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2018年12月22日土曜日

★ステルス戦闘機にはステルス給油機が必要だ。ではその実現方法は?






Stealth Can't Fix This Problem: The 1 Challenge the F-22 and F-35 Can't Seem to Shake ステルスで解決できない問題とは。解決手段はあるのか。


by Sebastien Roblin
Key Point: Another problem with the short range of stealth and non-stealth fighters alike is the need to deploy them airbases or aircraft carriers well within range of an adversary’s ballistic and cruise missiles.
December 21, 2018  Topic: Security Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-35MilitaryTechnologyWorld.


国は巨額予算でステルスの戦闘機、爆撃機、巡航ミサイルを開発し、ステルスのスパイ無人機まで作った。ではステルス給油機は予算の無駄使いになるだろうか。
ステルス給油機構想は常軌を逸するものではない。F-35やF-22ステルス戦闘機は21世紀の航空戦力の要だが、航続距離が不足する。
一見するとF-35の後続距離800マイルは既存機種のスーパーホーネットやF-16と比べ劣っていない。だが非ステルス機は燃料タンクを主翼下につけ戦闘に向かうが、F-35が主翼下に装備をぶらせげればレーダー断面積の利点を自ら失うことになる。
ステルス、非ステルス問わず戦闘機の短距離性能から別の問題もある。敵の弾道ミサイル、巡航ミサイルの射程範囲内の基地や空母から運用する必要があることだ。第二次大戦終結以来の戦闘で高性能戦闘機といえども地上では格好の標的にしかならないことを示している。(空母艦上でも同様)大国同士の戦闘ではミサイルの雨が前方基地を襲うのは必至で、何機が無傷で残るか誰が考えても明らかだ。
幸い米戦闘機は空中給油を受けられる。だが旅客機が原型の給油機は敵戦闘機の活動範囲から遠く離れる必要がある。またロシア製R-37のような長距離ミサイルにも脆弱だ。(同ミサイルは射程250マイル)ロシア、中国のステルス戦闘機は少数だが集中配備し米軍支援機材を狙うだろう。給油機が叩き落とされれば太平洋上で帰投する燃料が足りなくなる。
ステルス機の任務が敵空域侵攻にあることを考えるとジレンマとなる。最新の地対空ミサイルの例にS-400があり、現在でも機動性の劣る機材を250マイルまで標的にしている。つまり現行の給油機各型は数百マイル後方で待機を迫られるが、その地点でもレーダーに捕捉され敵戦闘機から攻撃を受ける可能性がある。
そこでレーダー断面積の少ない給油機が解決策となる。ただしステルス戦闘機並みの低探知性は不要だ。

KC-Zがここで登場する。
米空軍はボーイング767原型のKC-46Aペガサス179機の調達を目指しKC-135、KC-10の400機は順次退役させる。航空機動軍団は比較的既存機種に近いKC-Yを2024年以降導入してからステルス給油機のKC-Z調達に移る予定だった。
ただし2016年にカールトン・エヴァートハート大将がKC-Yは取りやめ、KC-46改修型の追加調達を優先しKC-Z導入を早めることにしたとDefense Newsに述べていた。
すでにKC-Zでは各種提案が出ており、映画アベンジャーズに登場する機体そっくりの異様な機体もある。
2018年6月、ライト・パターソン空軍基地内に本拠を構える空軍研究所が「高性能空中給油機」構想をAIAA総会の席上で発表した。
ロッキードもステルス給油機構想を「高性能給油機コンセプト」(写真下)として発表しており、スターウォーズに登場してもおかしくない形状だ。ロッキードは全翼機形状でステルスを前面に打ち出し高バイパス比ターボファンを主翼上に装着しレーダー断面積を減らすとしていた。


ただし、純粋の全翼機形状でなく、空軍が先に発表していた「ブレンデッドウィンボディ」(BWB)給油機構想にヒントを受けた。BWB機は主翼と胴体が一体化されている。「ハイブリッドウィングボディ」としても知られ、純然たる全翼機ではないのは胴体部と尾部にフィンがつくためだ。
全翼機の主翼曲線は揚力を得るのに効率が高く、機体に鋭敏な角度がつかないためレーダー断面積は小さい。ただし給油機は輸送機としても使われるのでステルス給油機でも貨物搭載用の空間や荷物扉が必要だ。そのため純然たる全翼機では不十分となり、ハイブリッド形状に落ち着いた。
ステルス貨物機の利点に敵背後への特殊部隊投入がある。また接近阻止領域拒否の下にある前方基地に物資補給ができる。とはいえ貨物輸送用のステルス給油機が完全な全翼機形状給油機よりステルス性能が劣るのはやむを得ない。
ステルス給油機の調達価格を抑えるためステルス戦闘機、爆撃機のレーダー波吸収剤(RAM)に注目する必要がある。RAMで運用経費が上昇し、小型ステルス戦闘機でも整備は大変だ。ステルス給油機の機体が大きく飛行時間も年間数千時間と大幅に長いため経費は大幅に増えてしまう。費用対効果が高いRAMが登場しないと、B-2爆撃機の運行費用毎時169千ドルの再来になる。
空軍には将来の給油機の生存性を高めるべくアクティブ防御装備を搭載しミサイルを撃墜する構想もある。そう、レーザーだ。次世代レーダージャマーを敵レーダーの周波数に自動対応させれば、レーダー捕捉が困難になる。また高度の自律運用で乗員数を減らし給油時間を短時間で可能にできないかも模索されよう。

ただし、航空機動軍団はもっと革新的なステルスKC-Z提案も歓迎するとし、海軍のMQ-25にならい小型ステルス無人給油機の採用も検討している。■

2017年4月7日金曜日

次期給油機で脆弱性の改善が急務となっている米空軍


それだけ現在運用中の給油機の脆弱性が注目されているわけです。そうなるとKC-46AやKC-767も早期に陳腐化しかねませんね。

DefensetechWith Pegasus Barely Out of the Nest, Air Force Mulls New Foreign Tanker ペガサスがやっと実用化しようとする今、米空軍は次期給油機に海外機材も排除しない
POSTED BY: ORIANA PAWLYK APRIL 5, 2017


NASAの新型航空機ホライゾン事業は米空軍航空機動軍団も注視している。同事業の「Xプレーン」はハイブリッド機でターボファンエンジンを機体後部上に搭載し、二枚の尾翼でエンジン騒音を地上に撒き散らない構想だ。 (Credit: Boeing via NASA.gov)


最新給油機KC-46Aペガサスの初飛行から二年しかたっていないが、米空軍はすでに次の給油機の設計案をまとめようとしている。航空機動軍団司令官が4月5日述べている。
  1. 「競争から優秀な機体が生まれる」とカールトン・エヴァーハート大将がワシントンDCの国防記者朝食会で述べている。「競争から価格低下も生まれるので競争は大歓迎だ」
  2. 空軍は昨年9月末現在で給油機489機を運用し、うち236機が空軍本体、181機が州軍、72機が予備機材だ。このうち大多数はKC-135各型でKC-46が後継機となる。
  3. KC-XがボーイングKC-46Aとなり、179機を450億ドルで調達するが、その次に各社競作によるKC-YとKC-Zが来る。
  4. 空軍関係者からは将来機材はKC-46の改修型になるかもしれないとの発言があるが、エヴァーハート大将は全くの新型機の採用も除外せず、海外メーカー機材の採用も排除していない。ということは海外製給油機が米空軍に採用されるのか。
  5. 同軍団は将来の給油機の性能要求をまとめている段階と同大将は先月空軍協会の年次シンポジウムで発言し、研究内容は次期給油機に反映されるという。
  6. 「非常に興味を覚える分野でNASAがまとめたグリーンホライゾン事業を最近見たところ」と新型航空機ホライゾン事業で「グリーンな」あるいは環境に優しい航空機の実現構想に触れている。同事業は燃料消費を押さえ、排気ガスを75パーセント削減する目標だ。
  7. 「ハイブリッド構造の主翼をFedExに提言しており、同社も同様の技術を燃料効率の改善や性能面で話題にしており、高速飛行も関心事だ」(エヴァーハート大将)
  8. 同大将は将来の給油機の残存性に高い優先順位をおき、給油機こそ戦闘機や爆撃機が敵領空内で作戦する中心だと重視している。選択肢はひとつは給油機のレーダー断面積を最小限にすることだ。
  9. 給油機に「ステルス」塗料は必ずしも必要ではない。エヴァーハート大将は「ステルス給油機」は「波形制御」でレーダー探知性を下げて防御できるはずと述べている。
  10. 敵側は第五世代戦闘機の所在を正確につきとめられなくても給油機からの燃料補給は簡単に探知できる。KC-135はKC-10は第一世代技術の応用だからだ。
  11. 「敵からすれば第五世代機のかわりに第一世代機を探せばよく、空中給油できなければ敵の勝ちだ」(エヴァーハート大将)
  12. 次世代機にKC-46改修型あるいは全く新型の機体が考えられると同大将は見ている。「つなぎとなる機材がKC-46B型だろう。残存性実現のため必要な性能は何なのか、今後の世界で必要な性能は何か」
  13. ただ全くの新構想も最初から除外すべきではないと同大将は言う「767-300に747の主翼をつけ大型エンジンで燃料消費効率を改良し、航続距離を伸ばす構想もあるだろう」
  14. 検討は今年夏に完了の予定で航空機動軍団はその結果をメーカー各社に示し何が期待できるかを聴取すると同大将は述べた。「30年後あるいは20年後に何が起こるか各社はわかるはずです」とエヴァーハート大将は述べた。■