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2025年7月30日水曜日

タイ空軍のグリペン戦闘機がカンボジアで初の実戦投入、しかし販売にはずみがつくか疑問(Breaking Defense)—米国製の戦闘機が高価で変えない各国には魅力的な選択肢になるはずなのですが、現実は底まで簡単ではないようです

 


タイとカンボジアは敵対行為を停止した模様だが、グリペンの本国スウェーデンで注目が集まっている

スウェーデン軍のグリペン3機(スウェーデン軍)

イ王国空軍(RTAF)は、週末にカンボジア上空でサーブグリペン戦闘機が投入されたことを認めた。これはスウェーデン製ジェット機から実戦で武器が発射された初めての事例となった。

タイによる空爆は月曜日の停戦発表後、一時停止された模様ですが、スウェーデンとサーブにとって厄介なタイミングとなった。タイは現在、11機保有するC/D型グリペン戦闘機を拡大するため、新たなグリペン購入交渉の真っ最中だからだ。また、月曜日に本誌へのコメントで、スウェーデン外相はタイの新たな購入承認について明言を避けている。

タイとカンボジアの衝突は先週金曜日に激化し、双方から砲火が交わされた。タイは、「タイの国家安全保障に脅威を及ぼす軍事目標」を標的とし、国際法および国連憲章に基づく自衛権に従って実施されたと主張している。

過去のメディア報道によると、グリペン戦闘機はF-16戦闘機と共に、カンボジア国境付近のカンボジアの砲兵部隊と地上目標に対し、GBU-12レーザー誘導爆弾で精密空爆を実施した。

現在まで公開されている情報によると、サーブJAS 39 グリペンは、1988年に実施された初号機のテスト飛行以来、37年後に戦闘使用された。これまで、リビアでのスウェーデンのNATO作戦やNATOの空域監視任務など、偵察任務などに限定して使用されてきた。

タイの同機投入がサーブの今後の販売に影響を与えるかどうかが注目されている。

2025年6月、タイは12機のE/Fグリペン購入計画を発表し、近日中に注文が予定されている。スウェーデンの議会(リクスダゲン)は、タイとの間で最大12機の新型グリペンと追加の防空システムに関する契約締結の権限を政府に付与したが、契約は未締結だ。

この輸出契約は、政府による承認が必要であり、多くの手続きを経る必要がある。最終決定権は、外務大臣のマリア・マルメル・ステナーガードであり、同省の軍縮・不拡散局および国家機関である戦略製品検査局(ISP)を通じて行使される。

ステナーガード外相は月曜日に本誌の質問に対し、タイの新たな購入承認について明言を避け、同国政府は「国境紛争の動向を注意深く監視している」と述べた。

スウェーデンの輸出管理規則によると、軍事装備品の輸出許可審査は、政府が正式な決定を行う前にISPが行うとある。

国防相パウル・ジョンソンの代理報道官は、本誌に対し、これは外務大臣が対応すべき問題だと述べた。「国際法、特に国際人道法が尊重され、すべての当事者が緊張緩和、対話、紛争の平和的解決に向け努力することが最も重要です」と、外務省報道官は火曜日にタイがグリペン戦闘機の戦闘使用を確認した後、本誌への追加声明で述べた。

タイ以外では、スウェーデン、南アフリカ、ブラジル、ハンガリー、チェコ共和国がJAS 39 Gripenを運用している。E/Fモデルはコロンビアとペルーも検討中だ。

また、タイはサーブのエリエイ空中監視システムを運用しており、これは「タイの指揮当局に全国規模の状況を完全に把握する能力を提供する」と、サーブのプレスリリースで説明がある。同社は1980年代半ばからタイで活動しており、「タイはサーブの最重要な顧客の一つ」と述べている。■

After Thailand’s Gripen’s combat mission, questions of future sales

Thailand and Cambodia appear to have halted hostilities, which raised eyebrows in the Gripen's homeland of Sweden.

By Jonas Olsson on July 29, 2025 1:33pm pm

https://breakingdefense.com/2025/07/after-thailands-gripens-combat-mission-questions-of-future-sales/


2025年7月10日木曜日

タイのグリペン戦闘機がカンボジアで初の戦闘任務に投入されたが、今後の販売にはずみがつくか疑問もある(Breaking Defense)


タイとカンボジアは敵対行為を停止した模様だが、グリペンの本国スウェーデンで注目が集まっている

スウェーデン軍のグリペン3機編隊(スウェーデン軍)

イ王国空軍(RTAF)は、週末にカンボジア上空でサーブグリペン戦闘機が投入されたことを認めた。これはスウェーデン製ジェット機から実戦で武器が発射された初めての事例となった。

タイによる空爆は月曜日の停戦発表後、一時停止された模様ですが、スウェーデンとサーブにとって厄介なタイミングとなった。タイは現在、11機保有するC/D型グリペン戦闘機を拡大するため、新たなグリペン購入交渉の真っ最中だからだ。また、月曜日に本誌へのコメントで、スウェーデン外相はタイの新たな購入承認について明言を避けている。

タイとカンボジアの衝突は先週金曜日に激化し、双方から砲火が交わされた。タイは、「タイの国家安全保障に脅威を及ぼす軍事目標」を標的とし、国際法および国連憲章に基づく自衛権に従って実施されたと主張している。

過去のメディア報道によると、グリペン戦闘機はF-16戦闘機と共に、カンボジア国境付近のカンボジアの砲兵部隊と地上目標に対し、GBU-12レーザー誘導爆弾で精密空爆を実施した。

現在まで公開されている情報によると、サーブJAS 39 グリペンは、1988年に実施された初号機のテスト飛行以来、37年後に戦闘使用された。これまで、リビアでのスウェーデンのNATO作戦やNATOの空域監視任務など、偵察任務などに限定して使用されてきた。

タイの同機投入がサーブの今後の販売に影響を与えるかどうかが注目されている。

2025年6月、タイは12機のE/Fグリペン購入計画を発表し、近日中に注文が予定されている。スウェーデンの議会(リクスダゲン)は、タイとの間で最大12機の新型グリペンと追加の防空システムに関する契約締結の権限を政府に付与したが、契約は未締結だ。

この輸出契約は、政府による承認が必要であり、多くの手続きを経る必要がある。最終決定権は、外務大臣のマリア・マルメル・ステナーガードであり、同省の軍縮・不拡散局および国家機関である戦略製品検査局(ISP)を通じて行使される。

ステナーガード外相は月曜日に本誌の質問に対し、タイの新たな購入承認について明言を避け、同国政府は「国境紛争の動向を注意深く監視している」と述べた。

スウェーデンの輸出管理規則によると、軍事装備品の輸出許可審査は、政府が正式な決定を行う前にISPが行うとある。

国防相パウル・ジョンソンの代理報道官は、本誌に対し、これは外務大臣が対応すべき問題だと述べた。「国際法、特に国際人道法が尊重され、すべての当事者が緊張緩和、対話、紛争の平和的解決に向け努力することが最も重要です」と、外務省報道官は火曜日にタイがグリペン戦闘機の戦闘使用を確認した後、本誌への追加声明で述べた。

タイ以外では、スウェーデン、南アフリカ、ブラジル、ハンガリー、チェコ共和国がJAS 39 Gripenを運用している。E/Fモデルはコロンビアとペルーも検討中だ。

また、タイはサーブのエリエイ空中監視システムを運用しており、これは「タイの指揮当局に全国規模の状況を完全に把握する能力を提供する」と、サーブのプレスリリースで説明がある。同社は1980年代半ばからタイで活動しており、「タイはサーブの最重要な顧客の一つ」と述べている。■

After Thailand’s Gripen’s combat mission, questions of future sales

Thailand and Cambodia appear to have halted hostilities, which raised eyebrows in the Gripen's homeland of Sweden.

By Jonas Olsson on July 29, 2025 1:33pm pm

https://breakingdefense.com/2025/07/after-thailands-gripens-combat-mission-questions-of-future-sales/


2024年9月1日日曜日

タイ王国空軍がF-16を退けグリペン購入に傾く―海外採用が芳しくなかったサーブには大きな後押し(Breaking Defense /The War Zone)

 Gripen

Saab


サーブは「前向き」な一歩としつつも、最終決定権は同国政府にあると慎重な姿勢だ


イは次世代戦闘機グリペンの選定に一歩近づいた。 

 タイ軍は次期戦闘機の選択肢にサーブ・グリペンE/Fを公的に支持した。

 タイ空軍(RTAF)がFacebookページに投稿した声明によると、グリペンはタイ空軍の機体近代化に「最も適した」選択肢であると認識されている。

 RTAFは、初期型のグリペンC/Dを運用しているが、グリペンE/Fは、まったく新しい航空機といってよいほどの大幅な能力向上をもたらす。 

 サーブは、「RTAFがサーブのグリペン戦闘機の購入を希望していることを確認している」と広報担当者が本誌に語った。「これは明らかにサーブにとってもスウェーデンにとっても非常にポジティブなことだが、現時点では契約も発注も行われていない。サーブは、タイの将来の戦闘機能力に関して、タイ空軍および当局と話し合いを続けることを楽しみにしている」。 

 以前の報道では、RTAFはグリペンに傾いているとされていたが、今日まで公式には何も発表されていなかった。

 『バンコク・ポスト』記事によると、決定の大きな要因は、両チームがどのような産業オフセット(請負業者が購入国に提供する副次的な利益で、しばしば取引の甘みとして機能する)を提供するかだったが、これらのパッケージの詳細は現在公表されていない。

 ロイター通信によると、タイ政府は2025年から2029年の間に4機を購入するために5億6,000万ドルの予算を組んでおり、2034年までにさらに8機を購入するのが目標としている。 

 最終的な購入決定には、タイ内閣の承認が必要となる。


A single-seat Gripen E. Saab www.twz.com


 タイはグリペンとF-16双方の旧型を運用しているため、最終的な選択がどうなるかにかかわらず、同国のパイロットが次世代戦闘機に移行する際の学習曲線は少なくて済むはずだ。 

 当初、新しいグリペンは、コラートを拠点とする102飛行隊が運用するRTAFの最古のF-16(1987年発注の残存機)に取って代わると予想されていた。 

 しかしその後、RTAFはF-5E/Fの代替を必要としており、2031会計年度からさらに12~14機を取得する予定だ。

 タイは最後のタイガー運用国のひとつである一方、イスラエルのエルビット・システムズとラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズによって新しいソフトウェアとハードウェアで改造された装備の充実ぶりも際立っている。スーパー・タイガーとして知られるこれらの航空機は、新しいレーダー、電子戦スイート、グラスコックピットを装備し、パイロットにはエルビット・システムズのヘルメット装着型ディスプレイが提供される。 

 アジア太平洋地域の各国とは対照的に、タイは近年、中国とかなり友好的な関係を保っており、北京との間に領土問題はない。

 しかし、タイは中国との関係を維持する一方で、最近では米国との安全保障上の関係を深めようとしている。タイは中国を直接の脅威とは考えていないため、タイ軍は現在も米国との定期的な軍事演習に参加しており、なかでもコブラ・ゴールドはこの地域で最大かつ最も長期にわたって実施されている多国籍軍事演習のひとつである。

 同時に、2006年と2014年のクーデター以降、米タイ関係に摩擦が生じている。中国はその溝を多少なりとも埋めようと動き、合同航空演習や武器移転の増加など、タイとの軍事協力の深化を開始した。米国が供給するF-16やF-5が中国軍との演習に参加することを禁じられていることは注目に値するが、この制限はグリペンには適用されない。 

 タイはブラジルに次いでグリペンE/Fの2番目の輸出先となる。サーブは2014年にブラジルと36機のグリペンE/Fの契約を結んでおり、さらに72機の追加を長期的に要求している。スウェーデン空軍もまた、60機のグリペンEを獲得している。


A formation of RTAF Gripen C/Ds. Saab Katsuhiko TOKUNAGA/DACT,INC.


 しかし、それ以外では、グリペンE/Fは、参戦した複数の国際戦闘機コンペティションで失敗しか見ておらず、特に、まったく異なるレベルの能力を提供する米国製F-35ステルス戦闘機やF-16を支持して却下された。 

 後続の受注の見込みもほぼ確実なことから、サーブがタイでグリペンE/Fのさらなる受注を獲得する可能性は高そうだ。バンコクからの今回の後押しは、これまで限定的な成功しかなかったグリペンE/Fで将来の競争における可能性を向上させるだろう。■

  


Thailand’s air force supports buying Gripen fighters over F-16

Saab called it a "positive" step but cautioned that the government will have the final procurement say.

By   Aaron Mehta

on August 27, 2024 at 4:44 PM

https://breakingdefense.com/2024/08/thailands-air-force-supports-buying-gripen-fighters-over-f-16/



Thailand Chooses Gripen E/F As Its New Fighter

After repeated losses in international fighter competitions, the Swedish Gripen E/F just got a major boost.

Thomas Newdick

Posted on Aug 27, 2024 4:03 PM EDT

https://www.twz.com/air/thailand-chooses-gripen-e-f-as-its-new-fighter



2014年3月22日土曜日

新型グリペンのセンサー装備はステルス機にも有効な高性能


Gripen Sensors Claim Counter-Stealth Performance

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 17, 2014
Credit: Saab

サーブJAS 39E用に新開発のセンサー装備はレーダー断面積(RCS)が低い目標の捕捉が可能であり、パイロットに新しい次元の状況認識を与えると、高性能センサーのメーカー、Selex-ESは説明している。

  1. JAS 39E はSelex-ES製センサーを三基搭載する。レイヴン Raven ES-05アクティブ電子スキャンアレイレーダー(AESA)は同社のエディンバラ事業所が開発したもので生産型AESAとしてはじめて回転機構にとりつけたことで機首から ±100度の視野を実現した。スカイワード Skyward-G 赤外線捜索追跡infrared search and track (IRST) システムはユーロファイターのIRSTとSelex製の陸上および船舶用IRSTの経験を取り入れたもの。同戦闘機には新型敵味方識別(IFF)システムに選択式の電子アンテナアレイ三基をとりつけてレーダーの有効範囲と視野角に対応している。
  2. 三系統のセンサーは自動的にパイロットに機体周囲の空間で何が起きているかを知らせるとともに、JASの新型電子戦システムとも統合している。さらにセンサーのデータはデータリンクでグリペン編隊で共有される。
  3. IRSTにより低RCS機体を相当の距離から探知でき、視界外の目標にミサイル発射を可能とする。目標と周囲のごくわずかな温度差を探知し、赤外線吸収塗料は通常塗装よりも摩擦を起こしやすく、動力学的な発熱を起こすのでIRSTはこれを見逃さない。スカイワードGは超音速飛行中の目標だけでなく300から400ノットで飛行中の目標なら機体表面の摩擦熱やエンジン排気で探知可能だ。
  4. IRSTでは長波の焦点面アレイセンサーを使い三面の視野を確保する。長距離捜索ホードでは赤外線望遠鏡の機能があり、高速スキャンミラーと「ステップスキャン」を捜索対象に使う。また単一目標追跡モードがあり、広角モードでは暗視画像をヘッドアップディスプレーに表示できる。IRSTはパッシブシステムなのでもともと距離データはないが、「力学的測距」 “kinetic ranging”と呼ぶ飛行方向を変更で目標への方位角も変化することで距離が把握できる。またIRSTを2機が同時に使い三角測量で目標を補足できる。
  5. IRSTのハードウェア構成は光学部分、探知部分と処理プロセッサーであるが、最大の改良はアルゴリズムを実地使用結果から進歩させたことで、赤外線の特徴を詳細に見分けることができるようになっている。
  6. IRSTによりレーダーは目標の正確な方位角と高度を把握できるので、目標探知追跡の可能性が低RCS機に対しても高くなる。AESAにより事実上瞬間的に±70度以内でビームを操作したスキャンが可能だが,グリペン2機のレーダーとTAU-Linkでそれぞれの目標を広角で表示する実証が予定されている。
  7. 新型IFF装置はレーダーの有効視野全体をカバーしつつ、レーダーとは別に作動する。この方法が選択されたのは友軍や民間機の情報を最大限に取得しつつ、IRSTとレーダーに敵性の高い航空機に専念させることにある。

2014年3月18日火曜日

グリペン新型は低コストで高性能を狙い、輸出にも積極的


New Gripen Aims For Low Cost, High Capability

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 17, 2014
Credit: Gripen

サーブはスウェーデン空軍、Selex-ESとともに新型JAS 39Eグリペン戦闘機の詳細を公表した。同機は6年間にわたるリスク軽減開発期間を経て正式開発段階に入って一年が経過している。JAS 39Eは現行のJAS 39C/D型と共通する機体構造部品やシステム要素は一部しかないが、武装統合化の経験を引き継ぎ、C/D型のソフトウェアを進化させている。
  1. JAS 39Eは従来型より総重量が増えており、内部搭載燃料も2,400 lb. 増える。主降着装置の設計変更によるもので、従来の機体内部引き込み式が主翼下のバルジに格納されるようになったためだ。機首の前輪も二輪式から大型の一輪になり、滑走路に設置した緊急拘束ケーブルに対応する。機体構造を見直し、主翼と機体を滑らかにし、内側の主翼パイロンにつなげ、そこから外翼がついており、胴体の形状も燃料搭載量を増やすため編k脳になている。ただし、設計変更により機体の空虚重量比率が変わり、搭載量が増えている。
  2. JAS 39E はステルス機に対しては統合マルチスペクトラル式センサーで捕捉をする。アフターバーナーを使わず巡航速度はマッハ1.25で、実戦化は2018年で兵装類一式が利用可能となる。そのなかにはMBDA製メテオ空対空ミサイル(ラムジェット推進)も含む。スウェーデン空軍の固定価格契約では60機を完成させることになっており、JAS 39Cを改装し新型エンジン、エイビオニクス含む基本構成で価格は43百万ドルだ。
  3. JAS 39E はステルス機ではないが、開発契約ではこれまでよりも低いレーダー断面積 (RCS) の実現を求めており、新型のスウェーデン製電子戦システムとして窒化ガリウム gallium nitride アンテナ技術を投入し、情報集監視偵察センサー機能をもたせ、Selex-ES製のブライトクラウド Brite Cloud アクティブデコイを搭載する。RCS削減で高性能の敵機からも十分生き残れる見込みで、スホイT-50にも対抗できるほか、新型地対空ミサイルからも逃れることができるが、F-35のようなステルス機の構造ではないので、コストとリスクを軽減している。
  4. 同機を最初に導入するスウェーデン空軍とスイス空軍は単座機の導入しか予定していないが、同時開発中の複座型JAS 39Fの導入がブラジルで検討中で同国は昨年12月にサーブ導入を決めている。
  5. JAS 39Eは39Cより調達価格を下げるねらいがあるが、性能は向上しており、運用コストもほかの戦闘機より低くする。スウェーデン空軍はJAS 39Cの時間当たり運用費用は $7,500 と報告しており、サーブの目標はJAS 39Cで使用した金型工具や製造工程を使って従来の6割のコストで生産することだ。
  6. 同機開発には今年になり大きなイベントがある。5月18日にスイスは国民投票でJAS 39E22機の導入の是非を問う。サーブ幹部もこの投票は僅差になると認めている。その次にブラジル向け36機の商談を年末までにまとめる。.
  7. サーブがかかげる営業目標はJAS 39E を今後20年間で300機から450機輸出することである。この規模は「想定市場規模」の1割を確保することだという。グリペンの輸出が始まってから商談成約率は5割だという。
  8. 営業の重点国にはデンマークがあり、マレーシアも長年にわたり採用を狙っている相手先だ。ブラジルの発注は先鋒となるとみられ、同国が運用するF-5やアレニア・エンブラエルA-1の代替機となる。
  9. JAS 39E の先行開発機材3機は2015年上半期に初飛行すると同社は予定している。また生産機材に近い状態の開発機は2017年に初飛行するという。■


JAS 39C
JAS 39E
空虚重量, lb.
13,000
less than 14,000
機体内燃料搭載量, lb.
greater than 5,000
greater than7,400
最大離陸重量, lb.
30,900
36,400
発動機
Volvo RM12
GE F414-GE-39E
中間・最大推力 lb.
12,150/18,100
14,400/22,000
スーパークルーズ能力
No
Mach 1.25
レーダー
Mechanical scan
AESA
IRST
No
Yes
コックピットディスプレイ
3 6 X 8 in.
1 8 X 20 in.