075型強襲揚陸艦の初号艦が海上公試に出港する。Photo via Weibo
PLAN(人民解放軍海軍)と呼ばれる中国海軍は南シナ海で実弾演習を数日前に展開したが、注目されるのは新たに拡張した海軍基地を利用していることだ。
海南島南端の三亜Sanyaの基地からハルビンZ-9ヘリコプター隊が発進し、対艦ミサイルの模擬射出を行った。Z-9はユーロコプターAS365ドーフィンのライセンス生産機でPLANでは艦載ヘリとして広く使われている。演習は多分にメッセージ性が強かったが、問題は発進基地で、ここ数年で大幅に拡張されている。
南シナ海の戦略的重要性が高まり、各国間の鞘あてが激しさを増している。中国は事実上全域を自国領海と主張し、海軍基地施設を強化してきた。三亜の航空基地は域内バランスを変える存在になる。また海南島で空母基地の整備も進んでいる。
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新たに撮影された衛星画像で乾ドック工事が順調に進んでいるのがわかり、新型003型超大型空母用だろう。工事は2016年に始まり、完工が近づいている。衛星画像の限界で実際の用途が異なる可能性もあるが、実に巨大な乾ドックなのは確かだ。
海南島の乾ドックが稼働開始すれば南シナ海のPLANプレゼンスは大いに強化される。空母部隊が海南島を本拠地にするようだ。近くの埠頭には新造075型強襲揚陸艦が係留されている。この埠頭を大型艦2隻が同時に利用できそうだ。上海で建造中の003型空母はこれまでで最大規模で先の2隻と異なり電磁発艦システム (EMALS) を米海軍最新鋭のフォード級空母と同様に装備する。
EMALSで大型機の運用が可能となる。例えば西安KJ-600早期警戒機がある。これはE-2D高性能ホークアイと類似した機材だ。中国はさらに新型戦闘機や無人戦闘機材 (UCAVs)も搭載するだろう。
三亜航空基地の新規設備は空母艦載機用だろう。同基地に長距離飛行可能な無人機も出入りしている。
同基地は海南島の既存海軍基地の延長として理解すべきだ。原子力推進潜水艦、通常型潜水艦、大型水上艦艇といった装備に新基地が生まれるのは中国の南シナ海シフトの一環だ。PLAN南方艦隊には常に新鋭艦が配備される傾向がある。空母が一隻、あるいは2隻同島に恒久配備されれば中国は南シナ海への軍事圧力が一層強まる。■
この記事は以下を再構成したものです。
Chinese Navy Expanding Bases Near South China Sea - USNI News
By: H I Sutton
December 29, 2020 11:20 AM
A version of this post originally appeared on Naval News. It’s been republished here with permission.
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