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北米大陸で気球などの未確認飛行物体の探知が急増した理由とは

  中 国の監視気球1機とその他未確認物体3機が北米上空で撃墜され、北米大陸の空域に未確認物体が突然流入した原因は何だろうと考える向きが増えている。  各物体の意図や起源ではまだ多くの疑問が残っているが、こうした物体が北米上空で活動していた可能性を示唆する証拠が次々と出てきた。 気球の探知は実は簡単ではない 2月4日に撃墜された中国偵察用気球を回収する米海軍の隊員。(米海軍写真)  2月4日にサウスカロライナ州沖で撃墜された中国の監視用気球は、高さ200フィート(約15メートル)以上だったが、発見・追跡は容易ではなかった。その巨大さにもかかわらず、レーダー波はこの種の気球を通過する傾向がある。その結果、レーダー画面上では鳥やステルス機と同じくらい小さく映ることが多い。最近、アメリカの戦闘機に撃墜された未確認物体は、2月4日に撃墜された監視用気球よりもはるかに小さく、その発見はさらに困難だったはずだ。  NORADと米軍北部司令部を統括するグレン・ヴァンハーク大将は今週初め、「見ているのは、レーダー断面積が非常に小さい、非常に小さな物体だ」と述べた。  しかし、これらの物体が長い間レーダーの下を飛んでいたのには、別の理由もあるようだ。 北米大陸全域の飛行物体の追尾は大変な仕事だ (FAA)  アメリカ・カナダの北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)とアメリカ北部司令部(NORTHCOM)は、ともに北米の領空を防衛する任務を担う。各司令部は、各種レーダーアレイを使用して、954万平方マイルの北米の上空はもちろん、全方向の海上に広がる数百マイル空域も監視する。連邦航空局によると、海上の航空機の追跡を考慮すると、アメリカの空域は合計で2900万平方マイルに及ぶという。  この空域では、小型の自家用機から大型の民間機まで、1日平均約45,000機が飛行している。この広大な領空と1日の飛行回数を考えれば、防空任務がいかに大変なものかがわかる。  そのため、NORADをはじめとする防衛機関は、中古車を探すときのように、追跡対象を「フィルタリング」している。レーダーで発見されたものすべてにフラグを立てるのではなく、脅威となる物体だけにフラグを立てるフィルターとした。 NORADはフィルター方法を変更して未確認飛行物体を多数探知できるようになっ た アメリカ北方軍本部(NORAD撮影)

1月20日大統領就任式典を前に展開された首都上空の防空訓練ファイティングヴァーゴとは

  資料写真 D.C.州軍航空隊のF-16Cがセスナ182をエスコートしている。アーマゲドン20-4の実機飛行演習が行われたテネシー州で2019年11月21日に撮影。 (Air National Guard photo by Senior Master Sgt. Craig Clapper)   「ファルコンヴァーゴ」演習はワシントンD.Cの空域管制・制御を目的に繰り返し実施されている。 「フ ァルコンヴァーゴ」演習が米首都上空で1月14-15日展開され、1月25-26日にも実施される。北米防空司令部NORAD発表では「通常の防空演習」とあるが、この演習は「制限空域進入、ハイジャック、未確認航空機対応など各種シナリオを展開する。他のNORAD演習同様に慎重に立案され、緊密な統制のもと実施する」とある。 演習には米陸軍のセスナUC-35A双発機、米海軍のキングエア300、沿岸警備隊MH-65Dドルフィンヘリコプター、民間航空パトロール隊のセスナ182小型機の他、空軍のF-16ファイティングファルコン戦闘機を動員する。関係者によれば戦闘機が高度2,500フィートまで降下し、地上からも視認できる場合もあるという。 ファルコンヴァーゴ演習は繰り返し実施し、ノーブルイーグル演習を支援する形となる。ノーブルイーグル演習では「カナダ、米国上空の空域の監視統制を重視する」とある。NORAD広報資料では「同演習はNORADの通常訓練の一環」とある。 NORADの防空演習ファルコンヴァーゴに参加したDC州軍航空隊のF-16機   今回の演習が関心を呼ぶ理由がある。各種航空機が本土の安全を支援するべく動員されることもそのひとつだ。2001年9月11日以前に米国東部を舞台とした統合防空演習が関心を集めることは皆無といってもよかたった。沿岸警備隊機材も本土防衛ほか国境警備の支援にあたることも興味深い。 民間航空パトロール隊のセスナ182T軽飛行機が加わることから空域警備の実施訓練に加えSMI(低速移動機への対応)訓練も想定しているのだろう。 2019年11月18日-22日に実施された先回の演習「アーマゲドン20-4」はテネシー州ノックスビル近郊のマギータイソン空港を舞台に民間航空パトロール隊の軽飛行機を応答なく制限空域へ侵入する機体に見立てた。この際はF-16ファイティングファルコンが首都地

クリスマスイブ記事 今年もNORAD北米防空司令部がサンタさんを追跡。でもこの伝統はいつ、どう始まったのでしょうか。

  昨年のクリスマスイブの風景。カナダ軍のガイ・ハメル准将もボランティアとして世界各地の子どもたちからの電話対応にあたった。(AP Photo/Brennan Linsley) 全 米が恒例の北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)によるサンタさん追跡が気になる時期が来た。NORADは実際にサンタの飛行経路をオンラインで公開しており、アプリでも昔ながらの電話でもその時点でサンタがどこを移動中か教えてくれる。 だがこれはNORADの超天才がはじめたわけではない。新聞記事の誤植が原因だった。 ボランティアの空軍曹長ロデリック・シュワルドがコロラド州ピーターソン基地内のNORADサンタ追跡オペレーションセンターで各地からの電話問い合わせに対応している。Dec. 24, 2013. (Photo: Master Sgt. Charles Marsh)   だがNORADはなぜサンタを追跡するのか。 1955年12月24日、当時の米大陸防空例支部作戦センターのあるコロラドは通常通勤務体制だったが、当直のハリー・シャウプ大佐におかしな電話が入ってきた。 「電話をかけてきたのはコロラドスプリングの幼児で地元デパートの広告に番号があったのです。幼児はサンタクロースの居場所を聞いてきたんです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター) 新聞広告ではこの番号でサンタさんにお話できるよとあったが、番号が間違っており、防空司令部にかかってしまうのだった。 シャウプは最初の通話に対応した。意地悪な対応もできたのだが、実際は違っていた。 「大佐はご両親にかわってもらい幼児には大陸防空司令部はサンタの安全を守っていると伝えたのです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター) その晩シャウプは部下と一緒にサンタの居場所を幼児一人ひとりに答えた。こうして伝統がはじまったのであり、1958年NORADに改組されても維持された。その後のテクノロジーの進歩でさらに人気を博すようになっている。今日の幼児は電子メール、スカイプ、ツイッター、フェイスブックやアプリ更にオンスターでサンタの行方を把握している。 サンタ追跡は大掛かりな事業で毎年11月にNORADSanta.orgが各家庭からの問い合わせに対応を開始してスタートする。政府、非政府あわせ70もの団体が寄付しサイト、アプリ、電話回線を準備する。制服

当選近づく?トランプ集会の上空を万全の態勢で守るNORAD

  US Air Force F-16. US Air Force   アリゾナで選挙集会中のドナルド・トランプ大統領に不審な機体が接近したため米空軍F-16がインターセプトした。10月28日のこと。 北 米防空司令部(NORAD)は10月28日、アリゾナ州ブルヘッドでのトランプ大統領選挙運動集会付近の飛行制限区域を飛行する無許可機を米空軍F-16でインターセプトしたと発表。 「NORAD指令を受けたF-16は航空管制と連絡を取らない一般航空機を調査した。同機はアリゾナ州ブルヘッドシティ周辺に設定した臨時飛行制限区域に許可なく侵入した」 NORADによると同機は当初はインターセプト手順に応答しなかったが、F-16がフレアを放出したところ交信回線を開いた。同機はF-16編隊がエスコートし空域を離れた。ただし、同機が制限空域内で何をしていたか説明はない。 NORAD報道官は臨時飛行制限区域に設定したのはドナルド・トランプ大統領の選挙集会が開かれたためと認めた。 臨時飛行制限区域は連邦航空局が設定し、NORADが部分的に執行するもので、本土防空にあたるNORADはF-16ファイティングファルコン、F-15イーグル、F-22ラプターで危機対応する。 9/11テロ攻撃以後は国内防空体制が強化され、NORADは数々の防御手段の一部にすぎない。 今回の事件は集会を取材中のC-SPANがとらえ、トランプ大統領はスピーチを止め、空中での事態展開に関心を寄せた。 「あれを見て。見て。見て。見て」とトランプは空を指さした。「大統領に見せ場を作ってくれました」聴衆は「USA」を連呼した。APによればトランプ大統領は聴衆に機体はF-35と説明し、「民主党ならこんなことはできない」と述べたという。■ この記事は以下を再構成したものです。 US Air Force F-16s intercepted an unauthorized aircraft flying in a restricted area over a Trump rally Ryan Pickrell Oct 29, 2020, 6:31 AM

シアトルの盗難旅客機にF-15C編隊がアフターバナー全開で迎撃していた

F-15Cs break sound barrier to intercept stolen airliner out of Seattle airport in bizarre incident F-15C編隊が盗難旅客機を 超音速で迎撃したシアトルの奇妙な事件 Tom Demerly, The Aviationist https://www.businessinsider.com/f-15cs-breaks-sound-barrier-intercepting-stolen-airliner-from-seattle-2018-8 F-15C US Air Force シアトル-タコマ空港を離陸した盗難旅客機をF-15C二機で迎撃する事件が8月10日に発生。 フェイスブック利用者の報告によるとソニックブームがイートンヴィル上空で聞こえたという。 空港整備員がダッシュ8双発ターボプロップ機を盗み出したが機体墜落で死亡。 奇 妙な事件がシアトル-タコマ国際空港(ワシントン州)で発生し、 アラスカエアラインズ/ホライゾンエア の ボンバルディア ダッシュ8双発ターボプロップコミューター機が男性一名により離陸したあとタコマ南西のケトロン島に墜落した。機内に乗客は乗っていなかった。男は墜落で死亡し報道では唯一の犠牲者とされる。 同機への対応としてオレゴン州軍航空隊のF-15Cイーグル二機がポートランド国際空港から緊急出動した。同編隊は旅客機に向かう途中で「音の壁」を破ったとの報告がツイッターや現地報道で多数見られる。フェイスブックではソニックブームがイートンヴィル上空で聞かれたとある。 Sabian404 @Sabian404 Rock 41 and Rock 42 scrambling out of PDX this evening 1:34 PM - Aug 11, 2018 3,896 1,778 people are talking about this Twitter Ads info and privacy 航空写真家ラッセル・ヒルがスクランブル発進するイーグル二機を撮影しており、アフターバーナー全開だったのがわかる。同編隊には対抗手段としてフレア

アラスカ付近までベア編隊を飛ばすロシアの狙い

US F-22s intercept Russian strategic bombers flying in international airspace near Alaska アラスカ近くの国際空域を飛行中のロシア戦略爆撃機を米軍F-22が迎撃 Bill Gertz,   The Washington Free Beacon http://www.businessinsider.com/f-22s-intercept-russian-strategic-bombers-near-alaska-2018-5 F-22 Raptors fly in formation over New York, August 21, 2012. US Air Force ロシアTu-95「ベア」爆撃機二機がアラスカに接近しF-22が迎撃した 核攻撃能力を有する同爆撃機は米加領空には侵入していないと軍当局が発表 米国を狙ったロシアの恫喝の一部とみる専門家もいる ロ シア戦略爆撃機二機がアラスカの防空識別圏に侵入したため米F-22編隊がこれを迎撃した。5月11日金曜日のことで米北方軍司令部が発表した。 Tu-95ベア爆撃機二機はべーリング海上空に設定の防空識別圏に金曜日早朝に侵入してきたと北方軍および米加共同北米防空司令部(NORAD)広報官スコット・ミラー海軍大佐が発表。 「東部標準時10 a.m.ごろアラスカ配備のNORAD所属F-22戦闘機二機がロシアTu-95ベア長距離爆撃機機二機を目視で確認した。ロシア機は房区識別圏内でアラスカ西海岸沖合からアリューシャン列島北部を飛行していた」と大佐はワシントン・フリー・ビーコンに伝えてきた。 ロシア機は米加いずれの領空も侵犯していないと大佐は付け加えている。 また今回の迎撃で異常な動きは見られるz、F-22隊と爆撃機編隊で交信も発生していないという。 核運用可能な爆撃機は国際空域を飛行し「国際規範に従って飛行した」という。 「NORADは今後も空の上の動きを注視していく」(ミラー大佐) ただし大佐はロシア爆撃機のミッションに関してこれ以上の詳細には触れていない。今回はロシアが米国を狙って行う力の誇示の最新事案となった。 「プーチンのロシアは核の恫喝を行い、

無人飛行船でミサイル防衛まで期待するJLENSは再稼働に向かっているとNORADが発表

After Blimp's Wild Ride, JLENS Program Will Fly Again, NORAD Says By Jen Judson, Defense News  4:10 p.m. EST February 11, 2016 http://www.defensenews.com/story/breaking-news/2016/02/11/runaway-blimp-jlens-program-fly-again-norad/80241204/ (Photo: Senior Airman Tiffany DeNault/US Air Force) WASHINGTON — 共用陸上攻撃・ 巡航ミサイル防衛用空中ネットセンサーシステムJoint Land Attack Cruise Missile Defense Elevated Netted Sensor System (JLENS)はメリーランドで制御不能となり、係留用ケーブルをひきずったままペンシルバニア方向へ漂流する事件を昨年秋に発生させたが、運用試験は再開に向かうようだ。 事故調査の報告書がまとまり、関係機関の間でJLENSは再開の調整にはいった。火器管制用飛行船の新造追加、人員訓練、提言内容の実施の他予算の増額が必要と北米防空司令部(NORAD)および米北方軍の報道官べス・スミス少佐がDefense Newsに述べている。 JLENSはメリーランド州アバディーンの実験施設で係留から外れ、ペンシルベニアへ漂流した。途中の送電線を係留ロープが切断し広範囲で停電が発生している。追跡にF-16が2機発進し、ペンシルバニア州内の移動を見守った。途中で内部の気体が漏れはじめ高度を下げ、最終的にゆっくりと着地した。州軍が発砲し、飛行船を完全にしぼませた。 JLENSは レイセオン が製作し、火器管制用と測定用の飛行船二機で構成し、三年間の運用実験に入っていた。 同システムは多数の小舟艇や移動体を追跡するとともに巡航ミサイル探知も行う構想で、ヴァージニア州ノーフォークからボストンまで一度に「見る」能力がある。米陸軍は現在の二機以上を導入するのか、メリーランドでずっと係留したままにするのかを演習で決めるはずだった。 陸軍戦闘即応センター