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2025年3月19日水曜日

国防人名録 ピート・ヘグセス国防長官

 


Pete Hesgeth, Secretary of Defense

Secretary of Defense

Pete Hegseth




国防総省のトップとして、ヘグセスは国防政策について大統領に助言し、国防総省の年間予算約8570億ドル、約300万人の軍人・軍属を監督する


国防長官

ピート・ヘグセス


責務

ヘグセスは2025年1月25日、第29代国防長官に就任した。国防総省のトップとして国防政策について大統領に助言し、国防総省とその年間予算約8570億ドル、約300万人の軍人・軍属を監督する責にある。


優先事項

  • 官僚主義を削減し、リソースを戦闘員に再配分する。

  • 軍に "戦士文化 "をもたらし、多様性、公平性、包括性(DEI)を終わらせる。

  • 取得プロセスを改革し、より大きな脅威に方向転換するための資源に優先順位をつける。

  • 核三本柱を近代化する。

  • 競争を奨励し、複数のシステムに関する戦略的イニシアチブを復活させる。

  • シリコンバレーの技術革新を活用し、新興技術を迅速に実用化する。

  • 国土、国境、空域の防衛を含む抑止力に重点を置く。

  • 豪米間の防衛産業協力を推進し、二国間同盟を強化する。

  • パートナー国や同盟国と協力し、インド太平洋地域における侵略を抑止する。

  • イスラエルとその「存立防衛」を支援する。

  • 女性を戦闘に参加させる場合、高い身体的基準を維持する。


発言

「..トランプ大統領が私をこの役職に選んだとき、彼が私に与えた主な任務は、国防総省に戦士文化を取り戻すことだった。大統領は私と同様、致死性、実力主義、戦争遂行、説明責任、即応性に焦点を当てた国防総省を望んでいる」。


軍歴

2002年から2021年まで陸軍少佐。グアンタナモ湾、イラク、アフガニスタンに3度海外派遣され、米軍撤退時に対反乱戦の教官として働き、これらの派遣で2つの青銅星章を獲得した。

 2021年、バイデン前大統領の就任式警備部隊から外されたことをきっかけに、タトゥーの図像をめぐり憶測を受け、自主的に退役。また、1月6日の国会議事堂襲撃事件を受け、10人近くの州兵が式典での勤務を見送られた。


ビジネスと公務員のキャリア

  • 2003年にプリンストン大学を卒業、ヘグセスはウォール街の投資会社ベア・スターンズでアナリストとして働いた。

  • 陸軍予備役部隊がグアンタナモ湾(キューバ)に派遣され、キャリアプランが変わった。

  • その後、2つの退役軍人支援団体に勤務:Veterans For Freedomのエグゼクティブ・ディレクター(2007-2011年)。 イラク戦争とアフガニスタン戦争の退役軍人によって2006年に設立され、後にMilitary Families Unitedと合併した。Concerned Veterans for AmericaのCEO(2012年から2015年)。

  • 2012年、上院議員選挙で民主党のエイミー・クロブチャー(ミネソタ州)に挑戦するも落選。

  • 2014年にFox Newsに寄稿者として加わり、国家安全保障、軍事問題、主要な政治イベントに関するシリーズを司会。

  • 保守派のコメンテーターとして知られるヘグセスは5冊の著書があり、うち1冊は2022年にニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに入った。


経歴

幼少期

1980年6月6日、ミネソタ州ミネアポリスでバスケットボールコーチのブライアン・ヘグセスとエグゼクティブ・ビジネスコーチの妻ペネロープの間に生まれる。スポーツ万能、学業優秀と言われるヘグセスはフォレストレイクで育ち、1999年に同地の高校を卒業生総代で卒業。


学歴

プリンストン大学で政治学学士号を取得(2003年)。陸軍ROTCに入隊し、学内の保守派サークルで名を馳せる。保守的な学生向け新聞「プリンストン・トリー」発行人。

 ハーバード大学で公共政策の修士号を取得(2013年)。後にイデオロギーの衝突を理由に、この修士号を返上することを誓う。


所属/受賞歴

イラン反核連合(United Against Nuclear Iran)の退役軍人諮問委員会メンバー。

 青銅星章2回、統合表彰勲章、戦闘歩兵バッジ、熟練歩兵バッジを獲得。


私生活

44歳のヘグセスは、FOXニュースのジャーナリスト兼メディア・プロデューサーの妻ジェニファー・ラウシェとテネシー州中部の農場に住む。 ふたりの間には7人の子供がいる。


Who’s Who in Defense: Pete Hegseth, Secretary of Defense

In his role as head of the Department of Defense, Hegseth will advise the president on defense policy and oversee the DoD and its annual budget of approximately $857 billion and roughly 3 million service members and civilians.

By   Catherine Macaulay

on March 06, 2025 at 1:06 PM

https://breakingdefense.com/2025/03/whos-who-in-defense-pete-hegseth-secretary-of-defense/


2018年12月24日月曜日

速報)国防長官代行に任命されたパトリック・シャナハンはこんな人

Meet Patrick Shanahan, the former Boeing executive nicknamed 'Mr. Fix-It' who's replacing General James Mattis as Defense secretary

Áine Cain 18m

Donald Trump Patrick Shanahan
"He will be great!" Trump wrote in a tweet on Sunday. Pablo Martinez Monsivais/AP Images

  • パトリック・シャナハン国防副長官がジェイムズ・マティス長官にかわり長官職を代行する。
  • マティスの次席に任命された2017年の前はボーイング重役を務めてきた。
  • ワシントン州出身でボーイング社内では「直し屋さん」として知らぬものがない。

パトリック・シャナハン副長官が長官代行として国防総省を指揮することになった。
マティスが長官職を退くのはドナルド・トランプ大統領がシリア撤兵を決定したためだ。辞意を伝える書簡でマティスは円滑な引き継ぎのため二ヶ月は長官として残りたいと記していた。
これに対しトランプはツイッターで日曜日に新人事を発表。シャナハンを高く評価し、「副長官として更に以前のボーイングでパトリックは数々の業績を残してきた。すごい仕事をやってくれるぞ」と記していた。
だがシャナハンとはどんな人物なのか。またワシントン州出身で三児の父の本人はどんな仕事をしてくれるのか。
そこで本人のこれまでの経過を見てみよう。

  • 三人兄弟の長兄として1962年に生まれた。父マイケル・シャナハンは警察官でヴィエトナム戦に加わり青銅章を受けている。

    Ted S. Warren, File/AP Images
    Source: Senate Armed Services Committee, The Department of Defense

    「成長の過程で戦争の理解は父やその親友から受けてきた」と本人は国防総省のウェブサイト上で記している

  • Evan Vucci/AP Images
    Source: The Department of Defense



    上院における人事承認審査で父親から「自らより義務を優先」する考え方を叩き込まれたと述べた。

  • 国防副長官の執務室にシャナハンは父の写真を飾っていた。

    Matthew Brown/AP Images
    Source: The Department of Defense


  • ワシントン州に生まれたシャナハンはワシントン大学で機械工学の学位を得た。その後も同校と関係を保ち、2012年から理事も務めた。
  • その後機械工学修士号とMBAをMITから受けた。


  • 1986年にボーイングに入社、キャリアを歩き始めた。


  • 同社でミサイル及び回転翼機事業を担当。


  • 社内では「何でも直す人」として知らぬものがない存在になった。


  • ニューヨーク・タイムズはトラブル続きだったボーイング787の解決に本人が一役買ったと伝えている。

Ted S. Warren/AP Images


  • その後、同社でサプライチェーン担当の副社長に昇格。


  • 政治献金は二大政党に公平に振り向け、1990年から2016年にかけて共和党や保守勢力に6,250ドルを民主党やリベラル勢力に5,000ドルを献金している。ただトランプには一切献金していない。


  • トランプは次期エアフォースワン案件でボーイングと口論になったが、半年後にシャナハンを国防副長官に任命した。2017年3月16日のことだった。


  • ただ任命承認の手続きはスムーズではなかった。上院審査では故ジョン・マケイン軍事委員会委員長からロシアと対立するウクライナの支援に関する質問をはぐらかしたとして追求を受けた。


  • だが結局92対7で人事案は承認された。2017年7月18日のことだった。


  • シャナハンはペンタゴンとの共同作業体制の確立でマティスの業績を評価。「長官が重要点を整理し、自分は技術者として実現させるのが仕事」と国防総省のウェブサイトで述べていた。


  • 本人はペンタゴン勤務の「実務面」ではいちいち恐れを感じることはないとしながら、「結果が違いを生む。ここの仕事で間違いをすれば結果は悲惨だ」と同上ウェブサイトに書いている。


  • また国防総省の力量を「素晴らしい」と評価する。シャナハンは2019年1月1日付で長官職につく。


Manuel Balce Ceneta, file/AP Images

2014年11月25日火曜日

ヘイゲル長官辞任:その背景と次の国防長官候補有望な三名の紹介



オバマ政権にいろいろ問題があるようですね。国家安全保障ですから軽い話題ではないのは重々承知としても、そもそも外部の声を聞く耳をもたないというのはいかがなものでしょうか。 また、国防長官に口出しをしてくる安全保障会議の存在が見え隠れしていることが下の記事から分かります。国防長官職というのは大変な仕事のようですね。


Breaking Defens

Hagel On Way Out; Can White House Listen To Criticism?

By COLIN CLARKon November 24, 2014 at 12:10 PM
Hagel resignation handshake
WASHINGTON: 人気低下、混乱した世界、自身の戦略思考の不足を疑われ、国防長官チャック・ヘイゲルが退場しようとしている。
ホワイトハウスがヘイゲルを更迭する形だが、オバマ大統領は本人を罷免しておらず、ホワイトハウスから公式な声明が出ていない。これは2006年に民主党が大勝し、ブッシュ大統領がドナルド・ラムズフェルド国防長官を更迭した際とは対照的だ。事実、オバマがヘイゲルを閣僚に招いたのであり、今回も国防長官辞任の発表の直後にオバマはヘイゲルをハグしている。
ラムズフェルドの後任はいまも称賛を集めるビル・ゲイツで、退任するラムズフェルドの隣に立っていたが、ヘイゲルの後任は未定だ。
「タイミングが難しい」と内情に詳しい退役将官は言うが、中間選挙は民主党には残酷な結果に終わったとはいえ、ヘイゲルの後任も共和党主導の上院で承認公聴会に臨まなければならない。しかし、なぜこの時期に長官人事なのか、2016年度予算編成、強制削減の再来、ヨーロッパと中東で危機が続く中である。
「不思議に思われるでしょう」と上記将官は語る。この時期に交代させるホワイトハウスの思惑ななにか。実は「もっと深い事情がある」というのだ。
一つの疑問は対シリア・イラク戦略への批判にホワイトハウスは耳を傾けられるのか、と言う点だ。ヘイゲルは公然とホワイトハウスの方法論に賛同できないと発言し、立ち去ろうとしているが、中間選挙では国家安全保障は争点にならなかった。オバマ政権で国防長官を前に努めたレオン・パネッタ、ビル・ゲイツ両名とも回顧録や公式発言でホワイトハウスが外部の意見を聞かない傾向をはっきりと指摘している。そもそも我が国の制度では補佐官やトップ将官が大統領にときには厳しく隠すことのない助言を提供することで大統領の選択が最高のものとなり、政策運営の方向を最良にするよう考えられている。
そこで今回のヘイゲル更迭をラムズフェルドの事案と比較すると大きな違いがわかる。ラムズフェルドはブッシュ政権のイラク政策そのものを体現する人であり、その政策は選挙の洗礼を受け否定された。
シリアや国防支出を巡りオバマ政権に対する公然の批判が統合参謀本部議長マーティン・デンプシー将軍がから出たのがヘイゲル更迭につながったのだろうか。国防関連で経験豊かなある民主党関係者は次期国防長官は統合参謀本部の手綱をしっかり握る必要があると見ている。この発言はホワイトハウスの視点を反映している。
もう一つの疑問はスーザン・ライス国家安全保障担当補佐官の業績と評価だ。経験豊かな民主党国防関係者はライスについて「後にいつも波乱を残すが、政策を首尾一貫して形成する観点では決して望ましいことではない」と評している。
共和党の議会スタッフは国家安全保障会議が「マイクロマネジメント」で細かい点まで干渉してきたのがヘイゲル辞任の要因と指摘する。「共和党の大勢は今回の辞任に落胆させられています。長官は前に進もうと努力していたのに、また全力を尽くしたのにNSCのマイクロマネジメントと国家安全保障を政治の道具にすることに勝てなかったと見ています」
上院軍事委員会の委員長に就任する予定のジョン・、マケイン議員は次期長官公聴会でも議長を務める予定で、今回のヘイゲル辞任に対して次の声明を発表している。
「チャックとは一緒に仕事をして、ふたりで最大の国家安全保障上の課題に注意を払ってきた。ISISであり、シリア内戦であり、中国の台頭であり、なんといっても予算強制削減だ。チャックが現政権の国家安全保障に不満を持っていたのは知っている。前任者も過剰なまでのマイクロマネジメントの経験を語っており、チャックの場合も同じだった」
「大統領には次回指名する国防長官には芯の強い、正しい判断ができ、独立独歩の人、ボブ・ゲイツ、レオン・パネッタ、チャック・ヘイゲルの各人が示した資質を持つ人物を指名するよう望む」
次期長官指名公聴会は来年1月まで開催予定がない。退任する下院軍事委員会委員長バック・マッケオン Buck McKeon はCNNでヘイゲル辞任に「仰天」し、次期長官候補は大統領の移民政策のため困難に直面するだろうと発言。マッケオンは感度の高いアンテナを有した政治家だ。
「課題山積みのの中、長官は省を効率よく冷静に導いた」とマッケオンは声明を発表。「オバマ政権はこれで四人目の国防長官を探すわけだが、歴代長官が去るにあたって大統領は『悪いのは彼らか、自分か』と自問すべきだ」
先の退役将官は「もし自分で選ぶなら、ミシェル・フローノイ、ボブ・ワーク、アシュトン・カーターというところだね」と語り、内部事情に詳しい他の人と意見を共有している。三名とも両党から高い評価を受けており、面倒な任命手続きも難航しないだろうと将軍は見る。「それぞれペンタゴンでの経験があるので、省内の官僚主義の捕虜にならないはず」
ヘイゲルは捕虜となっていたのか。「ある意味でそうと言える」と先の将軍は言う。「省内をコンパクトに合理化しようとしてその他いろいろあったが、結局ISISにくぎ付けに終わり、ウクライナがあの始末でその他いろいろがうまく行かず、結局長官は参ってしまったのではないか」.
誰にとっても参る仕事だ。では次期長官候補の紹介を次にしたい。それぞれ強みと弱みがある。
Michele Flournoyミシェル・フローノイ:現政権は女性の任命をトップ人事で希望している。ミシェルは民主党内で人望が高い。それでも国防次官の職を辞したのは政策立案・調整で消耗し家族と民間人復帰を優先したためだろう。またペンタゴン退官後は現政権を適格かつ穏やかに批判している。批判そのものを受け付けない観のあるホワイトハウスが本人を登用するか、また本人も心身で重責となる長官職を引き受けるかは疑問だ。
本人をよく知る国防専門家は「ミシェルはヒラリーの下で長官職を希望するだろう」と述べており、今回は打診を断る公算が大きい。
Ash Carterアシュ・カーター: 国防副長官として調達・補給を手際よくさばいた手腕は喝采を集めたが、ヘイゲル長官任命時に選から外れている。そんな人物が任命時の公聴会を切り抜けられるか。法廷では自説を堂々と述べることで有名だ。ホワイトハウスにとって気分の良い人物ではない。民主党の国防関係者は「調達や核兵器含む戦略問題では一番熟知している人物。国防総省でも経験があり、意思決定もしっかりしている。うまく管理すればよい長官になる。ただし、統合参謀本部を抑えきれるかどうか」と評す。
経験豊かな国防関係者もカーターは「名声と称賛の中、去って行ったが、実は長官職を求めていることは周知の事実」と言う。
Bob Workボブ・ワーク:ヘイゲルの副長官は実直な管理者タイプで、国防総省に復帰後は高い地位を確保している。任命されれば議会の承認は確実だ。戦略家として知られ、海兵隊流のスタイルで政権にとっても有益な助言が期待できるが、好ましくないニュースも伝えてくるだろう。ただし現政権としては本人を副長官に留め、政策の継続性と正確性を優先する可能性が高い。
上記の民主党国防関係者は「ワークは任命の可能性がある。いきなりトップの席につくのではないか」と評す。
また先の経験豊かな国防専門家もワークなら良い業績を残せそうだが、障害もあるという。「よい人事だが本人がDCを離れたら途端に知名度が低いのが問題だ。オバマはスター級の人物を長官に据えたいと思っている」
Frank Kendallフランク・ケンドール:ペンタゴンの調達最高責任者は静かだが実効性のある指導力を備えた人物で、ペンタゴンの調達方法を効果的に変化させた。残念なことに上記民主党国防関係者はケンドールに長官任命のチャンスはないと見る。ただし、「ケンドールは管理手腕が優れ、上層部でも一番との印象がある」と優しいことばで評している。■
Sydney Freedberg contributed to this story.