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大型機リバティリフター、C-130水上機型改装、UAVはてはカタリナ飛行艇のリバイバルまで米国は既存基地が破壊される前提で対中戦の輸送機能確保を真剣に考えている

米国防総省のX-プレーン・プロジェクトに参加する2社は、重量物運搬用水上機を開発し、その製造段階に向けて前進している ジェネラル・アトミクス・エイビエーションシステムズ と アウロラ・フライト・サイエンス は7月27日、リバティ・リフター(90トン(20万ポンド)以上の貨物を運ぶことを目的とした、水面効果翼機wing-in-ground-effectの水上飛行機)の開発継続資金として、それぞれ約2000万ドル相当の契約を締結した。  国防総省の秘密技術インキュベーターである国防高等研究計画局(DARPA)が競作を監督する。 「計画中のリバティーリフター実証機は、(ボーイングの)C-17グローブマスターIII輸送機と同様のサイズと能力を持つ大型飛行艇になる」とDARPAは言う。  DARPAは2022年5月にリバティリフターの取り組みを発表した。目標は、滑走路がなくても着陸・離陸が可能なヘビーリフトの実証機の製造すだ。国防総省は、地上効果を利用して離陸し、高度10,000ftに到達できる、航空機を望んでいる。  ボーイングの子会社であるアウロラとUAVメーカーのジェネラル・アトミクスは、2月にDARPAによりプログラムの最終参加者に選ばれた。両社はこれまでにそれぞれ560万ドルと790万ドルの契約を獲得し、設計とエンジニアリング作業を開始していた。  7月27日の契約発表により、DARPAはリバティリフター・プロジェクトに対するコミットメントを大幅に引き上げ、両社の初期提案に対するオプションを行使する。ジェネラルアトミックスは追加作業資金として2150万ドルを受け取るが、アウロラの追加分は1950万ドルである。  DARPAは、2024年半ばにプログラムの次の段階の開始を望んでおり、実物大のリバティリフター機の詳細設計、製造、飛行実証が含まれる。  DARPAのリバティリフタープログラム・マネージャーであるクリストファー・ケントは2月、「両チームは、フェーズ1の間、比較的広い設計空間を探索することを可能にする、明確に異なる設計アプローチをとっている」と指摘した。  DARPAは、ジェネラル・アトミクスのチームが水上安定性と耐航性を最適化し、双胴の中翼設計を選択したことを明らかにした。 DARPAはジェネラル・アトミクスのデザインについて、「12基のターボシャフトエンジ

第二次太平洋戦争を想定し、大型水上機が復権する:DARPAのリバティリフター構想について

第 二次世界大戦の太平洋で水上機が多くの命を救った。米軍の PBY-4 カタリナは、海上に墜落した飛行士を拾い上げ、敵艦の捜索任務や潜水艦を狩る任務をこなした。飛行場が点在し、空中給油の発明前、広大な太平洋では水上発着可能な水上機は欠かせない存在であった。  しかし、水上機は陸上機や艦載機に比べ、重く、扱いにくく、性能も劣りがちだった。冷戦時代にソ連が水陸両用哨戒機 Be-12 を飛ばしたのを除けば、水上機の軍事利用はほぼ行われなくなった。  しかし、水上機が復権しつつある。第二次太平洋戦争が勃発すれば、今回は中国と戦うことになるが、飛行場のない広い海域で戦うことになる。さらに悪いことに、中国の長距離兵器で飛行場が破壊されたり、損傷を受ける可能性もある。日本は US-2 水陸両用機で実績をあげており、航空機乗務員の水上救助などの任務に役立てている。  米軍も水上機がほしいところだ。しかも、装甲車両を運べる大型水上機だ。巨大な水上輸送機がもたらすメリットは非常に大きい。飛行場がないところ、あるいは敵の砲撃で飛行場が破壊されたところに、兵員や装備を運べる。また、水陸両用装甲車を遠隔地に空輸し、奇襲攻撃ができる。 リバティリフター構想  国防総省の研究機関 DARPA がつけた「リバティ・リフター」という名前からして、第二次世界大戦を連想させるようなプロジェクトである。しかし、 DARPA が実際に想定するのは、あくまでも近代的な航空機だ。  問題は、米軍が大量輸送とロジスティクスを海上輸送に頼っていることである。 「大量のペイロードを運ぶには非常に効率的だが、従来型の海上輸送は脅威に弱く、機能する港湾を必要とし、輸送時間が長くなる」と DARPA の公募要項にある。  「従来型の航空輸送は、桁違いに速いが、高価で、海上作戦への支援能力が限られる。さらに、航空機は長い滑走路を必要とし、垂直離着陸機( VTOL )やその他の海上航空機は積載量で制限を受ける」。    解決策として DARPA が求めるのは、水面近くを飛行する際に翼が生み出す揚力を利用する、地面効果を利用した設計だ。最も有名な例は、対艦ミサイルを搭載した 300 トン、全長 242 フィートの巨大な地面効果機で、飛行機というより船だったエクラノプラン(別名「カスピ海の怪物」)だ。  しかし、エクラノプランを真