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ホームズ教授がオフセットX戦略(ワーク=シュミット提唱)を読み解く。戦争を常態化させた中国ロシアへ西側は新しい思考で対抗すべき。

  今 月初め、Atlantic Monthly誌で、ロバート・ワーク Robert Work とエリック・シュミット Eric Schmidtが、特別競争研究プロジェクトで「オフセット-X」“Offset-X”の詳述を発表した。「あらゆる潜在的敵対者に対する軍事技術的優位を達成・維持し、中国の勝利理論を妨げ、インド太平洋地域で自由に力を発揮できる米国の能力を回復し、地域の安定への米国の約束を守る」意欲的努力だ。 野心的なアジェンダだ。各項目も、簡潔な文章で、扱いやすい長さであり、時間をかけて読む価値がある。 オフセット戦略とは、より大きな目標を達成するために、手持ちの経済的・軍事的資源をどのように展開するかを考える古典的な戦略ではない。むしろ、紛争の基本的性格を予見し、それを利用することだ。オフセットXは、米国の技術的優位を拡大する一方で、世界のレッドチームにより近年獲得された利益を取り返すための「技術中心の戦略的アプローチ」であると共著者は述べている。 核兵器は、初期のオフセット戦略だった。冷戦初期、ヨーロッパにおけるソ連の通常兵器の量に対抗するため、米軍は最終兵器を投入した。次に、精密誘導兵器がある。冷戦後期、西側諸国はソ連に対抗するため、精密な深部攻撃を可能となり、最終的に勝利した。 ワークは、オバマ政権からトランプ政権初期にかけて国防総省の副長官を務めた際、「第3オフセット戦略」の先駆者となった。特に、米国の武力覇権を維持する方法として、「人間と機械のチーミング」を謳った。人間と機械をチーム化することで、米軍は安価なプラットフォームと武器群で構成された部隊を、まとまりよく機敏に動かすことができると彼は宣言している。米軍は、敵より軽快に戦闘場面に応じ火力を発揮し、戦闘を余儀なくされた場合に、戦術的作戦的に大きく優位に立つことができる。要するに、彼は米軍に、小さく、多く、安く、ネットワーク化され、アップテンポを勧めたのである。オフセットXでも、人間・機械の連携が重要な位置を占めている。 ペンタゴンの国防革新ユニットの元チーフ、ワークとシュミット両名は、戦争の未来を覗き、厄介な傾向を見抜き、中国など敵対国に対する米軍の台本を逆転できると信じ一連の方策を打ち出している。 両名は、オフセットXを「競争戦略」と表現し、軍事戦略、作戦、戦力設計の分野で示唆に富む表現であ