それだけ現在運用中の給油機の脆弱性が注目されているわけです。そうなるとKC-46AやKC-767も早期に陳腐化しかねませんね。
最新給油機KC-46Aペガサスの初飛行から二年しかたっていないが、米空軍はすでに次の給油機の設計案をまとめようとしている。航空機動軍団司令官が4月5日述べている。
- 「競争から優秀な機体が生まれる」とカールトン・エヴァーハート大将がワシントンDCの国防記者朝食会で述べている。「競争から価格低下も生まれるので競争は大歓迎だ」
- 空軍は昨年9月末現在で給油機489機を運用し、うち236機が空軍本体、181機が州軍、72機が予備機材だ。このうち大多数はKC-135各型でKC-46が後継機となる。
- KC-XがボーイングKC-46Aとなり、179機を450億ドルで調達するが、その次に各社競作によるKC-YとKC-Zが来る。
- 空軍関係者からは将来機材はKC-46の改修型になるかもしれないとの発言があるが、エヴァーハート大将は全くの新型機の採用も除外せず、海外メーカー機材の採用も排除していない。ということは海外製給油機が米空軍に採用されるのか。
- 同軍団は将来の給油機の性能要求をまとめている段階と同大将は先月空軍協会の年次シンポジウムで発言し、研究内容は次期給油機に反映されるという。
- 「非常に興味を覚える分野でNASAがまとめたグリーンホライゾン事業を最近見たところ」と新型航空機ホライゾン事業で「グリーンな」あるいは環境に優しい航空機の実現構想に触れている。同事業は燃料消費を押さえ、排気ガスを75パーセント削減する目標だ。
- 「ハイブリッド構造の主翼をFedExに提言しており、同社も同様の技術を燃料効率の改善や性能面で話題にしており、高速飛行も関心事だ」(エヴァーハート大将)
- 同大将は将来の給油機の残存性に高い優先順位をおき、給油機こそ戦闘機や爆撃機が敵領空内で作戦する中心だと重視している。選択肢はひとつは給油機のレーダー断面積を最小限にすることだ。
- 給油機に「ステルス」塗料は必ずしも必要ではない。エヴァーハート大将は「ステルス給油機」は「波形制御」でレーダー探知性を下げて防御できるはずと述べている。
- 敵側は第五世代戦闘機の所在を正確につきとめられなくても給油機からの燃料補給は簡単に探知できる。KC-135はKC-10は第一世代技術の応用だからだ。
- 「敵からすれば第五世代機のかわりに第一世代機を探せばよく、空中給油できなければ敵の勝ちだ」(エヴァーハート大将)
- 次世代機にKC-46改修型あるいは全く新型の機体が考えられると同大将は見ている。「つなぎとなる機材がKC-46B型だろう。残存性実現のため必要な性能は何なのか、今後の世界で必要な性能は何か」
- ただ全くの新構想も最初から除外すべきではないと同大将は言う「767-300に747の主翼をつけ大型エンジンで燃料消費効率を改良し、航続距離を伸ばす構想もあるだろう」
- 検討は今年夏に完了の予定で航空機動軍団はその結果をメーカー各社に示し何が期待できるかを聴取すると同大将は述べた。「30年後あるいは20年後に何が起こるか各社はわかるはずです」とエヴァーハート大将は述べた。■
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