日本周辺にも姿を現しているのがH-6の最新K型ですが以外に機数が少ないようですね。これでは継続した作戦はできないはずですが、旧式機も投入してくるつもりなのでしょうか。いずれにせよ日本としては同機よりも搭載するミサイルに軽快すべきなのはいうまでもありません。勿論発車前に母機を撃墜すればそれが一番いいのですがスタンドオフ攻撃だとそうはいかないでしょう。
Fact You May Not Know: China Has Its Very Own 'B-52' Bomber
中国にも「B-52 」があることをご存知でしょうか
October 22, 2017
- 長距離戦略爆撃機をある程度の機数で運用中なのは中国、ロシア、米国のみだ。米B-52 やロシアTu-95と並び中国は原型は1950年代のH-6を人民解放軍空軍PLAAFおよび海軍航空隊が運用する。巡航ミサイルを搭載し同機は実戦にも投入された。
- H-6は中国がツポレフTu-16バジャーをコピーした機体で1958年から59年に当時のソ連から中国が数機受領し、ライセンス生産を始めた。直後発生したソ連との関係悪化前にTu-16生産キットを中国が受領でき幸運だった。Tu-16は中国初の原子爆弾を1965年に投下している。
- H-6初号機の完成は1968年で西安航空工業が行った。WP8ターボファンエンジンもロシアAM-30 のコピーで音速にわずかに足りない656マイル時で飛行し、爆弾搭載量は60千から80千ポンドだった。戦闘行動半径は1,100マイルで乗員4名から6名で最高高度42千フィートを飛行した。
- 基本形は通常型爆撃機だったが、核爆弾運用型のH-6Aが1970年代の核実験で多用された。最近では通常爆弾で黄河の氷塊を破壊する用途にも使われている。.
- Tu-16原設計は1950年代で戦略爆撃機は攻撃対象地の上空飛行で核兵器通常兵器を重力投下するものだった。このコンセプトは第二次大戦の延長で、H-6にも23㍉自動機関砲が6門搭載され敵機撃退を狙った。ただし1960年代に地対空ミサイルや超音速ジェット戦闘機が登場してこの発想は時代遅れになった。
- 1970年代にPLAAFも戦略爆撃機で敵地侵入し上空から爆弾投下はできないと悟り、H-6の航続距離延長策を模索し始めた。H-6Dは新型レーターにより敵艦船を主翼下搭載のC-601シルクウォーム対艦ミサイル二発で狙った。C-601は全長6.5メートルでYJ-6あるいはCAS-1クラーケンのNATO名があり、有効射程150キロで1,130ポンド弾頭を運ぶ。.
- H-6Dは4機が1987年にイラクへ輸出され、C-60150発と引き渡され、1988年にイラン・イラク戦の死闘に投入された。
- C-601初の戦果はイランばら積み貨物船Entekhabで1988年2月5日のことで、さらに少なくとも14隻の石油タンカー、貨物船がイラクのC-601 によると思われる攻撃を受けたが、はっきりしない。大型石油タンカーは対艦ミサイルの攻撃を受けても簡単には沈んでいない。
- イランはF-14トムキャットでH-6D一機を撃墜したと主張している。1991年の湾岸戦争では残存するH-6三機は米軍がアルタカドゥム航空基地で破壊した。エジプト空軍がその後H-6を唯一運用していたが、2000年に用途廃止している。
- 他方でPLAAFはH-6を近代戦に合わせる努力を続け80年代にH-6EおよびF型でエイビオニクスや対抗装備を改良している。
- PLAAFはH-6を非戦闘任務用に改装しHY-6がPLAAF初の空中給油機になった。同機は85千ポンドまでの燃料補給能力があると見るアナリストがあり、米KC-135Eの半分程度で長距離任務につく戦闘機2機の支援が可能だ。その他特殊任務用のH-6にはH-6B偵察機、HD-6電子戦機がある。
- その後もH-6のか医療は続き巡航ミサイル運用に中心をおいたH-6Hが1990年代に登場し、対地攻撃ミサイル2発を運用した。H-6Gは地上発射巡航ミサイル用に標的情報を提供するのが任務で、H-6Mミサイル母機はYJ-31(KD-88)巡航ミサイル4発を搭載する。
- 最後に中国はH-6Kを2007年発表し、エンジンをロシア製D-30KPに換装し出力が25%増え、射出脱出シートやグラスコックピットがついた。陳腐化したガラス張りの機首や後部機銃手は廃止され、改良型レーダーと防御装備が導入された。その他にも赤外線方式と電子光学指揮センサーやネットワーク用のデータリンクがつく。
- さらにH-6Kは主翼下に大量装備搭載が可能となり、CJ-10またはCJ-20巡航ミサイル6発を搭載し900マイルから1,500マイルを射程とする。またはYJ-12対艦ミサイルを搭載する。飛行距離は2千マイルから空中給油で3,500マイルまで伸びる。H-6Kはこれまで16機が製造されており、国産エンジンWS18ターボファンに換装した型も開発中と言われる。.
- H-6Kの搭載能力や航続距離は米B-52には匹敵しないが中国にそこまでの性能は必要ない。中国にとって同機の性能で十分で大型巡航ミサイルを標的に発射できる。飛行速度は低くステルス性もないH-6は敵防空網の近くに接近せず長距離ミサイルを数千マイル先から発射すればよいのだ。基地からの最大攻撃範囲は空中給油を前提で4,500マイルになる。
- 興味深いことにH-6は理論上は核兵器運用できるが、PLAAFには核弾頭付き空中発射巡航ミサイルは配備されていないと見られる。この理由として中国は核兵器を防御用に使う思想があり、敵の第一撃攻撃を想定し装備の残存を最優先しているためといわれる。
- かわりにH-6は通常兵器攻撃能力の有効距離を伸ばし、対艦攻撃に投入するのだろう。近代化H-6Kはあらゆる面で海上攻撃機の機能を有しているが中国には有効な長距離監視偵察手段が欠落しているとの指摘があり、H-6で攻撃したくても敵艦位置を把握できない。
- それでもH-6の実戦投入事例(1988年)から巡航ミサイル搭載により大規模な損害を与えることは高性能情報収集能力がなくても十分可能とも言える。
- 昨年9月3日、PLAAFのMa Xiaotian大将から中国が新型戦略爆撃機を開発中と発表したがこれはH-6改良型なのか全くの新型機なのか不明だ。
- 中国が太平洋でのプレゼンスを強める中で長距離兵力投射能力が問われており、長年供用されているH-6がこの実現に有益な存在であるのは確かだ。■
Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
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