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2024年2月8日木曜日

海軍のミサイル防御で最後の砦ガトリング砲で初の実戦実績が生まれたが....(2024年1月30日 紅海)

 



紅海での事件は、ファランクス近接武器システムが機能することを証明したが、同時に、海軍の長距離防衛システムがどこまで効果的なのかという疑問も投げかけている。


✅ 要点:

  • 開発から50年の米海軍のファランクス近接攻撃兵器システムが、海上でついに戦果を挙げた

  • USSグレイブリーで同兵器がフーシの対艦ミサイルを撃ち落とした

  • ファランクスは20ミリのガトリング砲とレーダー・システムを組み合わせたもので、艦船へ向かう脅威を近距離で自動的に撃ち落とす


海での画期的な交戦で、米海軍の駆逐艦が、向かってきたフーシ派の対艦巡航ミサイルを撃ち落としたが、これは艦の長距離兵器システムが脅威を無力化できなかったことを示唆している。アーレイ・バーク級駆逐艦USSグレイブリーは、Mk-15ファランクス近接武器システム(CISW)に頼り、艦から1マイル弱でミサイルを迎撃した。

海軍のいわゆる "最終防衛ライン "であることを考えれば、これは悪いことではない。しかしその一方で、交戦の正確な詳細がわからないため、他のシステムよりもファランクスを使用したことが意図的だったのかどうかは不明である。結局のところ、危機一髪だった。


窮余の一策


第二次世界大戦中、米海軍の水上艦船は艦首から艦尾まで、可能な限り多くの対空砲で覆われていた。戦時中の駆逐艦で基幹となったギアリング級駆逐艦は、6門の5インチ砲、12門の40ミリ砲、11門の20ミリ砲を装備していた。その目的は、空を鋼鉄の壁で覆い、日本の神風やその他の空中からの脅威が艦隊に近づくのを防ぐことだった。

 レーダーとオートメーションがすべてを変えた。レーダーのおかげで、コンピューターの頭脳を備えた1つの砲システムが複数標的を探知し、その距離、速度、方位を計算し、優先順位の高い脅威と正確に交戦できるようになった。これによって軍艦のスペースが大幅に削減され、1つの兵器で20以上の兵器を処理できるようになる。

 Mk-15ファランクスはM61A1ガトリング砲で、F-15イーグルやF-16ファイティング・ファルコン戦闘機に搭載されているのと同じ6連装砲で、Kuバンド・レーダーと高度なコンピュータ化された火器管制システムを組み合わせた。艦内の戦闘情報センターで武装が解除されると、空中の脅威を自動的にスキャンする。このシステムは完全に自動化されており、レーダーと弾道データの両方を組み合わせ、艦船に衝突する数秒前の脅威に正確に発射する必要があるため、人間が関与することはできない。十分な速さで反応できるのはコンピューターだけなのだ。

 ファランクスのレーダーが飛来するミサイルを検知し始めると、射程5.58マイルの最初の6発に優先順位をつけ始める。ファランクスは、2.27マイル(約8.6キロ)地点で、飛来するミサイルに20ミリ砲弾の雨を降らせながら自動交戦する。M61A1の発射速度は毎分4,500発で、タングステンまたは劣化ウラン弾を1,500発貯蔵しており、20秒間の発射に十分である。ファランクスは1回の交戦で約1~2秒間発射する。

 ファランクスが砲を旋回させて目標に向け、20ミリ砲弾の雨あられを放つと水兵はミサイルの襲来がわかる。


戦闘記録


USSスタークのファランクス近接武器システムは、イラクのミサイル攻撃を受けた時には作動しておらず、ミサイルの直撃を受けた。同艦は後に復帰した。

 1980年代半ばまでに、ファランクスはアメリカ艦隊のほとんどの艦船に搭載され、NATO同盟国や日本の艦船にも搭載された。1987年、イラクのエグゾセット対艦巡航ミサイルがペルシャ湾でフリゲート艦USSスタークを攻撃した。フリゲート艦はミサイルを発射した航空機を探知していたが、乗組員はそれを脅威とは考えず、ファランクスを含む防御システムを作動させなかった。その数分後、2発のエクゾセミサイルがスタークに命中し、乗組員37人が死亡した。

 対艦ミサイルが最も内側のリングまで突破したのはこれが初めての事例だ。

 第一次湾岸戦争中の1991年、イラク軍は対艦ミサイル「シルクワーム」を米英海軍の軍艦編隊に向け発射した。戦艦USSミズーリは、ミサイルのレーダーシーカーを欺き、標的の戦艦であると思わせるように設計されたアルミ箔の短冊であるチャフを配備した。フリゲート艦USSジャレットのファランクスは自動的にロックオンし、ミサイルは代わりにチャフと交戦した。

 ファランクスによる最初の実際の撃墜は1996年に行われたが、計画通りにはいかなかった。海上自衛隊の駆逐艦「ゆうぎり」が防空砲の練習中、レーダー反射目標を曳航していた米海軍のA-6イントルーダー爆撃機と誤って交戦し、A-6は撃墜されたが、乗員は無事回収された。

 ファランクスが敵兵器を撃墜するまで40年以上かかった。それは良いことだ。典型的なアメリカ海軍の艦船には、3つ以上の防御リング(それぞれが艦船に近い)があり、入ってくる脅威はそこを通過しなければならない。外側のリングは、SM-2とSM-6防空ミサイルを備えたイージス戦闘システムだ。次の内側のリングは進化したシースパローで、場合によっては5インチ砲システムも使う。ファランクス、SEWIPのジャミング・コンポーネント、ヌルカ・デコイ・システムが最も内側のリングを形成する。対艦ミサイルが最も内側のリングまで貫通したのは今回が初めてである。


結語

USSグレイブリー事案で何が起こったのかは明らかではない。対艦ミサイルを狙った複数のミサイルが外れたのか?ファランクスだけが阻止できるまで探知できなかったのか?それとも、まったく別のことが起こったのか?いずれにせよ、ファランクスが本来の仕事をこなせることが判明した。

 ファランクスを頼りにしている人々にとっては、安心材料になるに違いない。■



The Navy's Missile-Killing Gatling Gun Is a Weapon of Last Resort—And It Just Made Its First Score

BY KYLE MIZOKAMI

PUBLISHED: FEB 7, 2024




2018年3月8日木曜日

日本向けCIWS高性能化改修キット販売を国務省が認証

以下は国防安全保障協力庁による公式発表のご紹介なのでいつものジャーナリスティックな表現ではなく官報的に硬いものになっています。ご了承ください。ファランクスを搭載した自衛艦での装備合計が24基あるのでしょうか。詳しい方ご教示ください。

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Japan – MK 15 Phalanx Close-in Weapon System (CIWS) Block IB Baseline 2 Conversion Kits  日本関連-MK 15CIWSブロックIBベイスライン2変換キット



WASHINGTON, Mar. 02, 2018 -
米国務省は海外軍事販売制度による日本向けMK15ファランクス近接兵器システム(CIWS)bロックIBベイスライン1のMK15ファランクスブロックIBベイスライン2変換キットを推定価格45百万ドルで売却する案件を承認した。国防安全保障協力庁は本日同案件の関連書類を議会に提出した。
日本政府は合計24基のMK15ファランクス近接兵器システム(CIWS)ブロックIBベイスライン1のMk15ファランクスブロックIBベイスライン2変換キットの購入を要請している。あわせて支援機材、予備部品、技術文献、ソフトウエア他関連支援、補給サービスも含め総額45百万ドルだ。
今回の売却で米国の外交政策及び安全保障の上で主要同盟国の安全が高まり、これまでと同様に今後も政治的安定と経済繁栄の裏付けとなる。
今回の販売で日本の防衛能力も向上する。日本は高性能化した同装備で域内脅威に対する抑止力の一環とし本土防衛も強化できる。
今回の売却対象の装備・支援体制で域内軍事バランスに変化は生じない。
主契約企業はレイセオンミサイルシステムズ(アリゾナ州ツーソン)。また今回の販売提案で相殺合意がないことが判明している。
今回提案の売却案件を実施した場合、米政府の追加要員あるいは契約企業の代表が日本に常駐することはない。
また今回提案の販売で米国防即応態勢に悪影響はあ出ない
本通告は法の求めによって行っており、実際に販売が成約し他ことを意味するものではない。

今回の海外軍事販売制度適用の案件についての疑義はすべて国務省の政治軍事問題局内議会社会連絡室pm-cpa@state.govあてにお願いしたい。■