
AEW&Cポッドを搭載したMQ-9Bのイメージ図。ジェネラル・アトミックス社提供。
日本がMQ-9B「シーガーディアン」ドローンへAEWレーダーポッド搭載を検討
Japan considers AEW radar pod for MQ-9B SeaGuardian drones
Naval News
2026年6月69日公開
文:稲葉義泰
https://www.navalnews.com/naval-news/2026/06/japan-considers-aew-radar-pod-for-mq-9b-seaguardian-drones/
2026年5月18日、読売新聞は自衛隊が無人航空機(UAV)に空中早期警戒(AEW)レーダーシステムを搭載することを検討していると報じた。
同紙によると、この動きは、今年後半に改定が予定されている「安全保障三文書」の改定版に、日本の太平洋側における監視・監視能力の強化を盛り込むという日本政府の計画と関連している。
特に、日本政府は2017年以降、台湾とフィリピンの間の海峡であるバシー海峡を通過し、太平洋へ進出する中国軍の爆撃機について、懸念を強めている。さらに、2025年には中国の空母2隻が西太平洋で長期展開を行ったことで、中国海軍艦艇だけでなく、空母搭載戦闘機の活動についても、綿密な監視が必要であることが浮き彫りになった。
その結果、日本の防衛省・自衛隊は、これまで「防衛の空白地帯」と見なされていた太平洋沿岸地域で防衛態勢を急速に強化している。
同報告書では、航空機搭載型早期警戒レーダー(AEW)システムを搭載する無人機(UAV)の候補として、海上自衛隊が運用を計画中のMQ-9B「シーガーディアン」が具体的に言及された。米国のジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)が開発したMQ-9Bは、電気光学センサー、信号情報収集用アンテナ、海上監視レーダーシステムを搭載した無人海上哨戒機であり、24時間以上空中に留まりながら、幅広い情報を継続的に収集することが可能だ。
海上自衛隊は2024年末、有人機である川崎重工業製のP-1哨戒機が現在担っている任務を補完し、一部を代替するプラットフォームとしてMQ-9Bを選定した。同機は鹿児島県の鹿屋航空基地および青森県の八戸航空基地を拠点とする予定である。当初、2027年度には、監視・監視任務の運用手順を確立するため、民間請負業者により2機のMQ-9Bが鹿屋で運用される。その後、2028年度以降にさらに2機のMQ-9Bが配備され、海上自衛隊が直接運用する機体は計4機となる。日本は最終的に23機のMQ-9Bを調達する計画である。
この先進的なセンサースイートは、MQ-9Bの左右の主翼下に2基のレーダーポッドに搭載され、ほぼ360度の監視範囲を実現する。同システムは、300キロメートルを超える距離にある航空機やミサイルを検知できると報じられている。検知された目標に関する情報は、Link16戦術データリンクや衛星通信を介して、味方部隊や指揮管制センターと共有される。
しかし、前述の通り、海上自衛隊が当初MQ-9Bを導入したのは、主にP-1海上哨戒機の補完的なプラットフォームとしてであった。したがって、AEWレーダーを用いた空中早期警戒および空域監視の任務は、当初の運用構想には含まれていなかった。
当然ながら、MQ-9BはAEWレーダーポッドを搭載した状態でも海上監視任務を遂行できる。とはいえ、航続時間の短縮や、海上監視レーダーを同時に搭載できないといった要因が、同機の主要な任務プロファイルに影響を及ぼす可能性がある。
こうした点を踏まえると、任務範囲の拡大を見据えて、MQ-9Bの計画調達数を増やす議論が、いずれ浮上するかもしれない。
海上自衛隊におけるMQ-9Bの将来

DSEI Japan 2025において、GA-ASIは日本の空母「いずも」から運用されるMQ-9B STOL無人機のこの画像を目立つように展示した。写真:ゴードン・アーサー
現在、海上自衛隊でてMQ-9Bに期待されるP-1の補完・代替機能には、主に平時の日本周辺海域における海上監視・監視任務がある。しかし、同機には、将来の拡張と発展に向けた大きな可能性が明らかに秘められている。
可能性の一つが、本格的な対潜戦(ASW)能力の獲得である。GA-ASIは、MQ-9Bの主翼下に最大4基のポッドを搭載可能なソノブイ投下システム(SDS)ポッドを開発しており、米海軍による運用試験はすでに開始されている。2021年に太平洋の米海軍試験場で実施された試験では、MQ-9Bから投下されたソノブイが収集したデータが衛星通信を介して地上局に送信され、そこで遠隔処理が行われた。このシステムは、模擬潜水艦目標に関するリアルタイムの追跡データの取得に成功した。
各SDSポッドは、標準的なAサイズのソノブイ10個、または小型のGサイズのソノブイ20個を搭載できる。SDSポッドを搭載している状態でも、MQ-9Bは18時間以上空中に留まることができると報告されている。
速度やソノブイの搭載能力の点で、P-1などの有人海上哨戒機と比較すれば不利な点があるため、MQ-9Bの対潜戦(ASW)構成を否定的に見る向きがある。しかし、MQ-9Bの真の意義は、こうした表面的な性能比較ではなく、このプラットフォームがもたらす相乗効果にある。
現在、平時の監視任務も戦時の対潜哨戒任務も、P-3CおよびP-1のフリートに担われている。P-1には乗員11名が必要であり、日本で人口減少が進む中、この人員水準を維持することは困難になっていく可能性がある。対照的に、MQ-9Bの運用に必要な人員は、航空機オペレーターやセンサーオペレーターを含めてわずか7名であり、将来的に人工知能(AI)技術が統合されれば、人員をさらに削減できる可能性がある。■
稲葉義泰
稲葉義泰氏は、静岡県を拠点とするフリーランスのライターである。日本でも数少ない若手軍事ライターの一人であり、現在は日本の大学院で国際法(特に自衛権と武力行使)を専攻している。特に、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊に精通している。
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