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2021年の米軍③米海軍 水上艦艇、潜水艦、航空機、ミサイルの動向。2021年は大きな変化の開始年になりそうだ。

 

 

2021年度の米各軍の展望を見るシリーズ、今回は米海軍です。海軍は大幅な戦力増強をめざしましたが、355隻体制の追求は高価格と無人艦艇など新技術への注力のため実を結ばず、新構想では艦艇数は減らし、無人装備を大きく伸ばすことに軸足を移しています

まとめ

  • 2021年度の海軍現役人員は5,300名増で347,800名体制となる。艦艇数は306隻に増加するが中身は沿海域戦闘艦(LCS)が多く加わるため。海軍は引き続き艦艇増強をめざす。

  • 355隻体制の実現は実施不可能となった。経費増が原因。大型艦、高額艦艇を重視する姿勢に批判が集まってお理、特に空母が批判の的だ。無人艦艇や水中装備が十分でないというのだ。

  • 海軍単独で実行可能な構想が出てこないとわかるとエスパー国防長官が引き継いだ。

  • 10月7日にエスパー長官は「500+」隻将来像を「常時対応可能で回復力にとみ優位性ある戦闘部隊」と表現した。

  • 空母はじめ大型水上艦 (LSCs) を削減し、無人艦艇、潜水艦追加建造、小型水上艦の建造費用に当てる他、小型揚陸艦を新たに建造する。ただし、詳細の多くは不明で現実的にはトランプ大統領による2022年度予算提案に盛り込む必要がある。

  • 将来の艦隊像で海軍は国防長官と異なる解釈をしているようだ。

  • 建造価格が課題だ。新しい艦隊構成は355隻で変わりがない。エスパーは海軍に対し内部財源を見つけ、国防総省を横断的にさがすように指示した。

  • 海軍航空部隊は有人機が中心で、水上艦水中艦部門と対象的だ。

  • 海軍が隻数にこだわるのは危機対応で海軍への要望が高いためもあり、同盟国協力国との関与度も高い中で域内対立が続いていることもある。

2021 年度の米海軍兵力

新規募集、任期延長が好調で現役隊員規模は予算上より高くなる。

海軍の人員規模は増減を繰り返し、2002年度が383千名と最高、2012年が318千名で最低となった。ただし、人員数は順調に増えたものの、9/11前の水準にまだ届かない。乗組員の規模は艦艇数にほぼ追随しているのが図2でわかる。

現役隊員数は成長を続け、2025年度に349,100名になる予測だが、従来の予測と異なり、ここで頭打ちなる。

海軍予備役は長期的に減少傾向で、その他軍の予備役とは異なる。2014年以降はおおよそ安定しているが、2025年度の海軍予備役は58千名まで縮小する。長期減少傾向は海軍予備艦艇、予備機材の廃止が原因で、引き続き残る装備は補給支援用が中心となる。

文民は1,700名増となる。海軍もDoD同様に文民の役割が即応体制維持に重要と見ており、施設運営や保守管理面での役割を期待している。

 

2021年度以降の艦隊規模

艦艇数は縮小傾向が続いていたが、ここに来て新規建造艦が編入し増加に転じている。なかでも沿海域戦闘艦 (LCSs) とDDG-51級駆逐艦の存在が大きい。2020年度末時点の297隻が2021年度末には306隻となる。

艦艇数が減ったのは大型高価格艦艇を調達してきたためだ。トン数でみると今日の艦隊規模は1988年の54%相当とわかる。DDG-51フライトIIAは排水量9,700トンで1980年代のチャールズ・F・アダムズ級の二倍、第二次大戦時のフレッチャー級駆逐艦の四倍程度だ。DDG-51は第二次大戦時の巡洋艦の大きさで、このサイズにより兵力が強化されている反面、大量確保できない。

 

艦艇動員の要望が一向に減らない

 

運用中の艦艇数は平均100隻程度とこの30年間で変化はないが、海軍保有の艦艇数は減っている。冷戦終結後にヨーロッパへの出動波形視されてきたがここに来て需要が増えている。中央軍は空母部隊のプレゼンスを引き続き求めている。大西洋方面の対応として第二艦隊司令部がノーフォークに再発足した。

現行の艦艇数では各地域司令部の要望の半分しか満たせないと海軍は主張している。また各地域の要望が投入可能な艦艇規模を超えることがある。

このため海軍の規模が任務に対し過小との懸念が生まれ、規模拡張の動きが出ている。

他方で国防戦略方針(NDS)は大国間戦闘に焦点を当てており、ハイエンド装備に特化し、戦力拡張は二の次とし日常レベルへの対応は減らすと記述している。

 

355隻態勢の挫折

トランプが大統領選挙候補時に350隻体制を主張し、2016年に当選したことを受け、海軍は早速兵力評価を行い、355隻整備を目標に据えた。

2014年の目標308隻に対し、355隻目標では、潜水艦(18隻増)、大型水上艦 (LSCs) (16隻増)が目立った。既存で実証済み艦設計を中心とし、新規艦は当面採用しないとあった。その狙いは短時間での建造であり、開発に伴うリスクや遅延を避けることにあった。

355隻目標は大統領議会双方が支持した。

ただし、355隻目標は頓挫した。理由に戦略と予算がある。戦略面では無人艦艇を想定せず、大型で高価格の艦艇ばかりに注目し、西太平洋想定の分散作戦戦略と一致していなかった。

もう一つが予算だ。2020年度の30年間建艦案では毎年203億ドル支出が2024年度まで続き、2024年度の先は260億ドルから280億ドルを必要とした。だが議会予算局(CBO) は年間310億ドル必要と算出し議会調査局も同意見だ。

海軍は艦隊規模と予算のギャップを埋めるため既存艦艇の供用期間を5年ないし19年延長して対応する検討をした。これまでは予算を浮かすため艦艇を早期退役し、新型艦建造を進めており、搭載兵装が旧式化する懸念もあった。さらに供用期間の延長にも予算が必要だ。

2019年秋から2020年冬にかけ海軍は2021年度の30年間建艦案の作成を試みるも失敗した。制約条件が多すぎた。

  • 海軍が予算増を狙うと他軍がすぐ反発する

  • 無人艦他も隻数計上に含める変更を海軍が提起したが、議会は海軍艦艇数を減らす口実と警戒している

  • 海軍から355隻目標の変更提案があったが、原案は大統領承認を受けており変更は簡単ではない

  • そこで別方面で予算節約し、建艦に流用する提案をしたが実施は容易でないとわかった

実行可能な解決策が見つからず、海軍の官僚的対応を批判したエスパー長官が戦力整備案を肩代わりすることになった。

エスパー長官による戦力評価

DODは2020年夏に案を発表するとしていたが、数回に渡り延期し、議会で懸念が広がった。最終的に10月7日にエスパー長官より将来の艦艇戦力像が発表され、「2045年の戦闘部隊」の表題で大筋のみに触れたが、詳細は触れず、口頭発表の裏付け文書は出ていない。

エスパー長官は海軍内部から情報を入手し、ハドソン研究所の報告書も参照した。

エスパー長官は500+隻規模を想定し、有人無人艦艇を含めた。また「2035年より前に355隻体制を実現する」とした。

エスパー長官は経費を示しておらず、追加財源が必要と認めているが、レーガン時代並の建艦費用を求めている。予算は他軍から確保するのではなく、海軍内部およびDOD諸経費の節約で確保する。

CSISはこの構想で年間285億ドルが必要と試算した。(小型艦や改修費まで含めれば306億ドル)想定規模の建造数となると短期的にこれ以上となる可能性がある。小型かつ安価艦艇の調達で発生する節約効果も隻数増加で打ち消される。

この変化が姿を現すまで数十年かかる。更にまだ構想段階に過ぎない。2022年度予算に反映し5カ年計画に取り入れる工程が控える。ホワイトハウスが同構想を支持しても、次年度予算提案に採択する必要がある。

下表は長官の見解や報道内容からまとめた。「2021年度以降の艦隊像」で艦種別の説明とともにエスパー提案の内容をまとめた。

2021年度以降の艦隊像

将来の艦隊像の理解は2021年度予算要求からスタートすべきだ。大統領の予算要求では21年度に建造する艦はわずか7隻となっている。コロンビア級潜水艦1、SS-774潜水艦1、DDG-51級駆逐艦2、FFG(X)フリゲート艦1、大型強襲揚陸艦1、補助艦艇1である。通例で議会が法案可決までに追加する可能性はあり、潜水艦追加が最も可能性が高いが、2021年度予算は例年より建艦予算が低水準だ。

ここまで低水準になっている理由として海軍の建艦予算勘定が2020年の240億ドルから2021年度に199億ドルに削減されていることがある。この理由として核兵器関連予算の管轄がDODからエナジー省に移管された際に海軍関連予算が削減されたことがある。

5カ年計画では年間平均の建艦数は8.4隻とあり、2020年度予測の11隻から下がっている。

 

表3で建艦構想と供用期間のちがいで艦艇数を試算している。今後の建艦ペースは変化するとしても試算から目標の達成可能性が見えてくる。

試算から355隻は実現しないことがわかる。300隻も無理だ。供用期間を延長しても336隻に達しない。供用開始後30年から35年で艦艇を退役させるのは搭載兵装が旧式化するためもあり、供用期間延長で意味のある戦力維持が可能か疑問も残る。35年供用と仮定すると355隻達成には毎年10.1隻の新規建造が必要だ。

朗報もある。コロンビア級SSBN及び新型FFG(X)を除くと建艦事業は連続実施されており、大きな問題も発生していない。(フォード級空母で弾薬運搬用昇降機が作動する前提)このため海軍は2000年代のフォード級空母、LCSs、DDG-1000級で直面した建艦事業の管理能力を問われる事態は回避できそうだ。

ただしこの安定も新型艦種の調達がはじまれば保証できなくなる。

近未来のリスク要因は艦艇を大量に早期退役させ予算を確保し、新型艦を少数建造する場合だ。この場合は最悪の状況が想定できる。高コストで隻数が少数となることである。

 

無人艦艇

無人艦艇からはじめるのは艦隊にとって重要だからではない。試験段階を卒業した装備は皆無で、新規の戦力になるからであり、将来の艦隊像で無人運用技術が中心になるからである。

無人艦艇は水上、水中含め各種が存在し、構想段階から実用化一歩手前の試作型まで多様だ。ただし、制式採用で一定数建造する仕様は皆無だ。無人艦艇を今後どう運用するか、ネットワークで対応できるか、無人水上艦(USVs) をどこに配備するかすべてが未解決だ。

海軍は大国間戦闘を想定し、無人艦艇・装備各種に攻撃力を与えることで脆弱性を回避する構想だ。無人艦艇・装備は有人装備では危険すぎる、あるいは単調すぎる任務を肩代わりし、有人艦は危険度が低いあるいはストレスが低い地点に配備できる。

海軍の目指す無人艦艇・装備に三種類を想定する。①大型USV ②中型USV ③特大型水中艦 だ。表4で調達案を示した。予算確保は従来と異なり、あくまでも迅速調達をめざす。通常の建艦勘定の対象装備は皆無で、RDT&E予算が使われるのはあくまでも試験艦であるためだ。その他調達勘定でも予算がついているのはセンサーとしてであり、兵装としてではない。

無人装備が正規事業になっておらず、予算も正式化されていないのはエスパー構想で大規模予算投入するとあるのと不一致だ。海軍関係者は無人装備が具体的に予算計上されるのは2022年度予算以降とする。

 

大型艦(1,000−2,000トンの海防艦サイズ)はセンサー機能とともに攻撃機能を有する。中型艦(500トンの警備艦程度)は試作段階でセンサーのみ搭載するが、事実上は消耗品扱いの偵察機材として攻撃艦に情報を渡すのが役目だ。無人艦配備でLSCsの需要が減ることに注意されたい。

議会は無人装備構想を支持するものの、中核技術が成熟する前に調達する海軍の姿勢には懐疑的だ。

USVsはサイズで制約がつく。大型艦は複雑すぎるリスクがあり、遠隔運用が不安だ。小型艦は沿岸あるいは港湾内では適度だが、外洋での運用には不適となる。

無人艦で成約になるのはこれと別に非戦闘任務の実施ができないことで、同盟国友邦国との共同作戦や人道援助任務のほかグレイゾーン対応もできない。

図9が海軍で計画中の水中無人装備 (UUVs)を示す。こみいった議論の余裕がないが、要点は水中装備は有人潜水艦の補完であり、代用にならないことだ。このため導入は容易である。装備の多くが小型で魚雷型の偵察装備だ。

大規模な装備が特大型水中機(XLUUV)で50トンの小型潜航艇でモジュラー式ペイロードベイで多様なミッションをこなす。追加調達が2023年度から始まるが、その他調達勘定での調達で、通常の建艦勘定ではない。

 
空母

空母部隊の規模が海軍戦力の構造と予算を以下2つの意味で決定する。空母と護衛艦艇で建艦費用の大部分が使われており、空母に航空機を配備すれば航空部門の予算が必要だ。

議会は作戦投入可能空母を最低11隻要求している。2016年の海軍戦力構造評価は12隻を目標としたが、実現はほぼ不可能なのは空母建造に必要なリードタイムが理由だ。

エスパー長官は8隻から11隻と幅をもたせたが、数は下方になるとした。報道では長官スタッフが9隻を推挙したとある。ただし、作戦部長ギルディ海軍大将は「スーパー空母の規模に変更はない」としており、国防長官と海軍で見解に違いが生じている。

空母批判が根強いのは高コストと脆弱性が原因だ。専門家の多くが大型空母を過去の遺物と見ている。下院軍事委員会は「大型空母一隻の予算を無人航空機多数に流用すべきだ」と提起していた。

ただし危機対応や域内紛争で空母が目に見える形の効果を示していることには支持の声が多い。議会の後押しもあり、空母建造元ハンティントンインガルス工業がきわめて好条件を出したため、海軍は2019年1月に空母二隻の調達に踏み切った。同時に二隻調達すれば空母建造費用を10年近く固定する効果が生まれる。

大型原子力空母の建造継続に組織内、政治、産業界の要望があり、海軍はくりかえし旧型艦の早期退役を提案しており、供用期間延長の動きはないが、今後も同じ提案をくりかえしそうだ。ただし、議会はUSSジョージ・ワシントン (CVN-74) 、USSハリー・トルーマン(CVN-75)の提案を却下するや海軍は早々に引き下がっていた。旧型艦を処分して新型艦を調達する構想は正当化できない。さらにこの方式は空母調達の高額化を進めることになる。供用期間途中で一年運用を延長するほうが新型艦建造で得られる一年よりずっと安価だ。

図10で5年おきに原子力空母建造を継続した場合を想定している。(5年とは海軍用語の『中央値』である。予算は8年間分あるためだ)だがニミッツ級空母三隻を退役させるのが前提だ。議会がこれを拒否した場合、空母部隊は2020年度水準でとどまる。海軍は建艦間隔を伸ばす提案も可能だが、空母推進派は建造減速に反対してきた経緯がある。

「軽」空母構想 大型CVNより小型の空母構想はずっと残っている。最近ではRANDの研究で軽空母の選択肢が有望とされている。ジョン・マケイン上院議員も2017年にアメリカ級ヘリコプター強襲揚陸艦(LHA)をもとにした小型空母を提案していた。2019年にトーマス・モドリー次官補(当時)が130億ドルかかるフォード級は「維持不可能」とし、小型空母の選択肢を提示していた。

エスパーの将来海軍構想では軽空母を最大6隻そろえ、CVNスーパー空母の補完にあてる。USSアメリカを「モデル」とする。CSISの分析では軽空母はヘリコプター空母の改修で実現でき、新規建造は不要としている。現時点でヘリコプター空母は11隻あり、揚陸作戦に対応しているが、飛行甲板はF-35Bには十分な広さがあり、戦略思考家はかねてから空母への転用案を提案しており、兵力投射や制海任務に投入できるとの意見が出ていた。

海軍作戦部長ギルディ大将が軽空母を「将来の航空戦闘艦」と述べ混乱に輪をかけた。同大将は2045年時点の前提で専門設計の艦としてエスパー長官が想定の近未来艦と全く異なる構想だった。

 

大型水上戦闘艦

大型水上戦闘艦(LSCs)とは駆逐艦・巡洋艦を指す。これまで艦隊の中心となってきた艦種だ。ただし、表8で示したように無人艦艇の導入でlSCは小規模になっていく可能性がある。海軍水上戦部長も「将来の戦力混成では小型水上艦・無人艦の比率が増える」と断言しているほどだ。エスパー構想はLSCsに言及していないが、その他筋は80隻から90隻程度になると見ている。355隻目標ではLSCsを104隻としており相当下がるが、現行の隻数と大差はない。

DDG-51駆逐艦: 順調に推移しており、これまで85隻の予算がつき配備されている。2010年以降の建造艦では弾道ミサイル防衛機能が搭載されている。最新版がフライトIII仕様でAN/SPY-6レーダーで防空・ミサイル防衛機能が強化されている。

2018年4月にDDG-51級の供用期間を45年に延長する方針が発表された。従来より5-10年の延長で355隻態勢に必要な隻数を確保するねらいがあった。ただし、最初に建造のDDG-51級4隻は改修せず退役させるとの発表が最近あり、供用期間延長そのものに疑問の声も出ている。

2020年度案では2021年度から25年度にかけ13隻を調達するとあり、85隻体制の維持に十分といえる。2021年度案では同時期の調達がいきなり9隻になっている。海軍は同級駆逐艦の総数を目標水準になるまで建造を減速するらしい。

DDG-1000ズムワルト級駆逐艦: 三隻あるステルス、ハイテク大型駆逐艦(排水量14,500トンはタイコンデロガ級巡洋艦をしのぎ、第一次大戦前の戦艦に匹敵する)は問題を解決できていない。32隻調達の原案が2000年代に3隻に減らされ、コストは47%上昇した。初号艦の引き渡しが2020年に引き伸ばされたのは技術問題の山積が原因だった。残る二隻も引き渡しされたものの配備できる状態にない。さらに同艦の存在意義とされた155㍉砲も長距離弾の取りやめで無用の装備になっている。

CG-47巡洋艦近代化改修: 海軍から11隻ある巡洋艦で7隻のみ近代化改修する案が出ている。昨年は11隻が対象だった。議会は戦闘艦数が減ると懸念し、同級の退役案を繰り返し却下している。エスパー構想ではLSC増強の発想はなく、同級巡洋艦は全隻廃止する前提のようだ。

次世代LSC: 次世代LSCとして「DDG Next」の建造案が出ているが、かなり先の話で現時点では流動的だ。予測ではCG-47級は近代化改修なしで退役させ、DDG-51級の供用期間延長は実施しない。予測内容はエスパー構想より大規模で発注済み艦艇が今後編入されるが目標とする水準には到達しないとする。退役艦艇が増えるためだ。

 

小型水上戦闘艦

小型水上戦闘艦 (SSCs) とはフリゲート、LCS、掃海艦をさす。小型で巡洋艦、駆逐艦より能力は限定されるが、費用は半分程度で済む。

冷戦時のSSCsには船団護衛の任務があった。冷戦終結でこれがなくなるとSSCsは一気に存在意義を失った。だが大国間競合の時代になり、再び関心を寄せられている。敵が長距離展開し、米国の海上交通路を脅かす可能性があるためだ。SSCsは分散型戦力を目指す海軍の方針でも有用な存在で敵防衛ラインの内側で作戦展開できる。浅海域の南シナ海でも運用可能で、さらに艦隊規模を増やす効果もあり、海軍は世界階各地でプレゼンスを展開できる。

エスパー長官の将来構想ではSSCsを現行の52隻から60ないし70隻に増やすとある。中身はLCSsと新型フリゲート艦だ。

LCSsには掃海機能モジュールもあり、供用数をふやしているが、掃海艦のMCM-1アヴェンジャー級は段階的廃止で2024年にゼロとなる。この後継艦がLCSsとなる。

LCSsは毎年2-3隻が加わる。だたし、LCSsの性能は失望を招いており、建造は終了する。海軍は今後は改修無しで最初期の4隻を退役させる案を提示している。

LCSの後釜が新型フリゲートFFG(X)で多任務をこなすが、LCSは単任務艦である。一号艦建造予算は2020年度に認可を受け、2021年度に二号艦予算がついた。今後の導入を加速化しながらリスク低減すべく、LCSの知見を活用し、提案では既存設計の活用が求められた。フィンカンティエリ/マリネッテマリンの共同事業案が採択されたが原設計がヨーロッパというのは極めて異例で海軍が迅速建造とリスク低減を以下に求めているかの証拠である。

2020年度建艦案ではFFG(X)を2021年度から29年度まで毎年二隻調達するとあった。だが2021年度の五か年計画では2021年度22年度に各一隻、その後毎年二隻に変更された。供用開始の規模が縮小されているが新型艦種の導入で発生する問題を考慮すれば堅実な案といえる。

段階的建造導入で技術リスクは減るが、建造費用上昇のリスクは残る。CBOは建造単価は海軍試算より40%増えると見ており、ここが今後の課題だろう。

 

揚陸艦

揚陸艦整備が昨年は大きく中断された。海軍は海兵隊と大型艦38隻を目標とし、ヘリコプター強襲揚陸ドック型(LHAs/LHDs)、ドック型上陸用艦艇 (LPDs)、ドック型上陸艦 (LSDs)を整備してきた。目標設定の根拠として海兵遠征旅団二個に各17隻、プラス10%余裕分を運用するとあった。

海兵隊総監バーガー大将がこの方針を否定した。同大将は大型揚陸艦は大国間戦闘で脆弱な標的になるとし、古典的な揚陸作戦の実施はNDSの想定では困難と見た。南シナ海で9カイリ沖合から大量の装備で部隊を上陸させるのは非現実的と見たのである。

かわりに小型揚陸艦艇による分散型作戦実施を大将が提案し、1隻を喪失しても決定的な損害にならないとした。これは従来の考え方を逆転させるもので、大型艦で海兵隊を一気に運ぶのが効率面で優れているとし、高価格や装備数限定には目をつむってきた。

海軍は海兵隊と協議し、小型揚陸艦をとりあえず「軽揚陸艦」と呼び、28隻から30隻を建造する案を2023年度予算に盛り込むとした。各艦は乗組員30名程度で70名の海兵隊員を搬送する小型艦で第二次大戦時の歩兵上陸艇(LCI)と同程度となるが、デソート級戦車揚陸艦(LST)より小型となる。

図13で今後の揚陸艦部隊の動向を示し、当面の海軍の建艦案から2023年度に3隻、24年度に6隻、25年度に10隻、26年度に9隻を想定している。この予想ではLHAs/LHDsの6隻を揚陸艦部隊から空母部隊に編入させる前提としている。これで揚陸艦の規模は目標水準に収まる。

2021年度予算では大型揚陸艦の調達はまだ続く。LPDフライトII1隻を購入し、今後は二年毎に1隻を調達する。

大型ヘリコプター空母のLHA-6級は五カ年計画に残っており、次は2023年度に建造の予定がある。議会は2020年度に1隻分の先行調達資金を予算化したが、国境の壁建設に流用された。エスパー構想ではアメリカ級ヘリ空母が航空作戦に最適化可能とある。

LHA最大6隻が軽空母に改装されれば、将来の揚陸艦部隊の陣容は現在と相当変わるはずだ。

 

攻撃型潜水艦

攻撃型潜水艦(SSNs) に戦略専門家の強い支持が集まるのは戦力とともにステルス性が大国間戦闘で有益だからだ。次期政権でも潜水艦に支持が寄せられるのは確実だ。ただし潜水艦の建造単価は現在レートで33億ドルと高額装備で増産は容易ではない。

エスパー長官の目標は70から80隻とこれまでの66隻目標を上回る。長官は最高優先対象とする。

直近の攻撃型潜水艦戦力は安定している。隻数は50台のまま、新規建造は年2隻を継続する。これが2021年度に中断し、1隻になる。DODからエナジー省に20億ドルが移管され核兵器近代化に使われるためだ。ただし、議会はそのまま見過ごせず、下院の国防予算認可法案では二隻目建造を復活させるとあり、上院も同じ意見で予算を追加投入する考えだ。

ただ長期的に見ると問題は残る。2020年代末に戦力が低下し、2030年代初期にかけロサンジェルス級各艦が退役し、42隻の底をつく。エスパー長官は旧型艦の供用期間延長を提案したが海軍は新型艦調達のため旧型艦を早期退役させたいとする。

この潜水艦不足が発生する時期にロシア、中国の潜水艦が戦力を拡大し、活発になる。オハイオ級SSGNの退役が2020年代後半に始まると水中攻撃力が大幅に減少し、さらに隻数不足が輪をかけるが、新型ヴァージニア級のミサイル運用能力がヴァージニアペイロードモジュールの導入で不足分を補う効果が生まれる。

解決策として潜水艦建造をふやせばよいのだが、二隻平行建造だけで建艦勘定と産業基盤双方に相当のプレッシャーになっている。2020年度の三十年間建造案は攻撃型SSNあるいは弾道ミサイルSSBN潜水艦を年間三隻建造するとしていたが、海軍は必要な資金を準備しないのが常だった。エスパー案ではヴァージニア級三隻を建造し、SSBNは可能となれば早期建造としているが、産業基盤に十分な予算とリードタイムが与えられないとこれだけの建造は実現しない。

エスパー構想では2022年度23年度に追加建造を行うとあり、SSN年間三隻は2026年に達成するとある。予算認可から引き渡しまで6年かかる。2038年度には年間二隻建造に戻し、総隻数を一定に保つ。旧型艦は10年間の供用期間延長を実施するとある。

図中の点線が問題の所在を表している。海軍は急激な隻数低下を緩和したいのだが建造はすぐにできない。可能なのは目標水準に早く到達できるよう年間建造数を増やすことだけだ。

 

弾道ミサイル潜水艦

 

コロンビア級SSBN建造は現行オハイオ級の後継艦として計画通り推移している。2021年度予算では一号艦が承認された。高優先順位事業であり、議会両派の支持があり、日程上の遅れはなく、今後の建艦計画の変更でも何ら影響は受けないはずだ。エスパー構想も12隻整備目標はそのままとなっている。

予算規模は相当のもので、2021年度が44億ドル(調達40億ドル、RDT&Eに4億ドル)で20年度からほぼ倍増している。総額1千億ドルの同事業は長期事業というより直近の事業だ。

CBOはコスト試算に疑問を呈しており、トンあたりコストは海軍の数字より高いとする。CBO試算は海軍より7億ドル、10%高い。検査院も同様にDODのコスト試算を疑問視している。今の所海軍は試算結果を変更していない。

コスト増になれば建造計画全体に影響が波及し、将来の戦力構造にも影響が出かねない。

 

海軍航空戦力の近代化と将来の海軍飛行隊

米海軍は完璧な軍の姿になっている。艦艇、海兵隊、航空部隊がそろっているからだ。海軍航空部隊が空母の打撃能力そのものを構成するが、米海軍の中核兵装装備となる航空機は他国海軍部隊より大きな役割を果たしている。

2021年度に海軍航空部門(海軍と海兵隊)は合計121機の調達を求めており、20年度の163機から減少する。海軍航空隊は総じて良好な状態にあり、戦力維持に必要な機数の調達が続いている。これは朗報だ。

悪いニュースは現時点の期待数を維持するため将来は機材調達を増やす必要があることで、現行機材の維持管理が高価となり、無人機 (UAVs)の配備が遅れていることだ。

 

2021年度分調達

これまで海軍航空部門は完成したシステムを予測可能な経費と日程計画で調達してきた。ここで大きな例外はF-35だが。

特筆すべきはF-18生産がほぼ40年で終了することで昨年の案では、2024年度まで調達を想定していた。F-35生産はF-18生産終了の穴を埋めるだけ規模とならない。F-18調達が終了するのは運用する空母が少なくなるためもある。次世代戦闘機の開発が始まっているが、調達は2030年代にならないと始まらない予想だ。

別の課題に調達機数の減少がある。2020年度予算では5カ年計画の年間平均調達機数を130機としていた。2021年度では107機になっている。

その結果、海軍が調達規模を増やさないと機材規模が縮小する、あるいは老朽化が進む結果が生まれる。

 

機材規模維持の高コスト

 

海軍航空戦力の長期的な健全性に立ちはだかるのは、海兵隊、空軍と共通しており、機材維持の高コストだ。上図で示したように海軍航空戦力の調達費用は2000年代初期化から50%増加しているが対象機材数は逆に減っている。

機体の新世代は旧世代より高コストになる傾向がある。E-2Cは2021年度ドル価格で単価1.16億ドルだったが、新型E-2Dはレーダー性能を向上させ、指揮統制連絡リンクで高性能となったが単価は同じ2021年度ドル価格で2.27億ドルだ。

 

UAV配備が遅れ気味。トライトン、MQ-25

2021年度の海軍向け大型UAV調達はゼロで、空軍も同じくゼロと両軍で共通した問題になっているが、海軍のUAV保有数の58機(MQ-8およびMQ-4)は空軍の340機から大きく離されている。有人機を優先した海軍の姿勢があるとともに無人機装備への関心の低さもある。無人水上水中装備には大胆な導入姿勢を示す海軍だが無人航空機には及び腰のようだ。

エスパー長官は艦艇建造案をめぐるスピーチで海軍航空戦力に関し興味深い指摘をしている。将来の艦隊には無人艦載機を「戦闘機、給油機、早期警戒機、電子攻撃機とあらゆる種類で揃える」と述べ、海軍はUAVに支援任務しか想定していなかったので大きな一歩といえる。

エスパー長官の積極姿勢があるとはいえ、海軍無人機の未来は決して明るくない。MQ-8CファイヤースカウトはB型から大幅改修されているが、いまだに性能が弟子切れておらず、試験部門は「作戦運用不適」と判定した。

MQ-4Cトライトン長距離監視偵察UAVは空軍向けRQ-4グローバルホークの派生型で2020年度に生産開始したが、2023年まで生産が一時停止している。海軍は年間二機調達の想定だったので打撃だ。同機試作型が2019年6月にイランにより撃墜され関心を集めていた。

MQ-25は初の艦載無人機となり、2017年に海軍は給油機として一部ISR機能を付与すると発表し、攻撃任務は想定していないとした。同機開発は順調に進んでおり、2023年度に調達を開始する。しかし、同機事業が物議を醸したのは本来なら攻撃任務の正面煮立つべき機材を支援ミッションにまわしたためだ。エスパー長官発言がこの問題を加熱化した。

弾薬類は戦略の一環だ。射程と精度が問題

海軍の戦闘力で問題なのは従来装備を域内戦や敵領土近くでの作戦を想定して整備してきたこtだ。艦船の性能は高いが大型で数が少ない。戦術航空機は航続距離が極めて短い。そこで課題となるのは他軍とも共通するが、既存装備を敵の強力な防衛圏内でどう活用するかだ。

その解決策の一つが既存装備で長距離精密弾を運用することで、艦艇と航空機双方を想定している。これで危険地帯から遠ざかったまま戦闘に加われる。このため海軍は「攻撃用ミサイル戦略」を立案した。詳細は極秘だが、戦略案では現行装備品を使用しながら戦力を増加させるとともに新兵器開発を進めるはずだ。

2021年度予算は弾薬類の高レベル調達を想定している。特筆すべき動きは以下のとおりだ。

  • 艦艇では最新版の戦術トマホークブロックIV、水平線超えミサイル双方をLCSに導入する

  • 航空機では長距離対艦ミサイルLRASMを導入する。これは空軍向けJASSMの派生型である。共用スタンドオフミサイル射程拡大版 (JSOW-ER)も導入する。

  • 長期的視野で10億ドルを通常型迅速打撃(CPS)兵器開発に投入する。これは極超音速ミサイルである。また攻撃型水上艦戦(OASuW)性能向上型2のミサイル、次世代対地攻撃兵器も開発する

  • 予算では小直径爆弾IIの調達は削減する。中東地区で効果不足が露呈していた。同様にLCSの対水上戦ミサイルモジュール調達が削減されるのはLCS調達そのものが減らされ、ミサイル各種の運用方法が変化したため■

この記事は以下を再構成したものです。翻訳は人力で行っており、誤訳や不適当な表現は翻訳者によるものです。

US Military Forces in FY 2021: Navy

November 9, 2020

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Mark Cancian (Colonel, USMCR, ret.) is a senior adviser with the International Security Program at the Center for Strategic and International Studies in Washington, D.C.

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