スキップしてメイン コンテンツに移動

★B-2の現況と進行中の性能改修策について



記事元サイトは航空宇宙専門ではなくスポーツ好きの男性用に軍事関連記事を掲載しているところのようですね。それでもこれだけの情報量があるのは感服ものでそれだけ米国民の国防関連情報のレベルが高いことを意味するのでしょうか。

 Special: Inside the Stealthy B-2 Bomber

KRIS OSBORN
Yesterday at 7:07 AM
B-2スピリット・ステルス爆撃機は2050年代まで運用すると空軍関係者は述べている。
「この機を操縦するのが夢でした。本当にスムーズです」とケント・ミケルソン少佐(第394戦闘訓練飛行隊、作戦部長)は本誌取材にこう答えている。

  1. B-2内部を取材する貴重な機会でミケルソン少佐は同機が1980年代に製造されたことを考慮しても現在でも高性能機のままだと述べた。ミケルソンはB-2でパイロット経験も豊富で2011年にはリビア空爆に参加している。
  2. 「2016年の現時点でも製造直後と同じ任務を遂行できるのは技術チームが優秀だった証拠です。近代化にも期待していますが、B-2で対応できないミッションはありません。まさに驚異的な技術の産物です」
  3. B-2のエイビオニクス、レーダー、通信装置は敵標的を高高度で遠隔地から識別し破壊する目的で搭載されている。「デジタル航空機といった趣で、一般にはグラスコックピットといわれるものを搭載しています」(ミケルソン)
  4. そのグラスコックピットには各種デジタル表示があり、そのひとつが合成開口レーダー(SAR)の情報で、機体下の地表の様子を示す。「SARで地表の様子が克明に表示され、パイロットは目標捕捉に使います」とミケルソンは説明してくれた。

  1. 「B-2は技術の点でB-52やB-1といった旧型機から大きく進んでいます。最高の技術を乗員に提供してくれます」(ミケルソン)
  2. 空軍は現在20機のB-2を運用中だが機材のほとんどはホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)に配備している。高度50,000フィートまで到達し、40千ポンドのペイロードには通常弾頭に加え核兵器も運用可能だ。
  3. 運用開始は1980年代でイラク、リビア、アフガニスタンで実戦投入されている。空中給油なしで6千カイリの飛行が可能で、ミズーリからディエゴ・ガルシア島まで一気に移動し、そこからアフガニスタンに飛んだ。
  4. 「ホワイトマンを離陸しディエゴガルシア着陸はB-2でも最長の戦闘飛行となりました。アフガニスタン、イラク、リビアで効果的な任務を実施しています」
  5. B-2は二名運用の前提で射出座席も二名分しかない。乗員は一回40時間におよぶミッションの過酷さに耐える訓練を受けている。
  6. B-2乗員には「長時間用セット」を使う。折り畳み式寝台ほか長距離飛行の必需品がひとまとめになっているという。

B-2のミッション
  1. 冷戦が頂点時に設計されただけあり、B-2は探知されずにソ連防空網を潜り抜け攻撃する前提だった。このステルス技術は高周波「交戦」レーダーの探知を逃れ、同時に低周波の「監視」レーダーでも発見されないと業界専門家は解説する。
  2. B-2の役目は敵国領空で探知されることなく敵レーダーや防空網を破壊して「門を破り」友軍機にレーダーが無効な「回廊」を作り攻撃させることだ。
  3. ただし敵レーダーも大幅に性能向上しており、新型ではステルス機探知も可能になり、ネットワーク機能で高速コンピュータ処理の恩恵を受け、多数の周波数を駆使して長距離からの探知できるように進歩してきた。
  4. そこで米空軍はB-2を開発中の長距離打撃爆撃機(LRS-B)と一緒に2050年代まで運用するべくB-2の近代化改修を順次近代化改修中で、今後も有効性を維持するとミケルソンは説明してくれた。
  5. 改修の中心は防御管理システムと呼称される技術でB-2乗員に敵防空網の位置を教えるものだ。それによりB-2を探知できる敵防空体制の有効範囲外にとどまることができる。このシステムが利用可能になるのは2020年代中頃とミケルソンは説明。
  6. また通信手段はEHF極高周波衛星に切り替えている。通信能力の向上で乗員は大統領の攻撃命令を本土が核攻撃を受けても確実に受信できるようになる。
  7. 「これで有事の際は核攻撃、通常攻撃いずれでも通信が安全になります。利用可能な帯域が大幅に増えますので、データフロー速度が速くなります。この改良を心待ちにしています」(ミケルソン)
  8. 現在は広く使われているLINK-16とUHF、VHFのデータリンクを利用している。ミケルソンによればB-2は地上指揮命令所と交信可能で、同時にその他有人・無人機からの情報も受信できるという。
  9. ただし無人機の送る情報は今のところ地上指揮命令施設経由で受信する可能性が高い。つまり、付近を飛行する無人機の画像をリアルタイムで見られるようになる。
  10. また飛行制御処理プロセッサーも新型に交換し、機内の各コンピュータの能力をアップし新ソフトウェアを追加できるようにする。
  11. 現在は通常のケーブルだが、光ファイバーに更新する。これで機内の80年代では最新鋭だったコンピュータがデータ処理能力で限界に来ているのを回避できる。
  12. プロセッサー交換でエイビオニクスや機内コンピュータの性能は約1,000倍に引き上げられるという。交換作業は2016年中に完了し、費用は542百万ドルだ。

兵装の能力向上策
  1. また改装では次世代デジタル核兵器としてB-61 Mod12や長距離スタンドオフ兵器(LRSO)の空中発射式誘導核弾頭巡航ミサイルの運用も可能になるという。
  2. このうちB-61 Mod 12はB-61各型をまとめ誘導用の尾翼を追加するものだ。慣性航法システムを内蔵する。
  3. このほかB-61 Mod 11核兵器の搭載も実現するだろう。これは貫通効果を狙ったものだと空軍は説明。LRSOは今はB-52だけに搭載されている現行のALCM(空中発射式巡航ミサイル)に代わるものだ。
  4. 通常兵器の搭載では種類は幅広く、精密誘導式2,000ポンドの共用直接攻撃弾(JDAMs),
  5. 5,000ポンドのJDAMs、共用スタンドオフ兵器、共用空対地スタンドオフミサイルやGBU 28(5,000ポンドのバンカーバスター爆弾)などを選択可能だ。
  6. また長距離通常弾頭空対地スタンドオフ兵器(JASSM-EM 共用空対地スタンドオフミサイル拡大射程版)も運用の検討中だ。
  7. また開発中の30,000ポンドの大型貫通爆弾も一発搭載できる。「これはGBU-28にステロイド駐車したみたいなやつで地下深くの標的を破壊できます」とミケルソンは説明してくれた。■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ