海上自衛隊が仏米の水中グライダーを評価用に取得(Naval News) ― 無人装備では海自のほうが空自より積極的なようですね。これからの海の安全保障を考えると無人装備の運用は不可欠ですね、期待しましょう
The SeaExplorer X2 (left) and the Slocum G3 (right).
海上自衛隊は、シーエクスプローラーX2とスローカムG3の2種類の水中グライダーを取得したと発表した。海上自衛隊は、海上観測用の無人潜水機(UUV)を探しており、両システムを評価する。
海上自衛隊はフランスのアルセアマール社から水中グライダー「シーエクスプローラーX2」を、アメリカのテレダイン・ウェッブ・リサーチ社から「スローカムG3」を受領した。
両UUVは水温構造観測の試験例として使用される予定である。
海上自衛隊は2月23日、これら2つのUUVの写真とともにXに掲載した:「UUVは海上防衛で重要な装備として期待されている。海洋観測用UUVのテストサンプル2機が最近納入された。海上自衛隊が実施中の海洋観測を強化するため、運用体制の確立に取り組む」。"
アルシーマーの日本における販売代理店シーブレス社によると、シーエクスプローラーX2は、エンジンやプロペラなどの動力を必要とせず、自律航行できるマルチミッション型水中グライダーである。内蔵の充電式リチウム電池が前後左右に動くことで重心が移動する。先端にはセンサーを取り付けることができる。海面に出ると衛星通信で位置を修正し、取得したデータを送信する。主な機能は、イリジウム通信による遠隔操作、データ受信、位置補正。内蔵の充電式リチウムイオンバッテリーにより、水中グライダーは長時間の観測が可能である。
同様に、スロカムG3は、オイルブラダーによる浮力制御機構とバッテリーの重心移動で水中での上昇と滑空を繰り返し、長距離・長時間の水柱(水深1000mまで)のプロファイルを測定できる自律型観測機である。衛星通信機能を搭載し、海面に浮上すれば、ミッションのアップデート(計測内容の変更、ウェイポイント変更など)を受信し、ウェブベースのパイロット・ソフトウェアを介して潜水中に得られたデータを送信する。スロカムG3の日本輸入販売元であるハイドロシステム開発によると、モジュラー設計により、ユーザーは40種類以上のセンサーやオプション機構を目的に合わせて組み替えて使用することができる。
海上自衛隊の広報担当者は3月6日、本誌取材に対し、両水中グライダーの運用指針について、2025年度末(2026年3月)まで独自の研究を行う予定だと述べた。
この件に詳しい情報筋は、本誌こう語っている。「目的は、2030-2032年までに10-12機のグライダーからなる部隊を編成し、海洋調査以外に音響情報などの水中戦任務を遂行可能にするために、2年ほど2種類のグライダーをテストしてからひとつを選択することである。
「スローカムG3は、2000年初頭に世界で初めて市場に投入されたグライダーで、現在世界で最も多く販売されているグライダーでアメリカの強い影響力に支えられている。
「しかし、アルセアマーの優位性は、シーエクスプローラー・グライダーがすでに日本で就航していることだ: 現在まで7機が日本の民間事業者に販売されている」。
水温構造観測用UUVに加え、海上自衛隊は海底地形観測用UUVや音響特性調査用UUVの導入も検討している。
2025年3月31日を最終年度とする2024年度中に、これらのUUVのサンプル選定に関する調査研究契約を締結し、来年度(2025年度)に調査研究を行い、試作品の機種を選定する予定だという。
海上自衛隊は2024年度中に海上観測用UUV全体の研究費として2億円(135万ドル)を確保した。
積極的な海洋進出を進める中国に対抗するため、日本は、特に台湾に近い戦略的に重要な南西諸島(別名琉球諸島)および東シナ海で係争中の尖閣諸島・大小島周辺での海底戦能力の強化を目指している。
東京の軍事専門家の間では、近い将来、日本は沖縄本島と宮古島の間の中国にとって戦略的に重要な宮古海峡を含む南西諸島周辺で、機雷戦や対潜水艦作戦にUUVを使用するとの考えが広まっている。■
Japan acquires French and American underwater gliders for evaluation
Published on 20/03/2025
By Kosuke Takahashi
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