米側が最初に狙っていた大西洋横断飛行を反対側のイタリアが先に行いました。イタリア空軍も虎の子のF-35に大事があっては大変と大規模なバックアップ部隊を随行させているのがわかりますね。今年はいよいよファンボロショーで機体を展示できそうですね。
F-35 Makes First Transatlantic Crossing
By Lara Seligman 12:17 p.m. EST February 6, 2016
NAVAL AIR STATION PATUXENT RIVER, Md. –イタリア空軍所属のF-35が同機初の大西洋横断飛行を2月5日に実施し、同機の国際展開が展開される今年で大きな一歩となった。
- 同機はAL-1の呼称でポルトガル領アゾレス諸島のラジェス空軍基地を離陸し7時間後に当基地に着陸した。機体は2月2日にイタリアのカメリ基地を出発しており、本来は3日に米本土に到着するはずだったが、天候条件と整備の理由で遅れていた。
- 風速120ノットの向かい風で飛行は安定しなかったが、同機は移動を問題なく実施したとジアンマルコ少佐(コールサイン「ニンジャ」)は語った。同機にはC-130輸送機二機、ユーロファイタータイフーン一機とイタリア空軍給油機二機が随行し、カメリからラヘスまで途中三回、大西洋上空で四回の空中給油を実施した。
- 今回は二つの点で初の挙行となった。まずAL-1は大西洋横断飛行をした初のF-35となり、海外製造機で大西洋横断をした初の機体になった。カメリの最終組立点検補修施設(FACO)で組み立てられた。ジアンマルコ少佐は初の大西洋横断機がイタリア製でイタリア人パイロットが操縦したことに誇りを感じると発言。
- ジアンマルコ少佐は昨年11月にルーク空軍基地(アリゾナ州)で同機操縦の訓練を修了している。
- F-35の初の大西洋横断飛行は2014年に予定されており、ロイヤルインターナショナルエアタトゥーおよびファンボロ航空ショーでお披露目するはずだった。だが予定されていた米海兵隊のF-35Bは直前に発生したエンジン発火事件とその後の全機飛行停止措置で実施できなくなった。
- 今年は米空軍がF-35A二機をRIATおよびファンボロに今夏派遣する予定で、F-35Bも同様に2機派遣され現地で合流する。
- 今回大西洋を横断飛行したイタリア機は米国で三か月に及ぶ「電子環境評価」(E3)テストを行い、高出力レーダー、通信系統、落雷の影響を調べる。一定の範囲の電磁波の影響下でも機体が正常に作動することを確かめるのが目的だ。なお、当地パタクセントリヴァーでは米軍向けF-35BおよびF-35AのE3テストを完了しており、米海軍向けF-35Cのテストも最終段階にある。
- E3評価が完了したあとのAL-1はF-35国際パイロット養成センター(ルーク基地内)に配属されるとウィリアム・カウチ(米海軍航空戦センター報道官)は述べている。
- イタリア空軍はAL-1を皮切りに合計5機を国際パイロット養成用に投入するとカウチは発表。なお、イタリア空軍は合計90機のF-35(A型およびB型)を調達する。■
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