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中国の台湾侵攻が2020年までに現実のものになる可能性

米国にとって北朝鮮などは実はとるに足らぬ脅威であり本質的かつ本腰を入れるべき相手が中国であることは明らかです。その中で北京政府の目の上のたん瘤とでもいうべき台湾にいよいよ手を出すかがこの数年間に警戒すべき課題ということでしょうか。北京からすれば内戦であり外国の干渉を受け入れない、その背後には「一つの中国」という大原則があるのでしょうが、台湾が台湾となり中国のアイデンティティを捨てれば大原則そのものが崩壊してしまい、だからこそ北京は台湾独立を忌み嫌うのでしょう。日本としては米国と連携した海洋勢力として台湾が中国に飲み込まれる事態は回避しなければなりません。それだけに台湾との関係は熟考を覚まられるパワーゲームと言えるでしょう。

China’s Secret Military Plan: Invade Taiwan by 2020

中国の極秘戦争計画は2020年までの台湾侵攻だ

Book based on internal documents says Beijing's invasion plan would trigger U.S.-China conflict

中国国内文書を多数引用した新著では米中開戦の危険性まで発展する危険性を指摘

Chinese President Xi Jinping
Chinese President Xi Jinping / Getty Images
     
October 3, 2017 5:00 am

  1. 中国が2020年までに軍事作戦で台湾併合をめざし米中間で通常戦あるいは核戦争の危険が生まれる可能性があることが中国軍の内部文書から明らかになった。
  2. 人民解放軍(PLA)の秘密作戦案では大規模ミサイル攻撃のあと海軍と空軍が封鎖作戦を展開し最終的に40万名で台湾上陸作戦を行うとしている。
  3. この内容を紹介した書籍が今週刊行される。書名はThe Chinese Invasion Threat で著者イアン・イーストンIan Eastonはシンクタンク、プロジェクト2049研究所Project 2049 Instituteの中国専門家だ。
  4. 台湾紛争の危機はこの数年で拡大し、ワシントンと北京は南シナ海での中国の動きを軸に対立を深めさらに北朝鮮の核・ミサイル開発にも中国が裏で支援しているとの懸念もある。
  5. 「台湾を巡る武力衝突の可能性でも危険度も最大だ」と同書は指摘し、ペンタゴンもこの問題を避けて通れないとする。「中国は明確に圧倒的戦力を台湾にふり向け、必要なら米主導の各国戦力を打倒するつもりだ」
  6. 中国指導者へは民主政体の台湾は脅威と映る。台湾は中国沿岸から90マイル地点で「中国全土に自由の灯を照らしているからだ」と指摘。「このためPLAは台湾侵攻を最大任務ととらえ、戦いに備え軍拡を進めている」
  7. 台湾国防省が2013年にPLAの侵攻作戦案を初めて明らかにし2020年までに軍事作戦を展開するとしていた。
  8. 習近平主席も5年前の中国共産党会合で台湾侵攻案を自ら認め、「2020年案を進め、その年までに台湾に力の行使を展開する」と述べていた。
  9. PLA内の著作物を見ると中国は非軍事手段では効果がないと判断した場合に軍事力行使に踏み切るようだ。また前提として米国を蚊帳の外に追いやることが必要としている。米国では現行の台湾関係法(1979年)により米国は台湾に防衛装備を提供し、台湾への力の行使を防ぐとしている。
  10. 中国は今のところ非致死手段として心理戦、外交、宣伝、情報戦を台湾に展開している。打つ手がなくなれば、大規模揚陸強襲作戦実施に踏み切るだろう。
  11. ただし台湾侵攻は決して容易ではなく犠牲も発生すると同書は指摘。台湾は険しい地形、山地が多く、海峡ではトンネル効果が生まれ兵員装備の搬送は空海共に難しい。
  12. 台湾島は南北230マイル、東西90マイルで台湾軍は内戦に敗れ台湾に逃げ込んだ1949年以来侵攻に備えた体制を維持してきた。
  13. 1980年代以降、中国が急速に軍事力を整備し台湾を力づくで併合しようとしている。弾道ミサイル・巡航ミサイル1,000発以上が台湾をはさむ沿岸に配備されている。
  14. 同書によると中国では侵攻作戦を統合島しょ攻撃作戦Joint Island Attack Campaignと呼んでいるようだ。
  15. 「台湾を軍事占領してこそ『分離独立派』部隊の本拠地をせん滅し長きにわたる海峡を挟んだ軍事対立にも幕を下ろせる」とPLA教本は述べている。
  16. 作戦案ではまず首都台北を短期間に占拠し、政府機能を抹殺した後、その他主要都市に進軍し、残存台湾軍を一掃して全土を占領するとしている。
  17. 軍事作戦ではスピードと奇襲効果で沿岸防衛を圧倒し、初期段階で破壊を展開して米軍部隊の到着前に台湾を降伏させるとしている。
  18. 作戦内容は中国が固く守る秘密の一つだが軍内部の教本などで詳しく分析されており、技術文献がPLA内部でも漏れ伝わるようになっている。
  19. 「非常に詳しく検討されており、中国のこの作戦に対する対応がなみなみならぬものであるとわかる」と同書は述べている。
  20. 段階別に展開する侵攻案は三段階に分かれる。封鎖と爆撃、揚陸作戦、さらに台湾島内の戦闘だ。
  21. 第一段階は海空の封鎖と千地点へのミサイル攻撃だ。その後中国海軍が揚陸地点14か所へ大部隊を派遣する。
  22. 「侵攻軍が台湾沿岸部に上陸する前にPLAは数波にわたりミサイル、ロケット、爆弾、砲弾を沿岸防衛体制に加え、電子妨害で通信を遮断する」
  23. 中国から見る台湾は「反乱地方」であり再統一は中国が目指すグローバル規模の戦略目標達成の一部にすぎない。「同島を占拠し統制することで初めて国家再統一が完成する。『分離主義者』部隊勢力の残り火が再び発火しないとも限らない」とPLA文書の一つが表現している。
  24. PLA野戦マニュアルでは台湾の地形と防衛体制のため大規模かつ巧妙な軍事作戦の展開が必要とされ難易度は高く犠牲者も相当覚悟せねばならないとしている。
  25. PLAマニュアルの中でも入手しがたい「台湾海峡の軍事地形学習教材」では外国軍事勢力が中国の貿易通商路を遮断するのに台湾を利用し、さらに米軍が台湾を中国封鎖の基地として利用する恐れを指摘する。
  26. 中国の原油輸入が依存する海上交通が台湾海峡を通過しているので軍事封鎖にはぜい弱だ。「そこで戦略的に重要な海上通行路確保が軍事対応のみならず国家戦略の課題だ」とマニュアルは指摘している。
  27. また台湾は日本封鎖にも活用できると中国は見ている。
  28. 情報戦では中国は法律闘争とインターネット他を使い、心理戦で台湾の抵抗を弱体化させてから本格的軍事作戦を展開する構想だ。心理戦にメディア利用の他政治手段を組み合わせる。中国軍の内部資料では情報戦の活用をこうまとめている。
  29. 法律闘争と世論操作に心理戦の組み合わせで台湾国内の意思を分断弱体化させ戦闘力を低下させる。法律闘争は台湾内の政治集団が対象で心理攻撃を加えるのが目的だ。台湾への統合軍事行動は法律面で正当化され解放闘争の延長とする。世論を活用し、敵の軍事勢力へ心理戦で攻撃を加える。「独立」をこれ以上支持しても効果がないと達観させ...インターネットを利用して国内の非政府組織や国民に心理攻撃を加える。統一効果を前広に宣伝し『分離独立派』の社会基盤そのものを弱体化させる。
  30. 台湾指導部も攻撃対象であり、台北の総統府他主要官庁を標的とする。
  31. PLA文書は台湾統治機構と防御体制への関心を喚呼している。
  32. 「ハイテク兵器を使い台湾領空に侵入し精密かつ強力な破壊力で容赦ない攻撃を台湾の首脳部に加える」と文書は説明している。「確実に敵を倒ささねばならない」 中国は特殊部隊で台湾の政治上層部の誘拐または殺害を狙い、秘密作戦と強硬策も選択する。
  33. ペンタゴンでは中国の台湾占拠案は空軍で特に懸念を生んでいる。中国ミサイル他の攻撃が米軍基地特に嘉手納空軍基地を巻き込む可能性があるためで、嘉手納は太平洋地区の軍事的中心だ。
  34. 米海軍は中国潜水艦が米空母あるいは太平洋で唯一の指揮統制艦USSブルーリッジの撃沈を目指すことを恐れている。
  35. 「実際にどうなるかは誰にもわからないが、将来に中国が奇襲攻撃を実施すれば真珠湾攻撃と9/11を合わせた規模に発展するのは確実と全員が覚悟している」
  36. さらに台湾を巡る対決が米中核戦争に発展すると危惧する向きもある。
  37. 「引き金となるのは単なる事故や悪意のない事件かもしれないが敵意の表れと誤解されるかもしれない」と同書は述べている。「歴史には悪名高い出来事もあり、真相が理解されないままの出来事もある。第一次大戦の真因を巡る論争が一世紀にわたり続くがいまだに結論が出ていない」
  38. リック・フィッシャーRick Fisherは国際評価戦略センターInternational Assessment and Strategy Centerの上席研究員で同書から戦争抑止に必要な政策上の観点がうかがえると述べている。外部非公開の中国語軍事文献を引用することで中国の意図を理解する新しい材料となり、台湾を巡る作戦構想やねらいがわかるという。
  39. 「イーストンの業績により米国及び同盟国に重要な警告が伝わる。中国が2020年代前半に台湾侵攻を行う可能性だ。現在はすでに台湾海峡が危機状況にあり、危機へ対応するか、1950年代以来戦争を回避してきたが実際に開戦になるリスクを冒すかの選択を迫られていると言えよう」■

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