2026年6月5日金曜日

ウクライナが有利になってきたのは、ドローン無人システムを巧みに運用する能力によるもの。戦場の常識がかわりつつあるが、まだ日本メディアはロシアの敗北を認めたくないようだ

 Ukrainian President Volodymyr Zelenskyy inspects a drone with German Federal Chancellor Friedrich Merz at an exhibition of German-Ukrainian products in the Federal Chancellery on April 14, 2026.

2026年4月14日、ドイツ連邦首相府で開催された独・ウクライナ製品展示会にて、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、フリードリヒ・メルツ独連邦首相と共にドローンを視察している。Michael Kappeler/picture alliance via Getty Images

ロボット導入でウクライナは「生き残る」段階を乗り越え、「勝利」が現実の選択肢となってきた

Thanks largely to robots, Ukraine is now talking about winning, not just surviving


ウクライナの無人・自律システム、適応する姿勢が、ロシアの優位性を無力化している

https://www.defenseone.com/technology/2026/06/ukraine-robots-winning/413902/?oref=d1-homepage-river


チェコ共和国・プラハ– 4年前には考えられなかったことを口にする欧州の当局者やアナリストたちが増えつつある。ウクライナはロシアとの過酷な戦争を単に生き延びているだけでなく、ある意味で勢いを増しており、勝利への道筋さえ見えているかもしれない、と。

これはまだ見出しには表れていないが、先週末にウクライナ周辺でロシアのドローンやミサイルが集中攻撃を仕掛けた件などでの詳細、例えば90パーセントが迎撃されたといった点に表れている。

長期的な傾向がウクライナに有利に傾いており、核心的な理由は、AIとロボティクスへの並々ならぬ注力にある。

戦争という試練の中で、ウクライナは領土を維持し、さらには奪還さえできるドローンや地上ロボットを開発してきた。物資補給ロボットや医療搬送車両のように、人間が完全に制御するものもある。しかし、空中ドローンに搭載される誘導システムから最高レベルの意思決定支援に至るまで、数十種類のAI製品によって一部の側面が制御されるケースが増えている。例えば「TFL-1」モジュールは、人間が標的を選択した後、片道飛行ドローンが自律的に機能できるようにし、ジャミングやその他の防御手段に対する脆弱性を低減する。製造元のウクライナ企業The Fourth Lawによると、TFL-1を搭載することでドローンの命中確率は4倍になるという。

技術と同様に重要なのが新戦術だ。実験に異例なまでの自由度を与えられたウクライナの戦闘員たちは、「1年以上前」から、空挺部隊と地上部隊による統合兵科攻撃など、ロボットを前面に押し出した歩兵戦術の概念を開発し始めた。「我々はこれを大規模に導入し始めている」と、国内外の安全保障に関する調整機関であるウクライナ国家安全保障・国防会議のダヴィド・アロイアン副事務局長はインタビューで語った。

ウクライナとパートナー諸国はロシアのドローンに対する高度に自律的な防衛のための新たな構想も急速に推進中で、ISRセンサーとAIを組み合わせ、より短時間で、より確実に敵ドローンを検知・識別しようとしている。

「すべてのシステムが相互に、さらに人間と連携している」とアロイアンは説明した。これにより、必要に応じ起動される迎撃ドローンを各地に配置した分散型ネットワークが構築される。「いずれは、迎撃の承認を担当する要員は10人程度になるだろう。そして、システムが自動的に標的へ直行するようになる」

人間オペレーターも分散配置される。「すべてをキーウやリヴィウ、あるいは他国の都市から制御することが可能だ」と彼は語った。

ウクライナの優位性は、兵器や戦術だけにとどまらない。ロシアや、さらにはキーウを支援する西側諸国を上回り、自律型戦争を軸に教義、調達、補給システムを再構築する意欲がウクライナにはある。

この流れに乗れない国は破滅のリスクを負う、とウクライナ有数のドローンメーカーの代表者が、当地で開催されたGLOBSEC会議で警告した。

「ヨーロッパの我々を恐怖に陥れるべきなのは、ウクライナに起きたこと(つまりロシアによるシャヘド・ドローンの集中攻撃)ではない」と、スワーマーのCEOセルヒー・クプリエンコは述べた。

その代わりに、クプリエンコは、平均的な軍事力(この場合はウクライナ)が、いかに迅速に、精密かつ壊滅的で長距離の打撃能力を身につけたかという点こそが、人々を恐怖に陥れると語った。

クプリエンコは、衛星画像など一部防衛技術分野において「我々は文字通り10年、あるいは20年遅れている」と認めた。にもかかわらず、ウクライナはわずか2年前には乗り越えられないと思われていた能力曲線を登り切った。他の国々も同様だと彼は語った。

「答えは常にAIソリューションにあり、官僚機構内の日常業務にさえAIを統合することにある」と彼は語った。

ウクライナはまた、ロシアの脅威に対抗できる防衛産業を発展させた。その成功は戦場だけでなく、ウクライナ国内で、あるいはウクライナと共同で開発された防衛製品に可能性を見出す増加する海外投資家の数にも反映されている。

「我々は2022年以降進化してきた。産業も、そして防衛体制も同様だ。現在、我々は[大量のドローン]資産だけでなく、エコシステムを構築するために必要なあらゆるもの——部品や生産、訓練、改造などを含めて——を提供できる」とアロイアンは述べた。

攻撃用ドローン万歳

ウクライナの攻撃用ドローンは、他のいかなる要因よりも、ロシアの主要な優位性——経済的に困窮した若年男性の大規模な人口と、死の代償を軽視する傾向——に対抗するのに役立っている。ウラジーミル・プーチン大統領は、前払いボーナスや保険給付で数十万人を動員しており、これはウクライナの戦場で数的優位をもたらすとともに、「低迷するロシア経済に相当の刺激」となっている、と海外在住の経済学者ウラジスラフ・イノゼムツェフは記している。同氏はこのシステムを「デスノミクス(死の経済学)」と呼んでいる。

しかし、兵士を補充できる速度よりも速くドローンが殺戮してしまうなら、人海戦術は無力となる――そして、まさにその状況になっていると、戦争研究所(Institute for the Study of War)は今週記した。

「ウクライナによる中距離および前線でのドローン攻撃作戦の成功は、ロシアが人員を前線へ輸送し、前線の陣地へ物資を供給・維持する能力を制限している」とISWは記した。プーチンは今や、「ますます疲弊するロシア国民に対し、5年目に突入する戦争を支持するだけでなく、すでに100万人以上の犠牲者を出している戦争への強制動員を受け入れるよう説得しなければならない」。

ウクライナによる深部攻撃能力は戦況を一変させている。ロシア領内の奥深くにある石油インフラはもはや安全ではなく、ホワイトハウスが制裁緩和をどうしようと、キーウはモスクワの輸出収入に影響力を行使できるようになった。さらに屈辱的なことに、ドローンの脅威により、プーチンは今月の恒例の戦勝記念日パレードを、ソ連風の戦車やミサイルの整列なしで行わざるを得なかった。

「信じてほしい。我々は50年間ソ連の占領下にあった。戦勝記念日パレードがいかに重要か、我々は知っている」と、エストニアのマルグス・ツァクナ外相はGLOBSECで語った。「プーチンは初めて、このパレードを執り行うことができなかった。これはまさに、見せかけが崩れ去ったということだ。そしてプーチンは、我々だけでなく、ロシア国民にも面目を失いつつある。」

「プーチンは、ウクライナは5日間で解決する問題だと思っていた。率直に言えば、我々も『5日で終わりだ』と言っていた」と、ルクセンブルクのザビエル・ベッテル副首相は述べた。「実際、ウクライナ人の粘り強さは、私たち全員にとって大きな驚きでした。」

情勢の急変

ウクライナの展望がいかに劇的に変化したかを理解するには、3月時点で国家情報局長(ODNI)だったタルシ・ガバードが、米情報機関はロシアが紛争で「優位に立っている」と見なしていたと証言した事実を想起すればよい。

現在、ウクライナ当局者やその他の観測筋は、ウクライナを支援する諸外国の間で時期尚早な勝利意識が広まりつつあることを懸念し始めている。キーウは支援と武器の輸入に依存していることにかわりはない。先週、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米国から高性能なペイトリオットミサイルの供与を確保するための政府の取り組みについて、引き続き「非常に粘り強く」取り組んでいると述べた。「(米国は)もっと迅速に行動すべきだと考えている」と、彼はスウェーデン訪問中に記者団に語った

しかし、一部の欧州諸国政府は、単にウクライナのためだけでなく、自国の利益のためにも、欧州の新たな防衛リーダーとのより深い関係を築くことに、これまで以上に意欲的だ。

「これは将来的に、欧州連合(EU)やNATOの拡大プロセスを意味する」とエストニアのツァフクナは述べた。「ウクライナに対する、そしてウクライナのための安全保障の保証を意味するだけでなく、その逆もまた然りだ。なぜなら、実際にはウクライナは現在、欧州最大の軍事大国で産業基盤も拡大しているからだ」

ウクライナ政府にとって、勝利宣言するには、単に戦闘行為の停止だけでは不十分だ。アロイアンは、2014年のクリミア侵攻後に見られたような再軍備を許さないよう、侵略国を「はるかに弱体化」させなければならないと述べた。

「停戦が成立するとしても、制裁解除には極めて厳しい条件と困難な交渉が伴い、その時期も不透明だ」と彼は述べた。そうでなければ、ロシアは「全面侵攻前の段階ですべての(軍事増強の)プロセスを再開するだろう」。

「現在、ロシアは経済の約30%を防衛産業に充てようとしている」が、これは過剰だと彼は指摘した。

20世紀末からロシアを率いてきたプーチンの失脚では不十分だろう。

「体制の変化は、単に外部からであってはならない。内部からのものでもあるべきだ」と彼は語った。

もしそれが実現すれば、功績の多くはウクライナのドローンの製造者や運用者に帰属することになるだろう。■


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