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4月, 2024の投稿を表示しています

フランス海軍フリゲート艦長、紅海での熱狂的戦闘の実態を語る----欧州各国の海軍が激甚な戦闘に備えがなかったことが露呈されてしまった

  ヨーロッパ諸国が英米と別の任務部隊を紅海に展開している理由がいまいち理解できないのですが、各国は想定以上の激しい戦闘の緊張を経験し、一部兵装が想定通り作動しないなど、現実の世界に放り込まれているようです。こうした経験が今後の兵力整備にどこまで活用されるのか、ヨーロッパ諸国を信用していない当ブログでは懐疑的ですが、まあお手並み拝見といたしましょう。The War Zoneが伝えてくれました。 フランス軍フリゲート艦長、紅海での熱狂的戦闘の実態を語る Sailors take part in the docking of the Alsace in Toulon on April 4, 2024. フリゲート艦アルザスは、ドローンと弾道ミサイルの波によるフーシからの「無制限の暴力」に直面した フランス海軍のフリゲート艦「アルザス」が紅海での作戦展開から帰還し、同艦の艦長は、フーシ派のドローンやミサイル攻撃による海運への脅威がかつてないほど高まっていると述べた。ジェローム・アンリ艦長は、昨年10月以来、紅海で直面している課題を浮き彫りにし、また、この地域の商業船舶の保護に携わる欧州各国海軍の準備態勢について疑問を投げかけている。  フランス海軍は、アキテーヌ級アルザスが、欧州連合(EU)の海軍任務部隊「アスピデス作戦」の下、紅海とアデン湾での71日間の任務を終え、先週トゥーロンに帰港したと発表した。  「フランス海軍のEUNAVFOR Aspides作戦への参加は、インド洋北方海域におけるフランスの断固とした継続的な行動の一環」と同局はXで述べた。「スエズからホルムズまで、乗組員は無人機との戦いでそのノウハウを発揮した」。  一方でフリゲート艦のアンリ艦長はフランス紙『フィガロ』のインタビューに応じ、紅海のフーシ派が "奔放な暴力 "を見せたと語った。  フランス海軍で「このレベルの武装による交戦」は長くなかったとアンリは付け加えた。「私たちは必ずしもこのレベルの脅威を予想していたわけではありません。奔放な暴力のレベルが驚くほど高かった。フーシ派は水上を低空飛行するドローンの使用、商船への爆発、弾道ミサイルの発射を躊躇しない」。  同艦長の説明によると、アルザスは商船と海軍機動部隊を守る任務で、少なくとも半ダース以上のドローン攻撃に対応しなければな

F-15Eストライク・イーグルがイスラエル防衛で存在感を示し、F-15EX調達を後押しする効果を上げているが、米空軍は同機の調達数削減を改める姿勢は示していない。

今回のイスラエルへの大規模攻撃への防空でF-15Eが大活躍したことでその正常進化形とでもいうべきF-15EXの持つポテンシャルが改めて認識されたようです。イスラエルが同型機の取得を強く望んでいるのは事実ですが、それ以上に米空軍がイーグルIIの調達数を何度も減らそうとしており、E型も半減させようとしていることに大きな疑問が生まれています。米空軍当局は苦しい説明を迫られそうです。The War Zone記事がやや長文ながら背景事情を説明していますのでお伝えします。 (U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. John McRell) An F-15EX loaded with AIM-120s and JASSMs. (USAF) A racked-up F-15C used for testing the Amber Rack concept. (Public Domain) Boeing's F-15 2040C concept that predated the F-15EX shows the aircraft with a much higher-density missile load out using Amber Racks. (Boeing) F-15Eストライク・イーグルのイスラエル防衛がF-15EXを後押し ドローンや巡航ミサイルの嵐を食い止めるのに、これ以上の戦闘機は地球上に他に存在しない イランによるイスラエルへの報復攻撃の結果、史上最大の弾道ミサイル弾幕や、1回の作戦における対空ミサイルの交戦回数など、数々の初体験が発生した中で、米空軍のF-15Eストライク・イーグルの驚異的なパフォーマンスが際立っている。イギリスのレイケンヒース空軍基地とノースカロライナ州のセイモア・ジョンソン空軍基地を拠点とする部隊から前方配備されたF-15Eは、イランの無人機を70機以上撃墜するという、桁外れの役割を果たした。そうすることで、新たなF-15EXイーグルIIの調達への後押しとなっている。また、アメリカ空軍が常に需要のある既存のストライク・イーグルの半分を退役させる理由について疑問も示された。  簡単に言えば、巡航ミサイルやドローンの群れから地理的なエリアを防衛する必要がある場合、F-15EXが選択肢となる。  F-15E

ウクライナ戦の最新状況(現地時間4月26日現在) エイブラムズ戦車を最前線から撤収させた措置の意味、米国最新支援策の細目など

  ウクライナ情勢報告: M1エイブラムス戦車、戦闘から撤退と当局発表 久しぶりのウクライナ戦の最新状況です。The War Zone記事から編集しました。先が見えない戦争ですが、報道する側も忍耐強く事実を伝えていってほしいものです。 報道によると、ウクライナのエイブラムス戦車は、31両のうち少なくとも5両を失い、一時的に運用から離脱した。 米 国が供給したM1エイブラムス戦車をウクライナが前線から撤退させたとの報道がある。ドローン攻撃に対する脆弱性がの理由と言われているが、その理由ではやや曖昧だ。おそらく、戦車は特に貴重な資産と見なされているため、引き抜かれたのだろう。ロシアによって多数が破壊され、最悪の場合、捕獲されると、キーウにとって重大なプロパガンダと物資の損失となる。 米軍関係者がAP通信の取材に応じ、ロシアの無人機作戦により、エイブラムスが発見されたり攻撃を受けたりすることなく効果的に運用できないことを意味すると述べた。 戦場におけるドローンの普及は、「発見されることを恐れず横切ることができる開けた場所はどこにもない」ことを意味する、と国防高官は昨日記者団に語った。 「戦闘の進化を考えると、無人航空機システムがいたるところにある環境では、装甲車両が危険にさらされる可能性が高い」と、統合参謀本部副議長のクリストファー・グレイディ提督はAP通信に語った。 もちろん、この議論は最前線で活動する戦車や装甲車すべてに当てはまるものであり、エイブラムスが特に脆弱だと考えられているわけではない(ほぼ間違いなく、その逆である)。 しかし、ウクライナに供与された31両のエイブラムスのうち5両がすでにロシアの攻撃で喪失された現状では、例えば突破作戦時など、最も必要とされるときのために、あるいはM1がより多く入手できるようになるまで、戦力を温存しておくことは理にかなっている。 同時に、M1A1エイブラムスの改良型M1150アサルト・ブリーチャー・ビークル(ABV)がロシアに鹵獲された証拠もあり、エイブラムスがロシアの手に渡るリスクが明らかになった。 最新情報 ウクライナ向け支援の内訳 米国は本日、ウクライナに対する新たな安全保障支援パッケージを発表した。このパッケージは、「ウクライナの継続的な戦場でのニーズに対応し、ウクライナに対する米国の揺るぎない支援を示す」ために特別に調

米空軍が次期「終末の日」機の契約130億ドルをSNCに授与、現行E-4の製造元ボーイングが失注

  ボーイング一択だったこうした機種の調達が今や全く違う構図になったのがわかります。契約を獲得したシエラ・ネヴァダコーポレーションはISRなど専門技術のソリューションの機材への改装が得意な会社なので、ベース機を調達せねばならず、空軍の要求から747一択になりそうです。結局ボーイングが協力企業になるのではないでしょうか。予測がはずれたらごめんなさい。Breaking DefenseとThe War Zone記事から構成しました。 SNCホームページに掲載された契約受注を伝える記事 航空宇宙大手のボーイングが敗退を喫した一方、SNCにとって大きな勝利となった 米 空軍は シエラネバダ・コーポレーション (SNC)に対し、E-4B「ドゥームズデイ」の後継機を納入する130億ドルの契約を交付したと今夜発表した。  発表によると、新しいサバイバル・エアボーン・オペレーション・センター(SAOC)の契約は2036年7月まで続く。このプログラムは、ナイトウォッチやナショナル・エアボーン・オペレーション・センターとして知られる、空軍の老朽化した ボーイング E-4B機4機を置き換えるもので、通常、国防長官を輸送するが、移動式の核指揮統制前哨基地としても機能する。  国防総省発表によると、インセンティブ含むSNCの契約受注額は130億8,089万6,647ドル。空軍が合計何機のSAOCを購入する予定かは不明。空軍は現在4機のE-4Bを保有しているが、8機から10機のSAOCを購入する話もあった。SNCによる作業はコロラド州エングルウッド、ネバダ州スパークス、オハイオ州ビーバークリーク、オハイオ州バンダリアで行われ、2036年7月10日までに完了する予定である。  確定ではないが、SNCは中古の後期型747-8iを改造すると推測されている。昨年8月、オハイオ州デイトンで行われた、747-8を格納するための90,000平方フィートの整備・修理・オーバーホール格納庫のテープカットも、この考えを裏付けるものだ。  SNCにコメントを求めたが、返答はない。  今回の受注は、SNCの歴史上で最大規模の仕事となる。SNCによる作業では、空中給油や安全な通信といった軍事システムを組み込むだけでなく、電子攻撃や核攻撃に対する民間航空機の強化も期待されている。エイビエーション・ウィーク誌によると、空軍は