After Blimp's Wild Ride, JLENS Program Will Fly Again, NORAD Says
By Jen Judson, Defense News 4:10 p.m. EST February 11, 2016
WASHINGTON — 共用陸上攻撃・巡航ミサイル防衛用空中ネットセンサーシステムJoint Land Attack Cruise Missile Defense Elevated Netted Sensor System (JLENS)はメリーランドで制御不能となり、係留用ケーブルをひきずったままペンシルバニア方向へ漂流する事件を昨年秋に発生させたが、運用試験は再開に向かうようだ。
- 事故調査の報告書がまとまり、関係機関の間でJLENSは再開の調整にはいった。火器管制用飛行船の新造追加、人員訓練、提言内容の実施の他予算の増額が必要と北米防空司令部(NORAD)および米北方軍の報道官べス・スミス少佐がDefense Newsに述べている。
- JLENSはメリーランド州アバディーンの実験施設で係留から外れ、ペンシルベニアへ漂流した。途中の送電線を係留ロープが切断し広範囲で停電が発生している。追跡にF-16が2機発進し、ペンシルバニア州内の移動を見守った。途中で内部の気体が漏れはじめ高度を下げ、最終的にゆっくりと着地した。州軍が発砲し、飛行船を完全にしぼませた。
- JLENSはレイセオンが製作し、火器管制用と測定用の飛行船二機で構成し、三年間の運用実験に入っていた。
- 同システムは多数の小舟艇や移動体を追跡するとともに巡航ミサイル探知も行う構想で、ヴァージニア州ノーフォークからボストンまで一度に「見る」能力がある。米陸軍は現在の二機以上を導入するのか、メリーランドでずっと係留したままにするのかを演習で決めるはずだった。
- 陸軍戦闘即応センターと巡航ミサイル防衛システムの共用防衛装備準備室が出した結論はJLENS漂流の原因は設計上の瑕疵ではなく、設計、運用上の人的ミス、手順上の問題が複合したためととスミス少佐は説明。
- 尾部フィン内の空気圧が低下し事故が発生したと分かったとスミス少佐は紹介。低下の原因は「パイロットチューブ、つまり気圧感知装置の作動不良」だという。気圧が低下した飛行船は空中で不安定になった。
- 「空力効率がなくなった反面抗力がふえたことで係留ケーブルに張力が増し切断に至った」(スミス)
- 調査結果は軍内部に伝わり、アシュ・カーター国防長官も説明を受けた。長官もJLENSの運用試験継続を認めている。
- NORADおよびNORTHCOM司令官ビル・ゴートニー海軍大将は声明文で「JLENSは他にはない巡航ミサイル防衛機能を我が国の統合防空システムのうち首都地区で実現するもの。同事業を継続することが国益上最善の選択である。事故調査で原因を詳しく調べたため、同飛行船の安全な運航再開にめどがついたと確信している」と発表。
- 次は議会がJLENSをどうするか決定する番だ。予算は2016年度に30百万ドル削減されている。その結果、使える資金は10.5百万ドルしかない。削減理由は「テスト日程の遅延」だった。
- オバマ大統領の2017年度予算要求ではJLENSに45.5百万ドルを求め実戦演習の実施を想定している。陸軍が2018年度にはわずか6.7百万ドルの予算を計上する予定になっているのが注目される。同年度は実験演習の最終年度だ。
- 2017年度予算要求では「新規装備の訓練、JLENS演習の実施によりNORAD/NORTHCOMのノーブルイーグル作戦を支援すること、および政府によるJLENS演習の実施支援」の想定がわかる。
- 前回の事故で破損した装備の補修や対策の実施に予算が必要だ。また保管中のJLENSの「再稼働」も予算に含まれると予算要求文書は述べる。■
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