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GCAPは欧州の軍事的自律性と相互運用性への一歩になる(The Aviationist)―イタリアの視点を紹介する機会が少ないのでこの記事をお伝えします。GCAPだけでなくFCASやNGAD/FA-XXにも触れています

  ローマ上空を飛行するGCAP機の想像図。(画像提供:レオナルド) イ タリア国際問題研究所による新しい研究は、GCAPの組織と3か国のパートナーのアプローチを検証し、イタリアが課題に適切に対処し、機会を捉えるべく提言を行っている。  グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)へのイタリアの参加に関する新たな情報が、国際問題研究所 (Istituto Affari Internazionali) の研究で明らかになった。同研究所は、2025年3月23日にローマで開催された「GCAPと国家システム:イタリアの課題と機会」と題するプレゼンテーションで、「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)におけるイタリア、日本、英国の新たなパートナーシップ」と題する研究を発表した。  新しい研究では、3か国のGCAPへのアプローチ、プログラムにおける制度運営と産業協力、欧州および米国における同様のイニシアティブの現状、現在の課題と将来の機会、さらにイタリアの国別システムに対する15の提言が分析され提示されている。  GCAPは、政治、軍事、産業などの観点から、イタリアにとって非常に優れたプログラムであると評価されている。  政治レベルでは、日英伊3カ国が対等の立場で、かつ、運用面および技術面での完全な主権を保証した上で直接協力するのは、米国主導のF-35プログラムでの経験を経て、初めてのことだ。軍事的レベルでは、イタリアと英国のユーロファイター、日本のF-2戦闘機を補完し、2035年以降に登場する有人戦闘機の要件は厳しいものとなる。産業レベルでは、3か国における航空宇宙および防衛産業にとって、一連の重要な技術における質的な飛躍となる。 戦略的な重要性  今回の研究では、軍事支出に対する一般市民の懐疑的な見方にもかかわらず、GCAPはイタリアにおいてF-35プログラムと比較して政治的な反対がほとんどないことを強調している。これは、F-35の主な反対理由のひとつである米国の関与がGCAPにないことが理由であり、これにより、運用面および技術面でのより大きな自主性が実現している。  今回の研究が発表される数日前、F-35の「キル・スイッチ」神話が再び話題のトピックのひとつとなった。イタリア空軍参謀総長のルカ・ゴレッティ将軍もこの件について言及し、「米国が照明...

カヴール空母打撃群の太平洋展開により、イタリアは太平洋で影響力を増大させた、と提督が発言(USNI News)―海自も同乗してF-35B運用を観察していた

  イタリア海軍のフリゲート艦「ITSアルピーノ」(F594)と空母「ITSカヴール」(550)は2023年9月21日、シンガポール共和国海軍のチャンギ海軍基地に停泊した。USNIニュースの写真 イタリア海軍の太平洋への展開拡大により、艦載型F-35BライトニングII戦闘機が初期作戦能力を達成し、インド太平洋展開におけるパートナーとの演習を実施したと、CSG司令官のジャンカルロ・チャッピーナ少将 Rear Adm. Giancarlo Ciappina が述べた。  「F-35Bの初期作戦能力宣言にあたり、今回のキャンペーンは非常に有益でした。なぜなら、これまで実施してきたすべての訓練が、この航空機を運用するために必要な枠組みを構成してきたからです」と、シンガポールのチャンギ海軍基地に停泊中の空母で開かれた記者会見で、チャッピーナ司令官は述べた。8月26日、カヴールが横須賀に停泊した際に、IOCが宣言された。カヴールに加え、イタリア海軍のフリゲート艦ITSアルピーノ(F594)とフランス海軍のフリゲート艦FNSブルターニュ(D655)が、CSGを補強した。アルピーノは、6月1日にイタリアを出発した後、空母と常に一緒にいた。イタリア海軍の多目的戦闘艦「ITS Raimondo Montecuccoli」(P432)は、日本において空母打撃群に加わったが、その後単独作戦のため分離した。 チャッピーナ少将によると、F-35Bは洋上展開による遠征作戦のIOC(初期作戦能力)に達した。イタリア海軍はイタリア空軍の支援を受けながら作戦を主導した。イタリア空軍はイタリア海軍の支援を受けながら、F-35Bの陸上展開による作戦のIOCを主導する。イタリア空軍は主にF-35Aモデルを運用しているが、遠征用飛行場からの分散運用やカヴールからの洋上運用にBモデルを使用している。空母航空団には、イタリア空軍のF-35Bが2機、イタリア海軍のF-35Bが6機、AV-8BハリアーIIが7機、NH-90ヘリコプターが2機が含まれていた。  チャッピーナ少将は、7月12日から8月2日までオーストラリアで開催された多国間演習「ピッチブラック」にイタリア空母打撃群が参加し、グアム近海でF-35BのAMRAAMミサイルの実射演習を実施したと述べた。いずれもIOC達成に向けた取り組み。  「ヨーロッ...

イタリア空軍がKC-46Bを6機導入へ。KC-767は全廃

  Main image: KC-46A (USAF). In the boxes: Italian Air Force KC-767A (image credit: Author)     イタリアがボーイングKC-46Aオペレーターになる。新型ペガサスはKC-767Bの呼称へ。     イ タリア政府が今夏発表した2022年-2024年のDPPD(Documento Programmatico Pluriennale della Difesa)、つまりイタリア軍の戦力維持と近代化に必要な資金を示す文書では、イタリア空軍のいわゆる大型マルチロール輸送能力を高めるため、KC-46タンカーを2機新しく導入するとともに運用中のKC-767Aタンカー4機を同水準までアップグレードする防衛省(MOD)の意思が示されていた。   DPPDではこの調達に関する追加的な詳細の説明がなかった。しかし2022年11月2日、国防総局・国家軍備総局(SEGREDIFESA)の航空軍備総局(ARMAEREO)は、「イタリア空軍ヘビー・マルチロール・タンカー機材の更新・強化・統合後方支援」に関する予備報告書を公表した。   報告書によると、2機のKC-767Aを新規調達し、これらと既存4機を最新の構成規格(KC-46A)にアップグレードするとした当初の計画は、プロジェクトを評価する役割を担う特別委員会により実現不可能だとわかった。目標を達成する唯一の実行可能な解決策は、現在米空軍が運用中のと同じ規格の新しい航空機(文書ではKC-767Bと呼び、これがイタリア空軍の新タンカーの名称となることが示されている)6機を購入することとある。 実は、KC-767Aをペガサス規格にアップグレードすることは、当初から困難な作業であったようだ。KC-767Aは、民間のB-767-200ER(Extended Range)をベースに、KC-10と同様の第6世代フライングブームと3つのホース&ドローグステーション(WARPs:Wing Air Refueling Pods)を装備している。 ボーイング 767の派生型でありながらKC-46Aペガサスは胴体のストレッチ、エンジン、コックピット、翼、ブームの違いがあり、共通点もあるものの、ほとんど全く別のタンカ...

米国外生産で初のF-35B初号機がイタリア海軍へ納入!

The First F-35B Assembled Outside The U.S. Delivered To The Italian Ministry Of Defense Today 米国外で初のF-35B 完成機がイタリア国防省へ引き渡し イタリア製F-35B一号機(BL-1)がイタリア国防省に納入され、イタリア海軍に配属された。1月25日、カメリFACO。I(Ministry of Defense Photo)   By David Cenciotti   Jan 25 2018 https://theaviationist.com/2018/01/25/the-first-f-35b-assembled-outside-the-u-s-delivered-to-the-italian-ministry-of-defense-today/ イ タリア製のF-35BライトニングII短距離離陸垂直着陸型 (STOVL) 一号機がカメリ最終組立点検施設(FACO)でイタリア国防省に納入されイタリア海軍に1月25日配属された。 同機は軍高官が出席する式典で正式にイタリア海軍に引き渡された。 ロッキード・マーティン からはダグ・ウィルヘルムDoug WilhelmF-35事業統括副社長が出席した。 従来通り、イタリアが報道関係は一切シャットアウトしたため式典の様子はお伝え出来ないが、イスラエル向けあるいはオランダ向け初号機の際は鳴り物入りで広報したの対照的だ。イタリア国防省はF-35に関する限り一貫して「低姿勢」を守っている。 イタリアのF-35は発注が131機から90機に削減されさらに縮小の可能性もある中でイタリア国防予算の相当な部分を占めている。このためイタリア国防政策ではF-35の動向が注目されがちだ。物議をかもす存在にもなっており、一般国民のみならず国会議員にも同機への反対姿勢が相変わらず存在するのはティアII参加国で産業界へ大した恩恵がないまま苦しい財政の中存続させられないからだ。にもかかわらず政府はF-35事業を温存しイタリア空軍に第五世代戦闘機を配属し、老朽化してきたAMXとトーネード戦闘爆撃機に交替させ、海軍にはF-35BでAV-8B+ハリアーの後継機とさせたいとする。 これでカマリFACOはF-35Aは9...