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3Dプリンタの応用例拡大で国防の最前線はどう変わるのだろうか。艦内での部品製造、建屋の作成、より堅固な地上走行車両の実現....まだまだ広がる積層技術の応用

  世界に1つしかない部品の印刷から、現場での迅速な修理まで、積層造形技術が産業基盤を破壊しつつある。材料とプロセスにおける革新で新たな可能性を開き、同技術への関心が高まっている 自 動車、航空宇宙、ヘルスケアなどの市場で積層造形技術を採用するにつれて、その機会は増える一方である。グランド・ビュー・リサーチのデータによると、世界の積層造形産業は2030年までに761億6000万ドルに膨れ上がる可能性がある。これは年平均成長率で20.8%に相当し、製造業全体の成長率をはるかに上回る。  軍にとって、積層造形は従来の製造方法を用いた製品の物理的弱点など、設計上の脆弱性に対処する能力となる。一方、連邦政府と業界団体は、長年のサプライチェーン問題を解決する可能性に賭けている。  しかし、有望な進歩にもかかわらず、防衛分野には大きなハードルが残る。普及には、流通網のあらゆる階層のメーカーが投資を惜しまないことが必要となる。しかし大規模企業が採用の大半を占めているのが現状だ。  積層造形技術は新興技術と見なされることが多いが、最も初期の軍事利用は、エンジニアがアディティブ技術の開発を始めた1980年代後半にさかのぼる。しかし、初期の用語の使い方はさまざまだった。業界のコメンテーターが "アディティブ・マニュファクチャリング"という用語を一般化したのは、2000年代に入ってからである。  新しい技術、特に業界全体の標準が不在の技術の導入は、困難な作業だ。米軍の各部門は、世界で最も大規模かつ複雑な組織である。陸軍だけでも200万人以上の職員がいる。一貫した言語もなく、技術に関する知識も限られていたため、1980年代から1990年代にかけて業界で働いていた人の中には、積層造形の可能性を理解していた人はほとんどいなかった。その結果、国防部門での受け入れは、他の部門に遅れをとった。  とはいえ、過去30年間にわたり、軍は研究開発機能への導入に一貫して取り組んできた。各部門が付加技術をプロセスに組み込む新方法を模索する中で、研究者やエンジニアは、付加製造がギャップを埋め、課題に対処できるスペースを特定した。当初は、この技術が従来の製造技術を補完する使用例が中心だった。例えば、ツーリングガイド、治具、固定具の印刷などだ。  転機は、2016年初めに国防総省が軍での3Dプリ

リムパックで注目、金属対応3DプリンターがUSSワスプで実用テスト中。艦上で交換部品等の製造が可能となれば海上作戦に変化が生まれそう。

  A 3D printer conducts a diagnostic run aboard the Wasp-class amphibious assault ship USS Essex (LHD 2) on July 9, 2022. MASS COMMUNICATION SPECIALIST 3RD CLASS ISAAK MARTINEZ / U.S. NAVY   連 邦政府全般に3Dプリンターを導入するメリットは非常に大きいものがあるが、同技術が実用レベルに到達するまで時間がかかった。今回、米海軍が、信頼性の高い金属部品をプリントできる初の3Dプリンターを艦艇に搭載したことで、状況が変わりつつあるのかもしれない。   政府は、3Dプリンターに非常に長期間にわたり関心を示してきた。2015年、筆者はNextgovに説明記事を書き、専門家が3Dプリント技術に投資することで得られる多くの利点に触れた。しかし、初期のプリンターは物理オブジェクトを作成するのに使用する材料が原因で、用途が限定されていた。   初期の3Dプリンターは、プラスチックベース材料のみを長いスプールで供給し、溶かした後、クリエイターが望むオブジェクトにしていた。また、初期の3Dプリンターは、コンピューター支援設計の図面ファイルに対応し、高精度の作品を作ることができたが、プラスチック基材のため、用途は限られた。小型の燃焼機関や歯車、芸術作品のプリントはできたが、完成品を実際に使うと、溶けたり壊れてしまう。   政府での3Dプリンター活用で決め手となったのは、耐久性のある金属を扱えるようプリンターが改良されたことだ。アディティブ・マニュファクチャリング(積層製造)と呼ばれる3Dプリンターは、金属、複合繊維、コンクリートなど、あらゆる素材の製品をプリントできるようになった。   先日、筆者はアディティブ・マニュファクチャリング分野の専門家を招き座談会を開催した。各専門家は、3Dプリンターがここ数年で進歩を遂げたこと、行政サービスの新たな可能性を切り開いていることを説明した。   アディティブ・マニュファクチャリングの新しいリーダーの一人 マークフォージド Markforgedのトニー・ヒギンズ Tony Higgins は、「当社にはステンレス鋼、金属工具、銅をプリントするシステムがあります」

3Dプリント技術で潜水艦用部品調達を狙う米海軍。コロンビア級SSBNの建造本格化で年間3隻建造体制となれば、サプライチェーンに負担が増えるための画期的解決策になるか。

    攻撃型潜水艦USSシカゴがパールハーバーの中間整備施設で作業を受けている (Dave Amodo/U.S. Navy)   重 要不可欠なコロンビア級弾道ミサイル潜水艦建造計画で想定される最大リスクに産業基盤へのしわ寄せがある。   積層造形技術 による製造方式、つまり3Dプリント技術がその解決方法になる。     米海軍は部品需要に対応できない供給業者は積層造形技術企業と組ませ、部品を24時間体制で供給させたいとしている。狙いは潜水艦の産業基盤で最も弱い鋳造、鍛造、艤装品にある。   戦略潜水艦整備室主管のマット・サーモン Matt Sermon はこの方法で対象企業、なかには唯一の製造業者となっている企業もあり、に現在の受注分をこなすのにさえプレッシャーを感じているところでさらなる増産を無理なく行うことにあると説明。   現在の産業基盤でヴァージニア級攻撃型潜水艦二隻を建造しているが、そこにコロンビア級SSBN一隻が加わり、稼働中の潜水艦整備作業も行うことになる。   ただ、ブロックVヴァージニア級一号艦の建造は始まっており、艦中央部にヴァージニア・ペイロード・モジュールを加えるため建造工数が約25%増える。またコロンビア級2号艦の発注は2024年で2026年から毎年一隻で建造となるので、建造元、供給業者の業務量が急増する。海軍はSSBN1隻、SSN2隻の毎年調達を「1プラス2」と呼ぶ。   部品発注量が減らないのであれば、「積層造形技術で部品を作れば、1プラス2となっても対応できる」とサーモンは言う。   海軍では潜水艦用各部品を認証している。サーモンはこれにかわり、高品質素材や工程を積層造形に使うべきとする。   だが、海軍は以前も同じ方法で苦労している。航空機関連で積層造影技術が提唱され、非重要部品のプリント許可を求めてきたが、海軍は許可しなかった。空母USSジョン・C・ステニス艦上に初の高度製造ラボを設置したが、レーザースキャンと積層製造ツールで打撃群艦艇用部品を製造したのであって、航空機用部品は手掛けていない。   潜水艦用の積層造影技術応用部品も航空機用と同様にリスクがあり、潜水艦、航空機ともに厳しい安全基準で乗員の安全を守っている。だがサーモンによれば、技術部門が議論に加わっており、技術保証が次の検討対象になるという。海軍海洋システムズ本部

米海軍潜水艦にアグレッサー部隊誕生。その他3Dプリンター技術などで将来の姿が変わる

Navy Creating Attack Sub Aggressor Unit to Train to Fight Against Russia, China 米海軍が攻撃潜水艦でアグレッサー部隊を創設しロシア、中国に勝つ訓練を開始する By: Megan Eckstein November 8, 2018 4:00 AM • Updated: November 7, 2018 8:58 PM https://news.usni.org/2018/11/08/submarine-forces-china-russia ヴァージニア級高速攻撃潜水艦USSミズーリ(USS-780)。May 31, 2018. US Navy Photo ARLINGTON, Va. — 米海軍潜水艦部隊にアグレッサー戦隊が生まれる。中国やロシアを想定した即戦力体制の効果をさらに引き上げるねらいがあると米海軍潜水艦部隊司令官が説明している。 チャールズ・リチャード中将中将は8月の就任式典で隷下部隊に「戦闘準備を進めよ」と述べ注目を浴びた。 中将は国家防衛戦略構想を反映しここ数ヶ月に渡り潜水艦部隊の構想を整備している。訓練、戦闘態勢の認定、新規手法の開発やハイエンド戦支援体制などだ。 構想は米潜水艦部隊及び支援組織に向けた司令官の施策方針と呼ばれ、攻撃潜水艦部隊の訓練体系の抜本的変革を目指すとリチャード中将が海軍潜水艦連盟の年次総会の隻上で披露した。 「高速攻撃潜水艦向け訓練期間を元に戻すことでハイエンド戦に対応できるようにする。戦術即応体制評価と呼んできた体制に戻し戦闘即応体制評価として戦闘に中心を置く」(リチャード中将) 「第一線配備への認証過程を見直し重複をなくし、適材適所を目指した。潜水艦部隊ですべてを競わせる。実戦同様に勝敗をはっきりさせる。敵対勢力がこちら以上の水準だと困る。敗者になれば帰港できないだけだ」 アグレッサー戦隊はこの延長でハイエンドの潜水艦対潜水艦の戦いで米海軍が勝利することを目的とする。リチャード中将は海軍航空部隊の「トップガン」からヒントを得たと認めている。 会場で海軍広報官サラ・セルフ-カイラー中佐が構想ではトップガンと違い訓練専用艦は配備しないとUSNI Newsに述べた。かわりに人員

★★3Dプリンターを戦場に持ち込んだ米海兵隊の利用方法

海兵隊総監ロバート・B・ネラー大将(右)が3Dプリンターの作動状況を見ている。 中央軍任務地にて。 June 18, 2017. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Samantha K. Braun) Marines Send 3D Printers to Combat Zone to Fix Gear Faster 米海兵隊が戦闘地帯に3Dプリンターを持ち込み装備修理を迅速に進めている  POSTED BY: HOPE HODGE SECK JULY 5, 2017 https://www.defensetech.org/2017/07/05/marines-send-3d-printers-combat-zone-fix-gear-faster/ 各国共同でイスラム国戦闘員集団と対決する戦闘も三年になり、最前線は厳しい環境に置かれている。イラク、アフガニスタンとはちがい大規模な前線基地や大部隊はともに姿が見当たらない。この環境で米海兵隊が3Dプリンターを現場に持ち込み、新技術で補給活動を加速化し故障した装備を早く現場に戻そうとしている。 「3Dプリンターを戦闘地帯で使うのは海兵隊が初めてでしょう」とハワード・マロット中佐が述べる。海兵隊で付加製造、3Dプリントの実施で先端を走る中佐がMilitary.com取材に答えている。「特殊部隊ではプリンターを使っていますが、扱ったのは技術専門職でした。海兵隊は海兵隊員がプリンターを使っており、運用しながら訓練も行っています」 海兵隊関係者はプリンター設置先や設置数については語ってくれないが、マロット中佐は卓上サイズのマシンが中東各地に配備されており、海兵隊危機対応タスクフォースが使っていると紹介してくれた。ただし戦線の背後地に配備しているという。各軍も3Dプリント技術の軍事応用を模索しているが、海兵隊が同技術導入に一番熱心で実戦部隊の一般隊員にまで使用させている。2016年9月の海兵隊内メッセージで各部隊指揮官には運用中装備の修理部品製造で3Dプリント技術利用が認められた。 マロット中佐によればこれまで3-Dプリンター40台が導入されており、需要は伸びる一方で今年秋には60ないし70台に増えると見ている。 戦闘地帯でプリンタ