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2021年の米軍③米海軍 水上艦艇、潜水艦、航空機、ミサイルの動向。2021年は大きな変化の開始年になりそうだ。

    2021年度の米各軍の展望を見るシリーズ、今回は米海軍です。海軍は大幅な戦力増強をめざしましたが、355隻体制の追求は高価格と無人艦艇など新技術への注力のため実を結ばず、新構想では艦艇数は減らし、無人装備を大きく伸ばすことに軸足を移しています 。 まとめ 2021年度の海軍現役人員は5,300名増で347,800名体制となる。艦艇数は306隻に増加するが中身は沿海域戦闘艦(LCS)が多く加わるため。海軍は引き続き艦艇増強をめざす。 355隻体制の実現は実施不可能となった。経費増が原因。大型艦、高額艦艇を重視する姿勢に批判が集まってお理、特に空母が批判の的だ。無人艦艇や水中装備が十分でないというのだ。 海軍単独で実行可能な構想が出てこないとわかるとエスパー国防長官が引き継いだ。 10月7日にエスパー長官は「500+」隻将来像を「常時対応可能で回復力にとみ優位性ある戦闘部隊」と表現した。 空母はじめ大型水上艦 (LSCs) を削減し、無人艦艇、潜水艦追加建造、小型水上艦の建造費用に当てる他、小型揚陸艦を新たに建造する。ただし、詳細の多くは不明で現実的にはトランプ大統領による2022年度予算提案に盛り込む必要がある。 将来の艦隊像で海軍は国防長官と異なる解釈をしているようだ。 建造価格が課題だ。新しい艦隊構成は355隻で変わりがない。エスパーは海軍に対し内部財源を見つけ、国防総省を横断的にさがすように指示した。 海軍航空部隊は有人機が中心で、水上艦水中艦部門と対象的だ。 海軍が隻数にこだわるのは危機対応で海軍への要望が高いためもあり、同盟国協力国との関与度も高い中で域内対立が続いていることもある。 2021 年度の米海軍兵力 新規募集、任期延長が好調で現役隊員規模は予算上より高くなる。 海軍の人員規模は増減を繰り返し、2002年度が383千名と最高、2012年が318千名で最低となった。ただし、人員数は順調に増えたものの、9/11前の水準にまだ届かない。乗組員の規模は艦艇数にほぼ追随しているのが図2でわかる。 現役隊員数は成長を続け、2025年度に349,100名になる予測だが、従来の予測と異なり、ここで頭打ちなる。 海軍予備役は長期的に減少傾向で、その他軍の予備役とは異なる。2014年以降はおおよそ安定しているが、2025年度の海軍予備役は58千名まで縮小する。