スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(#KC-46)が付いた投稿を表示しています

なぜボーイングはことごとく生産遅延を引き起こしているのか----KC-46とT-7の事例での最新状況

ボーイングの強気の営業姿勢がKC-46とT-7という大型案件で固定価格制を受け入れ、結果として大損失になっているのは同社の製造現場に理想と現実の大きなギャップがあるからでしょう。簡単に解決できる問題ではないようです。Breaking Defense記事からのご紹介です 。 ボーイングのKC-46A給油機とT-7A練習機、さらなる遅れに直面 空軍の調達責任者アンドリュー・ハンターは、KC-46Aの前途に潜在的な問題があると指摘し、T-7Aの生産開始は以前の予想より「少し遅れる」可能性があると述べている。 ボ ーイングがKC-46Aペガサス空中給油機およびT-7Aレッドホーク練習機で締結した固定価格契約は、遅延、サプライチェーンの制約、開発の苦境に起因する数十億の損失の中で、航空宇宙大手の頭痛の種であった。そして今、空軍の調達担当官によれば、2機種でさらなる遅れが生じる可能性があるという。  アンドリュー・ハンター Andrew Hunter は、火曜日に行われた下院の軍事海投射軍小委員会で証言し、KC-46Aで長い間問題となっていたビジョンシステムのアップグレードは2026年になりそうだと述べた。公聴会の後、ハンターは空軍がT-7Aトレーナーの生産を承認するのが以前の予想よりも遅れる可能性について "おそらく "と記者団に語った。  RVS2.0と呼ばれるKC-46A用の新ビジョン・システムの運用について、ハンターは議員たちに「スケジュール上のプレッシャーがある」と語った。「連邦航空局(FAA)の耐空性認証プロセスの完了次第では、25年に実戦配備できる保証はない。26年になるかもしれない。そして、それは実際にそうなりそうだ」。  公聴会の後、ハンターは記者団に対し、ペガサスの遅延の可能性はFAAの認証プロセスと関連していると説明した。RVS 2.0が統合される際、「機体の別の場所に影響を与えないようにしなければならない」ため、耐空性プロセスは見た目以上に複雑になる。  ハンターは、空軍とボーイングが "正しい設計 "をしていると "確信している"とし、チームは "近い将来、完全な耐空性プロセスを通過するだろう "と付け加えた。  ボーイングはこれまで、固定価格制のためペガサス・プログラムで

イタリア空軍がKC-46Bを6機導入へ。KC-767は全廃

  Main image: KC-46A (USAF). In the boxes: Italian Air Force KC-767A (image credit: Author)     イタリアがボーイングKC-46Aオペレーターになる。新型ペガサスはKC-767Bの呼称へ。     イ タリア政府が今夏発表した2022年-2024年のDPPD(Documento Programmatico Pluriennale della Difesa)、つまりイタリア軍の戦力維持と近代化に必要な資金を示す文書では、イタリア空軍のいわゆる大型マルチロール輸送能力を高めるため、KC-46タンカーを2機新しく導入するとともに運用中のKC-767Aタンカー4機を同水準までアップグレードする防衛省(MOD)の意思が示されていた。   DPPDではこの調達に関する追加的な詳細の説明がなかった。しかし2022年11月2日、国防総局・国家軍備総局(SEGREDIFESA)の航空軍備総局(ARMAEREO)は、「イタリア空軍ヘビー・マルチロール・タンカー機材の更新・強化・統合後方支援」に関する予備報告書を公表した。   報告書によると、2機のKC-767Aを新規調達し、これらと既存4機を最新の構成規格(KC-46A)にアップグレードするとした当初の計画は、プロジェクトを評価する役割を担う特別委員会により実現不可能だとわかった。目標を達成する唯一の実行可能な解決策は、現在米空軍が運用中のと同じ規格の新しい航空機(文書ではKC-767Bと呼び、これがイタリア空軍の新タンカーの名称となることが示されている)6機を購入することとある。 実は、KC-767Aをペガサス規格にアップグレードすることは、当初から困難な作業であったようだ。KC-767Aは、民間のB-767-200ER(Extended Range)をベースに、KC-10と同様の第6世代フライングブームと3つのホース&ドローグステーション(WARPs:Wing Air Refueling Pods)を装備している。 ボーイング 767の派生型でありながらKC-46Aペガサスは胴体のストレッチ、エンジン、コックピット、翼、ブームの違いがあり、共通点もあるものの、ほとんど全く別のタンカーと言える。レセプタクル装備機とIFR(In-Flight

KC-46AのRVS欠陥解消は更に遅れ2025年になりそう。

  2019年4月23日、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地上空で開発飛行試験中のKC-46ペガサスが初めてB-2に給油する。タンカーのブーム用に再設計されたビジョンシステムは、サプライチェーンの問題もあり、19カ月遅れている。 (Christian Turner/Air Force) ボーイングによると、世界的な部品不足で、一部ハードウェアが入手しづらくなっている 米 空軍は、 ボーイング KC-46ペガサス用に再設計された給油ビジョンシステムの登場が、サプライチェーン問題のため19ヶ月遅れると発表した。 10月7日金曜日にDefense Newsに提供された声明で、空軍はリモートビジョンシステムのアップグレード、RVS 2.0が2025年10月にリリースされると述べている。これまでは2024年3月のリリース予定だった。 空軍の調達責任者アンドリュー・ハンターAndrew Hunterとボーイングは、このプロジェクトに影響を与えるサプライチェーンの問題が、1年半以上の遅延の主原因であるとそれぞれの声明で述べている。 「わが国の防衛産業基盤はサプライチェーン問題に直面し続けており、KC-46リモート・ビジョン・システム2.0のような技術的に複雑なシステムの取得スケジュールに影響が現れている」とハンターは声明で述べている。「この運用能力向上を実現するため、スケジュールを加速できる機会を検討し続けている。 「KC-46は、統合軍の空中給油の要求を満たすために、世界中への配備をサポートしていく」。 ボーイング広報は、世界的な部品不足により、一部のハードウェアの入手性が悪化し、RVS 2.0の完成に必要なコンピュータ機器やその他技術のリードタイムが長くなっていると述べている。 「当社は、業界が直面している歴史的な課題を克服し、米空軍と同盟国にRVS 2.0の比類ない能力を提供するために、サプライヤーや米空軍パートナーと協力していくことを約束します」とボーイングは述べている。 BloombergとAviation Weekがこの遅延を最初に報じた。 RVS 2.0は、KC-46のブームオペレータが被給油機にブームを誘導する際に使用する、問題のあるオリジナルのリモートビジョンシステムを置き換えようとしている。 当初のビジョンシステムは、カメラとセンサーのネットワークで、ブームオ

KC-46Aが給油ブームを伸ばしたまま緊急着陸。米空軍が平然としている様子が奇異に感じられるのだが...

    ブームを機体の下にぶら下げたまま着陸したKC-46はニューハンプシャー州議会のスタッフを乗せていた K C-46Aペガサスが本日午後、給油ブームに問題が発生し、機体下にぶら下げた状態で緊急着陸を迫られた。着陸は、パイロットと乗組員を除き16人(議会代表団を受け入れていた)が乗った状態で行われ、ブームは展開したままだった。その後に公開された事故の対応映像には、タンカーが着陸する際にブームが滑走路をこする様子が映っている。幸い、この事故で誰も怪我をしなかった。  問題のKC-46Aは、ニューハンプシャー州ピーズ州軍航空基地の第157給油航空団の所属だった。同タンカーは、「オリエンテーションフライト」と呼ぶ、空軍と飛行能力の見識を得るため、民間人が空軍機で飛行する機会に参加し、別のKC-46Aと一緒に飛行していたと伝えられている。  「2機のKC-46ジェット機のオリエンテーションフライトは、連邦上院議員ジーン・シャヒーンとマギー・ハッサン、下院議員アニー・カスターとクリス・パパスの事務所から合計16名のスタッフからなる議会代表団を乗せ行われた」と157給油航空団は声明で述べた、「飛行中、KC-46の1機が給油ブーム巻き上げケーブルに問題を起こし、ブームを伸ばしたまま着陸を迫られた。第305航空機動隊の救急隊が駆けつけ、現場を安全に確保しましたが、火災や乗員・乗客の負傷はありませんでした」。  第305空中機動航空団は、ニュージャージー州のマクガイア・ディックス・レイクハースト統合基地を拠点に活動している。公式声明では、ブームの巻き上げケーブルの問題の影響を受けたKC-46Aは同地に着陸するべく方向転換し、オリエンテーション飛行の別のKC-46Aはその後ニューハンプシャー州のマンチェスター-ボストン地域空港に方向転換したと説明がある。同じく第157飛行隊所属の3機目のKC-46Aは、緊急事態が宣言されたとき、たまたまフロリダから向かう途中で、合同基地マクガイア・ディックス・レイクハーストにダイバートし、議員団をニューハンプシャーに送り返した。全機が無事に着陸した。  給油ブームの巻き上げケーブルに不具合が生じたKC-46Aは、最近、新塗装が施され話題となった「スピリット・オブ・ポーツマス」で、第157飛行隊の全12機のKC-46Aのうち、今年7月の米空軍75周年と

KC-46がIOC獲得前にヨーロッパで空中給油業務を展開中している。

  KC-46Aペガサス空中給油機がマコーネル空軍基地(カンザス州)を離陸し、スペインのモロン航空基地に向かった。 (US Air Force photo by Amn. William Lunn) オープンソース情報では、今週ポーランドとドイツ上空でKC-46給油機の飛行が見つかっており、空軍当局は「実戦作戦任務」をサポートしているのを認めた。 こ こ1週間、ボーイングKC-46がドイツとポーランド上空でNATO東部戦線の強化にあたるアメリカの戦闘機や爆撃機へ燃料補給している。  航空機動軍団(AMC)司令官のマイク・ミニハン大将 Gen. Mike Minihan は3月10日、KC-46計4機の配備を承認していた。  スペインのモロン空軍基地に220人の飛行士がいるとAMC報道官クリス・ハーバート大尉 Capt. Chris Herbert がBreaking Defenseに確認した。  KC-46は運用開始を正式宣言していないため、今回の「採用コンセプト演習」は、2023年の実戦配備に向けた準備を確実にするのが目的だ。  ハーバート少佐は、「機材と人員はAMCの権限下に置かれている」としたが、「必要に応じ、広域での作戦任務を支援する」という。  AMC報道官のダミアン・ピッカート大佐 Col. Damien Pickart は、KC-46は在ヨーロッパ米空軍(USAFE)で東ヨーロッパでの作戦給油任務にあたっていると明らかにした。  ピッカート大佐は、KC-46はNATO機やA-10など特定の米軍機への給油に制限されていると指摘した。しかし、TRANSCOM司令官のジャクリーン・ヴァン・オヴォスト大将 Gen. Jacqueline Van Ovost が木曜日に発表したように、85%以上の米軍機(最近ではステルス機のF-35とF-22)への燃料補給が認められている。  AMCは、KC-46の任務遂行の詳細を明らかにしなかったが、オープンソースの飛行追跡ソフトウェアを使う航空機スポッターが発見している。  ヨーロッパ上空の軍用機の飛行を追跡してきた元米空軍情報将校のリック・フランコーナ Rick Francona は、3月13日にヨーロッパに向かうKC-46を最初に発見し、3月28日には再びタンカー活動をツイートし、KC-46がヨーロッパで最初の作戦給油

イスラエルのKC-46前倒し調達要望が米政府に却下された。背景に空中給油能力不足のまま、長距離攻撃のイラン空爆作戦立案を迫られるイスラエルの焦り。

    ISRAELI MINISTRY OF DEFENSE   米 政府はイスラエルが求めてきたKC-46Aペガサス空中給油機の同国向け引き渡し前倒し要望を却下し、技術問題品質問題が理由でメーカーの納入遅れが発生していることを理由にしたといわれる。記事によればイスラエル政府が同機の早期取得を強く希望しているのはイラン核施設への空爆の可能性が強まっているためだという。     ニューヨークタイムズ記事ではKC-46A納入日程についての米イ当局間協議の席上でイスラエル側が早期引き渡しを強く希望してきたとある。これに先立ち、イスラエル国内紙 Yedioth Ahronoth の記事が出ており、ナフタリ・ベネット Naftali Bennett 首相率いるイスラエル政府がイラン核施設空爆作戦を復活させようとしており、イスラエル国防軍が訓練を強化中とある。ときあたかも米国はイランとの核交渉が挫折しつつある。   米政府は当初KC-46A計8機に付属品併せた一式として24億ドルでイスラエル向け売却を2020年3月に承認していた。今年2月になりイスラエル国防省の発表で最初の二機導入が遅れ、受領時期は不明とされた。昨日のニューヨークタイムズ記事では2024年以降とある。   昨年の報道では製造中の米空軍向け機体2機ををイスラエルが入手する検討をしているとあった。ただし、今回の動きとの関連は不明。   最大の問題はボーイングが米空軍向け機体納入で遅延を発生させていることで、原因に機体の技術面の問題が解決できていないこと、製造上の品質問題があるとされる。今年9月にもペガサス完成期の納入がほぼ一カ月停止されたのは機内燃料ラインで詰まりが見つかった機体があったためで、同機はシーモア・ジョンソン空軍基地(ノースカロライナ)へ到着後に問題が見つかったという経緯がある。米空軍は以前にも同機受領を停止したのは、FODつまり異物デブリが機内で見つかり安全上の懸念が浮上したためだった。   とはいえ、製造ラインの問題が解決されても、KC-46Aで長く残ったままの遠隔視覚装備(RVS)の問題解決をめざし再設計作業に入っている。RVSは機内操作員が給油時に使うが、従来の給油機では操作員が機体後部で苦しい体位で給油を操作していたが、ペガサスでは機体前方ですわったままカメラ多数を見ながらRVSを操作する。

KC-46A一号機が航空自衛隊美保基地に到着。日本が米国外で初の同機運航国となった。ただし、未解決の問題が残ったまま。

(Boeing) ボ ーイング が日本発注のKC-46A空中給油機4機の一号機を航空自衛隊へ納入し、米国外で初の引き渡しとなった。 同機はシリアルナンバー14-3611がつき、コールサインREACH 46でシアトルのボーイング施設から太平洋を横断し、10月29日に美保基地に到着した。 ボーイングジャパン社長ウィル・シャファーは「日本がKC-46A給油機を導入したことは米日両国が取り組むインド太平洋地区協力で大きな一歩となり、両国の同盟関係で重要な役割を実現する」との談話を発表した。力もあることから日本の災害救難人道援助任務の支援にも投入できると加えた。 また、航空自衛隊のみならず米空軍海軍海兵隊の機材への給油も可能で「強力な防御手段と戦術状況認識装備を備える」とボーイングは説明している。 日本向けKC-46の4機販売は2016年9月に国務省に承認され、FMS制度を使い2017年12月に一号機の契約289百万ドル相当が成立し二号機のオプションを2018年12月に行使していた。 その後三号機四号機のオプションが総額342百万ドルで2020年10月に行使された。 日本向け二号機は現在ボーイングが767ラインのあるワシントン州エヴァレットで製造中で、同社によれば機体構造の16%は日本が製造している。 KC-46A飛行隊を美保基地に新設し、既存の404飛行隊(小牧)のKC-767(4機)、KC-130H(2機)に加える。 KC-46はボーイング767を原型とし、貨物人員輸送にも投入でき、軍用標準パレットは最大18個輸送できる。 米空軍にこれまで48機が納入済みだが、KC-46開発は技術問題で遅延してきた。重要欠陥が6点残っており完全作戦能力宣言ができないままだ。 中でも深刻なのが遠隔視認システム(RVS)で、これはカメラとセンサーによりブームを給油を受ける機体に向け安全に操作するため映像をとらえる装備だ。米空軍は現行RVSでは映像が見にくくなる場合があり、ブーム操作員が相手機を損傷するリスクが残っているという。 ボーイングは固定価格契約を結んでおり、RVS問題の解決は自社負担となる。 ただし、航空自衛隊向けKC-46に新型RVが搭載されるのか、さらに問題解決が実施されるのかはっきりしない。実施の場合、日本は追加支払いを求められそうだ。ボーイングはこの点についてコメントを拒ん