量子コンピューターには過大な期待が証券市場で見られるようですが、今回発表した技術分野はそれぞれロッキードが公表しても無害と判断した分野だけでしょう。実際にはもっと奥深いものがあるはずで、そういえば常温核融合技術はあれからどうしたんでしょうか。日本企業もどんどん未来に向けた投資が必要なはずですが、内部告発がなければ長年の悪い習慣が破れないのは如何した者でしょうか。
Inside the ‘foundational’ future technologies of the world’s largest defense company
世界最大の国防企業が考える「基礎的」将来技術の内側を見る
Lockheed Martin's concept art reflects its belief in the potential for directed-energy weapons against unmanned systems. (Lockheed Martin)
WASHINGTON ― ロッキード・マーティンは世界最大の国防契約企業で2016年の総売り上げは470億ドルだった。今後も首位に残るためには新技術開発を続ける必要があり、同社技術のトップが金のなる木と見ている内容を明らかにしてくれた。
- ケオーキ・ジャクソンKeoki Jacksonはロッキードの最高技術責任者で「基本」技術体系で同社がこれから数十年にわたり投資していく分野を10月11日の報道陣懇談会で明らかにしている。
- 技術内容は三つに大分類される。まずジャクソンがいうところの「戦略技術面」で「海中から宇宙まで広がる全ドメインでロッキード・マーティンの得意分野を活用すること」だという。
- ここには自律運用、指向性エネルギー、情報処理通信技術、センサー、組性能サイバーセキュリティが含まれる。
- 実用段階の指向性エネルギー兵器の登場を国防セクターが期待しているがジャクソンは「一大転換点」に来たとし同社の60キロワットシステムについて言及している。この装備はストライカー戦闘車に搭載されており、今後150キロワット超まで拡大される。
- 本題と離れたがジャクソンは同社が極超音速技術も開発中と認めた。「極超音速革命に近づいており、当社の顧客を支援して高速打撃性能の実現を目指す」と述べた。
- 二番目は新しい能力を実現する技術群で、各大学や民間技術企業に「大型投資」を投入していくとジャクソンは述べた。
- 「社内で技術開発をすべてするのではなく、民間部門で進展中の技術に大規模投資をしている」とジャクソンは述べ、投資は金融部門から農業まで多様に広がっていると説明した。
- ここにデータ解析技術やビッグデータに加え高性能電子技術や高性能素材や製造技術が含まれる。同社傘下のLMヴェンチャーファンドがここにからみ1億ドルを外部テック企業に投資している。
- 三番目が新技術分野で「長期視野でハイリスクの賭け」と評した。ジャクソンがあげたのは量子コンピューター、通信暗号技術さらに合成バイオロジーだった。
- 「今日の世界では生きた分子マシンの設計も可能で、プログラム言語でいうプログラムコンパイラーのようなツールを使いDNA形成を自動化できます」とジャクソンは合成バイオロジーについて述べている。「分子マシンで分子レベルで何でも精密に作れる段階にきている」
- 生物工学は「革命的」に航空宇宙分野に応用できるとジャクソンは認め、量子技術の可能性に興奮しているようで情報科学への応用に注目している。
- 「情報科学の次の飛躍は量子だろう。今は解決できない問題もコンピューター上で答えが見つかる。全くの新素材を一から設計して今と違う応用が実現する」
- 2015年公表の米空軍の研究成果では量子技術では実際より大幅に「誇大宣伝」があると警告しているが、ジャクソンはこの分野の投資見返りは難しいと認める。だがこの技術の可能性は研究予算を大幅に増やすだけの価値があり、高額なD波装置の取得もその一部だという。.
- 「この中にはSFにしか聞こえない要素もありますが、米国内のラボや他国で量子レベルのコンピューターが実現しつつあり、一部では非常に興味深い通信やセンサー技術の進展に関連しています」とジャクソンは述べている。■
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