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2017年10月21日土曜日

これが世界最大の防衛企業ロッキードが注目する重点技術分野だ


量子コンピューターには過大な期待が証券市場で見られるようですが、今回発表した技術分野はそれぞれロッキードが公表しても無害と判断した分野だけでしょう。実際にはもっと奥深いものがあるはずで、そういえば常温核融合技術はあれからどうしたんでしょうか。日本企業もどんどん未来に向けた投資が必要なはずですが、内部告発がなければ長年の悪い習慣が破れないのは如何した者でしょうか。

Inside the ‘foundational’ future technologies of the world’s largest defense company

世界最大の国防企業が考える「基礎的」将来技術の内側を見る

Lockheed Martin's concept art reflects its belief in the potential for directed-energy weapons against unmanned systems. (Lockheed Martin)

By: Aaron Mehta 18 hours ago

WASHINGTON ― ロッキード・マーティンは世界最大の国防契約企業で2016年の総売り上げは470億ドルだった。今後も首位に残るためには新技術開発を続ける必要があり、同社技術のトップが金のなる木と見ている内容を明らかにしてくれた。
  1. ケオーキ・ジャクソンKeoki Jacksonはロッキードの最高技術責任者で「基本」技術体系で同社がこれから数十年にわたり投資していく分野を10月11日の報道陣懇談会で明らかにしている。
  2. 技術内容は三つに大分類される。まずジャクソンがいうところの「戦略技術面」で「海中から宇宙まで広がる全ドメインでロッキード・マーティンの得意分野を活用すること」だという。
  3. ここには自律運用、指向性エネルギー、情報処理通信技術、センサー、組性能サイバーセキュリティが含まれる。
  4. 実用段階の指向性エネルギー兵器の登場を国防セクターが期待しているがジャクソンは「一大転換点」に来たとし同社の60キロワットシステムについて言及している。この装備はストライカー戦闘車に搭載されており、今後150キロワット超まで拡大される。
  5. 本題と離れたがジャクソンは同社が極超音速技術も開発中と認めた。「極超音速革命に近づいており、当社の顧客を支援して高速打撃性能の実現を目指す」と述べた。
  6. 二番目は新しい能力を実現する技術群で、各大学や民間技術企業に「大型投資」を投入していくとジャクソンは述べた。
  7. 「社内で技術開発をすべてするのではなく、民間部門で進展中の技術に大規模投資をしている」とジャクソンは述べ、投資は金融部門から農業まで多様に広がっていると説明した。
  8. ここにデータ解析技術やビッグデータに加え高性能電子技術や高性能素材や製造技術が含まれる。同社傘下のLMヴェンチャーファンドがここにからみ1億ドルを外部テック企業に投資している。
  9. 三番目が新技術分野で「長期視野でハイリスクの賭け」と評した。ジャクソンがあげたのは量子コンピューター、通信暗号技術さらに合成バイオロジーだった。
  10. 「今日の世界では生きた分子マシンの設計も可能で、プログラム言語でいうプログラムコンパイラーのようなツールを使いDNA形成を自動化できます」とジャクソンは合成バイオロジーについて述べている。「分子マシンで分子レベルで何でも精密に作れる段階にきている」
  11. 生物工学は「革命的」に航空宇宙分野に応用できるとジャクソンは認め、量子技術の可能性に興奮しているようで情報科学への応用に注目している。
  12. 「情報科学の次の飛躍は量子だろう。今は解決できない問題もコンピューター上で答えが見つかる。全くの新素材を一から設計して今と違う応用が実現する」
  13. 2015年公表の米空軍の研究成果では量子技術では実際より大幅に「誇大宣伝」があると警告しているが、ジャクソンはこの分野の投資見返りは難しいと認める。だがこの技術の可能性は研究予算を大幅に増やすだけの価値があり、高額なD波装置の取得もその一部だという。.
  14. 「この中にはSFにしか聞こえない要素もありますが、米国内のラボや他国で量子レベルのコンピューターが実現しつつあり、一部では非常に興味深い通信やセンサー技術の進展に関連しています」とジャクソンは述べている。■

2014年8月17日日曜日

☆ 少しずつ見えてきた第六世代戦闘機の構想





Next-Generation Fighter, Directed Energy Weapons May Converge


Aug 5, 2014Amy Butler | Aviation Week & Space Technology

F-22の高コストはステルス性能が理由だが、兵装庫は小さくなってしまった。Credit: U.S. Air Force

新しい形態の脅威が発生しつつあり、厳しい予算環境、特にロッキード・マーティンF-35が予算を食う中で、米空軍は「第六世代」次期制空戦闘機のあるべき性能の検討を開始している。
  1. 戦闘航空軍団司令官マイク・ホステジ大将 Air Combat Command Chief Gen. Mike Hostage によると次世代戦闘機が有人、無人となっても構わず、あるいは戦闘機の形態をとらない可能性も排除しないという。「単座戦闘機の形でなくてもよいかも」とも発言している。「キーボードのエンターキーを押して敵が墜落するのであればそれでもよい」
  2. 調達作業が「拷問に近い」ため、「実用化がすでに遅れている」とし、既存機種の改修用予算を流用して次期戦闘機開発の資金とするリスクもあえて受け入れるとも発言。想定しているのは戦闘用エイビオニクスプログラム拡張一式 Combat Avionics Programmed Extension Suite の開発とF-16の耐用年数延長だが運用機材数の減少は避けられない。
  3. 「第六世代機」は「第五世代機」をステルス性、速度、エイビオニクス・センサーの融合でF-22やF-35を超えた機体と想定している。今後登場する長距離打撃爆撃機(空軍は80から100機の調達を想定)とも連携して運用する。
  4. 第五世代機だけの部隊編成を想定した空軍構想は雲行きが怪しくなっている。F-35の飛行条件が制約されるのは「一時的」で、ホステジ大将は同機で最近見つかった低圧タービンの回転部分の過剰摩擦が2016年8月想定のF-35A初期作戦能力の実現に支障を及ぼすとは考えていない。
  5. F-22とF-35の兵装庫が小さいことをホステジ大将は懸念している。ともに地上攻撃用の小口径爆弾8発までしか搭載できない。ステルス性能のため搭載スペースで制約が発生したためだ。
  6. ただし、ペンタゴンは秘密裏に予算を計上して火力増大をめざしているいるとホステジは暗示している。一時は空軍はいわゆる共用二重用途制空ミサイルJoint Dual-Role Air Dominance Missile (JDRADM)を推進し、Amraamの空対空性能にレーダー攻撃可能なHARMミサイルの空対地能力を一つにまとめようとしていた。これはその後次世代ミサイル計画と呼称されたが、とん挫したといわれるものの、一部筋によれば研究は極秘のうちに継続しているという。
  7. また空軍が指向性エネルギーを第六世代機に搭載する選択肢も検討している可能性がある。ホステジ大将も研究成果の進展から十分な可能性があると認めている。ただし第六世代機の実用化までに指向性エネルギーが兵装として成熟するかは定かではない。
  8. 指向性エネルギーは将来の機材に採用をめざす空軍技術5分野の一つで、他には無人機、ナノテクノロジー、極超音速飛行、自動化がある。これらはこのたび公表されたAmerica’s Air Force: A Call to the Future”で今後の予算手当が必要な戦略的対応の対象とされている。■