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2018年1月31日水曜日

★北朝鮮崩壊後の対処方法をすでに検討している米国、開戦はあり得ないと信じる韓国

 

予想通り北の方が狡猾な手に出て韓国が手玉に取られる様子が世界にさらけ出されていますが、平和だと錯覚しているのは韓国(政府)だけで世界は依然として北への警戒の念を緩めていません。この記事は韓国にも閲覧されていますが、韓国の読者の意見も聞きたいものです。しかし韓国政権は軍事行動にはすべて反対のようですね。ここまで考え抜いている向きが日本にはないのでは。




What Happens After America Destroys North Korea?

米軍が北朝鮮を崩壊させた後に何が起こるか



January 29, 2018

武装した北朝鮮を軍事的にリスク最小で打倒しつつ北朝鮮並びに同盟側の死傷者を低く抑えることは可能だ。だが戦後の朝鮮をどうするのか、また平和の確立という課題が浮上するはずだ。
平和を勝ち取るのと戦闘で勝利することには根本的な違いがある。必要な段取りも心構えも、準備、技量、経験がことごとく異なる。これらはいずれも軍事標準行動では多く語られておらず、占領軍が平和を築けないことはよくある。
ソ連の東欧占領で生まれたのが「ワルシャワ同盟」の抑圧され陰気な「同盟軍」でソ連の支配力が弱まるとばらばらになった各国だ。
ソ連は中国での共産勢力の勝利を助けイデオロギー上の兄弟関係を気づいたが中国(PRC)が核兵器保有するなど20年もしないうちに互角の関係になってしまった。USSRはPRC抑止を目的に1969年から一部核兵力を割き、USSR崩壊の1991年以降は北朝鮮(DPRK)やヴィエトナム支援の手段が枯渇してしまった。
ロシアはG8各国に失望を与え、国境を力で書き換えることは許されないとの共通理解に反する行為をしたため追放された。現在のロシアは非共産国に戻ったが強力な国力を有し西側主要国と互角の存在である。西側は冷戦に勝利しUSSRをバラバラにするのに成功したもののロシアとの平和構築に失敗した。
DPRKを支えようとPRCが介入したが、北朝鮮はむしろソ連に近く、戦闘は大きな代償につき、DPRKは米国の保護を受けた韓国(ROK)、日本に先を行かれてしまった。さらにDPRKはPRCの防波堤として米国に対抗するのではなく、自ら引き金を引いて国連軍の結束を促し、朝鮮半島の非核化を旗印にした戦いの口火を切りそうになっている。
ニクソン大統領が訪中してほぼ50年、中国共産党(CCP)がPRCを導いてきたがイデオロギーや地政学で双方の違いが明らかになりつつある。PRCはCCPによる世界制覇と戦後の自由な国際秩序に代わる体制の実現を助けようとしている。
トランプ政権がこの度発表した国家安全保障、国防、核戦略の核構想では世界を二大勢力の抗争の場ととらえている。ロシア、そしてもっと能力が高い共産中国で、とくにCCPの経済侵略、商業主義戦略と米国とその同盟国の転覆を狙う姿勢は米国にとって高い優性順位が付く課題だ。
同盟各国もロシアもPRCも自由と民主主義を模索していないことを承知している。この関連でPRCをソ連から引き離したことで生まれた1972年から2000年の間のつかの間の優位性はあたかも第一次大戦後のドイツに再軍備を許したのと同様の大きな間違いだったとわかる。
過去事例の教訓から米国や同盟各国はDPRKの非核化は最終的かつ非可逆的な誠実な執行しか受け付けるべきでない。それが無理なら軍事オプションで同じ結果を実現するしかない。前者ならDPRKは存続の可能性が残るが後者はDPRK体制の終焉を意味する。連合軍が軍事行動を実施した場合、PRCがDPRKⅡ型を作るのは認めることはできない。
もしPRCがロシアとともにDPRK非核化を軍事面あるいは陰で阻止しようと試みれば、連合軍は強い反応を示すだろう。そのような試みで限定戦争あるいはDPRKを陰で助けようとすればロシア、中国は世界市場から遮断され、資産凍結、世界金融制度からの締め出しにつながる。その場合、ロシアと中国は経済不況に陥る。
ではDPRK問題で連合国と完全な協力をするとなればPRCとロシアには非武装緩衝地帯となる新しい国家が生まれる。いかなる形であれ両国が干渉すれば連合国にはDPRKをROKが吸収するドイツ方式をとらざるを得なくなる。
韓国統一省からヒントが出ている。ROKは勝利者になる想定はできないようだ。ドイツ統一の教訓は貴重であり朝鮮統一にも応用できるはずだ。
戦後の統一では連合軍が勝利者となっても国内に戦闘員が出現するのを防ぎながら統治効果を最大店にする工夫が必要だ。まず安定させてから変化のスピードを上げていく。
イラク戦争(2003年のイラクの自由作戦)終結後の悲惨な過ちは侵攻軍がイラクを戦闘終了後直ちに占拠しなかったことだ。侵攻軍はイラク軍を打倒したが人口周密地点すべてを占拠できず略奪や妨害行為を発生焦るままにした。政府機関内の略奪行為や職員逃亡で組織機能が崩壊した。政府機能を一から再建する必要が生まれた。
連合軍臨時行政府も悲惨な間違いをしている。イラクの軍、保安部隊、情報部隊やバース党の解体がそれであり、イラク政府の民営化を命じたこともその例だ。無政府状態の市場が生まれ、生活は「厳しく、残虐で、短く」なった
失業し、無休状態の兵士や元政府職員が行ったのは軍装備の盗難で武装集団を作ることで新しく手に入れた自由と無職の身を利用して盗み、強奪、反乱を繰り広げることで、これが今日まで続いている。
イラクと好対照なのが西ドイツで東関係者や軍幹部をうまくたぶらかそうと東ドイツ通貨マルクを好条件で交換した。この取引で組織だった抵抗は東ドイツでは見られなかった。
ROKには豊かな経済があり同様にDPRK関係者にもDPRKウォンの有利な交換率で釣る方法がある。再統一ため交換レートを水増ししても米国がアフガニスタン、イラクで経験した内乱状態が防止できるのなら、わずかな代償にすぎない。
ではDPRK関係者軍当局に現在の職位を多少名前を変えても継承できる保証を与えたらどうなるか。これも多少の負担が生じるが、国内の治安回復には効果が高いだろう。DPRK住民にROKの社会保障制度を享受させるのも経済安定化に重要な対策となろう。
私有財産権がROK対DPRKの決定的な要素になる。新たに自由を手に入れた住民にこれをどう理解させるのか。戦前は使用権しかもっていなかった住民に居住住宅の権利を与える。住宅など保有していなかった住民には建築次第新居を与える証明書を与える。ROKは大規模住宅建築の展開で雇用を創出する経済力がある。
全住民に住宅所有権を与えればROKは簡単に全員を資産保有者にできる。同様に産業界、商業界、農園他を協同組合化し、加盟員を株主にする。行政上は極めて複雑な内容だが、ROK行政組織の能力で十分実施可能なはずだ。
全員を所有者にできれば理論上は素晴らしいが、実践では住民の大部分に教育期間が必要で市場原理や財産をどう守り増やすか教える必要がある。
ロシアの私有財産化での教訓はこうした工程では貧窮した住民が資産を最低価格で売却するのを防ぐ必要を示している。ロシアではこうした売却で寡頭勢力の出現を許し、中産階級の整備を阻害してしまった。
資産所有権の移転を旧DRPK住民に行う際は何らかの制限を課すべきだろう。これで急速な売却処分を防ぎ、物価急騰も避けれるはずだ。
資産を保有しながら一定収入がある階層が生まれるまで教育が必要でこれには時間がかかる。市場原理の導入はあくまでもゆっくりと進める必要がある。時間がたつのは早く感じられるが、中産階級が出現すれば民主主義の基盤となる。
DPRK住民をROK政治体制に組み込むのが難題だ。現時点でROKではDPRKから脱出した住民に市民権を与え、政治参加に何ら制限を加えていないようだ。統一で新たな有権者が出現して特定政党に全員が同調すればROK政治体制を崩壊させかねない。
移行期間中に各政党に「割り当て」を設定しながら旧DPRK住民を組織化するのいい案だろう。つまりDPRK住民をROK政治体制の安定化につなげるよう急に全員を有権者にするのを避けるのである。70年待ったのだから10年くらい待っても問題ないだろう。米国史ではユタ州の事例が政治体制を不安定化させない工夫として参考になるだろう。
地政学も深刻だ。PRCとロシアが安全保障上で心配になるのは当然だ。ROK軍部隊を現在の軍事境界線以北へ進駐させない対応が必要になるかも知れない。ロシアとPRCとの国境線に小規模の警戒部隊を配備するのは合理的な条件になろう。ただし米国、日本、ロシア、PRCがROK国境線を保障する必要が生まれる。
ROKに潘基文(前国連事務総長)のような優秀な人物があれば、自らの手で有望な解決策で各国にも満足のいく方法が見つからるはずだ。
最後に、DPRK内の「ロケット科学者」、核工学、生物化学兵器専門家はROKで雇用する必要が生まれるだろう。ただ厳しく監視し兵器拡散を回避する必要がある。
平和を勝ち取るため連合軍各国はROKとともに軍事オプションを真剣に検討する必要がある。米国はアフガニスタン、イラク、シリアの再来は望まない。連合国は朝鮮半島再建は住民の手にまかすべきである
鮮戦争は恐ろしい悲劇だった。今度こそ朝鮮半島の住民の手による成功を支援し事態を終結させよう。国際社会は一世紀後にこの効果を評価するはずだ。
Danny Lam is a Senior Contributor to Warrior Maven
This article originally appeared on Warrior Maven.

2015年8月7日金曜日

核兵器の廃絶は逆に危険を招く。核抑止力の整備は今後も必要だ


平和は祈りさえすれば実現するものではありません。一方で戦争は天然災害とは違い、その気になれば防止できます。現実世界では核兵器があまりにも恐ろしい結果を生むために大規模戦闘の抑止力になってきたのが大国間の歴史です。これに対し核兵器全廃を主張する向きは独自の世界観を持っているようですが、逆に核兵器を全廃した場合の世界をどう考えるのでしょうか。また超大国による核兵器の応酬というこれまでの世界大戦観より非国家勢力による衝動的な核の使用があれば大変なことになります。広島の原爆記念日に日本では受けいられることのない主張ですが、あえて掲載することにします。

The Lessons of Hiroshima: We Still Need Nuclear Weapons

By BLAKE MCMAHON and ADAM LOWTHER on August 05, 2015 at 4:29 AM
米国が広島に原子爆弾を投下した70年前から戦争の形態は新時代に入った。8月6日の地上に出現した地獄は人類未経験の惨禍だった。
  1. 推定で広島の当時の人口38万人のうち最低9万人が爆発とともに死亡している。その後さらに数万人が放射線被曝で死亡している。東京大空襲ではもっと多くの死亡者が発生しているが、広島のように一度に死亡しているわけではない。
  2. 「リトルボーイ」爆弾が広島で、「ファットマン」が長崎で投下され、原子兵器の威力を見せつけた。ただし各爆弾の威力は15キロトン程度と今日の核兵器より相当小さい。
  3. 人道の見地から可能な手段を全て講じ今後の戦闘で核兵器が絶対に使われないようせねばならない。使用された場合の結果はあまりにも悲惨だ。
  4. 広島70回目の記念日を迎える中、核兵器全廃を主張する向きがある。「グローバルゼロ」運動などで、広島の惨状を伝え、核兵器削減・廃絶を訴えている。核兵器がなくなれば、使う可能性もなくなるというのがその主張だ。
  5. ただしその主張は過去の経験を正しく理解していない。
  6. 歴史、経験則そして論理から核兵器備蓄量を減らせば逆効果が生まれるといえる。核攻撃に踏み切ろうとする敵は想像を絶する反撃を覚悟せねばならないからだ。もしわが方の二次攻撃が敵に多大な損害を与えられないと、広島や長崎の例が示すように抑止力にならない。
  7. 冷戦が熱い戦闘にならなかったのは単に運の問題ではない。冷戦期に米国とソ連は危機状態のエスカレーションを多大な努力で回避してきた。自制できたのは核兵器の破壊効果が理解していた両陣営が慎重になっていたからだ。
  8. ソ連の崩壊で核兵器が不要になったわけではない。核廃絶論者の主張と反対に米国・同盟国の核兵器はより大きな役割を今後も果たすだろう。通常兵力の力不足を核兵器で補うべく、使用をためらわない敵が相手だからだ。もし米国が核抑止力の整備を怠れば通常戦は一気に核戦争に推移する。対照的に米国がグローバルゼロの先頭に立ち自国の兵器庫を空っぽにすれば悲惨な結果を招く。
  9. 世界各国に核兵力の放棄を説得すれば製造がなくなると考える空想の世界でさえも、歴史の教訓から平和な世界が到来するとは言えない。大国間の大規模戦闘を20世紀後半において核兵器が防止してきたのは事実だ。敵対する二大勢力が共に核兵器を保有すれば、核兵器応酬にエスカレートするのは必至なのでお互いに侵略行為はとれなくなる。
  10. 核兵器が破壊力の点ですざましい威力を持っているのは疑う余地がない。文明を完全に破壊する力がある。また放射線の効果はその後も続く。恐ろしい兵器であるからこそ今後も保有を続けなければならない。自制してきたからこそ人類は生き残ってきたことに疑いはない。
  11. 核兵器がすべての侵略行為を抑止するわけではない。だがもともとそのための存在ではない。核兵器の存在意義は敵の侵略行為を食い止め、米国・同盟国を守ることにある。脅威を発生させないことに価値がある。核兵器があるからこそ世界は安全で平和に保たれるのだ。
ブレイク・マクマホンは空軍研究所の研究員兼教授。アダム・ロウサーは空軍が新設した高等核抑止力研究スクールの所長。同スクールは戦略思考のエリートを養成することが目的。なお、本記事で表明した意見は原著者のものであり、米国空軍、国防総省、あるいは米国政府の公式見解を反映するものではない。■