2026年6月22日月曜日

英国がおかしい―財務力が縮小し、英軍は作戦実施もおぼつかなくなる―GCAPの先行きが怪しくなる―強い防衛力の基盤は強い経済力―移民・多文化共生を良しとした思考の結果は日本にとって教訓

 

英財務危機:追加資金がなければ作戦規模を縮小せざるを得ないと英軍最高司令官が警告

Trouble in Whitehall: UK Armed Forces Chief Warns of Operational Cutbacks Without Additional Funding

https://theaviationist.com/2026/06/18/trouble-in-whitehall-uk-defence-budget/

UK Defence Spending英国政府の中枢であるロンドンの官庁街ホワイトホール。左下にある、4つの緑の屋根とそれらを繋ぐガラス張りの天井を持つ建物が国防省の本庁で、画面中央には木々に囲まれた庭園のある首相官邸10ダウニング街が写っている。(画像提供:Crown Copyright 2020)

国防省の政治指導部で注目を集める辞任が相次いだ数日後、英国軍の最高指揮官リッチ・ナイトン卿は、追加資金が確保されないと、英国は軍事演習と最前線での作戦活動の両方を「縮小」せざるを得ないと述べた

2025年9月から国防参謀総長を務めている英空軍のエア・チーフ・マーシャルは、2026年6月16日、上院国際関係・防衛委員会に対し、「利用可能な資源予算のレベルが増加しない場合、英国は活動、すなわち演習や作戦活動を縮小せざるを得なくなる」と述べた。

「20年前を振り返ると、運営費と装備整備の割合は約80対20でした。現在は約60対40――60%が活動費と運営費、40%が調達整備です。現在の見通しでは、2030年までにこの割合は50対50になるでしょう。」

ここでナイトン卿が言及しているのは、国防省(MoD)のRDEL(部門別資源支出上限)予算と呼ばれるもので、これは軍の運営にかかる日常経費を賄うものである。新装備の開発や調達をカバーする国防省の資本支出予算の増額は、RDEL予算の増額をはるかに上回っている。

この不均衡は、現在進行中のいくつかの大規模かつ費用のかかる調達プログラムに部分的に起因している。その例を挙げれば、弾道ミサイル潜水艦のドレッドノート級、第6世代戦闘機であるグローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)タイプ26フリゲート、そして問題を抱えるえいエイジャックス装甲車プログラムなどが挙げられる。これら高額なプログラムにより、RDEL以外の予算への多額の資金注入が必要とされてきた。

一方で、RDELの費用自体も大幅な増加に直面している。燃料費が劇的に高騰する中、国防省は冷戦以来例を見ない広範な任務を課せられている。アフガニスタン撤退後に構想されていた欧州および北大西洋への軸足戻しは、中東における継続的な混乱で破綻した。この混乱により、国益を守り、地域のパートナーを支援するために追加の英国軍部隊の展開が必要となっている。

閣僚の辞任

ナイトン卿の発言の背景として避けられないのが、ジョン・ヒーリー国防相の辞任により、国防省自体が予期せぬ急速な変化を余儀なくされたことだ。ヒーリーは、2020年4月から野党時代には同職の影の閣僚を務め、2024年に現政権が発足して以来、国防相の職に就いていた。

ヒーリーと共に辞任したのは、元国防次官アル・カーンズである。同氏は2024年に国会議員に当選するまで、王立海兵隊に所属し、大佐の階級まで昇進していた。公式には確認されていないものの、カーンズが精鋭部隊である特殊舟艇部隊(SBS)の上級将校を務め、過去25年間に英国が関与したすべての主要な紛争で実戦経験を持っていたことは、英国政界で公然の秘密となっている。

アル・カーンズ(中央左)が、ARRC司令官のマイク・エルヴィス中将(中央右)と談笑している様子。(画像提供:Crown Copyright 2026)

ヒーリーの衝撃的な辞任は、本人が忠実に擁護してきた政府の核心を直撃するものであり、「脅威が高まるこの時期に、国を守るために国民が必要とする資源を投入しなかった」と政府・首相を非難した。内部関係者によると、彼の辞任は内閣全体に衝撃を与え、依然として続く党首交代要求の脅威の中で、キア・スターマー首相の立場をさらに悪化させるものとなった。

主な批判の一つは、昨年の戦略防衛見直しに続くと約束されていた、いまだ公表されていない「防衛投資計画(DIP)」をめぐるものだ。主要な調達決定はDIPが最終決定されるまで延期されており、多額の防衛契約の受注を待つ企業に多大な負担を強いている。注目すべき事例の一つとして、完全英国製のモジュール式ジェット練習機の生産を目指していた企業エアラリス(Aeralis)が、破産管財手続きに入ったことが挙げられる。

カーンズは、国防大臣在任中さえも、辞任2週間前までDIPの議論に加わっていなかったと主張し、事態に拍車をかけた。彼はその後、この計画を「本来の目的に適さない」と断じている。

ガーディアンの取材に対し、カーンズは、省内に存在する過剰な浪費と官僚主義を痛烈に批判した。「信じられない話だ。石をひっくり返すたびに新たな衝撃を受ける――どうしてこんなことが許されてきたのか? さらに別の石をひっくり返せば、そこには官僚主義の層が重なり合っており、そのコストは今や、実際に得られる製品の価格を上回っている。我々が引き継いで、剥がし取ろうとしているこのシステムの非効率性のレベルは、言葉では言い表せない。しかし、実際にそれを解消するのは極めて困難だ。」

新国防大臣に就任したのはダン・ジャービスで、内務省で安全保障担当国務大臣を務めていた。ジャービスはカーンズと同様、勲章を受章した軍人出身である。英国陸軍に所属し、少佐まで昇進した14年間の軍務を経て2011年に退役した。

新国防相、ダン・ジャービス MBE 議員。(画像提供:Crown Copyright 2026)

特に注目すべきは、ジャービスがコソボでマイク・ジャクソン卿の参謀を務めていた際、ジャクソンが欧州連合軍最高司令官(SACEUR)のウェズリー・クラーク大将(米陸軍)から、当時ロシア軍の支配下にあったプリシュティナ国際空港を制圧する計画を継続するよう命じられたものの、これを拒否した出来事である。

板挟みの状況にある新国防相は、DIP(国防投資計画)の再評価を行っているとされ、同計画は(少なくとも)7月まで延期されたと報じられている。ヒーリーとカーンズ両名の離任は、内閣内の意見を支出増額支持へ傾ける可能性があったと考えられており、これによりジャービスの道のりはよりスムーズになるかもしれない。同様の障害に直面した場合、またもや国防相を失うことへの懸念も、スターマー首相やレイチェル・リーブス大蔵相が率いる大蔵省に決断を迫ることになるだろう。■

執筆:カイ・グリート

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カイは、英国コーンウォールを拠点とする航空愛好家であり、フリーランスの写真家兼ライターである。ファルマス大学で報道・編集写真学の学士号(優等)を取得。その写真作品は、国内外で認知された数多くの組織やニュース媒体で取り上げられており、2022年にはコーンウォールの歴史に焦点を当てた書籍を自費出版した。航空のあらゆる側面に加え、軍事作戦・歴史、国際関係、政治、諜報、宇宙分野にも情熱を注いでいる。




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