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★B-21の姿、性能、運用を想像する



 


Why Russia, China and North Korea Should Fear America's B-21 Bomber

ロシア、中国、北朝鮮が米B-21爆撃機を恐れる理由

October 27, 2017

  1. 2015年10月27日、ノースロップ・グラマンは初のステルス爆撃機開発契約の獲得から34年目に米空軍は同社にB-21レイダー開発契約を交付した。機体の詳細は謎のベールに包まれているが、わずかは判明しており、残りは推測するしかない。
  2. B-21レイダーの名称は21世紀とともに1942年の伝説的なジミー・ドゥーリットルの日本初空襲にちなむ。ドゥーリットルレイダーズとして当時不利な戦況の中で士気を大いに高める効果があった。
  3. 空軍公表のB-21レイダー構想図はB-2スピリットと極めて類似している。ただし決定的な違いがある。B-21ではエンジン位置が主翼胴体の境に近い場所に移っているが、B-2のジェネラルエレクトリックF118-GE-100エンジンは主翼上で胴体から離れた位置につく。レイダーの空気取り入れ口は角度がつくがB-2のような鋸歯状でない。レイダーの主翼上に排気口がつきエンジン排熱のシグネチャーを減らすのがB-2とはちがう。
  4. 機体寸法はB-2に近いが、プラットアンドホイットニーが2016年にエンジンメーカーとして選定され、エンジンはF-100およびF-135の二つに絞られる。F-100は成熟度が高くF-15イーグルに搭載されており賢明な選択だが、空軍はF-135を希望するはずで、F-35共用打撃戦闘機に採用され今後の性能向上が期待でき一方でF-35のエンジン関連経費も下げる効果も期待できる。
  5. B-21は重戦略爆撃機で核・非核両用の運用化可能だ。コスト削減のためB-2で採用した回転式発射装置AARLを流用するだろう。AARLは爆弾あるいはミサイル8発を搭載する。
  6. 核運用では長距離スタンドオフ(LRSO)ミサイルを搭載する。LRSOは次世代ステルス核巡航ミサイルで、別にB61自由落下式核爆弾の新型B61-12型「爆発力調整式」搭載する。まず巡航ミサイルで敵防空網を突破してからB61爆弾を投下するシナリオだろう。
  7. 通常兵器ミッションではJASSM-EM通常弾頭巡航ミサイルと2千ポンドのGBU-31共用誘導攻撃弾(衛星誘導式)爆弾を搭載するだろう。B-21を核兵器と同様に使用し防空網を突破してからJDAMを投下するはずだ。これとは別にB-21はミサイルトラックにもなり、JASSM-ER16発までを遠隔地から敵に発射する。B-21は30千ポンドの大型貫通爆弾も搭載する。現時点でこの米軍最大の通常爆弾を運用できるのはB-2に限られる。
  8. 他の新型装備同様にB-21は「オープンアーキテクチャー」をハードウェア、ソフトウェア両面で採用し、B-21は将来のアップグレードは容易で爆撃以外のミッションも実現できる。爆弾倉はミッション用ペイロード搭載に転用され、偵察、通信、電子戦と多様に使える。レイダーは米空軍初の多用途爆撃機になる。
  9. B-21レイダーは2020年代中頃に運用開始の予定で空軍はまず100機を調達しB-52Hストラトフォートレス、B-1Bランサーの後継機とする。調達規模が200機程度になる可能性もあるが財政事情次第だ。レイダーが最終的にどんな機体になるかわからないし、機密を守る米空軍がいつ情報を開示するかもわからない。B-21は軍用技術の「ブラック」世界に入っており、そこから出てくるのは機体完成時のみだろう。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
Image: A U.S. Air Force B-2 Spirit "Stealth" bomber, 393rd Expeditionary Bomb Squadron, 509th Bomb Wing, Whiteman Air Force Base, Mo., flies over the Pacific Ocean after a recent aerial refueling mission, May 2, 2005. / Wikimedia Commons / U.S. Air Force photo by Tech Sgt. Cecilio Ricardo


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