2026年6月27日土曜日

ドローン技術を極めたウクライナ企業が弾道ミサイル迎撃分野にも進出し欧州への拡販を狙う―ロシア進行によりウクライナは軍事技術を進展させ、今や欧州有数の軍事大国

ウクライナのドローンメーカーが弾道ミサイル防衛分野に進出

Ukraine’s top strike-drone maker moves into ballistic missile defense

  • Breking Defense

  • ケイティ・リビングストン

  • 2026年6月26日 午前5時59分

https://www.defensenews.com/unmanned/2026/06/25/ukraines-top-strike-drone-maker-moves-into-ballistic-missile-defense/

ウクライナキーウ発 — ロシア国境から数百マイル内陸にあるロシアの石油精製所を定期的に攻撃中の長距離ドローンの多数を手がけるウクライナ企業が、ミサイル防衛分野に進出している。同社は今月、海外のパートナー企業と低コストの弾道ミサイル迎撃システムの開発に関する大型契約を締結した。この参入により、同社は深部攻撃戦争で重要な供給業者としての地位を確立することになる。

その企業ファイア・ポイントFire Pointは、FP-1深部攻撃ドローン、短距離型のFP-2、FP-5「フラミンゴ」巡航ミサイルなど、ロシア深部の標的に対するウクライナの作戦の多くを支える兵器を製造している。

先週、同社はロシアのミサイルに対する防衛システムを構築する計画を発表し、ドイツのレーダーメーカーであるヘンゾルト Hensoldt と、「フレイヤ」 Freyja と呼ばれる弾道ミサイル防衛システムの生産に関する合意を締結した。

今月フランスで開催された隔年開催の武器見本市「ユーロサトリー」で、ファイア・ポイントの共同創業者兼チーフデザイナー、デニス・シュティラーマン Denys Shtilerman は、同社製ドローンがロシア国内へのウクライナの攻撃の約60%を担っていると述べた。

「テレビ画面で[ロシア]領内で燃えている様子をご覧になっているあの光景を引き起こしているドローンです」と、同氏はパリでウクライナ・ナショナル・ニュースに語った。

こうした攻撃は、ウクライナの「長距離制裁」s “long-range sanctions” の原動力となっている。これはゼレンスキー大統領が造語した用語で、ロシア国内の数百マイル奥深くにある石油精製所、燃料貯蔵庫、兵器工場に長距離ドローンやミサイルを送り込み、モスクワの戦争継続を支える燃料と収入を断ち切ることが目的の作戦を指す。

キーウの反攻作戦および急成長中の防衛技術セクターの中核としてファイア・ポイントは海外のパートナーだけでなく、国内の汚職捜査当局からも多大な注目を集めている。

先月、ゼレンスキー大統領は5月に新たな長距離攻撃計画を承認した。「ウクライナの長距離制裁計画は、意図した通りに実行されている」と、彼は6月10日に確認した。ファイア・ポイントが作戦の中心的な役割を担っている。

同社の新型ドローン「FP-2」は6月20日、ロシアのチュメニ州にある石油精製所を攻撃した――ゼレンスキー大統領によれば、この標的はウクライナ国境から1,286マイル離れた場所にあるという――。同社によると、改良された「FP-1」の航続距離は従来の1,025マイルから1,677マイルに延び、「FP-2」は440ポンドの弾頭を最大230マイル先まで運搬可能になったという。

「新型のFPドローンは試験済みだ。現在では3,000キロメートル離れた標的にも到達できる。ファイア・ポイントのエンジニアたちに感謝する」と、ゼレンスキー大統領は6月20日夕方の演説で述べた。

戦争研究所(Institute for the Study of War)によると、ウクライナは6月だけでロシアの石油インフラに対し少なくとも28回の攻撃をしており、ロシアの燃料生産の大部分を占める製油所を破壊または機能停止に追い込んだ。これにより、ガソリン生産量は数年ぶりの低水準となり、モスクワは国内販売を制限せざるを得なくなっている。

ファイア・ポイントは、ドイツとウクライナの共同生産によるFP-7.X迎撃システム「フレイヤ」で、新たな防衛分野への参入を進めている。

「ファイア・ポイントは弾道ミサイル防衛連合に加わる」と、シュティラーマンは5月14日にXに投稿した。「まもなく、ウクライナだけでなく、ヨーロッパ全土の空で迎撃ミサイルが飛ぶことになるだろう」

「フレイヤ」は、欧州の複数の企業から提供されるレーダー、追跡、指揮統制システムを統合した迎撃システムとなる。ファイア・ポイントは、ヘンゾルトとの契約に加え、レーダーについてはタレス、追跡についてはレオナルド、指揮統制についてはコンスバーグと協議を進めている。

同社の目標は、1発の弾道ミサイルを100万ドル未満で撃墜することだ。これに対し、「ペイトリオット」は、ミサイル1発を阻止するのに2~3発の迎撃ミサイルを発射し、数百万ドルを費やすと、シュティラーマンは4月にロイターに語った。

「100万ドル未満に抑えれば、防空ソリューションにおけるゲームチェンジャーとなる」と彼は述べた。「2027年末には、最初の弾道ミサイルを迎撃する計画だ」

FP-7.Xは、高度15マイルの弾道ミサイルを1発あたり約70万ドル(当初の目標より30万ドル安い)で撃墜する設計だが、ペイトリオットPAC-3のコストは約380万ドルである。ファイア・ポイントは8月から1日3基のペースで量産を開始する。

ファイア・ポイントは6月上旬にFP-7.Xの飛行試験を実施した。共同創業者のイリーナ・テレフは、発射の動画とともにXに、「完全に制御された機動飛行」だったと投稿した。

シュティラーマンは、ミサイル防衛分野への参入を、ウクライナが単に西側諸国からの武器供与の受け手であるだけでなく、武器供給国となった証拠だと位置付けている。「ウクライナは今や、単なる援助の受け手だけでなく、すでにヨーロッパ全土、そしておそらくは全世界に向けた安全保障ソリューションの提供者となった」と、同氏はUNNに語った。

ファイア・ポイントがウクライナの軍需産業のトップに上り詰めた過程には、厳しい監視の目が向けられてきた。

同社は、2022年のロシアによる侵攻以前は存在しておらず、当時は映画・テレビのキャスティングエージェンシーだった。ニューヨーク・タイムズによると、同社は現在、ウクライナ最大の軍事請負業者の1つで、今年は政府との契約額が10億ドル以上に達している。

この資金により、ファイア・ポイントはウクライナで拡大する汚職対策の渦中に巻き込まれている。『キエフ・インディペンデント』によると、同社は、ゼレンスキー大統領の長年の側近で実業家であるティムール・ミンディッチ関連でリークされた録音記録に名前が出ており、大規模な汚職事件のさなかにウクライナから逃亡した同氏をめぐり、ウクライナ国家反汚職局による捜査対象となっている。

ファイア・ポイントは、ミンディッチの株式保有を否定し、同社は共同創業者たちのみが所有していると主張しており、同社は起訴はされていない。同社はまた、西側諸国の支援を得る動きも見せており、11月にはマイク・ポンペオ元米国務長官を諮問委員会のメンバーに任命した。

ゼレンスキー大統領は、次期モデルのファイア・ポイント製ドローンの航続距離が1,864マイルに達し、ウラル山脈や西シベリアにある製油所や兵器工場を射程圏内に収めるのに十分な距離になると述べた。

ファイア・ポイントは、今年夏までに大統領の公約を実現することを目指している。■

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