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2026年10月10日土曜日

退役済み給油機KC-10エクステンダーの4機が提供される北アフリカ某国とはどこか

 

退役したKC-10エクステンダー給油機が北アフリカ某国で第二の人生を送る可能性が出てきた

Retired KC-10 Extender Tankers Could Get A Second Life With North African Mystery Operator

非公開の運用者のためKC-10を4機再生させる条件を米空軍が探っている

Just over two years after the U.S. Air Force retired the last of its KC-10A Extender aerial refueling tankers, four of those aircraft may be bound for a new career in North Africa for a mysterious end user.

米空軍

米空軍が最後のKC-10Aエクステンダー空中給油機を退役させて2年余り経過したが、うち4機が、北アフリカの謎の最終ユーザーのもとで新たな任務に就くことになるかもしれない。

空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)は昨日、契約公告を公表した。これは「情報提供および計画策定のみを目的」とするもので、「最大4機のKC-10エクステンダー機に、再生整備、1回限りの飛行許可、デポレベルでの再就役、世界規模のフェリー輸送、現地での請負業者物流支援(CLS)、運用・整備訓練を実施する能力、専門知識、施設を有する潜在的な業界供給元を特定することを意図し、(4)機のKC-10エクステンダー機」について実施する能力、専門知識、および施設を有する潜在的な業界供給元を特定すること」を明示した。

同公告はさらに、KC-10機が「余剰防衛物資(EDA)を通じて北アフリカのパートナー国へ移管される可能性がある」と付け加えているが、当該国の名称は明記されていない。

2025年、アリゾナ州デイビス・モンサン空軍基地の廃機置き場で確認された退役したKC-10給油機。米軍

空軍は 1981年から2024年にかけてKC-10を運用した。本誌は詳細情報を得ようと、米空軍および米国務省に問い合わせを行ったが国務省は、ペンタゴンに連絡するよう指示してきた。

EDAプログラムでは、米軍のニーズにとって不要とみなされた物資を、割引価格または無償供与の形で同盟国やパートナー国に移管することが可能となる。当該の外国は、資産の引き渡しにかかる費用に加え、必要に応じて改修費用も負担しなければならない。

ここで留意すべき重要な点は、エクステンダーは設計上、ブーム方式またはプローブ・アンド・ドローク方式のいずれでも受給機への空中給油が可能であるということだ。国際的には、プローブ・アンド・ドローク方式に対応した給油機の方が圧倒的に一般的である。この点については後ほど改めて触れる。

ブーム方式でF-16戦闘機に給油を行うKC-10。USAFプローブ・アンド・ドローク方式で米海軍のF/A-18ホーネットに給油を行うKC-10。USN

現在、この4機のKC-10を受け取る予定の北アフリカ諸国がどこであるかは不明だが、現在および計画中の航空機保有状況から判断すると、エジプトとモロッコが最も有力な候補と思われる。両国とも米国の主要な同盟国である。

エジプト空軍は現在、専用の空中給油機を運用していない。同国は、輸送機として、またプローブ・アンド・ドローク方式による給油機として使用するため、新型C-130J-30ハーキュリーズ2機を導入する手続きを進めている。すでにC-130を運用しているが、空中給油任務用に明確に構成された機体はない。また、エジプトは非常に多様な戦闘機を保有しており、その中には、ブーム方式による空中給油しかできない米国製のF-16バイパーも含まれている。

2023年の演習中に、米空軍のKC-10がエジプト空軍のF-16に給油を行っている様子。USAF/エミリー・ファーンズワース上級曹長

モロッコ空軍もF-16を運用しており、さらに追加導入を進めている。モロッコ空軍向けの初号機となる新生産型ブロック72 F-16Dは今週初め、初飛行を完了したばかりだ。モロッコは現在、独自の空中給油能力を有しているが、それはプローブ・アンド・ドローク方式による給油が可能なC-130によるものである。

前述の通り、KC-10はプローブ・アンド・ドローク方式だけでなくブーム方式でも受給機と接続できるよう設計されており、エジプトやモロッコが運用する他の戦術ジェット機への給油にも使用可能だ。余談だが、両国の戦闘機は、本記事の前半でも触れた通り、演習中に定期的に外国の給油機からの支援を受けている。つい先月、中国のYY-20給油機(Y-20Uとも呼ばれる)が、エジプトでの演習でこれを行って注目された。

4機のKC-10を受け取る予定の国がどこであれ、それらの航空機の現状については疑問が残る。本記事の前半で「エクステンダー」の設計上の能力について触れた。

マクドネル・ダグラス(現在はボーイングに吸収合併)は、1979年から1987年にかけて、米空軍に計60機のKC-10を納入した。「エクステンダー」は3発のDC-10旅客機を基に開発されたもので、DC-10の最終生産は1989年であった。米空軍は1987年の事故でKC-10を1機失っている。

残る59機のKC-10のうち、10機が昨年、飛行不能状態で競売にかけられた。理由は依然として不明だが、それらの機体の各翼の下から1基ずつエンジンが取り外されていた。これらの「エクステンダー」は最初に退役した機体の一部でもあり、2024年まで現役で運用される機体の予備部品として使用されるため、給油ブームは取り外されていた。民間の空中給油請負業者オメガ・エアが落札した模様である。オメガ・エアは、KC-10と概ね類似した元オランダ空軍のKDC-10給油機2機に加え、プローブ・アンド・ドローク方式専用の給油機に改造された別のDC-10も運用している。同社は ボーイング707をベースとした給油機も数機保有している。

オメガ・エアのKDC-10の1機が、米空軍のF-16に空中給油を行っている。USAF

残りの49機の「エクステンダー」の現状は不明である。議会は、年次国防政策法案、すなわち2026会計年度の国防授権法(NDAA)に、空軍に対し残りの退役KC-10を保存することを義務付ける条項を盛り込んだが、その維持については2025年9月30日時点の「同一の保管状態」に保つことのみを規定していた。2025年12月に法制化された法案では、空軍が既存の資産管理法に従い、当該機体を「処分」できることも明確にされている。

軍用機、特に大型機を再就役させるには、たとえ 極めて良好な状態で保管されていたとしても、多額の費用がかかり、複雑で、時間を要する作業となり得る。この特定のケースにおいて、EDAプログラムを通じてKC-10を極めて低い初期購入価格で取得することは、特に新造給油機を取得するコストと比較した場合、適切な買い手にとっては依然として魅力的な選択肢となり得る。

デイビス・モンサン空軍基地のボーンヤードでがKC-10に保護コーティングを施している。USAF

エジプトやモロッコのように、ブーム式給油機を運用したことがない国にとって、中古の「エクステンダー」は、将来の空中給油能力を獲得するため貴重な足がかりとなり得る。一般的に、自前の空中給油能力は、いかなる空軍にとっても重要な戦力増強要因となる。

KC-10が給油機ではなく貨物機として再生される可能性もあるが、その可能性は低いと思われる。貨物輸送は、米空軍での運用期間中、エクステンダーにとって重要な任務の一つでもあり、給油機として再就役しても、この役割を継続して果たすことは可能である。

老朽化したKC-10の運用や維持管理はますます困難になっていたものの、空軍の退役決定は物議を醸した。エクステンダーは、後継機KC-46より多くの燃料を積載できる、極めて柔軟性の高い給油機であった。明らかに、これらを運用することに依然として関心を示す勢力は他にも存在する。

AFLCMCの契約公告は、4機のKC-10の譲渡が既定の事実であるかのように提示しているわけではない点に留意すべきである。同時に、北アフリカにおける米国のパートナー国の一つが、退役給油機4機に新たな命を吹き込む可能性があることも明らかになった。

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフはTWZの副編集長として、当サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益かつ影響力のある防衛・国家安全保障に関するコンテンツを執筆している。彼はその渦中とも言えるワシントンD.C.エリアに在住している。


ディスカッション 16件のコメント

  • KC-10の退役には、いまでも首を傾げてしまう。運用コストは特に高くなく、圧倒的な能力を持ち、機体寿命もまだ十分に残っており、整備に関しては少なくとも妥当な規模の経済効果が得られるほど十分な機数を保有していた。少なくとも、それらは新たな……

  • 1982年頃、我々は「韓国習熟訓練(KFT)」のため、クラーク空軍基地からオサン空軍基地へF-4を6機展開させた。給油機を利用してノンストップで飛行する予定だった。ブリーフィング中の任務指揮官は「ところで、KC-10で給油することになる。これまでに経験した者はいるか?」と述べた。

  • 12人の乗組員のうち、誰も手を挙げなかった…

  • この機体は、356,000ポンドの燃料搭載量と170,000ポンドの貨物搭載量を備え、空中給油機としても貨物機としても機能します。まさに怪物のような機体だ……この機体は、286,000ポンドの燃料と170,000ポンドの貨物を同時に搭載できると思う……

    • 最大離陸重量は590,000ポンドだった。最大燃料搭載量は356,000ポンド。 最大積載量は、おっしゃる通り170,000ポンドでした。 空虚重量は241,000ポンドでした。 計算してみてください…離陸重量を590,000ポンド以下に抑えなければなりません。

  • ちょっと話題から外れますが、この記事でF-16がプローブ・アンド・ドロゲ給油ができないことについて触れられているので……

  • 2007年、スカンクワークスはプローブ・アンド・ドロゲ給油用に改造されたF-16の試験を行ったようです。このアイデアは実現しませんでしたが、誰かが試行錯誤していたようです。

  • (シンガポールも何か試験を試みたと思います……

  • タイミングが怪しいですね。退役する前にFMS(対外軍事販売)を通じて、すべての支援装備を揃えてから売却するのではなく、なぜ放置された状態になるまで待つのでしょうか?

    • 数年前には欲しがっていた人が、今は欲しがらなくなったからでしょうか?

    • なぜ「タイミングが怪しい」のかはよく分かりません。KC-46の開発が進むのを待っていたため、当時米空軍が処分を望まなかったという可能性から、単に買い手がいなかったという可能性まで、理由は様々でしょう。

  • これは、時折その運用を貸与するよう要請することになるかもしれない能力について、一部の同盟国に補助金を出すことになるのでしょうか?

  • 参考になる記事ですね、ジョー! 結局、どの国が給油機を手に入れることになるのか、興味深いところです。

  • なぜ、これらの国のいずれかが、本当にそのような能力を望んでいる、あるいは必要としていると考えるのでしょうか?

  • リビアが話題に上ってきましたね……

2025年4月14日月曜日

KC-10エクステンダー・タンカーが競売に(The War Zone) ― 空中給油は将来民間企業が行う業務になっているかもしれません。日本企業は...動かないでしょうね

 KC-10 for sale 

米空軍トレイシー・ケラー曹長


モスボール保存中のKC-10の売却が開始された。民間空中給油企業はどう動くか


アメリカ政府は、2024年9月に空軍が退役を完了させたKC-10エクステンダータンカー貨物機10機を売りに出している。注目すべきは、この航空機がすべて給油ブームを装着しない状態で提供されていることだ。 しかし、ブームを再搭載することは十分可能であり、また、ブームがなくてもホース・アンド・ドローグシステムを使用するオプションがあるため、現在軍用余剰タンカーを運航している民間空中給油会社にとって、同機は本当に興味深いものになるだろう。 一方、すでに運用中の民間のKC-10の予備部品供給源として、興味を引く可能性もある。

 10機のKC-10Aは現在GSAオークションのウェブサイトに掲載されている。具体的な尾翼番号は、86-0036、87-0120、83-0077、87-0122、79-1713、79-1949、86-0034、83-0081、87-0124、79-0434だ。


GSA Auctionsウェブサイトのリストの一部。 GSAオークションのスクリーンショット


 各機は現在、アリゾナ州デービスモンサン空軍基地の第309航空宇宙整備再生グループ(AMARG)の管理下にある。空軍最後のKC-10は2024年9月26日、基地上空やこの機種の歴史の中で特筆すべき場所の上空をお別れ飛行した後、処分場に運ばれた。


2020年7月13日、デービスモンサン空軍基地に着陸したニュージャージー州マクガイア・ディックス・レイクハースト統合基地の第305航空機動飛行隊からのKC-10は、基地内の第309航空宇宙整備再生グループ(AMARG)での保管プロセスを開始する。 アメリカ空軍


 空軍の広報担当者は本誌に対し、10機すべてが現在 "飛行不可能な状態 "にあることを明らかにした。「8機は2021年のGSA売却のため、エンジンが1基足りない状態」と広報官は付け加えた。「我々はエンジンを売りに出し、落札者はそれぞれのエンジンの取り外しに資金を提供した」。取り外された8基のエンジンはすべて、中央/後部の胴体ナセルではなく、主翼ナセルから取り出されたものだが、すべてのエンジンが同じ側から取り外されたのかどうか、広報担当者は明らかにできなかった。必要な機体からすべてのパワープラントを取り外すのではなく、なぜこのようにエンジンを取り外したのかも不可解である。

 KC-10は "ブームなし "で提供されるが、これはこれらの機体が最初に退役した機体の一部であり、ブームは当時現役だった機体をサポートするスペアとして使用するために取り外されたためである。KC-10の在庫は、このタイプの軍用機としてのキャリアの最後の数年間で、かなり急速に削減された。

「飛行可能状態にするためには、落札者はボーイングと協力して、ブーム・システムがあった部分を塞ぐフライ・アウェイ・キットを入手する必要がある」と空軍の広報は付け加えた。可能であれば、顧客はブームを再設置することを選択するかもしれない。


A KC-10 from Travis AFB refuels a B-52 from Edwards AFB in the skies over Southern California on May 16, 2024. Aerial Refueling is vital to long duration missions, even for the high-endurance B-52. (Air Force photo by Todd Schannuth)2024年5月16日、南カリフォーニア上空でエドワーズ基地のB-52に給油するトラ

ビス基地のKC-10。空中給油は、耐久性の高いB-52にとっても、長時間のミッションに不可欠だ。 (空軍撮影:Todd Schannuth)Todd Schannuth


 結局のところ、空軍はKC-135ストラトタンカー・ファミリーを補完する「重タンカー」として、DC-10-30CF民間トライジェット機体をベースとしたKC-10を取得した。DC-10の3つの主翼燃料タンクに加え、貨物床下に3つの大型燃料タンクを搭載したエクステンダーは、KC-135のほぼ2倍、356,000ポンド以上の航空燃料を収容できた。

 燃料の積み下ろしは主にブーム経由で行われたが、KC-10にはホース・アンド・ドリュー・システムが統合されており、米海軍機や海兵隊機、その他事業者が飛行させているるプローブを装備したレシーバーに、それ以上の改造を加えることなく燃料を補給することができた。 本誌は空軍に、現在提供されている航空機にも統合型ホース・アンド・ドロッグが装備されているかどうかを問い合わせている。


統合ホース・アンド・ドロッグシステムを操作するKC-10。 米空軍撮影:二等軍曹ルーク・キッターマン上級空兵


 さらに20機のKC-10は、複数のプローブ搭載レシーバーが同時にトップアップできるよう、翼に取り付けられたポッドを受け取った。売りに出されている機体にも給油ポッドが装着されているかどうかは不明。

KC-10に翼下給油ポッドとセンターラインバスケットを装備することは可能だろうが、給油ブームを再装着することがどれほど現実的であるかは不明である。


 ともあれ、先に述べたように、DC-10由来のタンカーが民間の空中給油会社と協力した前例はすでにある。

 KC-10と同様、オランダ空軍に買収された2機のKDC-10は、商業空中給油分野のパイオニアであるオメガ・エアが運用している。ヴァージニア州を拠点とする同社は、ブームを装備したタンカーを保有する民間事業者2社のうちの1社である。オメガはまた、ダグラスDC-10-40をプローブ&ドロッグ給油用に改造したKDC-10を1機保有している。

2023年11月6日、シンガポールのパヤレバー基地に向かう第51戦闘航空団の米空軍F-16に給油するオメガのKDC-10タンカー。 アメリカ空軍


オメガはDC-10ベースのタンカー・フリートを増強することに興味があるかもしれないが、この市場セグメントにおける唯一のプレーヤーではない。

 ブーム搭載タンカーを保有するもう1社であるメトレアは、シンガポール共和国空軍から取得した4機のKC-135Rをすでに運用しており、その後、フランス空軍宇宙軍が以前使用していた14機のKC-135タンカーを購入し、保有機体を大幅に拡大している。すでに米海軍と契約している同社は、米軍や外国の軍隊との新たな大きな機会を狙っている。  先月、メトレアはインド空軍に空中給油訓練を提供する契約を結んだと発表した。

 オメガがKC-707をKDC-10で増強したようにメトレアがKC-10でフリートを拡大しようとする可能性がある。 余剰のKC-10は、この成長市場でシェアを得ようとする他企業の興味を引くかもしれない。

 その一方で、これらはよく使われた機体であり、退役する初期の機体であるため、おそらくは、最近廃棄場に加えられた機体よりも消耗しているはずだ。 KC-10のより新しい機体がオークションに出品されたり、国防総省経由で入手可能になったりする可能性も今後あらわれよう。

 KC-10が初めて米空軍に就役したのは1981年のことで1987年、ルイジアナ州のバークスデール空軍基地で整備中に爆発と火災が発生し、1機が失われている。

 そのうちの1機の操縦席で煙が発生し、乗組員が避難を余儀なくされた。同じ事故では、乗員の脱出用スライドが作動しなかったため、別の不具合がすぐに明らかになった。


A KC-10 Extender assigned to the 305th Air Mobility Wing, McGuire Air Force Base, New Jersey, refuels an F-22 Raptor assigned to Langley Air Force Base, Va., during Razor Talon at Seymour Johnson AFB, N.C., on Feb. 7, 2013. Razor Talon is an Atlantic Coast monthly large force exercise and joint-unit training opportunity to employ cutting edge operational concepts such as AirSea Battle and Maritime Air Support. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Andy M. Kin)2013年2月7日、ニュージャージー州マクガイア空軍基地の第305航空機動飛行隊所属のKC-10が、ヴァージニア州ラングレー空軍基地所属のF-22ラプターにレイザー・タロン演習中に給油した。米空軍撮影/アンディ・M・キン二等軍曹 アンディ・M・キン二等軍曹


 この種の問題は、古い機体では珍しいことではないが、商業的に運用されていたDC-10やMD-11の多くが現役を退いたという事実は、元空軍のKC-10を購入する顧客にとっては、サポートが難しくなることを意味する。今年初めの時点で、DC-10/MD-11型は世界中で8機しか就航していない。

 一方、空軍にとっては、KC-10の退役以来、空中給油能力に顕著な空白が残っている。この問題は、将来の不測の事態、特にインド太平洋戦域の計画を立てることで、航空機が膨大な地理的距離で活動できるようにするため、タンカーにより多くの燃料を搭載する必要性があることが明らかになりつつあることで、さらに深刻化している。

 空軍の最後のKC-10が処分場に送られたとき、本誌は、機材の一部は、請負業者が運用し有用なサービスを提供できる可能性があると指摘した。現在提供されている10機についてわかっていることからすると、ブームを装備したタンカーとして飛行させるのは簡単ではないかもしれない。それでも、KC-10の能力には他の追随を許さないものがある。 少なくとも、既存または将来のDC-10ベースのタンカーオペレーターに貴重なスペアを提供できるだろう。

 入札は、4月15日から開始される。■


KC-10 Extender Tankers Are Up For Auction

The government has begun selling off the mothballed KC-10 fleet, which could present an opportunity for private aerial refueling companies.

Thomas Newdick

Published Apr 11, 2025 12:50 PM EDT


https://www.twz.com/air/kc-10-extender-tankers-are-up-for-auction


2024年10月6日日曜日

KC-10エクステンダー・タンカーが全機退役へ (The War Zone)

 KC-10 Extender tail #86-0036 performs its final mission as it heads of to the 309th Aerospace Maintenance and Regeneration Group at Davis-Monthan Air Force Base, Ariz., following a July 13 ceremony at Joint Base McGuire-Dix-Lakehurst, N.J., that marked the first retirement of 59 Extenders intended for eventual replacement by the KC-46A Pegasus. A total of three KC-10s from the Air Force’s Backup-Aircraft Inventory were congressionally approved for retirement during Fiscal Year 2020. As KC-10s are retired, the 309th AMARG will continue to support the remaining Extenders with spare parts as they are flown for several years while the KC-46A Pegasus is integrated into Air Mobility Command’s Total Force tanker enterprise. For nearly four decades, the KC-10 has helped secure global reach for America, providing in- flight refueling to U.S. and coalition aircraft, from Operations Desert Shield and Desert Storm to Operation Inherent Resolve. The KC- 10 is flown from JBMDL by both the 305th AMW and its associate Air Force Reserve unit, the 514th AMW.  

U.S. Air Force photo by Senior Airman Sean Hetz




トライジェットKC-10エクステンダー・タンカー輸送機の43年のキャリアに幕が下ろされたが、米空軍のタンカー機材構成案はまだ定まっていない



米空軍は本日、KC-10エクステンダーに正式に別れを告げ、1981年の初就航以来、タンカーおよび貨物輸送機として活躍してきた同機の功績を称えつつ、その最後の1機を処分場へ送り出した。KC-10の在庫はここ数年で急速に減少していた。


KC-10お別れセレモニーは、カリフォーニア州トラビス空軍基地の格納庫46で行われた。公式スピーチの後、最後のKC-10コールサインGUCCI 10はトラビスからアリゾナ州デービスモンサン空軍基地へ飛行した。トラビス基地のKC-10は1994年以来、第660航空機整備中隊の支援を受けた第6および第9空中給油中隊によって運用されていた。


「グッチ」または「ビッグ・セクシー」という非公式ニックネームを持つKC-10は、民生DC-10-30CFをベースとし、システム共通性の88%を保持していた。空軍は、KC-135ストラトタンカー・ファミリーを補完する「ヘビー・タンカー」としてKC-10を取得し、緊急に必要とされる追加タンカー能力を提供するために迅速に投入できることから選択された。KC-10はこのミッションに特に適していた。DC-10の主翼にある3つの燃料タンクに加え、貨物室床下にある3つの大型燃料タンクにより、KC-135のほぼ2倍、356,000ポンド以上の航空燃料を収容することができた。 KC-135Rのほぼ全機とは異なり、KC-10には独自の給油レセプタクルが装備されていた。つまり、KC-135や他のKC-10から燃料を補給し輸送距離を伸ばすことができた。もう1つの興味深い特徴は、KC-10が燃料を逆送できることで、別の航空機からブームで燃料を送り返すことができた。 


A U.S Air Force KC-10 Extender with the 76th Air Refueling Squadron, 514th Air Mobility Wing, is refueled by a KC-10 crewed by Reserve Citizen Airmen with the 78th Air Refueling Squadron, 514th Air Mobility Wing, over the Atlantic Ocean, Feb. 14, 2018. The 514th is an Air Force Reserve Command unit located at Joint Base McGuire-Dix-Lakehurst, N.J. (U.S. Air Force photo by Master Sgt. Mark C. Olsen)

2018年2月14日、大西洋上空で別のKC-10から燃料を補給される第514航空機動団第76空中給油飛行隊の米空軍KC-10。U.S. Air Force photo by Master Sgt. Mark C. Olsen Mark Olsen


その他の利点として、KC-10はホース&ドロッグシステムを統合しており、米海軍と海兵隊の航空機、および他のオペレーターが飛行するプローブを装備した機体に給油することができる。さらに20機のKC-10は主翼にポッドを取り付け、複数のプローブ搭載レシーバーで同時に燃料を補給できるようになった。


KC-10は積載のスペシャリストでもあった。重要な二次貨物輸送任務において、エクステンダーは貨物約17万ポンドと最大75人の乗客を約4,400マイルの距離にわたり輸送することができた。貨物輸送と同時に他の航空機への給油が可能なKC-10は、例えば、戦闘機の大洋横断配備を支援するのに理想的であった。米空軍は60機のKC-10Aを購入したが、1987年にルイジアナ州のバークスデール空軍基地で整備中に爆発と火災が発生し、1機が失われた。 


A KC-10 Extender assigned to the 305th Air Mobility Wing, McGuire Air Force Base, New Jersey, refuels an F-22 Raptor assigned to Langley Air Force Base, Va., during Razor Talon at Seymour Johnson AFB, N.C., on Feb. 7, 2013. Razor Talon is an Atlantic Coast monthly large force exercise and joint-unit training opportunity to employ cutting edge operational concepts such as AirSea Battle and Maritime Air Support. (U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Andy M. Kin)ニュージャージー州マクガイア空軍基地の第305航空機動飛行隊に配属されたKC-10がF-22ラプターに給油する。



オランダも同様のKDC-10を2機受領し、機体は現在は商業空中給油分野のパイオニアであるオメガ・エアが運用している。


2023年11月6日、シンガポールのパヤ・レバー基地へ向かう第51戦闘航空団の米空軍F-16Cに給油するオメガのKDC-10タンカー。米空軍 


 働き者のKC-10は、2018年に老朽化が目立ち始め、1機のフライトデッキで煙が発生し、乗員は避難を余儀なくされた。同じ事故では、乗員の脱出用スライドが作動せず、別の故障がすぐに発覚した。この問題は全フリートに影響を及ぼしていることが判明した。同時に、DC-10やMD-11が、民間航空会社から撤退し、貨物輸送会社からも姿を消したことで、KC-10もサポートが難しくなっていた。 

 やがて空軍は、KC-10を退役させる方法を模索していた。軍内部を含む抵抗にもかかわらず、議会は最終的に分割を承認した。 2020年7月、最初の機体がデイビスモンサン空軍基地に到着し、米空軍のKC-10フリートの退役が始まった。米空軍のKC-10は昨年10月5日、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地(PSAB)を出発し、最後の戦闘配備を終えた。KC-10の経歴には、米空軍中央軍(AFCENT)の責任範囲内で30年以上費やされ、不朽の自由やイラクの自由を含む軍事作戦を支援したことが含まれる。


2023年10月5日、サウジアラビアのプリンス・サルタン空軍基地(PSAB)で最後の戦闘配備を行った後、出発を始めるKC-10に敬礼する米空軍兵士。米空軍撮影:Tech.アレクサンダー・フランク曹長 


KC-10が退役した現在も、空軍は将来のタンカー・フリートの選択肢を検討中だ。 KC-10の当面の後継機はKC-46ペガサスだが、この機体はその開発において問題に事欠かず、就役した現在も続いている。 


151019-F-HP195-037 OWENS VALLEY, Calif. (Oct. 19, 2015) Photos of Boeing's KC-46A, lower right, conducting tests of aircraft acceleration and vibration exposure while flying in receiver formation at various speeds and altitudes behind either the KC-10 Extender or the KC-135 Stratotanker. Testing for this phase was coordinated from Edwards Air Force Base, Calif., and conducted above Owens Valley and parts of the western Mojave Desert.KC-10エクステンダーの後ろで給油レシーバー・テストを行うKC-46(右下)と、その後ろで給油の順番を待つKC-135ストラトタンカー。米空軍 U.S. Air Force Photo by Christopher Okula 


以前は、KC-135の後継となるKC-Xと対をなすKC-Yプログラム(最終的にKC-46が選定された)でKC-10後継機を実戦配備する計画があった。


今問題になっているのは、空軍が179機のKC-46の最後の1機を受領した後どうなるかである。KC-46が納入され次第、空軍はさらに75機の空中給油機の導入を始めたいと考えており、以前は「ブリッジ・タンカー」と呼んでいた。ブリッジ・タンカーは、KC-46の増産、ロッキード・マーティンのLMXT、あるいは請負業者ベースのリース・ソリューションになる可能性もあるが、空軍が本当に望むタンカーを手に入れるまでの暫定的な解決策と考えられており、その設計の中核要素として生存性を特徴とする可能性が非常に高い。


ロッキード・マーチンのスカンクワークスによる将来の低視認性タンカーのコンセプト。ロッキード・マーティン 


 この種のタンカーが就航する頃には、冷戦時代のKC-10はさらに時代遅れに見えるだろう。とはいえ、同型機は請負業者が運用する形で有用なサービスを提供している。そうなれば、KC-10の米軍機への給油のキャリアは終わらないかもしれない。■


Final KC-10 Extender Tanker Flies Into Retirement

The flight from Travis Air Force Base in California will bring down the curtain on a 43-year career for the trijet KC-10 Extender tanker-transport.

Posted on Sep 26, 2024 3:15 PM EDT


https://www.twz.com/air/final-kc-10-extender-tanker-sent-into-retirement


2023年10月7日土曜日

KC-10の退役が進んできた。最後の戦闘ミッションを終了し、24年9月に全機姿を消す。次期タンカーが決まらず、KC-135も稼働を続けざるを得ない中、中国を睨んで給油機の体制に不安が残る。

U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Alexander Frank


米空軍はKC-10エクステンダー・タンカーの退役を2024年9月までに完了する

 空中給油と空輸を提供してきた40年以上の後、米空軍のKC-10Aエクステンダーが最後の戦闘任務を飛行した。空軍は2020年からKC-10を廃棄処分場に送り始めたが、今回のマイルストーンは、同型機の引退がいよいよ間近に迫っていることを示している。

国防視覚情報配信サービス(DVIDS)が本日公開した写真には、10月5日にサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地(PSAB)を出発するKC-10が写っている。添付されたキャプションによると、エクステンダーの離脱は、同基地における同型機の最後の戦闘配備を終了させた。

2023年10月5日、サウジアラビアのプリンス・スルタン基地(PSAB)でエクステンダー最後の戦闘配備を行い、出発を始めるKC-10に敬礼する米空軍兵士。米空軍撮影。アレクサンダー・フランク軍曹

The departure of the KC-10 at PSAB marked the end of the over 30 years of service for the type within the U.S. Air Forces Central (AFCENT) area of responsibility. <em>U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Alexander Frank</em>

PSABでのKC-10の離陸は、米空軍中央軍(AFCENT)担当区域内での同型機の30年以上にわたる任務の終わりを意味する。米空軍撮影:Tech. アレクサンダー・フランク軍曹

航空機動軍団(AMC)は、今回がKC-10の最後の戦闘配備であることを本誌に確認した。AMCのジェシカ・ブラウン報道官は、「40年近くにわたり、KC-10はアメリカのグローバル・リーチの確保に貢献してきた。KC-10は間もなく母国へ再配備される予定です」。

KC-10の経歴には、PSABを含む米空軍中央部(AFCENT)の責任範囲内で過ごした30年以上が含まれる。その間、KC-10は不朽の自由作戦とイラクの自由作戦を含む様々な軍事作戦の支援で重要な役割を果たした。

以前のDVIDSメディアリリースでは、10月3日、PSABに帰還する最後の戦闘出撃に参加したKC-10の画像を提供した。問題の航空機は、第378航空遠征航空団内の暫定部隊である第908遠征空中給油飛行隊(EARS)に配属されていた。

第908飛行隊の不活性化式典は、その後10月4日にPSABで行われた。

KC-10の退役への歩みは続いている。9月15日現在、37機のKC-10がボーンヤードに置かれている。

オランダもKDC-10を2機受領し、現在は商業空中給油分野のパイオニアであるオメガ・エアが運用している。

A former Royal Netherlands Air Force KDC-10 refuels an F-35 Joint Strike Fighter.&nbsp;<em>Omega Air</em>

F-35統合打撃戦闘機に給油する旧オランダ空軍のKDC-10。オメガ・エア

2020年7月、私たちは最初のKC-10がアリゾナ州デービスモンサン空軍基地の焼却場に送られたことを報告した。

空軍は当初、KC-135ストラトタンカー・ファミリーを補完する「ヘビー・タンカー」としてKC-10を購入し、DC-10-30CFをベースにした設計を選択した。特に、長距離を飛行する大型の満載輸送機への給油に必要であった。

KC-135と比較すると、KC-10の追加燃料タンクはほぼ2倍の積載量、356,000ポンドの航空燃料を搭載できる。ストラトタンカーとは異なり、KC-10Aはブームに加えてホース・アンド・ドロキュー・システムも内蔵しているため、米海軍機や海兵隊機、また他のオペレーターが飛行するプローブ装備のレシーバーにも容易に燃料を補給できる。

KC-10は主な給油任務のほかに、貨物輸送という重要な任務も担っており、ハンヴィーなどの軽車両を含むさまざまな貨物を運ぶことができる。

しかし、数十年にわたる運用がKC-10フリートに負担をかけ始めた。2018年5月、フライトデッキで煙が発生し、乗員は避難を余儀なくされた。脱出用スライドが作動しなかったことから、安全システムの別の不具合が明らかになり、全機に影響を及ぼした。

このような事故がKC-10の運命を決定づけた。軍内部を含む抵抗にもかかわらず、議会は結局、空軍の退役計画を認めた。現状では、2024年9月までに最後の1機が退役する。

KC-10の当面の後継機は、問題の多いKC-46ペガサスで、ペガサスの納入は続いている。一方、KC-Xとして選定されたKC-46は、KC-135の後継機と目されていた。

KC-46は退役するKC-10の一部も置き換えるが、空軍の将来のタンカー・フリートの構成については疑問が残ったままだ。

空軍はKC-46を179機購入しており、最後の機体は2029年に引き渡される。KC-46は暫定的な能力を提供する想定で、将来の先進的な空中給油機(設計の中心要素として生存性を強調する可能性が高い)を調達する。

Lockheed Martin concept artwork of a future blended wing-body tanker design offering a certain degree of stealth. <em>Lockheed Martin</em>

ロッキード・マーティンが描いた、ある程度のステルス性を備えた将来の混合翼ボディ・タンカーのコンセプト・アートワーク。ロッキード・マーティン

ブリッジ・タンカーは、140~160機購入が検討されていたが、現在は75機に削減された。今回もKC-46が候補に挙がっているが、人気の高いエアバスA330マルチロール・タンカー・トランスポート(MRTT)をベースにしたロッキード・マーチンのLMXTや、請負業者ベースのリース・ソリューションなど、他の候補もある。

かつてのオランダのKDC-10のように、空軍が退役KC-10を民間企業が引き取り、米軍に売却する可能性さえある。しかし法的・規制的ハードルが乗り越えられないことが判明しており、このような提案は実現しなかった。ただし、この分野でも最近進展があり、メトレア所有のKC-135Rタンカーが今年6月の訓練で初めて米空軍機に給油した。

民間の航空宇宙企業であるメトレアは、同社のKC-135Rがレゾリュート・ハンター23-2演習で空軍に空中給油支援を提供したというプレスリリースで、このマイルストーンを発表した。レゾリュート・ハンターは米海軍主導の年2回の演習で、「国防総省唯一の戦闘管理・指揮統制・情報・監視・偵察(BMC2ISR)専用演習である」と同軍は発表している。空軍と諸外国の空軍は、ネバダ州にある海軍ファロン基地(NASファロン)から行われるこのイベントに日常的に参加している。

タンカーとKC-46の追加により、空軍は既存のKC-135の半分以上の代替をカバーするが、それでもストラトタンカーのかなりの部分が残る。米軍は将来起こりうる太平洋での戦争に備え、タンカー能力はこれまで以上に必要となると見ている。そのことを考えれば、今、空軍のタンカーを退役させるのは、厳密な必要性がない限り、時期尚早かもしれない。

全体として、空軍の将来のタンカー・フリートがどのようなものになるのか、また、老朽化したKC-135フリートの縮小が続く中、機数が空中給油ニーズの高まりに応えられるのかどうかについては、多くの疑問が残る。はっきりしているのは、KC-10の最終的な退役で、一年弱後に最後の機体が惜しまれつつ退役することになる。■

KC-10 Extender Has Flown Its Last Combat Mission | The Drive

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED OCT 5, 2023 2:13 PM EDT

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