スキップしてメイン コンテンツに移動

★★シンガポール航空ショーにて>戦闘機の新潮流に乗り遅れるな



これを見ると日米の第一線配備戦闘機は相当遅れている気がします。特に日本の場合は深刻では。攻撃、防御ともにバランスが必要ですが、中でもジャミングなど機体防御の能力が決定的に足りないのではないかと思います。相当先を行かれている感じがしますね。米空軍の場合は言ってみれば唯我独尊で世界の動向と無関係の世界に安住しかつF-35に相当の予算を取られたことが痛いのでしょう。なんといってもF-15/F-16コンビには今後20年近くがんばってもらわねばなりませんので改修へ相当のの投資が必要です。だったらヨーロッパの新型機材を導入したほうが安上がりという計算も成り立つでしょう。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


New World Ordnance At Singapore Airshow

Feb 17, 2016 Bill Sweetman | ShowNews

 
シンガポールのF-15SGは攻撃用兵装、レーダー、電子防御で先を行く機体だ。

これからのアジアでの空対空戦の姿をシンガポール航空ショーの航空展示・地上展示で垣間見ることができる。マレーシア空軍所属のSu-30MKMの姿は同機がSu-35S登場までは大きな存在であったことを思い出させてくれる。Su-35Sはまもなくアジアにも登場するだろう。ラファールが戻ってきた。地上ではシンガポール空軍のF-15SGとF-16はおなじみの機体だが、搭載性能は改めてよく観察する価値がある。
  1. ロッキード・マーティンのF-35共用打撃戦闘機は非ステルス機に対し6対1の航空優勢があるとの触れ込みだが、米空軍が額面通り信じているのなら供用開始後35年のF-15Cで性能改修に何十億ドルも投入しないはずだ。
  2. アジア太平洋でステルス機が大きな存在だが、スホイ各機を見れば戦闘機に二つの分野で整備が必要なのがわかる。電子戦と搭載兵器だ。
  3. 2012年10月にUSSジョージ・ワシントンがマレーシアに寄港し、スーパーホーネットとSu-30MKMが編隊飛行している。スホイの翼端の円筒形のポッドはロシア製KNIRTI SAP-518ジャミングシステムと判明した。SAP-518は高出力であり最新のデジタル無線周波数メモリー(DRFM)機能を利用している。おそらくAIM-120C高性能中距離空対空(AMRAAM)ミサイルを妨害できるはずだ。
  4. DRFM方式ジャミングが普及する中、ロシアはDRFMチップ各種を開発し米国はこれまで軽視してきたEW防御システムにあわてて注目している。スーパーホーネットが搭載するALQ-214を除くと戦闘機用の新型ジャマーは1980年代から開発されていない。
  5. イスラエル、シンガポールその他はこのギャップに以前から気付いており、だからこそシンガポール空軍所属の機体の表面には突出物が多数あり検分が必要だ。F-16Dにはエルビット子会社のエリスラElisraが開発した防御用装置が搭載されている。F-15SGにはデジタル電子戦装備があり、これもイスラエル製だといわれる。
  6. F-15SGにはジャミングに強いアクティブ電子スキャン方式アレイ(AESA)レーダーが搭載され、敵のEWが強力なら赤外線探知追跡 (IRST) を使えばよい。米空軍は今になってAESA、IRST、新型EW装置の予算をF-15用に確保しようとしている。ラファールの展示もダッソー、Saab、タイフーン提携企業がEW装備の重要性を最初から認識していることを思い起こさせる。
  7. スホイ戦闘機の機動性も課題だ。同機はAmrramでも簡単に捕捉撃破できない相手だ。Amraamの威力は距離が延びると劇的に低下するし、相手が機動性に富むと対応が困難だ。このためMBDAメテオミサイルが開発されている。
  8. ヨーロッパ製カナード翼付き戦闘機にはすべてメテオが搭載され、グリペンが先陣を切って実戦化される。AAM分野ではラファエルがI-Derby長距離ミサイルを開発中でAmraamに代わるDerbyミサイルの系列だ。またMBDAには高性能単距離AAMがある。新型Amraamでは地上発射、海上発射ミサイルと共通部品を採用してコストを下げるラファエルと同じ方法が採用されている。
  9. 米国のAAM開発は混乱をきたしているようだ。Amraamで制約になっているのはモーターの大きさでもとをたどるとF-16の主翼に搭載する設定のためだ。同様にAIM-9Xも旧型サイドワインダーのモーターを流用している。空軍はAmraam、海軍はAIM-9Xを推しており、国防高等研究プロジェクト庁も別案件を開発中だが、ばらばらで、一方でブラックの世界で別の進展があるようだ。
  10. その結果、長距離対応AIM-9XブロックIIIや統合両用モード航空優勢ミサイル事業などが現れては消えていったし、研究には最低限の予算しかついていない。レイセオンはこの一月に機体防御用ミサイル二種の開発契約を14百万ドルで取得している。だがAIM-120Dの先が見えない。ブラック世界のミサイルは同盟国には供与されず、米軍機に海外製ミサイルの搭載もない。2017年予算でMBDAのブリムストーンをスーパーホーネットで運用試験するため大変な議会対策が必要だった。
  11. F-16運用国は機体性能改修後もこういった制約を受け入れざるを得ないが、中期的にはEWや兵装の見地からヨーロッパ製機材が魅力的に映る可能性があり、センサー融合機能、IRST、機内搭載EW装備、広い兵装搭載の選択幅が訴求力を持つだろう。■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ