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2019年1月25日金曜日

これが無人自律型舟艇による海軍作戦の原点になるのか 米海軍が新技術をテスト中

Navy to Test "Ghost Fleet" Attack Drone Boats in War Scenarios 米海軍は「ゴーストフリート」攻撃無人ボート集団を演習でテストする


Textron

海軍は相互接続した小型攻撃無人舟艇多数を模擬戦に投入し指揮統制技術を磨き将来の「ゴーストフリート」自律型ネットワーク水上舟艇による戦闘に備える。

海軍研究本部(ONR)と海軍水上システムズム本部が開発した「ゴーストフリート」構想は監視、対応、制圧、攻撃を無人装備で統合しておこない人員は安全な距離をとった母船内にで安全なままでいられる。

小型舟艇各種の中で無人水上艇USVと呼ばれるものは海上ISRミッションを行い、機雷を探知破壊し、電子戦のほか搭載機銃で各種攻撃も加える。高性能コンピューターアルゴリズムを活用し自律性をこれまで以上に引き上げて水上戦に対応させ、各艇は情報交換しながら相互に衝突することなく協調した形で攻撃ができる。

「ゴーストフリートで指揮統制や通信面に効果がでます。今回の実証でUSVの運用で知見を得られます」と無人海洋装備・無人小型水上戦闘艇事業主幹ピート・スモール大佐はWarrior Mavenに語ってくれた。

通信技術、ネットワーク技術が急速に進展する中、無人装備による各種の任務が可能となっており、陸海空、さらに水中で実現している。制御卓にすわる人員は低帯域通信で指揮統制し、操縦の必要はない。

海軍とONRは各種USVの開発を初めており、ソナー装備の機雷対応無人感知掃討装備UISSを沿海域戦闘艦(LCS)等に搭載するのもその一つだ。UISSはテキストロン開発の共通無人水上艦 CUSVで搬送可能だ。

CUSV開発は2009年から始まり、4千ポンドを搭載し最大20ノットで連続20時間移動できると製造元のテキストロンは説明。また最大波高20フィートまで対応可能と同社は説明。

同様に大量の無人飛行装備を運用する技術があり、敵水上艦を発見し情報を他の無人舟艇あるいは水中無人艇に伝える。すべては戦闘状況で作動する設計で人員の関与は最低限あるいは皆無だ。

アルゴリズムによる自律海洋航法技術によりUSVは「知覚」し周囲状況に対応して移動できるようになったと海軍研究本部は説明している。小型ハイテク自律装備は無人水上艇と一体運用できる。

USVはセンサーで脅威対象データベースとつながり、その他装備とも接続し「敵味方不明の」対象を探知、追跡、追尾する能力が実現するとONRは説明。

DoD研究陣の説明では生物学をもとにした群をなして運用する技術の研究が必要だという。ペンタゴン技術部門は「鳥の大群」や「蜂の群れ」がぶつからずに迅速移動できる理由を研究している。名付けて「バイオメメティクス“Bio-Memetics”(生体間の情報交換)」のこの研究には鳥や蜂の行動から無人装備の大量運用に必要な新しいアルゴリズムを編み出すねらいもある。

ただし海軍戦略立案部門は人員があくまでも火器運用、指揮統制や戦闘艦の決定事項で関与していくと強調する。

無人水上艦で兵装を搭載したものはまだ運用していないが、業界と海軍はともに火砲、レーザー、迎撃手段やミサイルと水上無人装備の統合をめざしている。現在のペンタゴンでは威力ある攻撃効果のためには人員が必ず「関与し」決定を下す必要があるとしており、自律性で進展があってもこれは変わらない。

デイヴィッド・コフマン少将(海軍遠征部隊戦闘部長)は対機雷戦が今の所一番の課題と強調する。少将は水上海軍部隊協会シンポジウムで講演し無人ネットワーク小舟艇により海兵隊上陸作戦は機雷敷設などのリスクを事前に排除できると説明。

「ロシアや中国が浅海域に10万個も機雷敷設しても対処の能力がこちらに不足している」と述べた。

機雷の脅威といっても多様であり、探知発見は簡単でない。一部はいわゆる「海底機雷」であるいは浅海域に敷設した機雷は水上艦や潜水艦から簡単に起爆できる。ただし係留式の機雷が大深度で見つかることがあるが深海域で敵艦を狙う意図があるとの指摘がある。

こうした深海機雷への認識が低いがコフマンは新たな懸念材料としてこれまでの浅海域機雷同様の脅威だとする。例えば南シナ海周辺とかホルムズ海峡での設置が考えられ、特に後者ではイランによる活動が懸念され小舟艇による襲撃や機雷攻撃を想定している。イランとの緊張が高まるとイランは戦略上の急所となる同海峡を封鎖する動きに出るとの見方が強い。

機雷を探知、処理するには

機雷対策無人水上舟艇(MCM USV)の開発に海軍水上システムズ本部が取り組んでおり、将来LCSと共同しての対応が期待される。

このMCM USVには機雷探知に投入される無人感知掃討装備を超えた技術水準が必要となる。海軍はMCM USVにUSVから攻撃能力を流用する考えで、機雷の無力化が目的である。

高性能ソナー機雷探知のためAQS-20 や AQS-24のUSVへの搭載を進める一方で無力化技術の模索が続いているという。

最新の対機雷戦略とは

機雷処理が緊急性を増しているのは安価な機雷が普及しており敵対勢力がこれを利用する可能性が高いために他ならない。これについて2001年に国家研究協議会と海軍研究委員会が論文「海軍機雷戦、海軍部隊にとっての作戦戦術面の課題」を発表していた。

そこで米海軍が対策を進めているが、出発点は湾岸戦争であった。中規模機雷を多数供給しているのはロシアであり50数か国が機雷運用能力を有している。

興味深いのはほぼ二十年前に書かれた「海軍機雷戦」論文がもとになり現在の海軍が対機雷戦の技術開発に取り組んでいることで、海軍は分散型運用に重点を置き、同論文の主張を実現しているのだ。

「将来においては水上艦、潜水艦が広く分散し戦域内で敵勢力の近接距離内で攻撃、火器支援、防空などをこなす必要が生まれるはずだ。艦艇は敵の各種脅威に対して自艦で防御の必要があり、機雷も当然そこに含まれる」と論文は述べていた。■

Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has a Masters in Comparative Literature from Columbia University.

コメント 最近良く出てくるswarmがうまく訳出できません。イメージは昆虫の群、鳥の群といったところですが。まだ辞書にも乗っていない言葉ですので当面は試行錯誤ですね。日本が得意な対機雷戦ですが大きく様相を変えそうですね

2016年5月29日日曜日

★有人戦闘機が無人機多数を運用する日がやってくる----AIと自律運航の技術開発の動向




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Air Force Fighter Jets Will Control Drones

KRIS OSBORN
Friday at 5:14 AM

無人機多数が戦闘機と一緒に飛行して偵察、武器輸送、電子戦、目標補足で支援を提供する日が来そうだ。
  1. 米空軍科学主任によればF-35パイロットが無人機編隊を統制し、機体の周りを飛行させながら敵探知、偵察、目標捕捉を行わせるようになる。
  2. 現時点では無人機の飛行経路、センサー操作、兵装放出は地上で操作しているが、将来は戦闘機のコックピットで無人機の制御が可能になるとグレッグ・ザカリアス博士がScout Warriorの取材で述べている。
  3. 「自律性と人工知能で無人機の価値もあがります」という。
  4. 実現すればミッション概念、柔軟性、効果が大幅に引き上げられ、ジェット戦闘機のミッションで兵装、センサー、目標捕捉技術が今より多く利用可能になるとザカリアスは述べる。
  5. 例えばプレデター、リーパー、グローバルホークの各無人機が送るリアルタイム画像がF-35のコックピットで見られれば戦闘機パイロットは目標捕捉や戦術データ処理を迅速に行える。変化が速い戦場環境で処理が早くなれば大きな差が生まれる。
  6. 「現場からは『ミサイルをもっと多く搭載しないと防衛網を突破できない。EW対抗措置のペイロード余裕がない』との声は必至でしょう」とザカリアス博士は述べ、「高出力マイクロウェーブ技術はゆくゆく専用機材を必要とするはず。問題はパイロットへの過重な負担をどう回避するかです」
  7. 敵の防衛線やハイリスク地帯で無人機を先行させれば防空体制があらかじめ把握できパイロットの負担を減らせる。
  8. 「決定支援機能がコックピット・地上双方で使えるほか自律運航のシステムが利用可能になります。例えばウィングマンとして兵装を搭載するとか、ISRを実施するとか、あるいは局地防衛が可能になるでしょう」
  9. コンピュータ技術の向上で「人工知能」が実施できる任務内容が急速に変貌している。なかでもザカリアス博士が「意思決定支援」と呼ぶ分野で変化が大きい。これは情報の解釈、整理、解析、通信でマシンが大きな役割を果たすことで、人員は個別タスクすべてを担当する必要がなくなる。
  10. この技術の初期段階がF-35のコックピットで「センサー融合」の名称で取り入れられている。こレはエイビオニクス技術と機内コンピュータにより瞬時に各種センサーの情報を統合してパイロットに表示するもので、パイロットは多数の画面を逐次眺める必要がなくなる。
  11. さらに技術進歩でパイロットが無人機編隊を制御し各種任務を実施させることが可能となるはずだ。センサー操作、目標捕捉、兵器輸送や電子戦機能が想定される。
  12. 現時点では無人機一機の操縦には複数の人員が必要だが新型アルゴリズムによる無人機自律運用ではこの数字は大きく変わるだろう。ザカリアス博士は近い将来に一人で10機あるいは100機の無人機を運用する可能性を説明してくれた。
  13. アルゴリズムの進歩でプレデターやリーパーが戦闘機と編隊飛行し、地上からの指示管制が不要になる日が来るという。
  14. 地上装備では想定外の事態進展や移動目標に対応した迅速な修正がアルゴリズムで不可欠だが、飛行誘導アルゴリズムの構造は単純で実現は十分可能性がある。無人機に設定済みの地点「ウェイポイント」を経由しての飛行をプログラムするのは十分可能だ。
  15. だが空でも予想外の事態、障害物の発生や戦闘状況は簡単に変化するとザカリアス博士は言う。
  16. 「一番難易度が高いのは地上のロボット装置です。これは本当に厳しい。これに対して空は基本的に解決策が見つかっている環境と言えます。問題は脅威がこちらに向かってくる時にどう対応するかです」
  17. そのため、科学陣は自律性をさらに高めた無人機によりレーダーを欺瞞し、脅威対象を探知し、目標捕捉を迅速に独自に行うなどが可能になるプログラムの実現に向けて努力を重ねている。
  18. 「単なる誘導制御の域を超えた戦術実行を目指します」とザカリアス博士は述べた。
  19. 演習やシミュレーションを通じ空軍は自律運用技術を高度化しようとしている。
  20. 「多様な帯域を使ってリアルタイムでビデオ画像を送っています。搭載するプロセッサーのスマート化で学習を積み重ね、大きな効果を発揮します。
  21. 例えばコンピュータ技術、自律運航、人工知能の発展で無人機は特定地点の上空で特定の目標を特定の時間で捕捉することが人の手を借りずに可能になるだろうとザカリアス博士は言う。
  22. 「画像処理、パターン認識技術で目標を探知し信号を送ればそれで終わりです。『30秒前に何か見つけたからビデオを見てくれ、今から送る』なんていわなくてもいいわけですよ」
  23. 米陸軍はヘリコプターで有人無人機材の一体運用に成功しており、アパッチ、カイオワの乗員がUASの飛行経路やセンサーを操作している。陸軍によればこの方式はアフガニスタンで効果を発揮しているという。
  24. 空軍上層部によれば新型爆撃機となる長距離打撃爆撃機LRS-Bは有人操縦、無人操縦の双方に対応する機体になる。
  25. 海軍長官レイ・メイバスは海軍仕様のF-35Cは最後の有人戦闘機になると発言し、自律飛行とアルゴリズムの発展を理由としている。空軍から同様の発言はまだ出ていないが、空軍がこの分野に関心を有しているのは明らかだ。また2013年9月に空軍はボーイングとともに無人のF-16ファルコンの超音速飛行にティンダル空軍基地(フロリダ)で成功している。離陸、飛行、着陸を全部無人で行っている。■