2026年6月30日火曜日

GCAP戦闘機に先立つ実証機の製造が進み、技術課題を事前に解決する手段となり、3Dプリントなど新技術を試す。GCAPはF-2供用終了を2035年2想定する日本の厳しい要求に直面している

 

BAEの未来戦闘航空実証機(FCAD)はGCAPのリスク低減に向けた重要な取り組みとなる

BAE Combat Air Demonstrator Progresses Critical GCAP De-Risk Efforts


https://aviationweek.com/defense/aircraft-propulsion/bae-combat-air-demonstrator-progresses-critical-gcap-de-risk-efforts

new image of the fcad demonstrator

BAEは、FCADの側面図の新たなイメージ図を公開した。提供:BAEシステムズ

イングランド、ウォートン発—BAEシステムズは、3カ国共同の「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」から誕生する戦闘機の道筋を拓く機体となる「フューチャー・コンバット・エア・デモンストレーター(FCAD)」の開発でいよいよ「本番段階」に突入した。

実証機は体積で約75%が製造済みであり、同社は2027年末までのロールアウトを目指して主要な構造部品の生産を進めてきた。

「当社は限界に挑戦し、新しいことを試し、新しい設計・製造手法を試みている。これは、今後開始される本プログラムに向けて準備を整え、万全の態勢で臨む」と、BAEシステムズのFCASデリバリー・ディレクター、トニー・ゴッドボールド氏は、今月初めに同社の施設で行われた説明会で記者団に語った。

本誌は、イングランドのサムルズベリーにあるBAEの施設で形になりつつある実証機の機首部、中央部、尾部胴体セクションを視察することを許可された数少ない業界誌の一つであり、一方、巨大なダブルデルタ翼はウォートン施設で製造が進められている。

同機の側面プロファイルが詳細にわかる新しいイメージ図も同社が公開した。

各胴体セクションのフレームは治具で位置合わせされており、中でも中央胴体セクションが最も多くの情報を明らかにしている。そこには、主着陸装置の前方に配置された2つの深い内部兵器ベイが見て取れる。その大きさから、この実証機はF-35の約2倍の内部兵器搭載容量を持ち、より大口径の兵器を収容できる可能性がある。

着陸装置が設置される箇所では、ギアドアが取り付けられる部分のレーダー反射断面積を低減するため、フレームに多面エッジが追加されている。

2基のユーロジェットEJ200エンジン用の個別のダクトが兵器ベイを覆うように配置され、中央胴体のほぼ全長にわたり延びており、これが以前に公開された異形の吸気ダクトの形状を説明している。報道団には後部胴体の後端部が公開されなかったため、ダクトが機体後部までそのまま平行に伸びているのか、それともエンジンが広く間隔を空けて配置されているのかは依然として不明である。本誌の取材によると、この実証機には、標準的なユーロファイター・タイフーンとは異なる、改良型のエンジンノズルが採用される予定だという。

吸気口と胴体の接合部は、積層造形で単一部品として製造されている。この部品は、従来の製造技術では生産できなかっただろう。一方、同機の大型後縁制御面用のチタン製アクチュエータクレードルの製造には、高温等方圧プレス(HIP)が採用されている。

公開情報によると、この実証機はユーロファイターよりも少なくとも3分の1長く、本誌が以前報じた通り、ニムロッドMRA4以来、英国で組み立てられた航空機としては最大規模となる。量産型のGCAP戦闘機は、さらに大型になると予想されている。

最終組立にあたり、BAEは来年、胴体(通称「シガー」)をワートンへ輸送し、主翼および垂直尾翼と接合する。主翼3基と垂直尾翼3基が製造され、それぞれ2基は機体への取り付け用、残り1基は構造試験用となる。

ゴッドボールドは、この実証機がBAEの「大型フィン付き航空機」を製造する伝統を引き継ぐと述べ、垂直尾翼のサイズが「ザ・フィン」という愛称で知られるパナビア・トーネードに搭載されたものに近づく可能性を示唆した。

一方、複合材製の外板は、英国航空宇宙産業がこれまでに製造した中で最大級の炭素繊維構造物の一つである。

「この実証機のおかげで、リスクを分散できる」とゴッドボールドは語った。「本プログラムでつまずきたくない問題は今のうちにつまずいておくほうがよいのです。」

ゴッドボールドによると、軍用耐空性認証の取得に向けた作業はすでに進行中であり、BAEがこのプロセスをゼロから着手するのは今回が初めてだという。同社はまた、実証機がどのようにして追加の研究目標を支援できるかについても検討を進めている。試験計画には、低可視化技術の検証や、兵器ベイからのミサイル発射の実証などが含まれている。初飛行に備え、BAEによると、同社のテストパイロットはすでにシミュレーターで300時間以上の飛行時間を積み重ねており、フライ・バイ・ワイヤ・システム用の飛行制御ソフトウェアの多くは自動コーディングツールで生成されている。同機はサイドスティック・コントローラーと大型コックピットディスプレイで操縦される。

「GCAPにとって極めて重要なリスク低減プログラムだ」とゴッドボールド氏は述べた。「早期の試験が可能となり、設計プロセスで活用できる実世界のデータが得られます。」

「また、人材面での準備も整え、本プログラムで採用しなければならない新しいプロセスツールや手法を練習する機会にもなります」と同氏は付け加えた。

FCADの進捗ペースは、GCAPの野心を反映している。GCAPのパートナー各国は、ユーロファイター・タイフーンの就役にかかった時間の約半分で、次世代戦闘機を納入することを目指している。イタリア、日本、英国は、2035年までに初期作戦能力(IOC)を達成するとの日本の要件に牽引され、厳しいスケジュールに直面している

この機体は、最終的にはイタリアと英国のユーロファイター機群、および日本の三菱F-2に取って代わる予定だ。

FCADは、ユーロファイター・タイフーンの開発を支えた「実験機プログラム(EAP)」以来、英国で完全に製造される初の実証機となる。BAEは8月、EAP初飛行から40周年を迎える。

トニー・オズボーン

ロンドンを拠点とするトニーは、欧州の防衛プログラムを担当している。2012年11月に『Aviation Week』に入社する前は、シェパード・メディア・グループに在籍し、『Rotorhub』誌および『Defence Helicopter』誌の副編集長を務めていた。




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