matt Belcher)

EA-37Bが偵察・電子戦パッケージでロシアの飛び地カリーニングラード国境沿いを飛行した

EA-37B Flew Along Kaliningrad Border As Part Of “Specialized” Recon, EW Flight Package

米空軍の新型電子戦機EA-37B「コンパス・コール」は、ロシアの戦略的軍事前哨基地のすぐそばを飛行し、NATOによる大規模な作戦の一環として参加した

国空軍の新型EA-37B「コンパス・コール」電子戦機が火曜日、ロシアのカリーニングラード飛地付近に姿を現した。この飛行は、ポーランドとリトアニアに隣接する戦略的なバルト海突出部付近で展開された、米国およびNATOの偵察・電子戦機、ならびにポーランド陸軍による大規模な部隊展開の一環であった。同地域におけるロシアの侵略的行動の増加に対する懸念の高まり――NATO加盟国に対する限定的な軍事行動の可能性への懸念や、バルト海におけるロシア海軍の作戦活動への懸念を含む――を背景に行われた。しかし、NATOはこの航空任務を「日常的なものであり、特定の事象への反応ではない」としている。

「2026年8月18日、NATOはカリーニングラード州近郊のバルト海上空に、専門的な偵察・電子戦飛行部隊を展開した」と、ポーランド軍当局者は水曜日に本誌に語った。「この作戦には、ギリシャからポーランドのポヴィツへ移送された、めったに見られない米国の電子戦機EA-37B『コンパス・コールII』が投入され、E-3 AWACSおよびARTEMIS II監視機と共同活動した。」

「オペレーション・エピック・フューリー」に参加した後、英国のRAFフェアフォードに到着する電子戦機EA-37B「コンパス・コール」。(マット・ベルチャー)

作戦の詳細について話すため匿名を条件としたこのポーランド軍関係者は、ポーランド陸軍の役割やその兵力、装備状況などに関する追加情報の提供を拒否した。

水曜日、NATO当局者は当メディアに対し、現在も継続中のこの活動は同盟国によるものであり、NATOではなく米国が指揮を執っていると明らかにした。本誌は、さらなる詳細について、在欧州・アフリカ米空軍(USAFE)に問い合わせをした。

火曜日にオープンソースのフライトトラッカーがカリーニングラード近郊での航空活動の増加を検知したことを受け、本誌はNATOの広報担当官マーティ・オドネル大佐にコメントを求めた。

「NATOは防衛同盟であり、同盟国は常に防衛能力を磨き続けている」と大佐は説明した。「本日、バルト海地域で行われている、米国およびノルウェーの戦闘機、ポーランドの地上部隊、NATOのE-3A空中早期警戒管制機(AWACS)などが参加し、米国が統括する同盟軍の活動は、この取り組みの一例である。」

カリーニングラード近郊でのNATO機の活動は、決して珍しいことではない。ロシア本土から隔絶され、2つのNATO加盟国とバルト海に挟まれたこの飛び地は、ロシア軍の重要な前哨基地で、核搭載可能な弾道ミサイル、対艦ミサイル、数個飛行隊の戦術戦闘機、そして数千人の兵士が駐留している。また、この地域は、ロシアによ電子戦活動の拠点としても悪名高い。

しかし、この上空でEA-37Bが活動していることが注目に値する。報道によると、高度に専門化された機体がこの飛び地の近くに出現したのは今回が初めてだという。オンラインのフライトトラッカーによると、火曜日に同機はカリーニングラード近郊のポーランド領空で2時間近く周回飛行を行っていた。

パズルの最後のピースとなるのが「SHOCK55」、すなわち米空軍所属のEA-37Bコンパス・コールだ。

重要な点として(そして常に誤解を招きやすい点だが…)、これは電波偵察機ではなく、電子戦機である。4/ pic.twitter.com/RIUbdw41Xf

— Dawid Kamizela (@DawidKamizela) 2026年8月18日

大幅に改造されたガルフストリームG550ビジネスジェットのこの機体は、当初イスラエル国防軍向けに開発されたコンフォーマル空中早期警戒(CAEW)構成を採用している。同機は強力な能動型電子走査アレイを搭載し、敵のレーダーや通信システムに対するものを含め、重要な遠距離妨害支援を提供する。また、EA-37Bは、さまざまな種類の発信源を検知・追跡し、その位置を特定する能力を備えているため、副次的な情報・監視・偵察(ISR)機能も有している。

空軍は、老朽化が進み、機数が減ってきたターボプロップ機EC-130H「コンパス・コール」(現存はわずか4機)を置き換えるため、このジェット機を10機調達する。第43電子戦飛行隊は、2025年5月2日にEA-37Bによる初の訓練飛行を実施し、「オペレーション・エピック・フューリー」において初の戦闘任務を遂行した。

「コンパス・コール」は、世界最強とまでは言わないまでも、強力な空中電子戦プラットフォームであり、この飛び地にいるロシア軍を「目隠し」し「耳を塞ぐ」ことは、不測の事態において同地に配備された戦力が及ぼし得る軍事的影響を最小限に抑える上で極めて重要となる。

「オペレーション・エピック・フューリー」への参加を終え、英国のRAFフェアフォードに着陸する電子戦機EA-37B「コンパス・コール」。(マット・ベルチャー)

本記事の前半で述べたように、NATOはこの活動を軽視しているものの、同地域におけるロシアの行動に懸念が高まる中、ウクライナで依然として激化する戦争を背景に行われている。

今週初め、ロシアのフリゲート艦『アドミラル・カサトノフ』が、ロシアの浮体式貯蔵・生産船『ポルトヴィイ』を護衛しバルト海を通過したとザ・テレグラフが伝えている。これはここ数週間で同地域におけるロシア軍艦の2度目の通過であり、欧州当局によるロシアの「影の船団」船舶の差し押さえを受けて、エナジー輸送を保護するモスクワの取り組みの一環であると、ロシアの独立系ニュースメディア『ザ・インサイダー』が指摘した

先週、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は以下報じた。「サイバー攻撃から小規模な陸上侵攻に至るまでのシナリオを想定した新たな米情報報告書によると、ウラジーミル・プーチン大統領は、今後数年のうちに同盟国に対する限定的な攻撃を行い、NATOの決意を試す可能性がある」。

同紙はさらに、「米国や欧州の指導者たちは、ポーランドに落下したロシア製巡航ミサイルやルーマニアに侵入したドローンなど、NATOの決意を試すロシアによる探査攻撃の兆候をますます強く認識している」と付け加えた。

先月、リトアニア大統領はロシアがバルト三国やポーランドの重要インフラに対する攻撃を計画している可能性があるとの見解を情報機関分析を元に示した。

「ギタナス・ナウセダ大統領は、当局が、リトアニアと欧州の電力網を結ぶ施設を含め、同国のエナジー・交通システムを混乱させる可能性のある攻撃のリスクを監視していると述べた」と、『ザ・ヒル』が報じた

NATOは、現在行われている航空活動と具体的なロシアの脅威や艦船の動きとの間に関連性はないとしているが、ポーランド軍当局者は異なる見解を示した。

「NATOの公式声明は演習を米国の監督下で行われる通常の防衛能力強化措置として位置づけている」と同当局者は指摘した。「しかし、専門家の分析によれば、この展開はバルト地域におけるロシアの潜在的な挑発行為を阻止することが目的だ。」

カリーニングラード周辺で現在行われている米国・NATOによる航空活動が、あとどれほど続くかは不明だ。いずれにせよ、戦略的に極めて重要なこの飛び地の国境沿いで「コンパス・コール」が実施されたことは、ロシアに対する明確なメッセージとなる。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードは『TWZ』のシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに重点を置いているほか、世界中の軍事・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。彼は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に住んでいる。


2026年7月18日土曜日

これはひどい!ウクライナ戦の最前線に投入されたロシア新兵は平均30分で戦死している―ロシアは金銭で兵員をかき集めているのですが、一方で徴兵を忌避した男性は50万から100万人といわれています

 

航空宇宙ビジネス短信

ウクライナ戦線におけるロシア新兵の生存時間は20~30分

Military Hardware: Tanks, Bombers, Submarines and More


CIAのラトクリフ長官は、安価なAI誘導型ウクライナ製ドローンのおかげで、現在、戦線におけるロシア新兵の生存時間は20~30分になっていると述べ、この数字は親ロシア派のブロガーたちも繰り返し言及している。CSIS(戦略国際問題研究所)によると、今年の戦死・負傷者比率は8対1近く、徴兵数は目標40万9000人のうち19万5000人に留まっており、クレムリンは資金調達でオリガルヒを締め上げている。

https://nationalsecurityjournal.org/the-cia-director-said-it-out-loud-a-russian-recruits-life-expectancy-on-the-ukrainian-front-is-twenty-to-thirty-minutes/


フィンランド北部のロヴァヤルヴィ演習場で、フィンランドの砲兵部隊がハウィッツァーを射撃している。画像提供:NATO Flickr。

シア兵の戦場での平均生存時間は20~30分だとCIA長官のジョン・ラトクリフが水曜日に述べた。

ラトクリフ発言はペンシルベニア防衛・イノベーション・サミットで引用されたもので、同氏は、ここまで壊滅的な生存率の主な原因は、AIを搭載した低コストのウクライナ製攻撃ドローンの広範な配備にあると情報報告が指摘していると述べた。

「我々の情報分析は、皆さんがウクライナで目にしたかもしれない公開情報の一部と一致している」とラトクリフ長官は述べた。「現在、ウクライナの戦場に送り込まれたロシア新兵の平均生存時間は、20分から30分と推定されています。

「それは、AI搭載ドローンが、極めて専門的で低コストな殺戮マシンとなったためです。そして、それがこの紛争が4年半も続いている理由でもあります」。

ロシアに勝ち目がない

ウクライナにおけるロシアの攻勢阻止されたままで、ウクライナ軍は攻撃してくるロシア軍に甚大な損害を与え続けており、ロシア軍は死傷者を1日平均約1,000人の出している。

軍事アナリストたちは、ロシアが正面攻撃や人海戦術に過度に依存していることや、小規模な攻撃部隊による拙劣な浸透戦術を指摘している。これにより、装備も貧弱な兵士たちが、重砲やドローンによる攻撃に絶えずさらされている。

『フォーリン・ポリシー』誌への寄稿記事で、ピーター・フランコパンは、ウクライナにおけるロシアの戦争遂行能力が著しく悪化していると指摘した。同氏は、新たに投入されたロシア新兵が前線戦闘に投入されてから20分から35分以内に死亡しており、最初の訓練場到着から平均してわずか10日から3週間しか生き延びていないと述べている。

ロシアの徴兵活動は戦死増に追いつかない

ロシアは入隊希望者に多額の報奨金を提示しているにもかかわらず、戦場での凄惨な戦死者の増加が徴兵活動のペースを上回っている。

モスクワは2026年の目標40万9000人の契約兵のうち、約19万5000人しか確保できておらず、ロシア軍の徴兵活動は目標未達だ。

国防省は、多額の債務を抱える個人をターゲットに、借金免除を提示したり、健康基準を緩和したり、外国人兵士の募集を拡大したりしている。

多くのアナリストは、2022年以来、国民の反発により回避されてきた第2次大規模動員が実施されれば、深刻な政治的・社会的混乱を引き起こす可能性があると警告している。

戦争経済を維持するため、クレムリンはオリガルヒに40億ドルに達すると見込まれる「自発的拠出金」の支払いを強制しており、数十億ドル規模の民間資産の差し押さえも開始している。

ロシアの「肉挽き機」がさらに過酷化、死傷者比率は現在8対1に

戦略国際問題研究所(CSIS)は、AI搭載ドローンが戦線全体に拡大した結果、2026年上半期のロシア対ウクライナの死傷者比率が、これまでの約2対1または3対1から今や8対1近くまで達したと報告している。

この戦争で発生した死傷者200万人以上のうち、ロシア側の犠牲者は140万人以上に上り、そのうち45万人の兵士が戦死したという衝撃的な数字となっている。

『ビジネス・インサイダー』は、「House among the Laurels」というペンネームで投稿する親ロシア派のミリタリーブロガーの言葉を引用した。同氏は、ロシア軍がウクライナの領土を奪取する主な手段である致命的な正面攻撃で、兵士たちは20分から35分間戦った後に戦死していると記している。

CIA長官は米国はウクライナから学ぶべきと主張

ラトクリフは、自身がCIA長官に就任してから18カ月間で、ロシアがウクライナの総領土のわずか約1%しか獲得できていないと述べた。

「ウクライナが新技術を駆使するにつれて、ロシア軍の進撃のペースは止まった」とラトクリフは語った。

同長官はさらに、米国は、この戦争でウクライナがロシアに対して行っていることから得られる教訓に細心の注意を払うべきだと付け加えた。

「重要な教訓は、こうした新興技術の習得が軍事力と同じくらい重要だということだ」とラトクリフは述べた。「だからこそ、4年半が経過した今でも、戦力的に劣るウクライナが、ロシアという戦力的に優位な敵を食い止め続けているのだ。」

「ウクライナによる新興技術、具体的にはドローン戦や非対称戦術の習得は、戦力の格差を埋める上で極めて有効な手段であり、世界市場での地位を維持するためには、我々があらゆる面でこの分野をリードしなければならない理由を示している。それゆえ、ロシア軍の進軍ペースは鈍化したのだ」。

今週初め、欧州連合(EU)とウクライナはキーウで、60億ドルを超えるドローン生産契約に署名した。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ウクライナの国家樹立記念日を祝うキーウでの演説の中で、この合意を発表した。

「双方はそれぞれの強みを結集する必要がある」と彼女は述べた。「この契約により、ウクライナの創意工夫と欧州の産業規模が融合する。」

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、米国との数十億ドル規模の契約パッケージについて進展があったと述べた。

著者について:スティーブ・バレストリエリ

スティーブ・バレストリエリは国家安全保障コラムニストである。米陸軍特殊部隊の下士官および准尉を務めた。防衛問題に関する執筆に加え、PatsFans.comでNFLの取材も担当しており、全米プロフットボール記者協会(PFWA)の会員でもある。彼の記事は多くの軍事関連出版物で定期的に掲載されている。


2026年7月13日月曜日

ロシアはウクライナ戦で自らの未来を削っている―ロシアはもはや大国ではなく、虚勢を張ったところで国際社会は低い評価しか与えない。しかし最大の犠牲は未来を犠牲にされた国民である

 

ロシアは自らの未来を戦争で犠牲にしている

Russia’s War Against Its Own Future

https://nationalinterest.org/feature/russias-war-against-its-own-future

ウクライナ戦争は、ロシアの金融、エナジー、労働力、そして外交力の源泉を、ゆっくり、しかし確実に蝕んでいる

シアは崩壊しつつあるわけではない。むしろ、潜在的にはさらに危険な変容を遂げつつある。すなわち、この大国は、負けるわけにはいかず、明らかに勝teない戦争を維持するために、自らの経済的、人口統計的、地政学的な基盤を徐々に食い荒らしているのだ。クレムリンの「平常」という表層の下には、ウラジーミル・レーニンの不朽の問いが迫っている。Shto delat? 「何をなすべきか?」

2022年のウクライナ侵攻以来、西側アナリストたちは、崩壊が差し迫っているという見方と、ロシアの回復力は制裁の失敗を証明しているという見方という、二つの誤った前提の間を揺れ動いてきた。どちらの解釈も、大きな全体像――ロシアの経済的基盤がゆっくり着実に蝕まれているという事実――を見落としている。

この戦争は、ロシアの権力の根幹そのものを蝕んでいる。クレムリンは、ロシアを大国たらしめた経済的、人的、地政学的な資産を清算しつつある。今日、ロシア国家が萎縮しつつあるのは、レーニンが予言したものではない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による国有財産の掌握と拡大は、大衆の利益のためではなく、大衆を犠牲にして行われている。

強国ロシアという幻想

今日のロシアは依然として戦闘能力を有しており、武器の生産、兵士の徴兵、エナジーの輸出、そして他の多くの国家なら耐えられないほどの打撃に耐え続けることが可能だ。しかし、この戦争はロシア連邦を、現在および将来の権力の基盤そのものを蝕むことでかろうじて存続する体制へと、ますます変貌させつつある。クレムリンは経済資源を軍事力へと転換することに成功したが、その代償は甚大である。外国からの投資は枯渇し、ロシア製品の市場は大幅に縮小し、歳入が激減する中でインフレは急騰している。問題は、戦争が終わった後、ロシアの経済活力、人的資本、地政学的影響力のうち、どれだけのものが残っているかということだ。

これは単なる経済的な話ではなく、政治的な問題でもある。ロシアのエリート層は、オリガルヒ、防衛産業、地方当局者がますます軍事支出に依存するようになった戦時下の政治経済に適応してきた。今や、強力な支持基盤を持つ勢力が、紛争の長期化から利益を得ている。

4年間にわたる、一見制限のない軍事支出、兵力の動員、ナショナリズム的な言説、そして弾圧を経て、クレムリンはその正当性を継続する戦争と不可分なものにしてしまったようだ。面目を保つための和解を除けば、この戦争を終結させるには、不満を抱き士気が低下した軍隊を解隊するだけでなく、それを支える強靭な政治経済体制を解体し、方向転換させる必要があるだろう。

ロシアの「財政的近親相姦」

今のところ、戦時支出がこうした脆弱性の多くを覆い隠している。2022年以降、ロシア経済は国家主導の軍事支出への依存度をますます高めている。防衛・安全保障支出は現在、連邦支出のおよそ40~50パーセント、そしてGDPの10パーセント近くを占めている。景気後退にもかかわらず、公式の成長率は依然としてプラスを維持している。しかし、これらの要因は健全な経済成長と同義ではない。

砲弾や装甲車、軍人の給与で測られる成長は、持続的な繁栄をもたらさない。モスクワによる軍産複合体の推進は、労働者に高額な賃金を提示することで賃金インフレを煽っており、その結果、非防衛産業も同じ労働力を巡って競争するために自社の賃金を引き上げざるを得なくなっている。経済はますます旧ソ連時代を彷彿とさせる様相を呈しており、表面上は生産性が高そうに見えるものの、実際には反競争的な国家支出と統制に依存している。

このシステムを支える金融メカニズムは、ますます脆弱さを露呈している。ロシアの戦時経済は、ますます「自己借入」に依存している。国家は戦争支出を賄うために債務を発行し、銀行がその債務を引き受ける。その後、ロシア中央銀行がこのプロセスを維持するために必要な流動性を供給する。ロシアは事実上、将来の経済力を現在の軍事力へと転換しているのだ。文字通り「紙幣を刷っている」わけではないが、中央銀行によるこの自己強化的な財政ループは、それに極めて近い状態にある。「ロシアは、銀行に資金を貸し出し、銀行が政府に融資を行い、政府が持たない資金を支出できるようにすることで、予算赤字を埋めている」と、欧州政策分析センター(CEPA)のシニアフェローであるジェシカ・ベルリン氏はX上で指摘した

その影響が顕在化しつつある。ロシアの国家富基金は、戦争前はGDPの6.5%に相当していた。2026年4月までに、その流動資産は当時の3分の1未満にまで落ち込み、モスクワの主要な財政的余地は大幅に縮小した。主要な石油・ガス収入は前年比で約45%減少した。

ロシアの国債残高は少ないため、直ちに経済が崩壊する可能性は低い。しかし、モスクワが外貨準備やエナジー収入から、債務の増加、インフレの高騰、そして脆弱な地方予算へと依存するにつれ、戦争のコストは高まりつつある。戦死した兵士の遺族に支払われる「棺桶代」であるグロボヴィエでさえ、負担となっている。クレムリンが資金調達のために銀行に依存するようになった結果、金融機関はよりリスクの高い融資を引き受けることになっている。

ウクライナ戦争の代償が国内に波及

EUが新たな制裁パッケージを準備する中、一般のロシア国民もその重荷を感じ始めている。調査対象企業の半数以上が売上高の減少を報告しており、家計債務の増加と融資の債務不履行は、ある欧州の諜報機関の評価が「爆発的なリスク」と表現する事態を招いている。

同報告書は、企業の不良債権が過去最高水準に達し、2025年には50万人以上のロシア人が破産を申し立てるだろうと予測している。ガソリンの行列は国内各地で数マイルにわたり延びており、これはウクライナによるロシアの製油所や石油資産を標的とした激しいドローン攻撃による供給不足が原因である。中小企業への投資活動は、コロナ禍以来見られなかった停滞水準にまで落ち込んでいる。労働市場も同様の状況だ。

数百万人の労働者が防衛産業に引き込まれたり、兵役に動員されたり、海外へ移住したりした結果、製造業から運輸、建設に至るまで、非軍事産業でも人手不足が深刻化している。侵攻以来、100万人ものロシア人――その多くは若く、教育水準が高く、経済的に生産性の高い層――が国外へ流出している。今後帰国する見込みはほとんどないため、この「頭脳流出」はロシア経済に長期的な影響を及ぼすだろう。ルーブルは印刷できるが、機械工やボールベアリング、エイビオニクスモジュールはそうはいかない。ロシアの最大のボトルネックは、資本へのアクセスではなく、労働力、部品、そして産業能力へのアクセスにある。

2025年、キーウは戦略を転換し、ロシアの戦争経済を支えるインフラを標的とするようになった。紛争の多くは領土の獲得によって評価されてきたが、ウクライナにとって最も効果的な攻勢は、今や地理的なものではなく経済的なものかもしれない。過去2年間で、ウクライナのドローン戦術は、時折行われる象徴的な攻撃から、ロシアの軍事力および経済力を支えるインフラを標的とした実効的な制裁という持続的な作戦へと進化してきた。

製油所、燃料貯蔵庫、飛行場、物流センター、レーダー基地、産業施設がすべて標的となっている。これらの攻撃が重要なのは、個々の製油所が戦争の行方を決定づけるからではなく、累積的なコストを課すからである。金融制裁とは異なり、これらのコストは帳消しにしたり回避したりすることはできない。なぜなら、それらは修復、防衛、あるいは交換を余儀なくされる生産能力を直接破壊するからである。

西側の観測筋は、ロシアが苦境を戦略的成功へと転化させる能力をしばしば誤解してきた。ロシアはナポレオンやヒトラーを打ち破ったが、それは祖国への侵略に対して防衛体制を動員した国家存亡をかけた戦争におけることだった。現在の紛争は根本的に異なり、ロシアは国家存亡をかけた戦争ではなく、自発的な攻勢戦争を継続しようとしている。その取り組みがもたらす地政学的な影響は、ウクライナをはるかに超えて、旧ソ連圏全体に波及している。

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ロシアの国際的影響力の衰退

何十年もの間、ユーラシア全域におけるモスクワの影響力は、軍事力、エナジー輸出、経済統合、そしてクレムリンがこの地域の不可欠な安全保障の提供者であるという認識の組み合わせに支えられてきた。その認識は著しく損なわれている。ナゴルノ・カラバフ紛争の崩壊の際、モスクワが介入する能力を欠いていたか、あるいは介入する意思がなかったことを受け、アルメニアはロシアの安全保障体制から距離を置いている

カザフスタンは引き続きカスピ海を横断する代替輸出ルートと、より強固な接続性の確保を追求している。ウズベキスタンは外交関係を着実に多角化させている。モスクワの最も親密な軍事同盟国であるベラルーシでさえ、特にウクライナの軍事攻撃能力が高まるにつれ、戦争に巻き込まれることを慎重に回避している。

ロシアの影響力の終焉を象徴する単一の出来事など存在しない。しかし、貿易ルート、エナジー回廊、投資、外交はますますモスクワを迂回するようになっており、報復的な強制への依存は、ロシアが維持しようとしている近隣諸国の多くを遠ざけてしまった。

モスクワの勢いの変化を示す最も明確な兆候は、かつての従属的なパートナーへの依存だろう。クレムリンは現在、戦争経済を維持するために、北朝鮮製の砲弾や弾道ミサイル、イランのドローン技術、そして中国の産業サプライチェーンに大きく依存している。戦略的自律性を誇りとしてきた国にとって、弾薬の供給を北朝鮮に強制的に依存せざるを得ない状況は、適応ではなく屈辱である。

プーチン大統領は、西側諸国による侵害への抵抗を理由の一つとして侵攻を開始したが、4年が経過した今、ロシアは戦略的自律性の多くを放棄し、ソ連崩壊以来かつてないほど中国への経済的依存度を高めている。エネルギー部門は、この変容を最も明確に示している。

ロシアのエナジーが抱える機会費用

何十年もの間、石油と天然ガスは、モスクワにとって単なる収入源であるだけでなく、地政学的権力の手段としても機能してきた。ロシアのパイプラインは欧州のエナジー政策を形作り、その炭化水素輸出は軍事近代化の資金源となるだけでなく、モスクワの地域的影響力を強固なものにしてきた。しかし、そのモデルは着実に衰退しつつある。相次ぐ制裁により、ルコイル、ガスプロム、ロスネフチを含むロシアのエネルギー企業は、資産の売却、事業再編、そして主要な国際市場からの撤退を余儀なくされている。

ロシアは今後数十年にわたりエナジー輸出を続けるだろう。しかし、欧州の顧客を1社失うごとに、アジアへの出荷価格を1回値引きするごとに、そしてユーラシア全域で代替輸送ルートが1つ開発されるごとに、かつてクレムリンのエナジーが生み出していた政治的影響力は低下する。多くの点で、ロシアは現在、長期的な地政学的影響力を短期的な現金へと転換している。その取引は戦争を維持するかもしれないが、同時にロシアの未来を弱体化させている。今日、モスクワが戦略的資産を売却することは、明日の影響力の源泉を放棄することに他ならない。ロシアはもはや未来への投資を行っていない――むしろ、それを清算しているのだ。

とはいえ、これらすべてが、モスクワが敗北の瀬戸際に立っていることを意味するわけではない。経済的圧力だけでは、ロシアにその目標を放棄させることはできない。ロシア国家は依然として、消費の抑制、資本の再配分、情報の統制、そして痛みを伴う経済的選択の強制を通じて、社会に代償を強いる並外れた能力を保持している。モスクワは今後何年にもわたって戦い続けるかもしれないが、粘り強さは強さと同義ではない。西側の政策立案者は、ロシアの回復力を永続的な強さの証拠と誤解しがちだが、両者は同じものではない。強さとは、力を再生する能力を測るものである。ロシアは驚異的な損失を吸収できるかもしれないが、同時に、国家の力の伝統的な源泉を再生する能力を犠牲にしているのだ。

戦後のロシアに何が残るのか?

したがって、より重要な問いは、戦後に何が現れるかということである。戦時経済の軌道修正や転換は困難だ。現在、軍事契約に依存している地域全体は、防衛支出に直接・間接的に結びついた数百万人の労働者への対応を図りつつ、新たな成長源へと移行する必要がある。ロシアの銀行は、政府の借入への融資に適応してきた。政治エリートたちは、戦時の優先事項と利益を中心に再編成されている。平和が自動的にこれらの問題を解決するわけでもなく、ロシアの地政学的地位を2022年以前の水準に回復させるわけでもない。■