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2025年12月17日水曜日

台湾に至近なフィリピン北部が米比共同作戦基地として浮上。中共の台湾攻略を困難にする狙い(USNI News)

 フィリピン・米国がルソン海峡基地を共同防衛作戦拠点として検討中(Naval News)

2025年12月15日公開

アーロン=マシュー・ラリオサ

マハタオ前方作戦基地のイメージ図。台湾セキュリティモニター、ノア・リード提供

フィリピンと米国両国の軍関係者は台湾に近い同国北部地域における両同盟国の共同防衛作戦のため、ルソン海峡に新設された基地を視察した。

北部ルソン司令部(NOLCOM)司令官は、在フィリピン米国空軍武官を含むフィリピン・米国合同軍事代表団を率い、バタネス州バタン島に新設されたマハタオ前進作戦基地の包括的な現地調査を実施した。

NOLCOM発表によれば、合同チームは「将来の共同・相互運用可能な防衛活動を支援するため、同地の作戦地形、インフラ状況、戦略的有効性を評価した」

フィリピン軍は同基地の8月の開所式で、同基地を「領土防衛、海洋領域認識、人道支援・災害対応作戦のための基盤」と説明した。

公開写真と衛星画像からマハタオ前進作戦基地を分析すると、同施設はバタネスにおける兵力増強を支援できる可能性がある。現在同島には小規模なフィリピン治安部隊、沿岸警備隊、海兵隊部隊が駐留しており、さらに海洋状況認識作戦を強化できる指揮統制施設も存在する。

近隣のボートランプは、無人水上艇や海兵隊の沿岸哨戒艇の発進支援も可能だ。これらは現在、フィリピン海軍が南シナ海で運用しているものと類似している。

今年初めには、米特殊作戦部隊が戦闘用中型艇(CCM)を用いて現地のフィリピン沿岸警備隊基地にゴムボートを搬入する様子が確認されている。CCMは海軍特殊部隊(SEALs)が紛争地域への展開に使用する、作戦行動範囲600海里を有する特殊艇である。

台湾の南120マイルに位置するルソン海峡のマハタオ島は、バタネス州におけるマニラ政府の最大規模の防衛投資の一つだ。2022年に海兵旅団が同地域に展開して以来、フィリピンは戦略的島嶼群への部隊展開、軍事演習、米軍のアクセスを強化している。

こうした防衛活動の強化は、マルコス政権が台湾侵攻に巻き込まれる可能性を懸念していることに伴うものだ。同政権は、紛争がルソン島北部に波及する可能性や、台湾在住のフィリピン人国民の帰国支援を理由に挙げている。4月には、フィリピン軍のロメオ・ブラウナー司令官がNOLCOMに対し、中国による台湾侵攻の可能性に備えた作戦準備を指示した。

今年初め、米海兵隊の海軍攻撃ミサイルがバタン島に配備された。これはバリカタン2025演習において、ルソン海峡で初めて示された米国の海上攻撃能力である。バタン島およびバタネス諸島の他の島々に配備された米軍の対艦ミサイルは、台湾南端からルソン島北端に至る第一列島線から外洋へ進出する船舶を脅威に晒す可能性がある。

過去の防衛訓練では、部隊の空輸や高機動ロケット砲システムの島嶼展開も実施されている。

ルソン海峡の戦略的意義

ワシントンとマニラはこれらの演習がフィリピン領土と海域の防衛を優先すると強調しているが、バタネスにおける防衛態勢の強化は、北京による台北への軍事行動を複雑化する可能性がある。

最近のロイター報道は、台湾海峡紛争発生時に中国がフィリピン北部領土に対して取る可能性のある行動に関する同国防衛指導部の懸念を強調した。フィリピン軍元参謀総長は「フィリピン北部を掌握しなければ台湾侵攻はほぼ不可能だ」と主張している。

台湾安全保障モニターのリサーチフェロー、ハイメ・オコンは本誌に対し、中国人民解放軍海軍が西太平洋への軍事力投射においてルソン海峡のバシー海峡に大きく依存している現状を踏まえ、同海域を封鎖する軍事力整備は中国の作戦計画を著しく複雑化させると説明した。

「仮に米国がここに軍事拠点を拡大し、例えば追加の港湾や滑走路を建設すれば、中国の台湾緊急作戦は確実に複雑となる。基地利用には政治的考慮もあるが、この水路を封鎖することが中国のA2/AD戦略にとって極めて重要であることは明白だ」とオコンは述べた。「中国は米国が対応能力を持つことを望まず、この進入路を封鎖したいのだ」。

米国による同地域へのアクセス拡大は、情報収集・監視・偵察(ISR)活動の強化につながり、それが連合作戦における対艦戦能力や長距離打撃能力の展開に有益となる可能性が高いと指摘した。

フィリピン海兵隊は、3基あるブラモス沿岸対艦ミサイル発射装置のうち1基をNOLCOM作戦区域内に配備する計画だ。一方、ワシントンは数多くの演習を通じて、フィリピン全土への長距離精密打撃システムの配備を強化している。

「現時点では、米国の前方展開が増加していることを北京に示すことで台湾有事に直接影響し、いかなる攻撃も広範な連合軍の対応を引き起こすというシグナルを継続的に発信し、それによって中国の政治的・軍事的不確実性を高めていると思う」(オコン)。■

アーロン=マシュー・ラリオサ

アーロン=マシューはフリーランスの防衛ジャーナリストで、南シナ海、インド太平洋における米軍の活動、フィリピン軍の近代化を取材している。

Philippines, U.S. eye Luzon Strait base for joint defense operations

2025年9月13日土曜日

米韓投資で再稼働したフィリピンのスービックベイ造船所に注目(USNI News)

 


スービックベイのアギラ・スービック内にあるHD HHIフィリピン新造船所。現代重工業フィリピン提供

ィリピンは、韓国と米国からの経済投資を背景に、HD現代重工業フィリピン社の新造船所をスービックベイで開設した。

ボンボン・マルコス大統領は月曜日、同造船所初の船舶の鋼板切断式を主導し、長年にわたり休止状態だったスービックベイ造船複合施設の復活を宣言した。

「数十年にわたり、いや数世紀にわたり、フィリピンは世界に最高の船員を送り出してきました。優れた船舶を世界に供給するのは当然のことです」とマルコス大統領は述べた。

同大統領によれば、造船所の再稼働により、フィリピンの年間造船能力は130万DWTから250万DWTに拡大し、2030年までに最大4,300人のフィリピン人を雇用する。同大統領はさらに、同造船所の能力拡大により、大型タンカーの年間建造量が5隻から8隻に増加すると表明した。

「スービック造船所はフィリピンを世界の造船市場における新興勢力として位置付けると同時に、世界トップクラスの経済国への円滑かつ迅速な躍進を加速させる原動力となるでしょう」と、HD韓国造船海洋のキム・ソンジュン最高経営責任者(CEO)は述べた。

同造船所は、2019年に破産した別の韓国造船会社・韓進重工業フィリピン(Hanjin Heavy Industries and Construction Philippines)の旧施設内に位置し、米中間の入札合戦の焦点となった。最終的に米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント(Cerberus Capital Management)が戦略的に重要な同造船所の権利を獲得した。

HD HHIフィリピンは、サーベラスにより「アギラ・スービック」と改称された同施設の最新テナントであり、フィリピン海軍、米国防請負業者ベクタラス、海底ケーブル企業サブコムに加わる。その開所式は、ワシントンがスービックベイに米海兵隊事前配置拠点弾薬工場を移転させる動きに続く、旧米海軍基地内の最新展開を示すものである。

開所式では商船のみが紹介されたが、現代重工業はスービックベイをフィリピン及び地域顧客向け軍艦の建造拠点として活用する構想を掲げている。マニラ政府は南シナ海における北京との緊張を背景に、海軍近代化計画において韓国造船会社を優先的に採用している。

2016年以降、HD HHIがフィリピンから受注した軍艦はフリゲート艦4隻と沿岸警備艦6隻に上る。同社はフィリピン軍近代化計画の最終段階における新たなフリゲート艦入札の獲得に向け準備を進めている。

式典で李相和(イ・サンファ)駐フィリピン韓国大使は、スービックベイ造船所建設を可能にした三カ国協力の重要性を強調した。

「この行事は強力な三者連携の象徴でもあります。韓国は造船技術、米国はサーベラスを通じた資金力、フィリピンは熟練労働力と戦略的立地を提供。私たちは造船所を再建するだけでなく、太平洋を越えた絆を強固にしているのです」と李大使は述べた。

李大使は演説で、韓国の米国造船業への投資を訴えた。ワシントンは中国の圧倒的な造船生産量に直面し、国内造船問題の解決に向け韓国海運企業に目を向けている。フィリピン造船所開所式のわずか1週間前には、最近フィリー造船所を買収した別の韓国造船会社ハンファが、米国事業に50億ドルの設備投資計画を発表した。

「先日の米韓首脳会談で再確認された協力の精神が、本日ここに具現化された」と李大使は述べた。「米国が韓国との協力で米国造船業の偉大さを取り戻そうとするなら、フィリピン造船業の偉大さを取り戻すためにも、我々は手を携えて取り組もう」。


Subic Bay Shipyard Re-Opens after U.S., South Korean Investments

Aaron-Matthew Lariosa

September 5, 2025 4:39 PM

https://news.usni.org/2025/09/05/subic-bay-shipyard-re-opens-after-u-s-south-korean-investments


2025年8月22日金曜日

日比新防衛協定が来月発効する(USNI News)


BRPホセ・リサールが 海上自衛隊艦艇と演習を実施。フィリピン海軍写真

ニラと東京間の防衛協定が来月発効し、フィリピン国内での軍事訓練の強化を目的とした安全保障協力の新たな段階に入る。

フィリピンと日本の当局者は火曜日、相互アクセス協定(RAA)の発効に先立ち、外交文書を交換した。この交換により、両国間でこれまでで最も緊密な防衛条約が締結された。

「この迅速かつ決定的な進展は、両国が安全保障と防衛協力に緊急性と戦略的価値を見出していることを物語っています」と、フィリピン駐在の遠藤一也日本大使は、文書交換式典での挨拶で述べた。

この協定により、両国の軍隊は、訓練中および派遣中の軍隊の地位を規定する法的協定に基づき、それぞれの領海、領土、領空内で訓練を行うことが可能になる。1987年憲法で外国軍隊の恒久的な駐留と基地設置を禁止しているマニラにとって、これらの点は重要な意味を持つ。相互アクセス協定の発効により、日本は米国、オーストラリアに続き、フィリピンと防衛訓練協定を締結した最新の国となった。

東京は、北京の領有権主張に起因する南シナ海での緊張の高まりを受けて、苦境にある東南アジア諸国との防衛協力を強化している。フィリピン軍には、紛争海域のパトロールと監視のために、日本の巡視船とレーダーが供給されている。フィリピンは、日本の「公式安全保障支援」の最初の受領国でもある。これは、インド太平洋地域の各国を対象に、海洋領域認識能力の強化に焦点を当てた防衛援助融資プログラムだ。

互恵的アクセス協定の枠組みは、「両国の軍隊間の相互運用性を強化し、新たな課題や機会に対して断固として対応する両国の決意を確固たるものにする」と、遠藤大使は述べた。

フィリピン国防省のプレスリリースは、この協定で訓練の機会が拡大されることを強調し、これまで日本の自衛隊の合同軍事訓練への参加は、人道支援や災害救援関連活動に限定されていたと述べた。

「RAAが発効すれば、合同演習などの協力活動にも参加が拡大され、両国軍の相互運用性の向上に役立つ」とフィリピンのプレスリリースは述べている。

防衛訓練の機会の拡大と並行して、日本のフィリピンに対する防衛援助には、マニラによる艦艇の審査結果次第では、海上自衛隊の護衛艦の譲渡も含まれそうだ。1990年代に建造された艦艇19隻のうち最大6隻と、海上哨戒機が、2027年までにフィリピン海軍に譲渡される可能性が出てきた。

東京は長年、南シナ海でフィリピンの最前線部隊であるフィリピン沿岸警備隊への支援を続けてきた。マニラの南シナ海における最前線部隊である。日本の融資により、現在運用中の13隻の船舶の建造が資金提供されており、その大部分は補給任務の護衛や、はるかに大規模な中国艦艇との対峙を目的とした紛争海域の巡視に配備されている。

日本は昨年、フィリピンに 5 隻の大型巡視船建造に 5 億ドルの融資を承認しました。日本製の巡視船のうちの 1 隻、RP スルアン(MRRV 4406)は、最近、スカボロー礁沖で発生した中国海軍と中国沿岸警備隊船舶の衝突事故の現場でその姿が目撃された。■


New Philippine-Japanese Defense Pact to go into Effect Next Month 

Aaron-Matthew Lariosa

August 12, 2025 4:56 PM

https://news.usni.org/2025/08/12/new-philippine-japanese-defense-pact-to-go-into-effect-next-month

アーロン・マシュー・ラリオサ

アーロン・マシュー・ラリオサは、ワシントンD.C.を拠点とするフリーランスの防衛ジャーナリストです。




2025年8月12日火曜日

激しい挑発的機動中に中国駆逐艦が衝突し、中国沿岸警備隊巡視船の船首を切り裂く—まさに自業自得で、中国の操艦技量以外に、過剰な挑発をしているわけで、尖閣諸島を抱える沖縄県は中側に忖度して非難していなくていいのでしょうか

 

中国艦艇は、南シナ海のスカーボロ礁の荒れた水面でフィリピン沿岸警備隊艦艇を追跡していた

A Chinese Coast Guard cutter chasing a Philippine Coast Guard cutter when it was rammed by a Chinese guided missile destroyer in the hotly contested Scarborough Shoal.

(PCGのスクリーンショット)

去数年間、中国海軍と沿岸警備隊の艦船は、南シナ海北東端に位置する争いの的となっているスカーボロ礁の領有権を巡る紛争水域で、フィリピン艦船を挑発する行為を繰り返してきた。月曜日、これらの挑発的な行動が北京に跳ね返り、中国海軍のミサイル駆逐艦が沿岸警備隊の巡視船と衝突し、巡視船を少なくとも一時的に航行不能にさせた可能性がある。

大破した艦は、スカーボロ礁での補給任務中、フィリピン沿岸警備隊(PCG)の巡視船BRP Suluanを追跡していた。衝突は、中国とフィリピン間の地政学的緊張が特に高まる時期に発生した。北京が南シナ海全体に対する領有権主張を主張していることで緊張が高まっている。

PCGの広報担当者は、事件はバホ・デ・マシノルックの東約10.5海里の海域で発生したと述べた。PCGが発表した動画には、2隻の中国船がフィリピン船の両側に位置し、包囲する様子が映っている。その後間もなく、中国海警局の船舶CCG-3104がBRP Suluanを高速で追跡し、放水を試みた。フィリピン船を追い越そうとした際、CCG-3104は右舷側に急旋回した。その直後、中国海軍の052D型駆逐艦「桂林」が再び画面に現れ、スルアンの船尾を高速で直角に横切り、中国沿岸警備隊のCCG 3104の船首を切り裂いた。フィリピン乗組員が歓声を上げる中、動画には中国沿岸警備隊の船首に広範な損傷が確認され、中国駆逐艦は左舷の船首と左舷側に擦り傷を負った。

放水と船によるブロックは、中国がフィリピン船に対して影響力を発揮する主な手段の2つだ。衝突で負傷者が出たかどうか、または両方の中国船の損傷の正確な程度は不明。

「中国沿岸警備隊のCCG 3104は、フィリピン沿岸警備隊のBRP Suluanを高速で追跡中に、フィリピン船の右舷後方から危険な機動を行い、中国人民解放軍海軍の軍艦との衝突を引き起こした」と、フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ准将は述べた。

「これにより、CCG船の船首部が重大な損傷を受け、航行不能状態となった」とタリエラ准将は付け加えた。

中国沿岸警備隊の3104は、紛争中のスカーボロ礁で中国海軍のミサイル駆逐艦との衝突で重大な損傷を受けた。(フィリピン沿岸警備隊のスクリーンショット)

タリエラ准将は、スルアン、BRP テレサ・マグバヌア、MV パパマラカヤの3隻が、バジョ・デ・マシンロクで35隻のフィリピン漁船に物資を供給するため派遣されていたと指摘した。

「作戦中、フィリピン船と漁民は、周辺海域の他の船から危険な操船と妨害行動に遭遇しました」とタリエラは述べた。「特に、MRRV 4406は放水の標的とされましたが、フィリピン沿岸警備隊の乗組員の操船技術により、船は回避することができました」とタリエラは付け加えた。衝突後、「フィリピン沿岸警備隊は直ちに支援を提供し、海難者救助や負傷した中国沿岸警備隊乗組員への医療支援を含む支援を実施しました」とタリエラは述べました。「一方、MRRV9701はフィリピン漁民を安全な場所まで安全に護送し、現在、彼らは必要な燃料と物資を提供されています」。

中国海岸警備隊の報道官は、月曜日の対立が発生したことを確認しましたが、衝突については言及していない。

「中国海岸警備隊は法律に従い、監視、外側から圧迫、妨害、制御などの必要な措置を講じてフィリピン船を追い払いました」と、ガン・ユーは声明で述べた。フィリピンの船は月曜日に警告を無視したため、中国沿岸警備隊が「専門的、標準的、合法的」と述べた作戦で対応された」。

過去2年間、スカーボロ礁(国際裁判所で2016年にフィリピンに属すると認定された)周辺で、中国沿岸警備隊と海上民兵船による特に攻撃的な行動が相次いだ。中国当局は引き続きその判決を無視している。

月曜日の早い段階で、フィリピンのABS-CBNメディアは、中国沿岸警備隊がフィリピン船BRP Datu Sumkadに対して放水で威嚇する様子を放送した。

先週、別の中国沿岸警備隊の船が同地域で危険な操船を行い、フィリピンの船の前を横切る行為が確認された。

本日の衝突は、この地域で続く一連の事件の最新の事例となった。2012年、フィリピン海軍の艦船がサンシャイン礁のラグーン内で違法に操業する中国漁船を逮捕しようとしたところ、中国「海洋監視」艦船(現在は中国沿岸警備隊の一部)と準軍事的な漁船団の部隊と長期にわたる対峙が発生した。後者は現在「リトル・ブルー・メン」として広く知られている。後者は、2014年にロシアがクリミア半島を侵攻・違法併合する前に同地域に現れたロシアの特殊部隊と現地の代理勢力の混合部隊「Little Green Men」にちなむ呼称だ。

この対峙の結末はフィリピンにとって屈辱的で、同国は撤退し、事実上中国に支配権を譲渡した。以来、中国は同地域での支配権を継続的に主張し、フィリピン漁船を追い払う行為を日常的に繰り返している。

こうした事例の一つとして、2024年3月、中国沿岸警備隊の船が、フィリピンが同地域での恒常的な存在を維持するため故意に座礁させた第二次世界大戦時代のタンカー「BRP Sierra Madre」への補給航行中のフィリピン船に対し、放水した。

2隻の中国船が衝突した後、フィリピン当局は北京による侵略行為から後退しないとの立場を表明した。

フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、月曜日の記者会見で、同国が自国領土の一部と主張する海域において、主権を防衛し行使するため、フィリピンの巡視船は「引き続き当該地域に滞在する」と述べた。

一方、米海軍もこの地域で中国海軍の艦船との危険な遭遇を経験している。これらの海域の支配権は、米国にも大きな影響を及ぼす。

スカーボロ礁は、フィリピンの主要島から西へ約130マイル、中国本土から南へ約520マイルの地点に位置している。(Google Earth)

スカーボロ礁の完全かつ無条件の支配は、中国に「戦略的三角形」を形成する可能性があり、他の主要なポイントは北西のパラセル諸島にあるウッディ島と、南のスプラトリー諸島にある一連の前哨基地だ。これらの島々(ほとんどがほぼ完全に人工構造物)から運用される航空機と船舶および沿岸防衛施設は、カバー範囲の重複を膿、危機時に地域を通過しようとする潜在的な敵対勢力に対し重大な脅威となるだろう。


Chinese Destroyer Rips Bow Off Chinese Coast Guard Cutter During Intense Harassing Maneuvers

The Chinese ships were chasing a Philippine Coast Guard vessel in the tumultuous waters of Scarborough Shoal in the South China Sea.

Howard Altman

Aug 11, 2025 1:15 PM EDT

https://www.twz.com/sea/chinese-destroyer-rips-bow-off-chinese-coast-guard-cutter-during-intense-harassing-maneuvers

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフ・ライター

ハワードは『The War Zone』のシニア・スタッフ・ライターであり、以前は『Military Times』のシニア・マネージング・エディターを務めていました。以前は『Tampa Bay Times』でシニア・ライターとして軍事問題をカバーしていました。ハワードの作品は『Yahoo News』『RealClearDefense』『Air Force Times』など、さまざまなメディアに掲載されています。

2025年4月29日火曜日

フィリピンが潜水艦を取得する日が来る ― 潜水艦プロジェクトでフィンカンティエリとTKMSが提携(Naval News)

 Italy's U212NFS

イタリアのU212NFSの水上走行。 Fincantieri image.


タリアのフィンカンティエリとドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)は、フィリピン海軍に潜水艦分野における先進的なソリューションを提供することを目的とした、広範な戦略的パートナーシップとなる産業協力協定を締結した。

フィンカンティエリのプレスリリース

ホライズンIII軍事近代化構想の下、フィリピン海軍は最先端の兵器システムの獲得を通じて列島の防衛を強化することを目指している。その中で潜水艦の導入は、領海、特に南シナ海の防衛において画期的な変化となる。

 ティッセンクルップ・マリン・システムズとフィンカンティエリ両社の協業は、それぞれの専門知識と最先端技術を組み合わせ、現在フィンカンティエリがイタリア海軍向けにイタリアの自社造船所で建造中のU212 NFS級潜水艦に、最も効率的で競争力のあるソリューションを提供する。このパートナーシップはまた、現地のインフラを強化し、フィリピン海軍艦隊の運用能力を拡大することも目的としている。

 U212A潜水艦に関するイタリア海軍とドイツ海軍の協力関係は1996年にさかのぼる。この長年のパートナーシップを基盤に、フィンカンティエリとティッセンクルップ・マリン・システムズは、共同輸出プロジェクトの可能性も含めて協力関係を拡大した。

 U212 NFSは、U212A HDW級潜水艦を進化させたもので、音響、磁気、視覚シグネチャーが極めて低く、極めてステルス性が高いのが特徴だ。ティッセンクルップ・マリン・システムズが主要技術と必須部品を提供することで、最高の品質基準と最も厳しい規制要件を満たす。

 U212Aで初めて導入され、今回U212 NFSに統合された空気独立推進(AIP)技術により、フィリピン海軍は戦略的に大きな優位性を得ることになる。さらに、アマノックス非磁性鋼の使用は、他の重要な技術的特徴や新しいステルス技術と組み合わされ、U212 NFSを事実上検出不可能にしている。

 フィンカンチエリの最高経営責任者兼ゼネラルマネジャー、ピエロベルト・フォルギエーロは次のように述べた:「潜水艦建造における10年以上の経験から、フィンカンティエリは高性能な海軍ソリューションを提供する上で確固たる専門知識を培ってきました。今回のコラボレーションは、最新の最先端技術とイタリアとドイツを際立たせる資質を活用し、当社の国際戦略を推進する上で重要な一歩となります」。

 ティッセンクルップ・マリン・システムズのオリバー・ブルクハルトCEOは、次のようにコメントしている:「イタリアの潜水艦プログラム事例での協力の成功に基づき、今回の産業協力協定は、水中分野でのさらなる共同プロジェクトに向けた素晴らしい出発点となります」。

 U212 NFSの特徴的な要素は、イタリア海軍が保証する運用サポートであり、フィリピン海軍に前例のないレベルの訓練、ドクトリン、ロジスティクスを提供する。このパッケージには、専門的な産業訓練と作戦訓練活動も含まれ、フィリピン海軍は、高度な資格を持つ乗組員を迅速に投入することができる。

 さらに、フィリピンの「自立防衛態勢再生法」との関連で、パートナーシップはフィリピン海軍の新海軍基地開発を支援する。これは、ティッセンクルップ・マリン・システムズとフィンカンティエリの数十年にわたる造船経験と世界中の海軍との長年の協力関係による設計ノウハウで可能となる。

---引用終わり---


本誌コメント

フィリピンは今年2月、軍事近代化計画の最大かつ最終段階として、同国群島の防衛用に潜水艦2隻を調達することを確認した。

 今回発表があったドイツとイタリア以外にもフランスのNaval Group、韓国のHanwha Ocean、スペインのNavantiaからもそれぞれ独自の潜水艦の提案が出ている。■


Fincantieri and TKMS partner for the Philippines Submarines Project

  • Published on 16/04/2025

  • By Naval News Staff

  • In News


https://www.navalnews.com/naval-news/2025/04/fincantieri-and-tkms-partner-for-philippines-submarines-project/