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ノースロップ・グラマン、スケイルド・コンポジッツが相次いで発表した新型無人機は空軍スカイボーグ採用をめざす、ファミリー構成のシステム装備品なのか。

      モデル401、モデル403の構想図。Northrop Grumman illustration   ノ ースロップ・グラマン の新型自律無人機は空軍の求める次世代機として有人機と戦闘に臨む想定だ。       同社は9月8日にモデル437をパームデイル施設(カリフォーニア)で公開し、 スケイルド・コンポジッツ と共同開発したと発表した。   スケイルド・コンポジッツも独自にモデル401技術実証機を発表しており、こちらも自律運航を想定している。   同社幹部にょれば二機とも自律運航機技術事業に応募するとし、米空軍のスカイボーグ、英国のプロジェクトモスキートをさしている。   スカイボーグは空軍が科学技術面で最高度の優先順位をつけており、戦闘の様相を一変させる「ヴァンガード」構想の一環となっている。その狙いは比較的安価で消耗品扱いを覚悟の無人機とし、人工知能を搭載することで威力を高め、有人戦闘機とともに戦闘に参加することにある。試作型は4億ドルの契約規模になる。   これに対しプロジェクトモスキートは英国版の忠実なるウィングマン構想でF-35以外に、タイフーンさらに今後登場するテンペストとの同時運用を狙う。   モデル437の実寸大試作型はまだないが、同社幹部は次世代無人機ファミリーの一部となると確信している。   スケイルド・コンポジッツ社長兼CEOコーリー・バードは低価格、消耗品扱いの機体の実現策になると報道陣向けイベントで語った。   消耗品扱いの機体は各種機能を戦場で実現し、センサー機、ジャマー機あるいは攻撃機にもなると空軍関係者はみている。   バードの試算では今後登場するモデル437の単価は5-6百万ドルとなり、受注規模により変動するという。コストの大きな部分がエンジンでウィリアムFJ44を採用し、高速と航続距離を両立させる。エンジン価格が2.4百万ドル程度になるが、これも調達規模により変動するという。   これに対し有人戦闘機の代表たるF-35Aでは機体単価や80百万ドル程度だ。   モデル437の最高速度はマッハ0.85で、巡航速度はマッハ0.8となる。F-35と並んで飛び、燃料4,000ガロンを機内に搭載する。   バードによればシステムは低価格消耗品扱い技術事業に最適化されて、発注元のニーズにあわせ設計変更可能という。   モデル437は

注目の機体 ジェネラルアトミックスのステルス無人機アヴェンジャーがロッキードのリージョンポッド搭載で敵ステルス機を探知、排除する可能性。忠実なるウィングマンの一例となりそう。

  GA-ASI     ジ ェネラルアトミックス が自社のアヴェンジャー無人機に ロッキード・マーティン のリージョンポッドLegion Podを装着し飛行テストを実施した。リージョンポッドは赤外線探知追尾センサー(IRST)を搭載し、遠距離の探知追尾に加え、その他各種センサー装備も搭載可能だ。リージョンポッドの搭載でアヴェンジャーは「忠実なるウィングマン」となり、単独または他の無人機との自律飛行も可能となる。   ジェネラルアトミックスの航空機システム部門 GS-ASI がフライトテスト実施を2021年1月15日に発表したが、実際の時期・場所は明らかにしていない。フライトは90分間でアヴェンジャー主翼下のパイロンでポッドを搭載した。GA-ASIはロッキード・マーティンとの共同作業は「コンセプトから飛行まで」三ヶ月未満で実施できたという。   GA-ASI フライトテストでロッキード・マーティン製リージョンポッドを搭載したジェネラルアトミックスのアヴェンジャー無人機。     「今回の飛行実証でアヴェンジャーRPA(遠隔操縦機)は迅速反応性能を示した」とGA-ASI副社長戦略開発担当J.R.レイドが報道資料で述べている。「アヴェンジャーはソフトウェア、ハードウェアでセンサーを統合し必要とされる性能を発揮できる偉大な機体になった」   ロッキード・マーティンのミサイル火器管制装備開発部門で固定翼センサー事業を担当するケネン・ネルソンは「アヴェンジャーRPAへのリージョンポッド搭載でリージョンポッドシステムの柔軟対応能力の一例となり、戦闘機から無人機まで対象に防御機能を改めて実証できた」とコメントしている。   リージョンポッドのアヴェンジャー搭載が両社の独自企画なのか発注元の要望に沿うものかも不明だ。1月6日、GA-ASIから別の発表があり、空軍が改装アヴェンジャー2機を借り上げ、スカイボーグ事業の代理機にするとあった。   この2機は「改良型データリンクとスカイボーグ・システム・デザインエージェント(SDA)の中核ソフトウェア含むペイロード」を搭載すると同社は発表。「両機は2021年2022年にわたり各種試験に投入され、有人機からアヴェンジャーを操作し、有人・無人機間でデータ情報を交換する」とある。   スカイボーグは空軍研究本部(AFRL)が統括し、人工知能(A

スカイボーグ製造競作始まる。実現すれば空の上の戦いの様相はどう変わるのか。

米 空軍は納期および納入数を特定しない形で ノースロップ・グラマン 、 ボーイング 、 クレイトス 、 ジェネラルアトミックス の4社競作で 、スカイボーグの製造 契約を 交付した。各社は米航空宇宙企業で技術力の高い企業である。 スカイボーグとは スカイボーグは「自律運航機能で低コストかつ有人機との共同運用を可能としつつ、制空権が確保できていない空域で敵に対し迅速かつ決定的な行動を実現する手段」と空軍は定義している。 同事業のねらいは無人航空装備にパイロット主体の作戦を支援させることだ。スカイボーグで「空軍パイロットは重要データを得て、迅速な意思決定が可能となる。スカイボーグは有人機に広範囲の状況認識を可能とし戦闘ミッションでの生存性を高める」という。 空軍の調達責任者ウィル・ローパーはスカイボーグで戦闘中に「集合インテリジェント」が生まれ、人工知能と有人機を統合し米国の航空優位性が維持できると語っている。 低コスト無人機の登場で空軍戦術はこう変わる。まず、無人機は長時間かつ単調な哨戒飛行に投入できる。詳細な状況認識以外にパイロットを解放し別任務に投入できるようになる。スカイボーグは高価値機材のF-22やF-35の防御にも投入でき、高リスクミッションでパイロットの生命を守る効果も生まれる。 「実現すれば、各種機材に発展し、情報収集の神経網を共有しつつ敵に対しマシンのスピードで対応できるようになる」とローパーは説明しており、マン-マシン統合に言及した。興味深い話だがスカイボーグには課題もある。 単純な事前プログラムどおりの戦術行動に加え、スカイボーグでは人工知能と無人機ネットワークで収集するデータを組み合わせて高度の意思決定が可能となると、敵無人機だけでなく敵有人機への攻撃も可能となる。 なかでも物議になりそうなのはスカイボーグ含む無人機にどこまでの自律性を認めるかだ。武装している場合は攻撃させていいのか。 ローパーも武装無人機に倫理上の落とし穴があるのを認めており、武装無人機でも米軍搭乗員が守る倫理基準を順守させると主張している。「自律型UAVsで選択の幅は広がるが、交戦規則は守る。プロとしての空軍隊員は空軍創設時以来この倫理基準を守っており、自律型UAVsだからといって、これを変えること

戦闘機像に大きな転機がやってくる:忠実なるウィングマンの導入時期を決めたACC

ローバー次官補提唱のiPhone方式の計画的陳腐化が一番実現しやすいのが無人機の分野でしょう。F-35のように40年供用を前提としたビジネスモデルではとても対応できません。いよいよ有人戦闘機が終焉を迎えるのか、スカイボーグが急発展するのか、それとも筆者が支持する大型戦闘航空機の登場につながるのか、2020年代は大きな転換点になりそうです。 F-16ブロック25/30の後継機が低コスト消耗品扱いの無人機になる可能性がある。その例がクレイトスXQ-58ヴァルキリーだ。Credit: Kratos 米 空軍は最先端技術に明るい民間専門家を招き、パイロットや隊員向けに技術革新の最新知識を普及させている。だが2月28日の航空戦シンポジウム会場にやってきた イーロン・マスクには別の考えがあった 。 スペースX、テスラを立ち上げてきた本人が空軍協会の会場に到着すると空軍の戦術航空戦力の中心とされてきた戦闘機に対し、 「ジェット戦闘機の時代は終わった」と述べ、聴衆を挑発した。進行役のジョン・トンプソン中将は即座に 話題を 切り替えた。 その後、マスクはAviation Weekにツイッターで返答し、真意は戦闘機は今後も残るが、パイロットが搭乗する必要はないと言いたかったのだとした。 「競争相手は無人戦闘航空機で、人員で遠隔操縦されても、自律運航能力で操縦性が補強できる」。 マスクの航空戦力に関する意見は多少加減して聞くべきだろう。本人の企業群は宇宙空間への進出、自動車産業、鉱物採掘にあたっている。マスク自身に航空業界での経歴はない。 空軍上位関係者には マスクと異なる見解がある。ウィル・ローパー空軍次官補(調達、技術、兵站)は将来の空軍力に自律運航機材を多数配備し、有人機を補完させるべきと主張している。航空戦闘軍団(ACC)司令のジェイムズ・ホームズ大将は無人戦闘機材の編入を2025年から27年とはじめて日程表で示した。 当面は旧式化進むF-15C/DをボーイングF-15EXやロッキード・マーティンF-35Aで更改することに空軍は集中する。一方で空軍研究本部(AFRL)は低価格「消耗品」扱いの新型機材で実験を開始した。 第一弾が クレイトス XQ-58Aヴァルキリーで、2019年3月に初飛行した。空軍はXQ-58Aまたは類似機材に人工知能